IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第十二話~IS学園の教員現る!~

さてさて、『日本政府のクズ共をぶちのめせ事件』から暫く経ち、今は2月の末。

冬の寒さが徐々になりを潜め、春の暖かさを感じたくなりつつあるこの時期、俺、桜花、氷華の3人は、何時ものように、家で寛いでいた。

 

あの事件が効いたのか、俺達をモルモットにしようとするような奴等は来なくなった。

だがまあ、来なくなる代わりに手紙が殺到し始めたがな。

日本政府や外国の政府、はたまたどっかの研究施設や企業から、やれ『生体実験させろ』やら、『研究施設の被験体になれ』や、『バイクを引き渡して調査させろ』とかだ。腹立たしいったらないぜ。因みに、そういった手紙は全て燃やしてやった。

 

ああ、それから余談だが、俺達をモルモットにしようしやがった、あのクズ共についてだが、主任さんが本当に、社会的抹殺しちゃったよ。

まあ、人権無視や暴行とかもしたからな。まあ、俺が全員撃滅しちまったけどな(笑)。

 

主任さん曰く、先ずは荒れ果てた解体所の破損した部分における修理費や、解体所の外で壊れた部分における修理費を全額負担させた上に、俺のバイクを公認とし、バイク税や保険料等は、全てクズ共の給料や保険料から出させるんだとさ。

実質、俺がバイクについて払わなきゃならんのは、主にガソリン代しか無いって訳だ。

 

 

まあ、そうなった経緯を簡単に説明すると、クズ共が回収されてから二日後、今度は若い女性が15人の男引き連れてやって来やがったんだ。それを見た桜花が、あの時の事を思い出して怯えだしたので、また薙ぎ払ってやろうとした時に、その役人全員が一斉に土下座したのさ。

話を聞くと、マジで俺達をモルモットにするなんて命令は出されておらず、詰まる所あのクズ共は、自分達の利益のために動いてたって事なんだそうだ。

それを聞いた氷華がブチギレして、『あのクズ共を探しだして皆殺しにして来る』なんて言い出した時にはマジで焦ったぜ。

 

んで、主任さんが前に出て、『許す代わりに条件を飲め』と、半ば脅す形で言い、今に至るって訳だ。

いやはや、ブチギレした氷華や主任さん、滅茶苦茶怖かったぜ。

 

 

「……………まあ、そんなこともあって、今の生活があるって訳だな」

「ええ。まあ、代わりに利益に飢えたハイエナ共からの手紙が、毎日毎日鬱陶しくやって来るんだけどね。主、あの時の虐殺シーンはビデオに録って、あらゆる動画サイトに流しとくべきだったんじゃないの?少なくとも見せしめにはなるわよ?『こうなりたくなければ、余計な手出しはするな』って感じに」

 

と、氷華は何の戸惑いもなく、恐ろしいことを口にする。

それにしても氷華、相変わらず怖いことを平然と言うようになったな。何時かコイツに殺されるヤツが出てこないかと、毎回心配になるぜ。

 

「まあ、そんなことして主がお縄になったら、本末転倒だけどね」

「当たり前だ。この歳で牢屋行きとか真っ平御免だね」

 

俺はそう言って、テーブルに置いてあるジュースを飲む。あ~、美味い!炭酸は美味い!

 

「ですがマスター、どの道に転んでも、IS学園がマスターに目を付けるのは確実ですよ?」

不意に放たれた桜花の一言が、俺に辛い現実を突きつけた。

そう、何だかんだ言っても俺は、《世界で三番目の男性適合者》だ。あの元・愚弟共が放り込まれたんだから、必然的に、俺にも飛び火してくるだろうよ。

全く、迷惑甚だしいぜ。つくづく彼奴等は、人を巻き込むのが好きだよな畜生。

 

