IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第二十八話~遂に決着!炸裂する『宿命の砲火』!~

「「はああああああっ!!」」

 

最終ラウンドの始まりを宣告した途端、二人は物凄い勢いで襲い掛かってくる。

試合開始直後もそうだったが、あんな化け物じみた体力はどっから湧いて来やがんだ?その辺りはマジで聞いてみたいモンだ。ま、俺が言えた口じゃねえけどな。

 

俺は、二人が高速で繰り出してくる拳や蹴りを腕組みしながらかわしていく。

最初辺りは避けるので手一杯だったが、今となっては余裕だ。1つ1つの手や足の動きが読める。

何時までも避けっぱなしじゃ居られねえ。ならば……………

 

『反撃開始ってなァ!!』

 

「ぐっ!?」

「ガハッ!」

 

俺は、美鈴に回し蹴りを、早苗には回し蹴りの回転の勢いを利用して威力を上げた『帝王拳』を喰らわせる。

どちらも後方に吹っ飛ばされ、そのままバランスを崩して落下し、アリーナの地面に激突する。

 

「こうなったら仕方ありません!」

 

そうして、美鈴がなにやらデカイスパイクのついたヌンチャクを展開し、早苗は巨大な大鎌を展開する。つか、マジでデカイんだな、その鎌。

 

そして、俺も武器を展開すべく、進化を遂げた我が相棒のデータを再び開く。

 

 

 

--高火力・高機動特化型特殊兵装搭載式IS、『ゴールドウィング』--

 

操縦者、黄昏 狂夜

コア人格、桜花

支援型AI、氷華

 

全武装解放状態

 

SE残量、100000

 

 

 

 

何だコレ?え、何?SEが万単位?しかも100000?ほぼ無敵じゃねえかよ。第一形態移行した途端にコレか。まあ、それでこそ我が相棒だ。

 

俺はそう思いながら、武装データを開いて武器を選ぶ。

どうやら大きく分けて3つのリストがあり、1つは『近接用武装』、もう1つは『銃火器系武装』、最後は『防御、機動力向上兵装』だ。

つか、最後のヤツ訳分からん。

まあ、俺の好み的に銃火器の方が好きなので、『銃火器系武装』のリストを呼び出し、データを見る。さてさて、どんな武装があるのかな?

 

 

 

『銃火器系武装』

Panzer rifle

タイプ『パンター』

タイプ『ティーガー』

タイプ『ケーニヒス』

タイプ『エレファント』

タイプ『マウス』

タイプ『J.ティーガー』

タイプ『J.パンター』

タイプ『ラング』

大口径荷電粒子ライフル×2挺

大口径2連装機関砲×2門

マルチロックオンシステム搭載型ミサイル(両肩展開式)×左右50発

左マニピュレーター内蔵式荷電粒子砲×1門

マフラーキャノン×2門

手持ち式3連装ガトリング砲×2門

右マニピュレーター内蔵式チェーンガン×1挺

 

 

 

本日2度目の何だコレ?

 

いやね?矢鱈と種類が多いライフルはまだ分かるよ?でもね?他の武装はどうなの?

最早コレ武器庫じゃねえかよ。

 

なんて考えつつも、俺はPanzer rifle タイプ『ティーガー』を展開していた。88mm56口径という、ライフルとはかけ離れた口径と銃口の直径を持つコイツは、見ただけでとてつもない威圧感を感じる。

俺はソイツを右手に持ち、瞬時加速で二人に接近する。二人や観客席の連中は、俺が瞬時加速を使えたことに驚いてやがる。

まあ、そんなこんなで先ずは美鈴目掛けてぶっ放す。

 

『Feuer!!』

 

その声と共に、激しいマズルフラッシュと共に放たれた88mm砲弾は、真っ直ぐに美鈴に叩き込まれた。

 

「ぐうぅ!?」

 

2000m先にある戦車でも撃破する威力を持つコイツの砲弾を受けてもかなりの損傷だけで済むとは、流石ISだな。

美鈴のISの装甲は、直撃した一部が砕け散った。幸い、怪我はしていないようだ。

 

