IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第三十五話~パーティ!イギリス娘再来~

「黄昏君、クラス代表決定おめでとう!」

『『『『『おめでとう!!』』』』』

 

俺がペパロニやアンチョビに連れられて学食に着くと、突然俺がクラス代表になった事を祝う声が聞こえた。その声を音頭に、立て続けにクラッカーの音が鳴り響く。

そんな光景が広がるこの学食で、俺は頭に疑問符を幾つも浮かべていた。

 

「あの…………………こりゃ一体何ぞ?」

「オイオイ兄貴、主役がンなこと言っちゃ駄目じゃねえか。兄貴のクラス代表就任パーティなんだぜ?」

 

俺がそう言うと、ペパロニからのツッコミが入る。ほら、アレ見てみろよと、ペパロニは俺の前方にある窓を指差す。

見ると、確かに窓に、ペパロニが言った内容がデカデカと書かれた紙が張られてある。

 

「にしても、態々用意までしてくれてたとは………………その子等には感謝しねえとな」

 

腕を組み、ウンウンと頷きながら一人呟いていると、何やら影で赤くなってる子がチラホラ居る。つーかオイ、そこで風邪引きましたとかは笑えねえぞ?

 

「……………狂夜は何か勘違いしている気がするんだが」

「気のせいじゃね?」

 

そんな話をしていると、いきなり肩に手を置かれた。何事かと振り向くと、其所には上白沢先生、長谷川先生、そして山田先生が立っていた。

 

「コラコラ黄昏君、何をボーッと突っ立っているんだ?ホラ、早く席につきなさい」

「あ、りょーかいです」

 

俺はそう返事を返し、ペパロニとアンチョビに連れられるがままに席に向かった。

因にだが、その席はさっき言った紙が張られてある席でした。

 

そして俺が席につき、その隣にペパロニとアンチョビ、反対側に、いつの間にか来ていた美鈴と早苗が座り、生徒各々も席につく。

ペパロニは学食中を見回し、全員が座ったのを確認すると、ジュースの入ったコップ片手に立ち上がり、学食中に響き渡る声で言った。

 

「じゃあ、兄貴のクラス代表就任を祝って、乾杯!」

『『『『『かんぱーい!!!』』』』』

「か、乾杯」

学食の席の大概が埋まる程居るので、多分他のクラスの生徒も居るのであろう、それによる声に怯み、言うタイミングが遅れちまった。

 

まあ、そんなこんなありながらも、パーティは賑やかに始まった。

他のクラスとの交流も兼ねているのか、3組の生徒が他のクラスの生徒に話し掛けていたり、逆に話し掛けられたりしている。

 

にしても、名目が違うとは言え、『パーティ』と言った形で何かを祝われるというのは、この世界に転生してからは初めてだな。

俺が織斑春馬だった頃は、俺の誕生日を祝ってくれる人なんざ、主任さんと桜花しか居なかったし。

そう考えたら、IS学園に来て良かったかもしれねえな。

 

「狂夜さん、どうかしましたか?」

 

俺の右隣に座っている美鈴が、心配そうに聞いてくる。いけねえいけねえ、コレはパーティなんだから、楽しまねえとな。

 

「いや、何もねえよ。心配してくれてありがとな」

「い、いえ…………」

 

ん?何か美鈴の顔が赤くなったような気がするが……………気のせいかな。

 

「お!遂に見つけましたよ!」

「ん?」

 

そうこうしていると、何やらそんな声が聞こえた。一旦視線を美鈴から外すと、何やら古そうなカメラを持ち、胸のポケットにメモ帳らしきものを入れている女子生徒が居た。

リボンの色からして、どうやら同学年のようだ。

 

そうしてるうちに、その女子生徒は近づいてくると言った。

 

「どうも!私は1年4組所属の射命丸 文(しゃめいまる あや)と申します!美鈴さんや早苗さん同様、八雲重工のパイロットです!」

「はあ……………」

 

今思ったんだが、この学園には後どれだけの八雲重工のパイロットが居るんだ?この際だからいっぺんに出てきてくれた方がマシなんだが。

 

「実はですね、3組のクラス代表であり、最近女子の中で騒がれている狂夜さんに、是非とも取材させていただきたいと思いまして」

 

