IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第四十三話~未確認ISをぶっ潰せ!再会!『ソ連の鬼』!~

狂夜がゲートを破壊している頃、アリーナでは鈴と一夏が、未確認機との激戦を繰り広げていた。

だが、近接武器しか持たない一夏の白式は、はっきり言ってしまえば、特攻かブレードを投げての攻撃、相手の集中を引き付けるぐらいしか役に立たない。

かくいう鈴も、長期戦による疲れなどで徐々に押され始めている。

龍咆で牽制、あわよくば未確認機の装甲を破壊しようとしても、相手側が頑丈なため、歯が立たないという状況下にいた。

エネルギー砲を撃とうとする瞬間を狙おうにも、未だにアリーナには、怪我などによって逃げ遅れた生徒が何人も居る。下手に攻撃しようものなら、相手の武器が暴発、結果的に負傷者、最悪の場合、犠牲者を出すことになる。

 

しかも皮肉なことに、教員による鎮圧部隊は、肝心の教員が我先にと逃げ出し、今居る教員は、織斑千冬、慧音、千里、永琳、真耶しか居ないのだ。

それに真耶は、出撃しようにもこの場における全指揮権を持つ千冬が何も指示を出さないために、管制塔にて足止めを喰らい、後の3人は、アリーナの観客席で負傷した生徒の応急措置に追われ、鎮圧部隊どころではないのだ。

 

万事休すかと鈴が思ったとき、アリーナに軽い衝撃波が響き、突然狂夜が現れた。

 

「よお、鈴。助太刀しに来たぜ」

『遅いわよ!』

 

悪い悪いと平謝りを返し、狂夜がゴールドウィングを展開しようとした時、突然、カタパルトから1機のISが飛び出した。

白椿を展開した秋彦だった。

 

「秋彦、アンタ何しに来たの?」

「その未確認機を倒しに来たんだ!良いから援護しろ!」

 

その様子を見ていた狂夜は………………

 

「はあ~あ」

 

呆れていた。

 

そして、瞬間移動でアリーナへと侵入し、それと同時に、ISを展開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ~あ、何か逃げようとして居た奴がいきなり出てきたかと思えば、何してんだが。

おっと、桜花達に戻ってくるように言うか。

 

「桜花~、そろそろ戻っt『兄貴!桜花達が武士道擬きのモップ女に連れてかれた!』はあ!?」

 

通信に出たのは、桜花ではなくペパロニだった。てか、連れてかれたって何だよ?

 

「おいペパロニ、ソイツはどういうこった?」

『それがな?

 

~少女説明中~

 

って訳なんだよ!あのクソアマふざけた真似しやがって!今度会ったらブッ殺してアドリア海に沈めてやる!』

 

ペパロニが言うにはこうだ。

 

ペパロニは、桜花、氷華、葛城、アンチョビの4人と協力して、生徒の避難誘導を手伝っていたんだそうだ。

そして、アリーナの観客席で負傷して逃げ遅れた生徒を除いたら、もう誘導する程の人数じゃなくなってきたので、一旦5人は外に出て、逃げてきたものの負傷したという生徒の応急措置をしていたところ、何故か現れたモップ女が桜花達3人を怒鳴り付け、何処へと連れ去ってしまったんだそうだ。

ペパロニやアンチョビが気づいた頃には、もうモップ女は3人を連れ、居なくなっていたんだそうだ。

 

『兄貴すまねえ!結局3人を守れなかった!』

「大丈夫だ、絶対3人は助ける。多分、どっかに監禁されてる筈だ。もしそれっぽいのを見つけたら教えてくれ。出来るなら3人を…………」

『ああ、任せろ!』

 

そうして、通信は切れた。3人に通信を入れようにも、応答がない。あのクソアマ何処に拉致りやがった?

まあ、あの3人だから簡単にやられたりはしないだろうが、もし織斑千冬がちょっかい出そうとしてるなら、話は別か。

取り敢えず、あのブリキ野郎を木っ端微塵に吹き飛ばしてやらなきゃなあ!