『さあ、次だ………………貴様の呻きを聞かせてみろォ!!タイプ『ケーニヒス』展開、Feuer!!!』

 

今度は、ティーガーと銃口の直径は同じでありながら、71口径を持つタイプ『ケーニヒス』を展開し、視界に早苗を捉えるや否や、即座にぶっ放す。

 

「きゃあ!?」

 

コレもまた直撃し、機体もかなり損傷する。

そのまま落下していき、アリーナの地面に叩き付けられるのかと思いきや、寸前で立て直したらしく、直ぐに上昇してきた。

 

「ハア、ハア………………やりますね、狂夜さん………」

「ま、まさか…………第一形態移行していなかった機体で戦っていたなんて……………それに、第一形態移行を済ませた段階で、既に強力な火器を…………それに加え、私が感じた、あの膨大な『気』……………私でも出せないあれだけの気やオーラ、どうやって纏えるようになったのか、聞きたいことは山程ありますが……………先ずは試合を、終わらせなければなりません」

 

そうして、二人は息を切らしながらも言った。

 

「「ですから、私達はこの技に、最後を賭けます!」」

 

そして、二人は上昇して離れ、各々の構えをとる。

 

『成る程な…………………良いぜ、その勝負、乗った!』

 

俺も答え、腰を落として両手の手首を合わせ、右側の腰辺りで構え、ありったけのオーラを両手に集中させる。

上空を見れば、美鈴は先程とは比べ物にならないぐらいの数の弾幕を出現させ、早苗は体からオーラを撒き散らしている。

かく言う俺も、手首が合わさっている所から炎が出始め、それはやがて、マウスやヤークトティーガーの主砲並の直径を持つ砲弾の形となり、その周りにスパークが迸る。

さあ、遂に決着を着ける時が来たようだな!

 

 

「『虹符・彩虹の風鈴』!!!」

 

すると、美鈴の周りを渦巻いていた、色鮮やかな弾幕が一斉に放たれ…………

 

「『奇跡・海が割れる日』!!!」

 

早苗からは、先程纏っていたオーラのようなものが津波のように襲い掛かってくる。ならば俺も……………『帝王』の意地を見せてやらなきゃなァ!

 

『『宿命のォォォォォォ………………砲火』ァァァァァァアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!』

 

俺が勢い良く両手を前に突き出すと、巨大な砲弾が激しい爆音と光を撒き散らし、豪炎とスパークを纏いながら、二人の放った技の賜物目掛けて向かっていき、2つの技とぶつかる。

『「「いっけェェェェェェエエエエエッ!!!!!」」』

 

 

 

俺達が力をフルに出していくと、技のぶつかり合いによる爆音や衝撃波が起こる。

そのまま爆発するかと思いきや……………………

 

 

僅かに俺の力が勝ち、二人の技を爆音と共に突き破り、分散された力の波が二人に襲いかかった。

そして、ふたりにぶつかった瞬間、眩い光を放って大爆発を起こした。

 

「きゃああああああああああああっ!!!」

 

物凄い爆音がアリーナ一帯に響き渡り、煙も勢い良く上がる中、二人の悲鳴が煙の中から聞こえた。

そして、煙と言う膜を突き破る勢いで、二人はアリーナの地面目掛けて落下し、そのまま地面に叩き付けられた。

幸い、ISは解除されてなかったようだから、その辺りは心配なさそうだ。

 

 

 

《紅美鈴、東風谷早苗のSE切れを確認!よって勝者、黄昏狂夜!》

 

 

そして、俺の勝ちを知らせるアナウンスが、アリーナ一帯に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《勝者、黄昏狂夜!》

 

「いよっしゃあ!兄貴が勝ったぞー!」

 

狂夜の勝利を知らせるアナウンスが鳴り響き、それを聞いたペパロニは、我慢しきれずに叫んだ。

落ち着くように宥めるアンチョビも、顔がニヤついているので説得力がない。

桜花、氷華、葛城の3人も、彼女等が想いを寄せる主の勝利に、心底嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

