IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第十五話~模擬戦相手は元代表候補生って、マジッスか!?~

さて、IS学園に到着した俺達は、上白沢先生と山田先生に案内され、授業でのIS実習や、ISを用いて行われる様々な行事で使うと言うアリーナに来ていた。

いや、厳密に言えば、アリーナに出るためのカタパルト前と言った方が適切かな。

「さて、これから実技試験を行う訳だが、その前にやることがある。先ずは黄昏君、更衣室でコレに着替えてくれ」

 

そう言って、上白沢先生は何やらスーツらしき物を渡してきた。

「ISスーツだ、肌の上から着るようにしてくれ。着替えたら、また此処に戻ってくるんだぞ?試験で使うISを選ばなければならないからな」

「はあ、了解です」

 

俺は分からんままに返事を返した。俺は更衣室に向かい、桜花と氷華は山田先生に連れられて、アリーナの観客席へと移動していった。

 

 

 

「…………さて、こんな感じで良いかな」

 

ISスーツに着替え終わった俺は、更衣室にある鏡を見ながら呟いた。

俺が着ているISスーツは、上と下の二つに分かれており、上の方は半袖で、俺の腹辺りまでの長さでへそが見える程度しかなく、下の方は、踝辺りまでの長さがあるズボン的な感じだ。

 

そして俺は、更衣室を出た。

 

 

「上白沢先生、着替え終わりましたよ」

「ああ、そうか。では、格納庫に向かうとしよう。ついてきなさい」

「は~い」

 

先に歩き出した上白沢先生に続き、俺も歩き出した。

 

 

 

 

 

「では、どのISを使うか、選んで良いぞ」

「そう言われても、何れもコレも同じような感じなんですがね」

 

さて、格納庫に着いた俺は、上白沢先生に言われ、試験で使用するISを選ぶことになった。

俺から見て左側に打鉄、右にラファール・リヴァイヴがズラリと並んでいる。

 

武装の多さで攻めるならラファール・リヴァイヴだが、打鉄も捨てがたい。どうしたモンかねえ………

 

そう思いながら、俺はズラリと並ぶ打鉄とラファール・リヴァイヴの間を歩いて、それぞれを見ていた。

 

「ま、打鉄にするにしろ、ラファール・リヴァイヴにするにしろ、積める武装の多い少ないぐらいしか違わねえなら、コイツに……………ん?」

 

適当にラファール・リヴァイヴにしようとしたが、視界がチラリと、光る何かを捉え、俺はラファール・リヴァイヴを指そうとした指の動きを止め、奥に向かって歩き出した。

少し歩くと、其所は行き止まり。丁度、何かが光ったのもこの辺りだ。

そして俺は、ゆっくりと顔を左へ向ける。其所には……………

 

「…………コレ、あの時の打鉄じゃねえか。まさか、変わらない姿で置かれてるとはな」

 

俺が適性検査を受けた時に触れた、俺のIS学園行きを決定付けたIS、打鉄が鎮座していた。それも、初めて見た時とは変わらず、装甲の一部にヒビが入った状態で。

 

「何だ何だ?この学園って整備班もねえのか?奥にこんなボロボロのISがあるってのに、相変わらずほったらかしなんて……………お前もつくづくツイてねえな」

 

俺はそう呟き、あの適性検査の時のように、打鉄の装甲を撫でた。

そう、あの時のように……………

 

 

『やっと見つけた…………私の、私の主に相応しい人を…………!』

 

いきなり声が聞こえたかと思ったら、打鉄が勝手に動き出し、両手を広げて近づいてくる。

右へ行こうとしても行き止まり、後ろを向けばリヴァイヴ、左を向けば逃げられるが、何故か逃げる気が起きない。

そうしてるうちに、打鉄はどんどん近づいてきて、両手が俺の頬に触れる。

次の瞬間、打鉄が光り出し、俺は目を固く瞑った。

 

「ん~、一体何がどうなって…………ん?」

 

ゆっくり目を開けると、俺の目の位置が普段より高くなっていることに気づく。

両手を見ると、打鉄の手が視界に映る。肩を守るように浮く、一部がひび割れた非固定浮遊部位《アンロックユニット》の装甲、間違いない、打鉄だ。

 

「あの時と同じだな」

 

体全体を見た俺は、溜め息混じりに呟いた。

 

「黄昏君、何かあったのか?」

 

そう言いながら、上白沢先生が近づいてきた。俺は、打鉄がいきなり動き出したことを伝えた。

 

「ほう、つまりは、打鉄が独りでに動き出して展開された、と?」

「まあ、そうなりますね」

 

確認するように聞いてくる先生に、俺は淡々と答えた。

 

「まあ、非固定浮遊部位の装甲がひび割れているが、その辺りは予備パーツで組めば問題はないな。では黄昏君、打鉄を纏ってついてきなさい」

 

そう言って歩き出した上白沢先生に続き、俺も打鉄を纏ったまま歩き出した。

 

 

 

 

「…………で、どうするんですか?コレ」

「な、なんだ…………すまない」

 

さて、上白沢先生に連れられて、格納庫から出た俺は、ISの整備室なる所に来たんだが、打鉄の非固定浮遊部位の予備パーツが品切状態になっていたのだ。

おまけに、打鉄を解除して別の訓練機にしようとしても、打鉄がそれを拒んでいるかのように解除されず、結局のところ、俺は一部がボロボロになったISで試験に臨まなければならなくなったという訳だ。

 

そんな訳で、俺は今、カタパルト付近で待機している。試験監督がアリーナに出てくるのを待っているのだ。因みに、打鉄の武装の用意は既に終わらせており、俺は近接ブレード『葵』一本と、アサルトライフル『焔備』で挑むことになった。

 

「さて、今回の君の対戦相手だが…………」

 

打鉄を纏ったまま、軽く準備運動していた俺に、上白沢先生が近づいてくると、俺の対戦相手について話し始めた。

 

「対戦相手は山田先生だ。彼女は普段はアワアワしているからウチの生徒からはナメられているが、あれでも元日本代表候補生だ。それも、当時の代表候補生の中でも指折りに入るぐらいのな」

 

マジかよ、俺にIS学園に入学するように言いに来た時は滅茶苦茶オドオドしてたからなあ、そんな人が元日本代表候補生で、指折りに入るぐらいの実力者だったとは……………俺、試合終わる頃に死んだりしねえよな?

「ああ、因にだが、今年度の実技試験の試験監督は彼女だ」

「マジッスか。てか、そんな人が試験監督なら新入生全員負けたんじゃ?」

 

そう訪ねると、上白沢先生は首を横に振った。

 

「いや、そうでもないぞ?現に、入試では一人、彼女に勝っているからな。まあ、試験だから山田先生も少し手を抜いているがな」

 

それでも殆どの生徒に勝ってたんですね( ̄▽ ̄;)

 

 

そうこうしてるうちに、山田先生がアリーナに出てきた。

 

「山田先生の使用ISはラファール・リヴァイヴか……………結構武器積んでるんだろうなあ………」「ああ、油断するなよ?」

「しませんよ」

 

そして俺は、カタパルトに打鉄の足を乗せた。

 

「では黄昏君、武運を祈る」

「了解です!では黄昏狂夜、派手に暴れてくるぜ!」

 

そうして俺は、勢いよくアリーナへと飛び出した。

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