 

「鈴、待たせたな!援護する!」

『メッチャ待たされたわよ!何してたの!?』

「ちょっとした凶報を聞かされたんだよ。兎に角、お前らはSE、後幾ら残ってる?」

『もう100もないわ!一夏や秋彦は屍ぐらいにしか役に立たないし!結局やられてるし!』

 

滅茶苦茶苦労してんだな。

 

「よし、分かった。お前は織斑ツインズを連れて撤退しろ。俺が何とかする」

『……………勝算はあるんでしょうね?』

 

そう鈴が聞いてくる。俺は口で答える代わりに、親指を立てた。

それを見た鈴は、少し考えた後に言った。

 

『負けたら許さないわよ?』

分かってるっての。

 

『分かった、ならあたしも戻るわ。一夏!秋彦!此処は狂夜に任せて、一旦戻るわよ!』

 

鈴はそう叫ぶが、二人は聞く耳を持たない。未確認機の腕を切り落とそうとしながら叫んだ。

『鈴!お前は出来損ないにこの場を任せるつもりか!?』

『そうだぞ、鈴!こんな奴、俺達だけで!』

 

あの二人は馬鹿か?て言うか、お前らはその『出来損ない』に負けたんだぞ?もう忘れたのか?

なんて考えていると、鈴が龍咆で未確認機を吹っ飛ばし、二人に怒号を飛ばした。

 

『アンタ等は何アホ抜かしてんのよ!?転校してきた時に聞いたけど、アンタ等その出来損ないに負けたんでしょ!?狂夜には悪いけど!兎に角さっさと戻るわよ!アンタ等だってエネルギー少ないんだし!!』

 

そうして鈴は此方を向き、『頼んだ』とばかりに親指を未確認機へと向ける。

それに親指を立てて答え、PR・J.Tを展開しようとした時だった。

 

『一夏ぁ!秋彦ぉ!』

「「「「ッ!!?」」」」

 

突然、アリーナ一帯にモップ女の声が響き渡った。声のした方向を見ると、力業で放送席を占領したのであろうか、何人かの生徒と教員が薙ぎ倒されている。それらを竹刀片手に踏みつけるようにしながら、モップ女が立っていた。

 

『男なら………………男なら!そのような敵相手に出来損ないの手を借りてどうする!』

 

俺と鈴は、暫くの沈黙の後……………

 

「「彼奴は筋金入りの大馬鹿だァァァァァァッ!!!」」

 

二人同時に叫んだ。

 

『ねえ狂夜ァ!?あの子って自殺願望者だったの!?狂夜が出来損ない!?イヤイヤあの子でしょ!?まだアリーナには逃げ遅れた生徒や先生も居るのに!!』

 

鈴、Niceだァ!よくぞ言ったと褒めてやりたいところだぁ!

取り敢えずは………………

 

「織斑ツインズを回収して、あわよくばモップ女も回収しろォォォォォッ!!!」

『合点承知ィ!!』

 

 

 

 

という訳で、鈴が双天牙月を二本に分離させ、織斑ツインズをぶん殴って気絶させ、肩で担ぎながら、龍咆を下に向かって乱射し、その反動で勢い良くカタパルトまで飛ぶと、織斑ツインズを乱暴に投げ込み、放送席へ行こうとしていたが、モップ女が居ないと知るや、直ぐ様ピットへと引っ込んだ。

 

それを見届け、俺は視線を未確認機に移そうとしたが、いきなり通信が入った。

チッ!織斑千冬かよ。

 

「さて、さっさとあのブリキ野郎の始まt『黄昏、何故其所に居る?命令も出していないのに独断行動とは良い度胸だ。今直ぐ戻って』うるせえよ。今は非常事態なんだ、切るからな」

 

そう言って、俺は通信を一方的に切った。

 

再び視線を未確認機に移したのだが………………アレ、何処向いてんだ?

 

未確認機が見詰める先を見ると……………

 

「(ゲッ!嘘だろ!?)」

 

なんと、負傷した生徒の応急措置をしている上白沢先生達が居るではないか!!

てかあーなったのぜってえモップ女のせいだ!だってあのブリキ野郎が向いてる方向、良く見たら放送席の真下だし!

