IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第十八話~お昼ご飯と入学~

「着きましたよ、この店です!」

 

イタリア料理店、『アンツィオ』の前に着くと、先頭に立って歩いていた山田先生は振り返り、左腕を大きく振り、アンツィオへと左手の指を向けた。

まるで、自慢気に何かを見せる子供みたいだ。

 

「さあさあ、入りましょう!」

 

山田先生は、子供のようにアンツィオの扉へと向かう。

そこまで気に入ってるのだろうか?つか、山田先生はアンツィオの常連なのか?それとも、前から行きたかっただけなのか?

そう思いながら、俺達は山田先生に続いた。

 

「いらっしゃい!5人だね!」

 

店に入ると、料理服を着た同い年ぐらいの女の子が居た。バットのようにフライパンを担いでいるのを見る限り、男勝りな性格なんだろうな。

 

「お?誰かと思えばIS学園の先生じゃん!ウチで昼飯食うの?」

「ええ。禁煙席でお願いします」

「あいよ!このペパロニに任せときな!」

 

そう言って、ペパロニさんは豪快に笑いながら歩き出す。幸運にも、客は俺達しか居ないようだ。

「ん?そういやだけど、そっちのニーチャンは?」

「あ、黄昏狂夜です」

 

ピシィッ!という擬音語が似合うほどの反応をしながら、ペパロニさんは動きを止めた。

 

「え………………マジで?」

「おー」

 

俺はズボンのポケットから免許証を取り出し、ペパロニさんに見せる。

 

「本物キター!スッゲ!マジヤベエ!」

 

ペパロニさんは俺が本物だと知るや、おおはしゃぎし始めた。

 

「こらペパロニ、お客さんが居る前で何をしているんだ」

 

すると、厨房からまた、同い年ぐらいの女の子が出てきた。

黄緑色に近い緑色で、ツインテールの髪を縦ロールにした髪型をしている。

 

「今はそれどころじゃないんスよアンチョビ姐さん!なんと、3番目の男性適合者、黄昏狂夜がウチの店に来たんスからね!」

「なんだと!?それは一大事だ!」

 

まさにミイラ取りがミイラだ。アンチョビと呼ばれた女の子でさえはしゃぎ始め、俺は二人からの質問攻めを喰らった。

 

 

 

その後、騒ぎを聞きつけてきたアンツィオのオーナーさんが出てきて、二人を落ち着かせてくれた。

それから俺達は、ペパロニさんの得意料理だという鉄板ナポリタンをいただいた。

その後、俺と二人は仲良くなり、何故かペパロニから兄貴と呼ばれるようになった。

 

 

それから3にんで色々と話したんだが、アンツィオに入った時のペパロニの反応で予想していてはいたが、二人もIS学園に入学するらしい。

その後、マニュアルや参考書の話で盛り上がったのは余談である。

 

 

 

 

 

 

さて、月日は流れて4月、IS学園の入学式が行われた。俺は1年3組となり、アンチョビやペパロニも同じクラスとなった。

 

ああ、それと余談だが、専用機、ゴールドウィングの待機形態はヘッドフォンになった。

アンツィオでの昼食を終え、先生達と別れて解体所に戻ってから、桜花と待機形態についての話をした。それから色々と話し合った末、前から保管してあった、古ぼけたヘッドフォンに決まり、なんやかんやでそれが待機形態になったのだ。

 

はたまた、打鉄のコア人格とも顔合わせをした。名は葛城(かつらぎ)というらしい。

まあ、それから桜花と氷華に葛城の事を話し、一悶着あった訳だが、話し合いでなんとか解決したよ。

そして今、俺は1年3組の教室に居る。位置は教室中央の一番前。これを知ってから教室に着くまでorz状態になった俺を誰が責められようか。

あ、因にだが桜花達については、この教室に居る生徒の中では俺とアンチョビ、ペパロニの3人しか居ない。後は、上白沢先生と山田先生、それから理事長だけだな。

 

そして今、俺は教室の生徒からの視線の嵐の中、アンチョビやペパロニと話していた。

あ、入学式の時だが、十蔵理事長は表向きは用務員として働いている設定であるため、式辞では十蔵理事長の奥さんが式辞をしていたよ。

 

暫く話していると、教室のドアがスライドし、我がクラスの担任が現れた。

 

「さあ、席に着きなさい。最初のホームルームを始めるぞ」

 

ほほう、担任は上白沢先生か。知ってる人だから安心できそうだ。

俺はそう思いながら、自分の席に戻った。

 

「えー、先ずは皆、入学おめでとう。私は上白沢慧音、このクラスの担任だ。皆知っての通り、この学園は全寮制だ。日本人だけでなく、世界中からやって来た生徒も居るから、仲良くするんだぞ」

 

なんか、小中学生の担任みたいだな。

 

