IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第一話~転生先がありえねえ、つーかヒデエ~

よお、はじめましてだよな?俺はフェルディナンド・ポルシェ。どういう訳か、此処、ISこと、《インフィニット・ストラトス》の世界に転生してしまった、しがないドイツ軍将校だ。

 

さて、なんだかんだで無事に転生を成功させた俺だが、実は今、自分が置かれてる状況に戸惑っている。

何故なら、俺がこの世界の本来の主人公、織斑一夏の家系の長男として転生してしまったからだ。

まさに、転生先がありえねえ。

あ、因みに現在の家族構成は、

 

織斑千冬(姉)

織斑春馬(俺)

織斑一夏(弟で、織斑秋彦の双子の兄)

織斑秋彦(弟で、織斑一夏の双子の弟)

 

とまあ、こんな感じである。

 

まあ、そんなことはこの際置いといて、俺は今、14歳である。今年の4月、誕生日を迎えました。まあ、誰も祝ってくれないけどね。

 

あ、因みに今は9月です。

 

 

まあ、話を戻すが、その14年間は、お世辞にも良いものとは言えなかった。

小学校の何時辺りからは忘れたが、俺は、これまたどういう訳か、剣道を習わされる羽目になった。

 

姉である織斑千冬(以下、千冬姉さん)が、俺や一夏、秋彦を、姉さんが通う剣道場、篠ノ之道場に連れてきて、俺達に剣道を習うように勧めてきたのである。

 

千冬姉さん曰く、『剣道を習っていた方が後先役に立つ』だとさ。何の役に立つんだっつーの。

俺は当然拒否したが、すれば理由は何だと問い詰められる。俺としては興味ないし、どちらかと言えば体術を習いたいと言ったのだが、そう言うと、そこの道場の師範代の娘、篠ノ之 箒(しののの ほうき)が、『貴様も千冬さんの弟ならば、一夏や秋彦のように剣道を習え!』だそうだ。ワケ分からんわ。

 

結局、俺は剣道を習わされる羽目になった。

 

師範代さんや篠ノ之箒の母親も何も言いやしねえ。まあ、最初から期待してねえけどな。

 

それに、俺が剣道の試合で勝っても、千冬姉さんや篠ノ之道場の人は、『そんなの勝てて当たり前だ』としか言わなかった。因みに、負けたら説教喰らいました。解せぬ。

 

そんなわけで、俺は休日になったら『出来損ないの貴様を指導してやる!』とかで竹刀片手に追い回してくる篠ノ之箒や弟二人から逃げ、近くにある解体所、黒澤解体所に転がり込み、其所に放置されていた、一台の錆びだらけのバイク、ホンダ・ゴールドウィング1800SE(2006年型)を、その解体所の主任さんと一緒に修理したりしていた。

 

機械弄りが好きなのは前世譲りで、俺と主任さんは、俺が中学に入るまでの約3年間で、ゴールドウィングを修理し終えていた。

何故か、特別免許を取らせてくれたのは意外だったがな。

 

それから、どうやら俺のバイクには、ISのコアがあるようで、俺が特別免許取って帰った時、バイクの側で女の子が立っていたのだ。赤い和服に身を包み、長い黒髪に、猫耳と尻尾を生やした女の子だった。名は無いみたいなので、俺が桜花(おうか)と名付けた。

以来、俺が黒澤解体所に訪れる回数が増えたのは言うまでもないだろう。

 

 

さて、そんな話はコレぐらいにして、今俺は、家で夕飯の支度をしている。今日はカレーライスなり。あ、肉切らした。買ってこよ。

 

 

 

 

 

そして俺は今、行き付けである商店街に来ている。人目につかない場所にゴールドウィングを隠し、それから商店街を歩くのだが、皆して俺を邪魔者のように見る。明らかに態とらしく陰口を叩くガキも居た。

 

そんなウザったい視線に晒されながらも、俺は肉屋の前に来ていた。

 

「いらっしゃ…………お前かよ」

「牛肉500gください」

「ホラ、さっさと帰れ出来損ない。客足が遠退く」

 

言い過ぎだろうがジジイ、店ごと焼き尽くすぞ。

なんて内心毒づきながら、俺は袋に入った牛肉を持ち、そそくさと、ゴールドウィングを隠してる場所に行き、サイドのトランクに入れる。因みに、この商店街から家までは坂道。家から行くときはかなり疲れる。だが、俺にはゴールドウィングがあるから平気だもんね!

