IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第二十一話~登場、金髪イライラ娘!夕食会も台無しだぜ~

「よおー兄貴!コッチコッチ!」

 

学食に着くと、其所には既にペパロニとアンチョビが居た。先にそれらしい軽食を取って、二人で時間潰ししていたらしい。かなり手間取らせちまったなあ、こりゃあ。

 

「悪いな、待たせて」

「まあ、気にするな。そう言えば、1025号室でちょっとしたゴタゴタがあったのは知ってるか?」

「ゴタゴタ?」

「そーそー、織斑兄が部屋から転がり出てきたかと思えば、閉まったドアから行きなり木刀だぜ?ズガズガと、もうドアが穴ボコだらけの蜂の巣だったぜ」

 

それなりに頑丈な筈のドアを木刀で貫通するとは、ソイツは中々力のある奴みたいだな。

 

「因みに、やったのは剣道娘だ」

「あ~、彼奴ね」

 

アンチョビの一言に、俺は然程驚くことなく、ただ淡々として言った。ペパロニも、今日の一件もあってか、大して驚いていないようだ。

にしても、あの暴力癖は何とかならんのか?昔っから全く変わってねえじゃねえか。

それに木刀とか、下手すりゃ死人出てもおかしくないぞ。あの女、その辺り考えた上で木刀振り回してんのかねえ?

 

「それはそうとしてだけど兄貴、普段着って作業着なんか?」

 

思い出したかのように言うペパロニの一言を受けたのか、アンチョビも俺を見る。

今俺が着ている作業着は、上下共にジャーマングレーの色で、上着は長袖を腰辺りで胴着の帯のように巻き付けている。上着の下には、黒い半袖のシャツを着ているので問題ない。

まあ、落としきれていない油汚れとかがあるが、別に臭いとかはしないし、ファ○リ○ズ使ってるから、問題ない……………よね?

 

「ああ、俺って私服らしい私服は殆ど無くてな、後は寝間着用のジャージ&背広ぐらいしかねえのさ」

「へえ~、じゃあ休みの日にでも買いに行きゃ良いんじゃね?」

「いや、別に要らんさ。これだけで充分」

「そか」

 

そうして俺達は談笑するが、周りの目は良くなかった。

油臭そうなものを見るような目で此方を見ている。

 

「まあ、取り敢えずは飯食おうぜ。俺のせいで待たせちまったんだし」

「それもそっか!よっしゃ食うぞ!今日は学食でプチ夕食会だぜ!」

 

ペパロニは威勢良く立ち上がり、食券を貰うべく歩き出そうとする。それを微笑ましく見ながら、俺達も歩き出そうとしたが、その足は、現れた女子生徒によって止められた。

 

「あら、寮の部屋にお帰りになる方々が、自棄に『油臭い』やらと仰っていましたが、貴方でしたか」

「あ?」

 

振り向くと、其所には金髪の女子生徒が立っていた。前に垂れている髪をカールさせ、制服の改造からするに、英国のお嬢様的な感じの女子だ。それだけならまだ良いだろう。だが、問題はソイツが俺を見る目だ。明らかに見下している。

 

「取り敢えず、アンタ誰?」

 

そう訪ねると、その女子生徒は態とらしく、驚いたような声を上げ、それっぽいリアクションを取りながら言った。

 

「まあ!返事の仕方がなっていない上、私(わたくし)を知らない!?セシリア・オルコットを!?イギリス代表候補生にして、入試首席であるこの私を知らないと仰るのですか!?」

うへえ、またまた面倒なタイプの人間だなあ。

女尊男卑思考、高飛車、代表候補生だからという自惚れ、『自分は代表候補生で入試首席だから知られていて当たり前だというのに、知らねえのかよコイツは?』的なリアクション。完全にダメだ、コイツとはマジで関わりたくねえや。

そうしていると、イラついた表情を浮かべたペパロニが話に割り込んできた。

 

「なあ、ギャーギャー言ってるトコ悪いんだけどさァ………アタシ等、今から飯食うから食券貰いに行くんだよ。邪魔しないでくんね?つか、そんなに自分をヨイショしてえなら、ド真ん中で演説でもしてやがれや、この金髪女」

「なっ!?」

 

鋭い目で睨み付けながら言うペパロニの言葉に、オルコットは過剰なまでに反応した。

コイツからすれば、『貴女は蔑まれて当たり前の男の肩を持つんですの!?』ってな感じだろうよ、どうせ。

 

「わ、私がセシリア・オルコットだと知っての発言ですの!?」

 

意味分からんわ。全く、女尊男卑に染まった女は疲れるぜ。

 