「では、先ずは自己紹介からしようか。出席番号一番から順番にしてくれ」

 

そうして自己紹介が始まり、暫くすると俺の番になった。

 

「では黄昏君、頼むぞ」

 

そう言われ、俺は立ち上がると自己紹介をした。

 

「えー、黄昏狂夜だ。ISを動かせるのが分かったのは結構前からで、その事を隠していたんだが、織斑兄弟がISを動かしたことによって行われた適性検査に引っ掛かり、この学園に入学する流れとなった。趣味は主に機械弄りだ。何か質問はあるか?」

 

試しに聞いてみるが、誰一人として手を挙げない。

まあ、そうなるわな。後から質問されるなら答えるって感じで良いか。

 

「えー、そんな訳で、自己紹介は終わる。1年間、よろしく頼む」

 

最後に礼をして、俺は席に着いた。

それから、自己紹介は滞りなく進んだ。

 

ペパロニの本名は聞き取れなかったが、アンチョビの本名は安斎 千代美(あんざい ちよみ)というんだそうだ。

 

 

 

 

 

さて、時間は流れて今は休み時間。廊下には、多数の女子生徒が詰め掛けてきていた。

微妙に怖いな、アレ。

 

「ホラ、あの子よ!3番目の男子!」

「何か普通って言うか、中性的って言うか、微妙だね」

「てか、あのヘッドフォン何?ボロくさ」

「もしかして、貧乏な家の育ち?」

「どっちかと言えば、やっぱ織斑君かな」

「確かにね~」

 

オイコラ、誰だよヘッドフォンをボロくさいとか言いやがった奴は?後最後から三番目、一応貧乏ではないけど家が家だからその話題は止めてくれ。

 

 

「何か、兄貴の評価はイマイチだなあ」

 

俺の席にやって来て、机に頬杖をつき、横目で廊下の女子を見ながら、ペパロニは呟いた。

 

「まあ、今時の女子はイケメンを好むからな。狂夜も顔が悪い訳ではないが、織斑達の方がイケメンなんだろう」

 

そう言って、俺の机の隣で腕を組んで立っているアンチョビは溜め息をついた。

 

「ヤレヤレ、これも女尊男卑の影響か?流石にあんなデリカシーの無いような発言は慎むべきだろうに。ISが出来てからは、あんな発言をする女子が多く居るからな」

「それに、その発言の対象が男子に絞られてっからタチが悪いや」

 

アンチョビに続き、ペパロニも溜め息混じりに言う。

アンチョビやペパロニの言う通り、今のご時世、『男は女の奴隷』だとか考えてやがる女が多い。

中には過激派もおり、女性権利団体なんていう、文字通りに『男を奴隷のようにこき使い、権力を振り回す』なんて言うくそったれた団体まである始末だ。

 

それに、そんな団体に対して、国や政府は何の対策もしない。たとえどんなに抗議しても、『ISを使えるのが女しか居ないから、女性優遇措置を取り入れたから仕方ない』とか言って逃げやがるだろう。

つーか、そもそもISの産みの親は何してやがる?そもそもISってのは、宇宙空間への進出を目的に開発したんだろうが。

それが今ではスポーツ用品だ兵器だに成り果てているんだぜ?何も思わねえのかよ?

……………………まあ、あんな女に期待しても無駄か。どうせ俺が言っても、知らんとか何だとか言って俺を拒否りやがるだろうしな。あの女、俺がまだ幼かった頃は良くしてくれていたが、小学生辺りからは無関心的な接し方になったし。

 

まあ、恐らくあの一家の人間に言わせりゃ、『平凡な才能しかない奴は要らない』っていうんだろう。

まあ、詰まる所、『お前にはコレと言った取り柄ねえんだから話し掛けてくんじゃねえよバーカ』ってヤツだろうな。

 

はあ~あ、平凡な男は辛いよ。

あ、それなりに力出したら俺、平凡な奴じゃねえや。この世界での生活に慣れて忘れそうになってたけど、一応俺、前世ではドイツ軍将校やってたし、イワンと並んで『第二次大戦の二本角』なんて呼ばれてたし。

 

「おーい、兄貴~?」

「ん?」

 

どうやら、考え事してる間に、ペパロニが話し掛けてきていたようだ。

 

「どうしたよ兄貴?考え事か?」

「ああ、まあ、そんな感じだな」

「取り敢えずペパロニ、話をしようとしている中で悪いが、そろそろ授業が始まるぞ」

「おっといけね。じゃあ兄貴、また来るぜ!」

「あいよ」

 

そして、ペパロニが席に着いたのを見送り、俺は机から教科書を出し、予習を始めた。

 

 

「(彼が、紫さんの言っていた3番目の男性………………取り敢えず、何らかで接触しておかないと…………)」

 

 

俺を見る視線が気になりながら。

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