IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第四十五話~スーパー手抜きの回!でも最後にはアンチ(←オイコラネタバレすんな)~

「た………………黄昏…………………君…………なのか?」

 

無傷で立っている狂夜を見た慧音は、目の前に立つ人物が狂夜だとは、何故かこの時だけは思えなかった。

勿論彼女は、クラス代表決定戦で同様の姿を見ており、狂夜が並大抵の人間ではないことは分かっているのだが、まさか、高火力のエネルギー砲の直撃を生身で受けたのにも関わらず、平然と立っているとは考え付きもしなかった。

赤いオーラを撒き散らしながら立つ狂夜は、ゆっくりと振り向いた。

 

『正真正銘、黄昏狂夜本人ですよ、上白沢先生』

 

そう答えた狂夜の赤い虹彩では、彼の怒りを表すかのように燃え上がる赤い炎が映っていた。

 

「流石は帝王だ、よく生きてるモンだぜ」

 

いつの間にか狂夜の側に来ていたイワンが、狂夜が能力を発動しようとしている時によく発生するような、全身の周りを渦巻きながら吹き上がる風を纏いながら言った。

そして、次の瞬間には狂夜と同じように、全身から燃え上がる炎のようなオーラを撒き散らした。

彼も銀髪が赤髪に変色し、目も赤い虹彩に黒の瞳孔となる。

 

『俺のは《帝王の覇気》だが、お前のは?』

『まあ、《戦神》とでもするか』

 

 

『『まあ、取り敢えずだ………………………』』

 

そう言って、二人は鋭い目で3体の無人機を睨み付けた。

 

『『兵器の風情にも置けぬ貴様等は、ブッ潰して大阪湾(永久凍土)に沈め(埋め)たらァァアアアアアアアアッ!!!!!』』

 

その言葉を皮切りに、二人は勢い良く飛び出した。

地面を抉りながら飛んでくる二人に、3体の無人機は怯むような動きを見せる。

 

『『死にさらしやがれェェェェェェエエエエエエエエエエエエッ!!!!!!』』

 

そして二人は、拳一発で2体の無人機を粉々に吹き飛ばした。

そして残った最後の1体を睨み付け、どちらともなく飛び出した。

 

『『最後に貴様を血祭りにあげてやる…………………!』』

 

『《宿命の砲火》!!』

『《シベリアの地獄吹雪(ヘル・ブリザード)》』

 

 

 

 

 

 

 

そして2分後、瓦礫だらけとなったアリーナには、合計8体の無人機の残骸が転がっていた。

 

「いやあ、スッキリしたぜ」

「ああ、一瞬にして全部吹っ飛んで、挙げ句の果てに粉々になったからな。俺等何もしてねえけど」

 

そう言って、二人はあちこちにクレーターができ、破壊された無人機が煙をあげていたり、炎上している状態になっているアリーナを見回した。

これでの被害がアリーナの観客席に及んでいないのは、最早奇跡とも言えよう。

 

「まあ、この後始末は…………………」

「俺等がやるんだろうよ」

 

「「ハア………………」」

 

その場で溜め息をつく二人には、最早《二本角》の威厳の欠片もなかった。

その後、二人は用具入れからスコップ等を引っ張り出し、アリーナの地面の穴埋めや慣らし作業をしていたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ハア、やっと終わった」

「スッゲー疲れたぜ」

 

よお、さっきクソブリキ野郎共を1機残らずスクラップにしたは良いものの、アリーナを滅茶苦茶にしてしまい、イワンと穴埋めや慣らし作業をして、漸く終わらせた狂夜だ。

 

さてさて、作業を終わらせた俺達は、用具入れに使ったスコップ等を放り込み、アリーナのど真ん中で寝転がっていた。

「にしてもフェルディナンド、お前よくあのブリキ野郎共からのエネルギー砲喰らっても無傷でいられたよな」

「オイオイ、ヤークトティーガーやエレファント投げつけてきやがった癖に何ほざいてやがる。おまけにJS-2まで投げつけてきやがって」

「あ?そう言いやがるテメエも、マウスとかE-100とか投げつけてきやがったろ。アレ滅茶苦茶イテエんだぞ」

「鬼なのに脆ッ(笑)」

「ブッ殺すぞゴルァ」

「悪い悪い」

 

そうして軽口を叩き合ってると、かなり今更ながら、カタパルトから3機のラファール・リヴァイヴが飛んできた。

ゴールドウィングのセンサーを使い、操縦者を見ると、上白沢先生に長谷川先生、そして山田先生だった。

そのまま3人は、未だに寝転んでる俺達の元へと降り立つ。

 

「黄昏君!無事だったんだな!」

「もう!ヒヤヒヤしたんですよ!?」

「全くだ。こんなにも心配させた対価は高くつくぞ」

 

長谷川先生、何か怖いでゲス。

そうしていると、上白沢先生がイワンに気づいて声を描けた。

 

「時に尋ねるが、君は誰だ?」

「イワン・ナイジョノフ。ソイツの友人だ」

 

そう言ってイワンは、俺を指差して言った。てか、指差すな指!

