IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第二話~いきなりの展開!拉致られました~

「はあ?ドイツに行く?」

 

皿洗いを終え、部屋でのんびりしていると、突然、部屋にズカズカと入ってきた千冬姉さんに、『ドイツに行くぞ』とか言われた俺は、いつになく粗っぽい感じの話し方になりながら言った。

 

「そうだ。お前の帰りが遅いから、先に一夏や秋彦と夕飯を食べていた時に話したのだが、お前には話していなかったからな。出発は明後日だ。用意しておけよ?」

 

いくらなんでも急すぎるだろうが。つか、俺は行くなんて一言も言ってねえんだがなあ。

 

「一夏や秋彦は行くと言っていた。お前は尚更来い。本当に尊敬できる人間の手本を見せてやる」

「ただのIS競技で何言ってんだよ姉さん。大体、ISの試合だけで何が分かるってんだ?俺は行かねえぞ。時間無駄だし興味ねえし」

 

流石に勝手すぎる言い方にイラつき、行かないと答えた時、何時の間にか部屋に来ていた一夏と秋彦が横槍を入れてきた。

 

「せっかく千冬姉が試合に出るのに、それはないだろう、春馬兄!千冬姉が行けと言ったのは、春馬兄のためでもあるんだぜ!?普段の春馬兄は出来が悪いって何度言っていたことか!」

「兄さんの言う通りだよ。大体、君も千冬姉さんの弟なら、行くのが筋と言うものではないのかい?それとも、君はずっと、出来損ないと呼ばれ続けたいのかな?」

 

一夏は千冬姉さんが試合に出るんだから来い等とワケ分からん事を言うし、俺のためにもなるんだから来いと言って、秋彦は出来損ないと呼ばれ続けたいのかと言ってくる。え~、マジで~?つか、何が俺のためだよ。それに千冬姉さんよ、何度も俺の出来が悪いって言ってんのかよ。流石にイラつくぞ。

 

「ンンッ!兎に角だ、お前も来い。これは決定事項だ、異論は認めんからな」

 

そうしてこの会話は、千冬姉さんの一言によってまとめられ、俺は半ば強制的に、ドイツへの旅行(笑)に行く羽目となった。つか千冬姉さんよ、お前の前世はヒトラーかムッソリーニかよ。

 

 

 

 

さあさあ、遂にやって来ましたよ、この日が。

 

そんな訳で、俺は結局ドイツに来てしまった。一応前世ではドイツ生まれだから、生まれ故郷に帰還とも言えるのだが、来る目的が目的なんで、素直に里帰りを喜べない。

 

千冬姉さんに、強制的にドイツに連れていかれる事を告げられた日は、俺は解体所に電話を掛け、主任さんや桜花に、モンド・グロッソに行くことになったと伝えた。

電話には主任さんが出てくれたのだが、途中から受話器を引ったくったのであろう、桜花が電話に出て、やれ『行かないでください』とか泣きながら言ってたのだが、理由を話すと、漸く納得してくれた。

電話を切る際には、『帰ってくる日を心待にしております』と言われた。

あまりの健気さに、思わず泣きそうになった俺を誰が責められようか。

 

まあ、そんな出来事があったという訳で、今俺達はドイツに居る。と言うより、ドイツにやって来たと言った方が正しいかな。

まあ、着いた頃にはもう既に夜だったので、俺達は、予め千冬姉さんが予約していたというホテルに泊まることになった。

ホテルは一言で言えば、スゲエ豪華だった。待合室の全体的な見た目や、天井のシャンデリアが、その豪華さを物語る。

「さて、一夏、秋彦、私は少し用事があるから、二人で部屋の鍵をもらっておいてくれ」

 

そう言うと、千冬姉さんは何処かへ行った。

 

「じゃあ、早目に済ませようか、秋彦」

「そうだね、兄さん」

「つか、春馬兄もドイツ語ぐらい分かれよなあ~」

「言っても仕方ないよ、だってアイツだし」

「それもそうか」

 

オーイ、聞こえてるしドイツ語ぐらい理解できるんですけど~?