「うっし!さっさと帰って、兄貴を祝う準備をするぞ!」

「ペパロニ、それは名案だ!でかしたぞ!」

「私達も手伝うわ!ねえ?桜花、氷華」

「「勿論!」」

 

そうして5人は席を立ち、出口に向かうが、ペパロニが態とらしく、何かを思い出したかのような顔をしてから言った。

 

「そういや姐さん、なんで他の連中は何の歓声も上げないんスかねえ?せっかく兄貴が大勝利したってのにさあ。それにあんなバトル、多分だけど一生見れねえ代物ですぜ?」

 

そう言うペパロニに目配せされ、アンチョビはペパロニのやろうとしていることを悟った。桜花達3人も同様に悟ったようで、黒い笑みを浮かべた。

 

「あ~、確かにそうだなあ。せっかく狂夜が勝ったのに、何の歓声もないなんてなあ~」

「まあまあ、用はアレよ。コイツ等、今まで散々主をバカにしてたから、そんなのが勝ったのが信じられないんでしょうよ」

「それに、この先どうなるのかって感じの、恐怖のような感情も渦巻いているわ。全く、こうなるなら最初から、ただの噂程度で狂夜をバカにすんじゃないわよって話になるわよねえ?」

「同感だぜ」

 

そうして、ペパロニは再び歩き出そうとするが、何故か直ぐに立ち止まり、桜花の方を向いて言った。

 

「なあ、桜花。この際だから思う存分言ってやれよ!たまにはこうやっても、バチは当たらんさ!」

「そうですね………………丁度、私も言ってやりたいと思っていましたから」

 

そう言って、桜花は自分のISとしてのオープンチャンネルを繋ぎ、アリーナ一帯に向かって言った。

 

「如何でしたか?私のマスターは面白い人でしょう?貴女方のような、ただの噂に惑わされるような輩とマスターは、次元も違うのです。このあと、マスターに怒られるのではと恐怖している方々、精々、マスターの逆鱗に触れないようにすることですね」

 

そう桜花が言い終えると、今度はペパロニが割り込んだ。

 

「よおー!アタシは1年3組のペパロニだ!早速だけどアンタ等、新学期始まって早々やっちまったなあ~!だが安心しろよ!兄貴は簡単にぶちギレたりしねえからさァ!」

 

ペパロニは一通り話すと、一呼吸置いて、言葉を続けた。

 

「にしても今日の試合、大迫力だったなあ~!兄貴も紅も東風谷も、3人とも凄かったぜ!お疲れさん!後、兄貴を散ッ々バカにしてくれやがった、頭ン中お花畑だらけのバカ共!これが女尊男卑の醜い一部さ!期待した兄貴のボロボロになった姿を見れなくて残念だったなあ!・゜・m9(^Д^)・゜・プギャーハハハハハハハハハ!ZA☆MA☆A☆MI☆RO☆兄貴は簡単に負ける程ヤワじゃねーよ!見たかテメエ等!コレがなあ!兄貴の見せた意地だ!男の意地ってヤツなんだよ!よく覚えときやがれ!」

 

そうして、ペパロニ達は生徒を弄り倒し、満足気にアリーナの観客席を後にした。

 

 

 

 

 

「ウッワ~………………」

 

『帝王の覇気』を解除し、アリーナにてペパロニ達の演説(笑)を聞いていた俺は、その場で苦笑いしていた。

ペパロニよ、気持ちは嬉しいが流石に言い過ぎだな。見ろよ、アリーナの女子のほぼ全員が顔真っ赤じゃねえか。マジで悔しそうな顔してるし。

つか、桜花までもがやったってのが一番驚いたぜ。彼奴、それらしいのはやらなさそうなタイプだったからなあ~。コレはペパロニの影響か?