 

「偶然、ソイツの気配を感じてな。しかも、ガチの戦闘モード。んで、面白そうだから転移してきたら、何やかんやあって今に至るってモンだ」

 

そう言って、イワンはずっと燻らせていた銃弾を1度口から外し、親指で弾いて上に飛ばし、またキャッチして燻らせる。

全く変わらない、イワンお気に入りポーズだ。

それを見つつ、上白沢先生はおずおずと言った。

 

「えー、その……………取り敢えず、黄昏君と共に学園を守ってくれたことには感謝する。だが、君は一応部外者であり、さらに今回の無人機襲撃事件に関わったことになるから、1度私達と理事長室に来てもらって話をして、それから今回の事を口外しないという誓約書を書いてもらうことになる。かなり手間を取らせるが、構わないか?」

「別に良いぜ。どうせ、その誓約書とやら、フェルディナンドも書くんだろ?」

 

イワンが言うと、上白沢先生達3人は首を傾げた。

 

「フェルディナンド?それは誰だ?」

「ソイツ」

 

長谷川先生の質問に、イワンは淡々と、俺を指差して答えた。だから、指差すな指!

まあ、3人はいまいちパッとしない感じだったが、フェルディナンドはあだ名だということで説明し、納得してもらった。

 

それから上白沢先生に聞いた話によると、さっき居た美鈴や早苗、鈴仙さんや銀髪、金髪の生徒達は無事に避難して、今は医務室にて安静にしているんだそうだ。

いやはや、取り敢えず誰も死ぬことなく済んで良かったぜ。

 

 

 

 

 

 

さて、あれから色々話し合った後、上白沢先生に打鉄の待機形態である籠手を返してもらい、アリーナから出て来ると、すっかり夕方になっていた。

そして、さっさと用事を済ませようと理事長室に急ごうとすると突然、2機の白いISが現れた。

織斑ツインズだった。

それに続き、7機のラファール・リヴァイヴが現れる。

 

「なあ、フェルディナンド、こりゃ一体どうなってやがる?」

「俺が知るかよ」

 

突然すぎることに訳が分からず、戸惑っていると、横から声が聞こえた。

 

「其所の銀髪の男に告ぐ。貴様の身柄は、我々IS学園が拘束する。大人しくすれば危害は加えない。投降しろ」

 

声がした方を向くと、其所には織斑千冬が立っていた。つーか、あの女今まで何処で何していやがった?

 

「拘束だぁ?俺は今から、後ろの先生方と我が友人と共に、理事長室とやらに行こうとしているんだが?なんか、誓約書とか書かなきゃならんみたいだし」

「そんなもの知らん。今この場では私が法だ。大人しく従え」

「テメエはヒトラーか何かかよ、このバイオレンスビッチ」

「なっ!?」

 

おい待てイワン、『ビッチ』なんて言葉何処で習ってきやがった?

 

「お前、千冬姉に対してその言い方は何だ!」

「君は千冬姉さんがどのような存在なのかを知らないのかい?ある意味、其所の出来損ないよりも出来損ないだね。こんなことも知らないなんて、それが許されるのは赤ん坊ぐらいだよ」

織斑ツインズの言葉に耳を貸すようなイワンではなく、いつの間にか俺の頭から外していた、俺のゴールドウィングの待機形態であるヘッドフォンを弄くり回していた。

 

「貴様、馬鹿にするのもいい加減にしろ!」

 

癇癪を起こした織斑弟が、ブレードを展開してイワンに斬りかかる。

だが、その攻撃は…………………………

 

「ホラよ」

「ガハァッ!?」

 

振り向き様に放たれたイワンの拳によって、イワンに当たることなく織斑弟が殴り飛ばされた。

俺以外の周囲の人間全員が驚いている。まあ、生身でISに敵う奴なんて、あの兎女と織斑千冬ぐらいしか居ねえもんね。まあ、俺も生身で攻撃受けてもピンピンしてたけど。

 

織斑弟を殴り飛ばしたイワンは、鋭い目で織斑千冬達を睨み付ける。

『鬼』と呼ぶに相応しい鋭さを持つイワンの目は、ラファール・リヴァイヴを纏う教員達を、一瞬にして戦意喪失させた。

 

流石は『ソ連の鬼』だな。

 

そう思いながら、俺は一歩前に進み、声にドスを効かせて言った。

 

『そういやさァ、俺のクラスメートから聞いたんだが、篠ノ之箒が女の子3人をどっかに連れ去ったそうじゃねえか。その3人は何処だ?』

 

俺はそう言って、全身からドス黒いオーラを撒き散らす。

すると、殺気に怯えたのか、織斑兄がアリーナの観客席へと続くゲートとは逆向きを指して言った。

 

「ホラ、彼処だよ」

 

そう言われた方を見ると、篠ノ之箒に木刀を突きつけられた桜花を先頭に、氷華、葛城が歩いてきた。

 

『このクソアマァ………………3人に何する気だ!』

「このテロリスト共への尋問だ」

 

んだとこのクソアマァ…………避難誘導の手伝いをしていただけの3人をテロリスト呼ばわりってか?ふざけた真似しやがって!