まあ、このゴールドウィング、錆びだらけでどうしようもないから、かなり目立つけどね。

 

そうして俺は、また黒澤解体所にゴールドウィングを置き、サイドのトランクから肉を取り出し、家に急いで帰った。

 

 

 

 

「ただいまー」

「遅いぞ春馬、もう既に出前を取った。お前の分だけ作れ」

 

帰ってきて早々、なんて嫌がらせだ。お前らは待つことすら出来ねえのかよ。

 

「はあ~あ、分かりましたよ」

 

そうして俺は、自分の分を作り、孤食での食事となった。

 

「ああ、そう言えば」

 

食器を流しに持ってきた後、二階に上がろうとしていた千冬姉さんは、何かを思い出したかのような声を出すと、話し掛けてきた。

 

「そう言えば、テストを返されたそうだな、点数は?」

「…………95点」

 

俺は点数を答えると、内心で溜め息をつく。

 

「そうか。だが、一夏や秋彦は100点だぞ?気が緩んでいるんじゃないのか?」

 

ウゼエ、いっつも俺と弟二人を比べやがる。

それだけ言って、千冬姉さんは二階に上がっていった。

 

少し耳を澄ませば、弟二人の意地の悪い笑い声が聞こえる。

 

「ヤレヤレ、あれじゃどちらが兄か分からないねえ、兄さん」

「まあまあ、そう言ってやるなよ、秋彦」

「彼奴、僕達より出来が悪い癖に、剣道はやりたがらないし、休日に稽古をつけてやるって箒が言っても、いつの間にか居なくなるし」

「まあ、確かになあ。つか、春馬兄は本当に、俺達織斑家のヤツなんだろうか?」

 

俺は、その言葉に口許や眉をヒクつかせる。実は、その台詞は前にも、千冬姉さんに言われたことがあるからだ。

『一夏や秋彦もやるんだから、お前も剣道をやれ』だとか言ってくる姉に、思い切って嫌だと言って歯向かった時や、少し前のテストで80点台を取った時にも、『お前は本当に、私達の家族なのか?』なんて言われたからな。

 

まあ、一夏や秋彦の顔つきが姉さんに何処と無く似ているのに対し、俺はかなり異なっている。

一応髪は黒髪だが、獣耳のように一部が跳ね上がったスタイルだ。

 

いくら俺が転生者で容姿が違うからって、今は家族であるのには変わらねえだろうが。まあ、あくまでも『今は』だがな。

そう心の中で呟く俺を他所に、今日と言う日は流れていった。

 

「明日もどうせ、何かしら面倒なことがあるんだろうな、嫌だ嫌だ」

 

そう言って、俺は溜め息を着いた。

 

そうして食器洗いを再開しようとすると、急に電話が鳴った。

俺は濡れた手を拭き、受話器を取る。

 

「はい、織斑です」

『ハロハロー!束さんだよ~!』

 

電話の声の主は、篠ノ之 束(しののの たばね)さん。あの篠ノ之箒の実姉にして、ISの生みの親だ。

こんなおちゃらけた感じのしゃべり方だが、他人となれば扱いは辛辣だ。

 

『ちーちゃんは居る~?………って、君は誰かな?いっくん?それともあっくん?』

「いえ、春馬です」

『…………急用だから、早くちーちゃんに代わってほしいんだけど』

 

やはりと言うかなんと言うか、俺が電話に出ればこの反応である。まあ、人間として見てないような話し方されるよりかは幾分かマシだがな。

これが一夏や秋彦なら、ハイテンションのままで少し話した後、千冬姉さんに代わってくれるように言うだろう。

ヤレヤレ、俺の味方は最早、黒澤解体所の主任さんや桜花しか居ねえや。

 

まあ、それから起こる事件と比べりゃ、これはかなりマシな方なのかもしれねえがな。

 

 

何せ俺は、生まれ故郷であるドイツで拉致され、殺されそうになるんだからな。まあ、それについてはまた、次の機会に語るとしよう。

 

って、誰に語るんだよって話だよな、ウン。

 

なんて思いながら、俺はさっさと皿洗いを終わらせ、2階にある俺の部屋に上がった。

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