IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第四十七話~あれから色々あるのさ~

さて、理事長から出た俺達はイワンと別れ、医務室へと向かっていた。

理由は簡単。鈴仙さんや、他に医務室に居るという二人の生徒のお見舞いのためだ。

ペパロニとアンチョビは、ペパロニの精神状態もあり、医務室へ行くグループには入らずに一旦寮の部屋に戻り、ペパロニが落ち着いてから、学食に行くんだそうだ。

まあ、現時点で医務室に向かっているグループのメンバーは、俺、上白沢先生、長谷川先生の3人だ。

あ、因みに山田先生だが、あの人は職員室で書類整理があるため、理事長室にも来なかったんだそうだ。

 

途中で俺は一旦グループから外れ、立ち寄った購買で軽く菓子類を買い、そのまま医務室へと向かう。

 

そして到着し、ドアをノックする。医務室に入るときの基本である。

「どうぞ」

 

八意先生からの返事が返され、俺はドアを開けて入る。

其所には当然だが、既に来ていた上白沢先生と長谷川先生が、ベッドで寝ている3人の女子生徒に話し掛けていた。

俺はゆっくり、先生達に近づいた。

 

「おお、黄昏君も来たか」

 

そう言って、上白沢先生が此方に来なさいと手招きする。

取り敢えずそれに応じて、置かれていた椅子に腰を下ろす。

 

「よお、鈴仙さん。調子はどうだ?」

「ええ。ちょっと足を捻っちゃったけど、大丈夫よ」

 

そっかそっかと頷き、俺は隣で此方を見ている二人に目を向けた。

オルコットのような金髪だが、オルコットやアンチョビのように髪をカールさせていなかった。

まあ、取り敢えず外国人であるのは確かだな、うん。

で、隣に居る銀髪の子も外国人かな。

 

「えーと、そちらさん方も、調子はどうだ?」

 

出来れば女尊男卑思考に染まった奴じゃなければ良いなという、淡い期待を胸に、話し掛けてみた。

すると、金髪の方の子が答えた。

 

「ええ、軽い捻挫だって言われたわ。まあ、あれだけの状況で捻挫で済むなんて、一応運は良かったってところかしらね」

「そっか、そりゃ良かったな」

 

そう言って、視線を銀髪の子に移そうとすると、金髪の子が言った。

 

「ああ、そう言えば自己紹介してなかったわね。イギリス代表候補生、リーリス・ブリストルよ。今日は助けてくれて、本当にありがとね」

「いや、別に良いさ。そっちが無事なら」

「それはそうと、えっと………………狂夜、だったわよね?」

「え?(いきなり名前?)あ、ああ。そうだけど」

 

いきなり名前で呼ばれたことに戸惑いながら、俺は狂夜であるかを尋ねる質問に頷いた。

するとMs.ブリストルは、やや興奮気味に言った。

 

「アンタって凄いのね!あのISの攻撃を生身で喰らったのにビクともしてないし、逆にIS無しで倒しちゃうし!」

「あ、ああ……………まあ、色々あったら、人間誰でも馬鹿力が出るってモンじゃね?」

「それでも十分強いじゃない!」

「アハハ………………」

 

なんだろう、スゲー照れ臭い。

そう思いながら、ただ苦笑いしていた時だった。

 

「……………………(クイックイッ)」

「ん?」

 

不意に袖を摘ままれるような感触を感じ、袖に目線を落とすと、白い手が控えめに、制服の袖を摘まんでいた。それからゆっくり目線を上げると、銀髪の子と目が合った。

 

「……………………」

 

何やらジーっと俺を見ている。何処と無く不満気だ。

あ、多分だが、俺がこの子を無視してるって思ったのではないか?

だから袖を摘まんで引っ張り、注意を向けようとしている、的な?

 

「あー、ほったらかしにして悪かったな。んで、そちらさんはどうなんだ?どっか、痛い所とか、無いか?」

「ナイ、大丈夫です」

「そか…………………(ナイ?そんな言葉あったっけ?)」

 

俺はそんなことを思いながら、取り敢えずは機嫌を良くした女子生徒に安心する。

どうやら全員、大した怪我はしていないようだ。それが何より、喜ばしいことだろう。

 

「ああ、取り敢えず自己紹介しとくよ。黄昏狂夜だ」

 

そう自己紹介すると、数秒の間を置き、女子生徒も自己紹介を始めた。

 

「ギムレーから留学してきた、ユリエ・シグトゥーナです」

 

は?ギムレー?なにそれ?国?一応北欧だよね?先ず一言、そんな国聞いたことねエよ!

まあ、それは置いといて。

 

「代表候補生、とかではないんだな?」

「ヤー、私はただの一般生徒です」

「そっか」

 

ヤー(Ja)って答えるなら、ドイツ人か?まあ取り敢えず、彼女の返事の仕方を整理していけば、Yes=『ヤー』、No=『ナイ』………って感じかな?

