IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第十九話~ウザい愚弟共との再開と、第二の戦いの予感?~

さて、時間は流れて今は昼休み。俺はアンチョビとペパロニを連れて、学食に来ていた。

まだ俺が解体所暮らしだった頃、しばしばツーリングに出掛けた時に、しょっちゅうIS学園の噂を小耳に挟んでおり、中でもIS学園の学食の飯は美味いと評判だそうで、かなり前から気になっていたのだ。

 

俺はカツ丼を頼み、先に席を取って二人を待つ。

大して待たないうちに、二人が席にやって来た。アンチョビはオムライス、ペパロニはカレーだそうだ。

さて、試しに一口いただいてみたが………………

 

「ウメッ」

 

美味い!滅茶苦茶美味い!!なにコレ!?其処ら辺の飲食店でのカツ丼とは比べもんにすらならねえぞ!?

こりゃスゲエ!箸が止まらねえ!

 

「あ、兄貴?少し落ち着いたらどうだ?」

「ああ、ペパロニの言う通りだぞ狂夜。そんな食べ方したら喉が詰まるぞ」

「あ?んなモン平気だってもむぐぐぐぐ!?」

 

しまったー!?言ってるそばからやっちまったー!!

 

「んー!!んー!!(水!!水ぅぅうう!!)」

「しゃーねえ兄貴だなあ、ホレ」

 

俺はペパロニが渡してきた水を引ったくり、一気飲みする。

 

「プッハァー!死ぬかと思ったぜ~」

「一気に口に詰め込みすぎなんだよ兄貴は」

「全くだ。ヒヤヒヤしたぞ」

「スマンスマン、次は気を付ける」

俺はそう言って、カツ丼の続きを楽しんだ。

 

 

 

「そういや二人共、どっかの代表候補生や企業のパイロットとかにはならねえのか?」

「んにゃ?アタシはアンツィオで働くぜ」

「私もだ。別に何処かの代表候補生や企業のパイロットにならないと生活が苦しくなるとかではないからな」

「そか、じゃあ俺は黒澤解体所主任を引き継ぎ…………」

「「無理だな」」

「お~い二人共~。それは言わない約束だろうがよお~」

 

さて、昼食を終えた俺達3人は、そんな感じで談笑を楽しんでいた。

そして、話題が部活動の話に入ろうとした時、刺客が訪れた。

 

「記憶が正しければ、君は死んだ筈なんだけど、まさか生きていたとはね……………一体どんな魔法を使ったのやら。君は出来損ないなのか死に損ないなのか分からないね」

 

開口一番に聞こえたクソ生意気な台詞を懐かしいと思いながら振り向くと、其所には二人の男子生徒と、一人の女子生徒が立っていた。

忘れる訳がない。俺を見捨てたクソッタレた一家、織斑家のツインズ、織斑一夏と、その双子の弟、織斑秋彦。そして、あの兎女の妹、篠ノ之箒だ。

 

「人に心配させるだけさせて、おまけに世間まで騒がせて、自分は一人、どっかに隠れ住んでいたのか?春馬兄」

 

此方を見下ろして言う一夏に、俺は溜め息混じりに言った。

 

「俺が死んだ?心配?お前等は何の話してんだ?つか、初対面相手に堂々と名前間違えるとか、失礼じゃね?俺、黄昏狂夜ってんだけど」

 

俺はそう言って、制服の胸ポケットに入れてある生徒手帳を見せ、さらに財布から免許証を取り出し、見せつける。

 

「な?コレで分かったろ。それからだが、個人的に俺は、お前等とは話をしたくない。なんせ、お前等がIS動かしたせいで俺までこの学園に入る羽目にはなるわ、日本政府のクソッタレた煩悩共はやって来るわ内容がクソッタレた手紙は舞い込んでくるわで、どんだけ被害被ったことか。そういう訳で、俺はお前等の事情に巻き込まれたくねえんだよ。どっか行ってくんね?」

 

最後に軽く睨み付けてから言うと、二人は顔をしかめた。それだけならまだマシな方だが、そうは問屋が卸さない。

黒髪ポニーテールの我が強そうな女、篠ノ之箒がいきり立って言った。

 

「貴様、一夏と秋彦の厚意を無下にすると言うのか!死に損ねた出来損ないの分際で!!」

態々『死に損ない』と『出来損ない』を合わせて一文にしやがったか。

しかし参ったな、コイツの声のせいで食堂に居る生徒の視線が此方に集中しやがった。

『織斑』という名字と『出来損ない』というのがキーワードとなり、食堂に居る生徒の中ではヒソヒソと、俺が織斑春馬なのではないかと声が聞こえてくる。

まあ、合ってるんだよ?合ってるんだけどさ、俺は織斑の名字を捨てたから、変に事態が拗れたら困るんだよな。どうしたものか………………

 

そうしていると、篠ノ之箒が何処からともなく取り出した竹刀片手に此方に近づいてくる。すると、その前にペパロニが立ち塞がった。

 