まあ、良いけどさ。

 

 

「んで、大丈夫か?」

 

俺は、アリーナの地面に叩き付けられてから伸びていた二人に近寄り、話し掛ける。

 

「は、はい……………なんとか………」

「わ、私も大丈夫です……………強いんですね、狂夜さんは」

 

どうやら何ともないようだ。まあ、『宿命の砲火』喰らって地面に叩き付けられた訳だから、こりゃ暫くは動けねえだろうな………………仕方ねえ、この二人をこんな状態にしたのは俺なんだ、落とし前はつけねえとな。

 

「取り敢えず、ピットまで連れていってやるよ。その様子じゃあ、ロクに動けねえんだろ?」「は、はい……………」

「すみません」

「別に構わねえよ。つか、お前らをこんな状態にしたのは俺なんだからさ。ホレ、早くつかまれ」

 

そう言って、俺は二人を何とか立たせ、美鈴は右に、早苗は左に掴まらせ、ゆっくりとピットに向かった。

 

 

 

「そう言えば、狂夜さん」

「ん?どうした?」

 

二人をピットに連れていく最中、不意に美鈴が話し掛けてきた。

 

「あの時、ボロボロになっていた貴方は、突然物凄いオーラを放っていましたね」

「ああ、アレだろ?俺が赤いオーラを撒き散らしたアレ。アレがどうかしたか?」

 

美鈴が言ってるのは、十中八九『帝王の覇気』のことだろうと思い、聞いてみる。

 

「そう、あの赤いオーラです。アレは、単一仕様能力《ワンオフ・アビリティー》とは違う気配がしました。恐らく、貴方自身があのオーラを出していた…………………そうでしょう?」

「ああ、それがどうかしたか?」

 

そう聞くと、美鈴はやっぱりと言わんばかりの反応をして言った。

 

「貴方が出していたあのオーラから、物凄い『気』を感じたんです。それも、長い間修行していた私でも達していない、未知の領域レベルのね」

 

美鈴の言う『気』とやらは、戦闘力とかその辺りのことだろう。

 

「確かに、私もアレはすごいと思いました」

 

そう言って、早苗も話に入ってくる。つか、そもそもこの二人、絶対普通の人間じゃねえだろ。俺も人のこと言えねえけど。

 

「へえ~…………………んで?」

「貴方はどうやって、あんなにも凄まじいオーラを出すことが出来たのですか?」

 

ウッワ~、マジで難しい質問来た~。

どう答えろってんだよ?『実は俺、転生者だったんだ~』とか言うのか?いやいや、そんな滅茶苦茶なこと誰が信じるよ?つか、んなこと話せるか!取り敢えず、何かそれらしいこと言わねば!

 

「あ、ああ。ちょっと修行していたら出来るようになっていたのさ。あの『宿命の砲火』もな」

「じゃ、じゃあ!その修行とやらを今すぐ教えてください!」

「ちょっ、オイコラ待て美鈴!暴れんな!早苗もコイツ止めてくれよ!」

「私も気になるので、教えてほしいです~」

「ブルータスお前もか!」

 

そうこうしてるうちに、俺達はピットに着いた。一旦上昇してから高度を下げ、カタパルトにゆっくりと近づき、脚部からタイヤを出し、着陸する。そのままタイヤを転がして奥へと進み、既に待機していた上白沢先生の前で止まる。

 

「3人とも、お疲れ様。物凄い試合だったな。それと、黄昏君はISを解除したら直ぐに医務室に行きなさい。あの時の怪我は酷すぎるし、今も血が出てるぞ」

 

そう言われ、俺は二人を下ろして頭をさわる。ベチャッとした感覚を感じ、手を離すと赤い液体がネチャリと付着していた。

 

「ご、ごめんさない、狂夜さん!こんな怪我してるのに、私達は………………!」

 

そう言って、美鈴と早苗は泣き出してしまった。俺はフラフラと二人に近づき、まだ血が着いていない手で、各々の頭を撫でた。

 

「お前らが気にすることじゃねえよ………………気付かなかった俺のせいだ。取り敢えず、医務室行ってくる」

 

そう言って、俺は歩き出そうとするが、足は既に動かなくなっていた。

 

「…………………………悪い、誰が医務室まで頼む」

 

そうして、俺は上白沢先生に助けられながら、医務室へと向かった。

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