カメラやらメモ帳やら持ってたからもしやと思ったら、やっぱりそれか。まあ、別に構わんけどな、減るモンじゃねえし。

 

「ああ、別に良いぜ」

「本当ですか!?では早速……………どわっ!?」

「はいはーい!新聞部でーす!」

 

取材しようと近寄ってきた射命丸さんを押し退け、今度は眼鏡をかけ、レコーダーを持った女子生徒が現れた。

リボンの色からして、今度は2年生のようだ。

 

「やー!君が黄昏狂夜君だね?」

「そうですが、何か用ですか?」

 

いきなりの登場に驚きながら、俺はそう返事を返す。

 

「私は黛 薫子(まゆずみ かおるこ)。新聞部副部長で、2年の整備科よ。はい、コレ名刺」

 

そう言って、黛先輩は名刺を渡してきた。まさか、部活動とは言え名刺なんて作るとは…………結構本格的なんだな、この学園の新聞部って。

 

「んで、何か用ですか?」

「またまた~、もう分かってるんでしょう?勿論取材しに来たんだよ!君、この頃女子達の間で噂になってるからね」

 

噂、ねえ………………まあ、『織斑家の出来損ない』がどうとかの噂じゃねえことを祈るとしよう。

 

「では早そk………「ちょっと待ってください!」」

 

取材を始めようとした黛先輩に、射命丸さんが割り込んできた。

 

「私が最初に取材しようとしていたんですから、貴女は後になる筈です!割り込みは禁止です!」

 

あー成る程、つまりは彼女、最初にスクープを得たいのね。

んで、機会を窺って取材を試みたら、いきなり現れた黛先輩に邪魔されたと思ってるって訳か。

それに、二人の話を聞く限り、黛先輩が新聞部なのに対し、射命丸さんは部活動には入っていない。そのため、必然的に新聞部の方が優先されるのだ。

まあ、たかが取材なんかのために学年違いの喧嘩が勃発でもしたら迷惑だから、取り敢えず射命丸さんには、条件付きで我慢してもらうか。

 

俺は射命丸さんの肩を軽く叩いて注意を向け、耳元で言った。

 

「まあまあ射命丸さん、この場は取り敢えず引いてくれ」

「で、ですが……………」

 

やはり引き下がらないか…………

 

「なら、これは如何かな?」

 

そう言って俺は、ある取引を持ちかけた。

 

「今回の取材を引いてくれたら、今度独占取材をさせてやるよ」

「え、良いんですか?」

「ああ、勿論だ」

 

そう言うと、射命丸さんは納得してくれたのか、取引に応じてくれた。

そのまま、彼女のクラスメート達の元へと歩いていった。

 

「ヤレヤレ………………んで?取材ってのは?」

「あ、ああ……………そうだったわね」

 

そうして、黛先輩の取材が始まった。

 

「先ず最初に、クラス代表になった感想は?」

 

やはりと言うか何と言うか、在り来たりな質問だな。

 

「まあ、なったからには頑張ります」

「え~、もっと無いの~?『俺に触るとヤケドするぜ!』みたいなさあ」

 

注文多いなあ~、答えただけマシじゃねえかよ。

まあ仕形ねえ、こーなったらヤケクソだ。

 

「んじゃあ言ったるからさっさとレコーダー寄越せ」

 

ヤケクソだから敬語なんざ使ってないが、まあ、良いよね?

 

「あ、ハイ。どうぞ」

 

あ、黛先輩がドン引きしてる。まあ、いきなり口調変わったらそうなるわな。

さて、何言おうかな…………………よし!コレ言ってみるか!

 

俺は、なるべく周囲を威嚇しないように配慮しながら、全身からどす黒いオーラを撒き散らす。

俺の喧嘩スキルの1つ、『ナチスの死神』である。『帝王爆誕』や『帝王の覇気』も良いが、それだと周囲にあるもの全てを吹っ飛ばしちまう。

そのため、ただオーラを撒き散らすだけで済む『ナチスの死神』にしたのだ。

 

『1年3組クラス代表、黄昏狂夜だ!良いかよく聞いとけ貴様等!あの試合の結果が信じられねえ、イカサマしたとか思ってンなら何時でも喧嘩売ってきやがれ!本気で相手してぶちのめして、2度とナメた口聞けねえように調教してやる!!』

 

思いっきり叫ぶと、傍にあったコーラをイッキ飲みする。

あ~、ストレス発散になったぜ。

 

「………………………」

『『『『『……………………』』』』』

 

ん?もしかして言い過ぎたk………『『『『『キャアアアアアア!』』』』』なァァアアアアアアッ!!??