 

「この3人は、貴様等は知っていたそうだが私にはその情報が来ていない。よって不審者と判断し、篠ノ之が拘束したまでだ」

「ふざけないでよ!勝手ばかり抜かして!」

 

デカイ態度で言い張る織斑千冬に、葛城がいきり立って反駁するが、その目の前に、木刀が降り下ろされた。

 

「貴様等テロリストに発言権はない。黙ってテロリストだと認めれば良いのだ」

 

そう言って、篠ノ之が木刀を振り上げたが、織斑千冬がそれを止めた。

 

「篠ノ之、勝手な行動は慎め。尋問なら私がやる」

 

そう言って、織斑千冬は木刀を受け取り、桜花の前に突きつけた。

 

「兎に角貴様等の情報が私のもとに来ていない以上、貴様等は不審者でもあり、テロリストだ。それを認めるのなら弁護人を呼ぶが、認めないのなら…………………分かるな?」

 

織斑千冬はそう言うが、桜花は真っ向から反駁した。

 

「私達は、避難誘導の手伝いをしていただけです。貴女にどうこうされる筋合いはありません」

「そうか、ならば」

 

そう言って、織斑千冬は木刀を振り上げたが、それは予想だにしない方向から阻まれた。

 

「チョーシ乗ってンじゃねえぞ、クソ以下のキチガイ女」

 

その声が聞こえた瞬間、織斑千冬が持っていた木刀が、急に現れたペパロニによって奪われた。

ってか……………………

 

「ペパロニィ!?」

「よお、兄貴!アンチョビ姐さんも居るぜ!」

 

そう言われ、ペパロニが指差した方を見ると、桜花達につけられている手錠を針金で解除し、3つの手錠を指で一気に回しているアンチョビが居た。

 

「にしてもペパロニ、お前らどうやって来たんだ?」

「ん?瞬間移動で」

「へえ~」

スゲエな、コイツ瞬間移動なんて使えんのかよ!?

 

「黒澤、安斉。教師に向かって暴言を吐くどころか、尋問の邪魔をするとはいい度胸だな」「ハンッ!テメエみてえな三流未満のクソ袋共が何ほざいてンだよ?さっさと消えたら?勿論この世から」

「き、貴様ァ………………………!」

 

そうして一触即発の雰囲気になったが、先に動いたのは………………………

「千冬姐を侮辱するのか!!」

 

織斑兄でした。

呆れた俺は、瞬間移動でペパロニの前に立ち、ゴールドウィングの右手のみを部分展開し、PR・J.Tを展開し、ブッ放した。

128mm砲弾は、白式のデカイ非固定浮遊部位に命中し、一撃で地面に叩きつけた。

そして、俺はゴールドウィングの右手やPR・J.Tを解除し、桜花達を待機形態に戻し、呆然とする連中に殺気をぶつけながら、理事長室へと向かって歩き出しそうとしたが、途中で足を止め、後ろを振り向いて言った。

 

「ああ、テメエ等もちゃんと来やがれよ?無能共」

 

そう言って、俺達は再び歩き出した。

 

その後ろで、悔しそうに木刀やブレードで地面を殴る音や、先程アンチョビが投げ捨てた手錠を誰かが拾い上げ、再び地面に叩きつける音を聞き流しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、虚ちゃん?コレは何なの?」

「一応、アリーナの観客席へのゲート…………です」

 

狂夜とイワン、ペパロニやアンチョビ、慧音達が理事長室に向かっている同時刻、アリーナのゲート付近では、2人の女子生徒が立っていた。

2人は、真ん中に拳で殴られた跡をくっきりと残し、クレーターすら出来ているゲートだったモノを見て唖然としていた。

 

「それにしても、黄昏君がこれ程までの力を持っていたなんて、予想外ね」

 

そう呟いた、水色のセミロングの髪を外向きにカールさせた女子生徒、更識 楯無(さらしき たてなし)は、ゲートだったモノにできたクレーターを指でなぞる。

それを見ていた眼鏡をかけた女子生徒、布仏 虚(のほとけ うつほ)は、おずおずと口を開いた。

 

「お嬢様、如何なさいますか?」

「そうねぇ…………まあ、壁とかは破壊しても構わないと言われていたから、お咎めの必要は無いわ。ただ、ISを用いても、壊れるにはかなりの時間が掛かるアリーナのゲートを、拳だけで壊してしまう程の力を持つばかりか、あの無人機の攻撃を生身で受けても平然としていられて、更にはそのまま、生身で撃破してしまう戦闘能力があるとは……………あのイワン・ナイジョノフっていう男性共々、調べる必要があるわね…………」

 

そう呟きながら楯無が開いた扇子には、達筆で『イレギュラー現る!?』と書かれていた。

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