「おいポニテ女、テメエいい加減にしろよ」

「何だ貴様は?邪魔だ、其所を退け。私はソイツに話がある」

「ハンッ!話?ならば何故竹刀なんざ持ち出してんだよ?テメエの家では話し合いに竹刀持ち出す風習でもあんのか?とんだ家系に育ったんだな」

「何だと!?」

 

腕を組んで仁王立ちし、篠ノ之箒を睨み付けるペパロニにいきり立ったのか、篠ノ之箒は竹刀を振り上げる。

だが、それは織斑ツインズによって止められた。

 

「箒、落ち着くんだ。流石に竹刀はマズイ」

「し、しかし………………!」

「気持ちは分かるけど、此処は抑えるんだ」

「秋彦の言う通りだぜ、箒」

 

一夏が言うと、篠ノ之箒は渋々頷くと、去り際に俺達を睨み付け、織斑ツインズと共に去っていった。

 

「サンキューなペパロニ、助かったぜ」

「いやいや、気にすんなって!」

「それにしても、あの3人は何だ?人を『死に損ない』やら『出来損ない』やらと好き勝手言って………………あの3人はロクな教育を受けていないんだな」

 

そうして、昼休みが終わりに近くなったので、俺達は教室に向かった。

 

俺が織斑春馬なのではないかとヒソヒソ耳打ちし合う声を聞きながら。

 

 

 

 

 

「いやあ、早速居心地悪くなったなあ」

教室に着き、俺の席に座ったペパロニが呟いた。

周囲を見回すと、廊下に集まっている生徒が、ヒソヒソと俺の噂話をしている。

こりゃ、前世でドイツ軍将校やってた俺でもキツいな。

 

「兄貴は最初から、あのクソッタレたツインズと比べられて、しかも兄貴が織斑春馬かもしれないなんて噂が流れたら、兄貴の評価はダダ下がりじゃねえか。完全なお門違いだぜ」

「まあ、俺なら大丈夫だから心配すんな」

 

そう話していると、5時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴り、生徒は散り散りに、それぞれの教室に戻っていった。

 

 

 

 

「では、本日の授業はコレで終了する。解散!」

 

そして、入学初日の授業が終了した。

 

 

 

「兄貴~!帰ろーぜー!」

「ああ、悪いが先に帰ってくれ」

「ん?何かあるのか?」

「いや、寮の鍵貰わないといけねえからさ」

 

そう言うと、二人は納得したような声を出し、寮の部屋に荷物置いたら学食で会おうと声を掛け合い、俺は教室で、寮の鍵が来るのを待っていた。

 

「あの、少し良いですか?」

「ん?」

 

暇潰しに、学食での夕飯を何にしようか悩んでいると、後ろから不意に声を掛けられた。振り向くと、其所には一人の女子生徒が立っていた。

 

赤いロングヘアで、前の一部を三つ編みにした髪に、透き通るような青い眼、中華風に改造された制服を着ていて、着衣の上からでも十分に分かるスタイルの良さ。恐らく町を歩けば、間違いなく10人中10人振り向くであろう女子生徒だった。

おっと、今はそんなこと考えてる場合じゃねえや。つか、変態かよ俺は…………( ̄▽ ̄;)

 

「ああっと、君は確か……………紅(ホン)さん、だよな?」

「はい。紅 美鈴(ホン メイリン)です」

 

そういや自己紹介の時も、何か言ってなあ。何だっけ?確か八雲重工とやらのテストパイロットをしている人、だっけ?

そういや八雲重工って、最近出来た企業なんだよな?なんでも、ISが女にしか使えない理由を解明し、いずれは男性でも使えるようにしようと研究してる企業だと聞いたことがあるなあ。

つか、どうやって解明しようってんだ?

 

「あ、あの?」

 

おっと、ボーッとし過ぎたか。

 

「スマンスマン、ちょっとばかりボーッとしてたよ。んで、俺に何か用か?」

 

そう訪ねると、紅さんはこう聞いてきた。

 

「黄昏さんは、織斑さん達がISを使えるのが分かった前から、ISを動かすことが出来るんですよね?入試の時も、山田先生を倒したと聞いています。そうですよね?」

 

アレ?何故知ってるんだ?まあ良いや。別に困るようなモンでもないし。まあ、負けてたら恥ずかしいけどな。

 

「ああ、一応そうだが、それがどうかしたのか?」

「い、いえ。別にどうと言う訳ではないんですが……………それで、1つ頼みがありまして」

「あ?頼み?別に構わねえが、あんまり無茶な頼みとかは止めてくれよ?」

「大丈夫ですよ、そんなに難しいものではありませんから」

「なら構わねえが、因みに頼みってのは?」

 

そう聞くと、紅さんは一呼吸置き、言った。

 

 

 

「黄昏狂夜さん……………私と、ISで勝負してください」

 

 

………………………はいぃ?

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