「大体、其所に居る油臭い庶民以下の服を着た男に態々話し掛けに来たと言うのに…………!」「そんな気遣い要らねえよ」

「そもそも私達は、お前のような思考の持ち主はお断りだ。ホラ、さっさと立ち去れ。私達含む周囲の迷惑だ」

「くっ!…………また来ますわ!逃げないことですわね!」

「「「三下らしい捨て台詞をどうも」」」

 

其所で、俺達3人の声は揃ったのを余談ながら付け加えておこう。

 

 

 

 

 

「で、結局夕食会は台無しになっちゃったと」

「まあ、そんな感じだな」

 

さて、オルコットが立ち去ってからと言うもの、その場の空気的に、ワイワイと飯食うことなんざ出来そうにないことを、これまた3人同時に悟った俺達は、夕食会を中止せざるを得なくなり、3人で寮に帰り、解散してきた。ああ、その時に互いの部屋の番号を聞いてきたよ。二人は1020号室に住んでるんだとさ。

 

そして部屋に帰ってきた俺は、桜花、氷華、葛城の3人に、食堂での出来事について話していた。

 

「失礼な女」

「と言うより、自分達の姿を鏡で見直してから言ってほしいですね」

 

桜花の一言に、俺と氷華、葛城は同時に相槌を打った。

学食での女子生徒達の服装を思い返すと、殆どがタンクトップとか言うヤツで、最早下着のような服装だったのだ。人の服装の事偉そうに言えた立場じゃねえじゃんかよソイツ等。

 

つーか待て、よく考えたら、いやいや、よく考えずとも、下着のような格好と作業着なら、少なくとも作業着の方がマシじゃねえかよ。作業着は一応、『服』として分類されるんだし、それに上着脱いでたけど、中には黒い半袖のシャツ着てたし、ちゃんとフ○ブ○○ズしてるから油臭くねえし、普段着とかで使えるのがコレとジャージ&背広ぐらいしかねえだけだし。

 

 

「まあ、俺がどう言ったところで無意味なんは分かってんだけどな」

 

俺がそう言うと、3人はウンウンと頷いた。

 

「此処はIS学園で、マスターや織斑兄弟が居るとは言え女子校。女尊男卑思考も根深くなっているかと………………全く、愚かなものです」

「まさにその通りね。全く、女が強いって言われてるのは私達ISがあるからであって、女が何時でも自由に使える力じゃないんだから。ISである私からすれば堪ったモンじゃないわ。全世界の男に喧嘩売って買ってから威張り散らしてほしいものだわ」

 

桜花と葛城は呆れたように言い、氷華は言葉にこそしなかったが、溜め息をつくのを見る限りでは呆れてるのは確かだ。

つか、普段は温厚な桜花が『愚か』なんて単語を使うなんて…………………コレも氷華の影響か?

 

「主、今何か失礼なこと考えなかった?」

「滅相もございません」

 

恐い。マジで恐い。氷華がエスパーになりつつある件について。あー恐っ!

 

「まあ取り敢えずだ」

 

話をまとめるべく、俺は3人の注意を向けた。

 

「あの女尊男卑思考の連中以外では、何とかついていけてるよ」

「後は、織斑兄弟と比べる連中が問題ね」

「葛城、それ言っちゃおしまいだ~」

 

せっかく忘れようとしてたのに、完全な地雷ですぜ、コレ。

 

「あ、ごめんなさい」

「まあ、良いけどね」

 

俺は苦笑いしながら答え、立ち上がった。

 

「さ、かなり遅くなったが、夕飯にするか。後は、さっさとシャワー浴びて寝るぞ~」

「「「は~い」」」

 

うん、良い返事だ。

 

そう言う訳で、俺は余った食材を使って軽く炒め物を作り、四人で食べた。

つか、二人部屋だから二人余るんで、その二人は申し訳ないが、地べたで食べてもらうことにした。

因みに、今日地べたで食べたのは氷華と葛城だ。

 

それから、俺がシャワー浴びてる間に、誰がベッドで寝るかを決めておくように言い、シャワーを浴びた。

今日は葛城に決まったそうで、本人はかなり喜んでいて、逆に二人は悔しそうにしていた。

まあ、3人共可愛いから、こうやって一緒に寝られるのはすげえ嬉しいんだが、ただベッドで寝たいだけなんか、それとも……………的なことを考えては、それは無いなと振り切る。

そうする度に、3人からこう言われるのだ。

 

『唐変木』と。マジで解せぬ。

 

「ではマスター、葛城、おやすみなさい」

「葛城、私達が居ないからって主に変なことするんじゃないわよ?」

「分かってるわよ二人共。じゃあ、おやすみ」

 

そうして、桜花と氷華はヘッドフォンへと入っていき、俺は窓側の、葛城は奥のベッドに横になり、眠りについた。

 

 

 

翌日、何故か葛城が俺のベッドに入って寝ており、軽く驚いたのは余談である。

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