 

うるせっ!コイツ等、最早音響兵器にまで成り果てやがった!!

 

 

ってああ!?ちょいちょい美鈴さんに早苗さん!?後それから来ていた殆どの生徒さん方!?何顔真っ赤にして気絶してんの!?黛先輩も、顔真っ赤にしてねえでこの状況何とかしてくれや!ペパロニにアンチョビ!お前等何この状況見て爆笑してやがんだ!

 

つーか先生方も何とか………………って山田先生!?アンタも何顔真っ赤にして気絶してんの!?後それから長谷川先生!頬染めながら此方見んな!何か色々怖いわ!つーか上白沢先生!アンタも見てばっかねえで助けてくれよ!

 

あーもう!顔真っ赤にして気絶してる生徒の中には『調教して』やら『滅茶苦茶にして』なんて言う奴等も居やがるし、長谷川先生は長谷川先生で、相変わらず頬染めながら此方見てる

し!山田先生も気絶しまま体くねらせてやがるし!

 

誰かこの状況何とかしてくれやァァアアアアアアッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー疲れた。もう滅茶苦茶疲れた」

「アッハッハ!お疲れ兄貴!中々にイカした台詞を頂いたぜ!流石はアタシの兄貴だな!」

 

さて、場所は移って此処は寮の部屋。

 

 

あのクラス代表就任パーティでやらかしてから、俺は場の収拾に四苦八苦し、最早パーティを楽しむどころじゃなかったぜ、マジで過労死するかと思った。

 

そんなこんなで、パーティはお開きになり、気絶状態から回復した生徒は、皆各々の部屋へと帰っていった。まあ、帰り際に此方を見て顔を赤くしていたのは分かんなかったがな。

 

それから、俺は疲れきった体を騙して、ペパロニやアンチョビ、復活した美鈴に早苗達と後片付けを手伝い、寮の部屋に着いた頃には、もう夜遅くになっていた。

だが、消灯時間までは少し時間があるため、俺は美鈴、早苗と別れると、ペパロニとアンチョビを部屋に招き入れ、桜花、氷華、葛城を出し、ちょっとした二次会を開いていた。

「マスターの言葉には、私もゾクゾクしてしまいました」

「私もよ、桜花。流石は私の主♪」

「ちょっと氷華、何気に狂夜にベタベタし過ぎよ!離れなさい!」

 

あ~あ、此処でもカオスな空間が。桜花も頬を染めてるし、氷華は抱きついてくるし、葛城は抱きついてる氷華を引き剥がそうとしてるし。

 

「なあ、ペパロニにアンチョビ。この状況何とかならねえ?」

「「狂夜(兄貴)が悪いんだから我慢しろ」」

「んな理不尽な………………」

 

そうしていた時だった。

 

 

コンコンッ

 

 

「お?」

部屋のドアが、控えめにノックされたのだ。

今二次会開いてる俺が言えたことじゃねえが、こんな時間に誰だ?

 

「あ、アタシが出てくるよ。多分美鈴か早苗だろうからな。それに、今の兄貴の状態じゃあ、マトモに動けねえだろ?」

「まあな…………んじゃあ、悪いが頼む」

「あいよ、頼まれたぜ」

 

そうしてペパロニは立ち上がり、ドアに近づいて開けた。

 

「いらっしゃい!美鈴か?それとも早n………………テメエかよ」

 

ん?ペパロニがいきなり不機嫌そうな声を出したぞ?一体誰が来たんだ?

 

 

俺はそう思い、自由の利かない体を何とか動かし、ドアをノックした人物を視界に捉えた。

其所に居たのは…………………

 

 

「夜分遅くに失礼します」

 

今日の模擬戦で、不合格とした小娘、オルコットだった。

 

 

 

………………まあ、たとえ謝りに来たとしても、今更手遅れなんだけどな。

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