「まあ、たとえ入学させようとして、此方に来たとしてもだ。恐らく拒否権は認められねえだろうな」

「そうでしょうね。恐らく、身柄を保護するためだとか、そういった上手い文句を揃えて言い寄ってくるかと思われます」

「それに、主は1度も動かしたことがないとは言え、《ゴールドウィング》というISを持っている。即ち専用機持ち。データを調べさせろとかも言われるでしょうね。はあ~あ、桜花は一応、篠ノ之束によって造られたISのコア人格である訳だけど、破棄されて、それから自己進化を経て今に至るんだから、自由にさせろって話よね、全く。私だって支援型AIだとか言ってるけど、バイクとしてのゴールドウィングの魂である訳だし」

 

そう言うと、氷華は皿に置かれていたビスケットを頬張る。桜花に至っては、何時もの和服姿でお茶を啜っている。

そうしていると、電話が鳴った。電話を入れてきたのは主任さんだった。

「どうかしたんですか?」

 

受話器を取った俺は、主任さんに訪ねる。すると、主任さんは言いにくそうに言った。

 

『ああ、狂夜君かい?いや、実はね、解体所の門の前に、二人の女性が居るんだよ。見てごらん』

「え?…………ああハイ、確かに居ますね。政府のクズ共の仲間ですかね?」

『いや、IS学園の教員だよ。帰りしなに偶然会ってね、解体所は何処だって聞かれたんだよ。うっかり教えちゃったけど』

「何してくれてんスか!」

 

俺は受話器越しに大声でツッコミを入れた。いや、もうマジで何てことしてくれてんの主任さん!

 

『ま、まあまあ、ゴメンってば。それに、これ以上隠れて生きるのも無理があるかなって思ってたからさ、丁度良いんじゃないかな?』

「アンタうっかりして場所教えちゃったんだろ!」

『だ、だから悪かったって思ってるんだよぉ…………』

 

主任さんが苦笑いしながら謝る。はあ~あ、グッバイ、我が平穏な生活。

 

『まあ、取り敢えず話ぐらいは聞いてあげなよ。んじゃね~』

「あ、ちょっと主任さん!?…………畜生、電話切りやがった」

 

俺は受話器を置き、悪態をつく。後始末は任せるってか?そりゃないぜ主任さん。

 

「マスター、如何なさいますか?」

 

俺の様子から全てを悟ったのであろう桜花が、心配そうに聞いてくる。氷華も、口にこそしないものの、心配そうな表情を向けてくる。

あー、今マジで二人に泣きつきたい気分だぜ。

俺はそう思いつつ、立ち上がると言った。

 

「この際仕方ねえ、俺が何とかしてくる。追い返せたら万々歳だが、恐らくそれは無理だろうな。まあ、その教員が、俺が信じられるような人間であるかどうかで決めるさ」

 

俺は二人に言うと、外に出て門に近づき、覗き穴から外の様子を窺う。

 

「(主任さんの言った通り、数は二人。見たところは丸腰だが、取り敢えず警戒するに越したことはねえな…………)」

 

俺はそう考えながら、門を開いた。そして、二人の女性を視界に捉える。

 

 

一人は、俺より少し背が低い程度の身長で、青と言うか、水色と言うか、兎に角そんな感じの色をした、ロングヘアの髪をして、新任教師が着るような黒い服を着た女性だった。

もう一人は、その女性よりもまた小柄で、見覚えのある女性だった。

緑色のショートヘアに、矢鱈とデカイ眼鏡をかけ、黄色のワンピースを着た、傍から見れば中学生にも見える感じの女性だった。

 

それに、緑色のショートヘアの女性だが、俺を見た瞬間に表情がパアッと晴れたんだが、はて、どっかで会ったかな?

 

「黄昏狂夜君だね?私は今年度から、IS学園の教員をする、上白沢 慧音(かみしらさわ けいね)。そして此方が、同じくIS学園の教員、山田 真耶(やまだ まや)だ。少し話をしたいんだが、良いかな?」

「あ、ハイ。良いですよ」

 

俺はそう答え、二人を解体所の中に招き入れ、我が家へと案内した。

 

さてさて、この先どうなることやら。

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