えーと確か、鈴仙さんだったか!?あの人怪我したのかよ!?しかも、なんか銀髪で小柄な女の子やオルコットじゃねえけど金髪の女の子まで怪我してるみたいだし!

つーか、そうこうしてる間にあのブリキ野郎、エネルギー砲撃とうとしてやがるじゃねか!

ごちゃごちゃ考えてる余裕はねえ!

 

「チキショウ、間に合わせてくれよぉ!?我が相棒!」

 

俺は一目散に、上白沢先生達を守るために飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!こんな時に!」

 

負傷した鈴仙と銀髪の少女の応急措置を、美鈴、早苗、とで行っていた慧音は、自分達へと向けられた未確認機のエネルギー砲を見て悪態をついていた。

元々は、篠ノ之箒が身勝手な事をしたのが原因だと言うのに、肝心の本人は逃げ去り、自分達だけが取り残されている。

万が一ということで一緒に行動していた千里や永琳も、苦虫を噛み潰したような顔で歯軋りしている。

未確認機がエネルギー砲を撃とうと、エネルギーを溜め始める。

 

「(クッ………………黄昏君!)」

 

自分達の死を覚悟しながら、慧音は目を閉じ、心の中で狂夜に助けを求める。

その時だった。

 

「だりゃァァァァァァアアアアアアアアッ!!!!!」

 

不意に声が聞こえ、それと同時に横から現れた影が、砲弾の如く未確認機に激突し、未確認機を吹っ飛ばした。

慧音が恐る恐る目を開けると、ゴールドウィングを纏った狂夜が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー間に合った!スッゲー危なかった!だが、俺偉い!ちゃんと守った!だから大丈夫!!

 

なんて、何のアニメの台詞使っt(メタ発言するんじゃねぇェェェェェェェッ!!!!)あべしっ!?

 

 

 

 

 

いやあ、何か殴られちゃった。なんで?………………まあ、良いか。

おっと、先ずは上白沢先生達が無事かどうかを確認せねば!

 

「先生方、怪我はありませんか?」

 

そう聞くと、上白沢先生は少しアタフタした後、大丈夫だと答えた。

俺は取り敢えず、先程体当たりで吹っ飛ばしたブリキ野郎が起き上がろうとしているところにPR・J.Tを展開、発砲した。

J.T、即ちヤークトティーガーの主砲と同じ、128mm徹甲弾の直撃を頭部に受け、ブリキ野郎は機能停止………………『ギギッ…………………ギ………………』…………しなかったァ!?

マジかよ!?頭吹き飛ばしたら普通機能停止するだろ!?こうなったら心臓貫くしかねえや!

 

「おらァ!」

 

俺はブリキ野郎の心臓部分を狙ってライフルを撃ちまくり、装甲をベコベコにしていく。そして、瞬時加速で突撃しながらパイルバンカーを展開し、露出しかけたコアをブッ壊した。

そして漸く、ブリキ野郎は機能停止した。

 

のだが、

 

「黄昏君、気を付けろ!伏兵だ!」

 

上白沢先生が叫んだと同時に、アリーナに7体のブリキ野郎が現れた。

そして、そのうちの1体が俺に向かってきた途端……………

 

 

 

 

「『クルスクの砲弾嵐』」

 

突然、何処からか声が聞こえ、次の瞬間には俺に向かってきたブリキ野郎が、横殴りに飛んできた砲弾の雨に晒され、あっという間にベコベコになり、爆発した。

 

にしても、『クルスクの砲弾嵐』か…………………てことは

 

「お前だな?『ソ連の鬼』こと、イワン・ナイジョノフ」

 

そう言うと、黒い袖無しシャツにダボッとした感じのズボンを履いた、銀髪で俺の髪型とよく似た男が、銃弾を煙草のように燻らせながら現れた。

そして俺を見ると、不適に微笑んで言った。

 

「ああ、そうだ…………………久し振りだな、『ドイツの帝王』、フェルディナンド・ポルシェ」

 

こりゃ、スゲー事になってきましたよ。

 

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