 

俺の心の声を他所に、二人はカウンターでチェック・インの手続きを取っている。

そして、二人が部屋の鍵をもらって直ぐ、千冬姉さんが戻ってきた。

 

「よし、では部屋にいこうか。三人部屋だから一人余ることになるんだが……………春馬、お前がその部屋に行け」

「はいはい………って、うおっ!?」

 

俺が半ばなげやりに言うと、いきなり部屋の鍵が放り投げられた。俺はいきなりのことだったので、鍵を取り損ね、落としてしまう。

 

「オイ春馬、これぐらい取れなくてどうする?一夏や秋彦ならば、アレぐらい取れていたというのに、全くお前と言うヤツは…………」

 

そう言って、千冬姉さんは呆れたような声を出す。

 

「まあまあ、千冬姉、そんなのほっといて、早く部屋に行こうぜ!俺腹減っちゃった」

「ハハハ、兄さんは食いしん坊だなあ」

「失礼な」

そう団欒しながら、3人はスタスタと歩いていく。俺は、漸く気づいた周囲からの視線から逃げるように、渡された鍵に書かれた番号の部屋に向かった。

 

 

 

「おー、こりゃ絶景だなあ」

 

部屋に着いた俺は、窓から見える眺めについて、そんな感想をこぼした。

もう夜だったので、夜景が見える。

暫く夜景を見て楽しんでいると、携帯が鳴った。

 

「もしもし?」

『春馬、今何してる?早く一階のレストランまで来い。もう夕食の時間だと言うのに、何をのんびりしている。一夏にも電話させた筈だが?兎に角早く来い』

 

そう言われ、俺は取り敢えず返事をして通話を切る。それから、レストランまで移動しつつ、携帯の履歴を見るが、着信履歴は全く無い。多分、サボったか何かだな、コリャ。

 

まあ、取り敢えず俺は、一階のレストランへと向かった。

 

 

 

 

「…………此処レストランって言うより立食パーティ会場か何かだろ」

 

レストランに着いた俺は、そんな感想をこぼした。

あちこちに様々な料理が並んである。こんなの見たことねえや。

 

「遅いぞ春馬、何をしていた?」

「あ、其所に居たのか」

 

暫く歩くと、千冬姉さんと弟二人が既に食っていた。結局、待ってはくれねえのな。

 

 

さてさて、ただいま食事中な訳だが、どうやら明日、千冬姉さんが出場するISの世界大会、通称、モンド・グロッソに出場する世界各国の選手もこのホテルに泊まっているようで、食事中にしばしば、千冬姉さんに話し掛ける選手が居た。話し的に、イギリスやアメリカ、イタリアやロシア等だった。一応その人達は日本語を喋っていたので少し残念だったのは秘密だ。

弟二人にも話し掛ける人が居たが、俺の場合はガン無視だった。

いや、チラリと此方を見て、千冬姉さんに誰なのかを訊ねていたのだが、千冬姉さんが何やら言うと、その代表は此方を向き、品定めするような目で此方を見ていたが、特に何か言ったりはせず、それ以降はガン無視、居ない者扱い、はたまた千冬姉さんや一夏、秋彦の付属品扱いだった。

最早コレ、俺だけ奴等のアウト・オブ・眼中だな。

 

俺はそそくさと食べ終え、部屋に戻ると、さっさと風呂を済ませ、寝間着に着替えると、ベッドに入り、眠りについた。

 

 

そして迎えた翌朝、俺達は朝食を済ませ、荷物の最終確認を終わらせていた。

トイレを済ませて戻ると、既に3人は居なかった。いやがらせかよ!

 

 

まあ、此処でキレても仕方ねえ、取り敢えず頼れそうな人を探していると、

「来たぞ、やれ!」

 

俺は背後から殴られ、気絶してしまった。

 

ついてねえや………

 

それから暫く、記憶は飛んでいる。

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