 

「成る程な…………………んじゃ、俺はそろそろおいとましよう」

「あら、もう帰るの?」

「ああ、待たせてる友人が居るからな。ああ、それからコレ」

 

俺は持って来た袋から、チョコレート、ビスケット、ポッキーの箱を出し、3人に渡した。

 

「これは、ちょっとした差し入れだ。好きなの持ってけ」

「あ、ありがとう」

「へえ、気が利くじゃない、狂夜って♪」

「ありがとうございます」

 

そうお礼を言ってくる3人に、俺は去り際にお大事にと言って、医務室を出た。

 

 

 

 

 

 

「あ、狂夜君!」

「お?山田先生じゃないですか、お疲れさんです」

 

医務室を出て、ペパロニとアンチョビの部屋を探すべく、寮へ向かっていると、反対側からやって来た山田先生に鉢合わせした。

山田先生は俺を見つけた途端、走り寄ってきた。

てか、そんなデカイの揺らして走るな!結構気にしてしまうから!

そして、山田先生は俺の近くまで来ると、息を整えてから言った。

 

「今から、何処行くんですか?」

「ああ、ペパロニ達の部屋に。居なかったら先に学食に行こうかなって思いまして…………先生は?」

「わ、私ですか?いや、実は行く宛は特になくて………………」

「ふーん?」

 

何故か、指をモジモジと弄りながら、チラチラと此方を見てくる山田先生に疑問を覚えながら、俺は腕時計を見る。まだ6時半か…………………なら、二人の部屋に行くのは後にするか。

 

俺は予定を変更し、山田先生を暇潰しに誘うことにした。

 

「じゃあ先生、彼処行って話しましょうや」

「え?何処にですか?」

 

おや、どうやらご存じない?いや、多分場所を明確に言ってないからだな。

俺は取り敢えず、行けば分かりますとだけ言って、学食に向かった。

まあ、目的地は学食じゃないけどね。

 

 

 

 

 

 

「あー、学食近くの休憩スペースですね?」

「その通り」

 

俺はそう言って、ソファーにどっかりと腰掛ける。

 

「ふわぁあ~」

 

こうしてソファーに座ると、やっぱ気分がダレてくるんだよなあ~。

 

「あ、山田先生もホレ」

 

俺は隣をポンポンと叩き、座るように促す。

 

「あ、はい………………じゃあ、失礼して」

 

そう言って、山田先生が隣に腰掛ける。何故か顔を赤くしていたが、なんでだ?

まあ、気にすることはないか。

 

俺が欠伸をすると、心配そうな顔をした山田先生が話し掛けてきた。

 

「あの、狂夜君……………本当に、大丈夫なんですか?」

「ん?何がです?」

 

そう尋ねると、山田先生はぽつりぽつりと話し始めた。

 

 

 

曰く、俺が無人機の攻撃を生身で受けたことについてらしい。

まあ、あれぐらい別に痛くも痒くもないんだが、やはり山田先生からすれば相当堪えたらしい。俺が攻撃を喰らった時には本気で俺が死んだと思ったし、俺が無事だと分かっても、どっかで何らかの症状とかが出てくるんじゃないかと不安だったんだそうだ。

随分と心配かけちまったなあ、俺。

 

俺はそう思いながら、震えている山田先生の手に俺の手を重ねた。

 

「狂夜君……………?」

 

涙目で此方を見る山田先生が一瞬可愛いと思ってしまったが、それを振り払い、俺は言った。

 

「大丈夫ですよ、先生。あれぐらいの攻撃で死ぬほど、俺はヤワじゃありませんから」

「で、ですが………………ッ!」

 

あらま、マジで泣き出しそうになってる。

何か気の効いた事を言わねば!

 

「大丈夫、俺は死にませんよ。寿命が来るまではね……………それまでは何があっても、死ぬつもりはサラサラありませんから」

「……………本当ですね?」

「勿論です」

 

そう答え、俺は軽く微笑んだ。それを見た山田先生も、目に涙を残していながらも笑みを浮かべる。

ウンウン、やっぱ女の子には笑顔が一番だよな!

 

「狂夜君、本当に優しいんですね」

「そうですか?ただのお人好しなガキだと思ってますが」

「そんなことはありませんよ」

「そうかねえ……………」

「そうです♪」

 

そう押しきられ、俺は話を誤魔化そうと、携帯を見る。今は7時か………………

 

「じゃあ山田先生、俺はそろs「兄貴ー、やまちゃーん!飯食いに行くぞー!」……ペパロニだ………じゃあ、行きますか」

「そうですね」

 

そうして俺達は、ペパロニとアンチョビが合流してくるのを待ち、学食へと向かった。

 

其所で、美鈴と早苗が待ち構えていて、抱きつかれて泣かれたのは別の話。

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