IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中) 作:弐式水戦
さてさて、今日は日曜日、三連休最終日だ。
今日こそは普通にツーリングしようと、早速外出届を書き、上白沢先生に提出しに行こうとしていると、突然、理事長からの呼び出しがかかり、俺は今、理事長室に来ている。
「休日なのに呼び出してすまないね、黄昏君」
「いえいえ、お気になさらないでください理事長。それで、今日はどう言ったご用件で?」
俺がそう言うと、理事長は言った。
「ああ、先日のクラス対抗戦での無人機襲撃事件の事なんだけど、君とナイジョノフさんへの賠償金についての話なんだ」
「ああ、そういやそんな話もありましたね」
確か、あのクソアマが俺とイワンに五千万円ずつ支払うって話だったな。
「それで、君達の口座に振り込む予定だったんだが、二人の口座が分からなくてね。一応賠償金は届いたから、どうするかを聞いておこうと思ったんだ」
「成る程」
俺はそう言って、相槌を打った。となると必然的に……………
「イワンも呼ばなければいけませんね」
「そういう訳なんだ。頼めるかい?」
「分かりました、少々お待ちください」
俺はそう言って、イワンに貰った特殊な携帯電話を取り出して、イワンへと電話を掛ける。
少し待つと、ガチャリと音が鳴り、イワンが出た。
『あいよフェルディナンド、何か用か?』
「ああ、理事長が俺とイワンの賠償金についての相談があるんだとさ。悪いが来てくんね?」
『あいよ、直ぐ行く』
そうして電話が切れ、次の瞬間には、イワンが瞬間移動で俺の横に現れた。
「ご無沙汰してます、理事長さん」
「此方こそ、お久し振りです、ナイジョノフさん」
そうした挨拶が交わされ、本題へと入った。
「えー、お二方の口座が見当たらなかったので、一応届いたということだけでも連絡しておこうと、態々来ていただいたのですが、如何なさいますか?」
理事長はそう言って、イワンと俺を見た。
昨日の深夜にイワンから電話がきて、近々、コイツの転生先が決まるという連絡を受けた。
元々イワンはこの世界の人間じゃねえからな、口座なんて無くて当たり前だし、俺は元から作ってねえし。
そんなことを考えていると、イワンは口を開いた。
「ま、自分の口座はありませんからね、直接持って帰ります」
イワンがそう言うと、理事長は頷き、机の下からアタッシュケースを出し、机に置いた。
「此方が、賠償金の五千万円です」
「はい、確かに」
そう言って、イワンは机に近づき、アタッシュケースを受け取った。
それから、俺もイワン同様にアタッシュケースを受け取り、解体所にある我が家へと置くことにした。
「ふう、コレで用事は全て終わった。さあ、ツーリングに行くぞ」
さてさて、理事長室での話も終わり、イワンは帰っていった。
理事長室を後にした俺は一旦瞬間移動で解体所にある我が家へと帰り、掃除していた主任さんに今回の事について話し、アタッシュケースを預かってもらい、学園へと舞い戻った。
それから上白沢先生に外出届を提出し、ゴールドウィングのバイク形態を展開し、イグニッションキーを回そうとしていた時だった。
「黄昏か、奇遇だな」
不意に声を掛けられ、誰かと思いながら振り向くと、其所には長谷川先生が立っていた。
「どうも、長谷川先生」
俺は一旦イグニッションキーから手を離し、挨拶する。すると長谷川先生は、俺とゴールドウィングに近づいてきた。
「これから出掛けるのか?」
「まあね、久々にツーリングをしようと思いまして」
「そうか……………」
そう言って、長谷川先生は何かを考え始める。2、3分程何かを考えると、此方を向いて言った。
「なら、私もつれていってくれないか?」
「はい?」
突然長谷川先生は、自分もつれていってくれと言い出した。
「ち、因みになんで?」
そう聞くと、長谷川先生は軽く微笑んで言った。
「いや何、クラス対抗戦での無人機襲撃事件で、お前に命を救われたからな。何かしらのお礼をしたいと思っているんだ」
「はあ、成る程」
別にお礼なんてしなくても良いのだが、俺は頷いて、いつの間にかもう1つのヘルメットを取り出して長谷川先生に渡していた。
俺は、長谷川先生がヘルメットをつけるのを見ながら、ちょっとばかりからかってやろうと考えた。
結構前から、長谷川先生がちょくちょく俺を子供扱いしてからかってくることがあったので、そのお返しにはちょうど良いだろう。
「それにしてもこの状況、人によってはデートに見られるでしょうね」
「ん?」
そう言って、長谷川先生が此方を向く。
「いやね?一応今の俺達は私服姿だし、長谷川先生も結構若いし、一部の人からすればデートに見られるのかな思いましてね」
「デートか……………悪くない響きだな」
アレ?嫌がらない?てっきり、『教師をからかうな』とか言われるんじゃないかと思ってたが、コレは予想外だ。
そう思いながら、俺は冗談だと伝えることにした。
「長谷川先生、今のは冗談ですよ」
「ほう?」
俺が、今のは冗談だと伝えると、長谷川先生の目が変わった。まるで、獲物を見つけた獣のような目だった。
「自分からデートのようだと言い出しておきながら、今更冗談だと?男女の関係に関わるようなことを、お前は冗談で済ませるというのか?そうかそうか」
(・3・)アルェー?何だか話の流れがおかしくなってきましたよォ~?
なんて思っていると、長谷川先生がヘルメットを外し、近づいてきた。
そのまま両手で俺の頬に触れ、引き寄せる。
「コレでも私は、まだ独身だ。勿論彼氏も居ない。なので、まだ体は清いままだ。説得力がないかもしれんが、心は恋をしたい乙女なのだぞ?そんな純情な心を弄んだお前には、責任を取ってもらわなければならないな」
そう言って、長谷川先生は手を離し、再びヘルメットをかぶり直すと、ゴールドウィングのリアシートに近づき、ハンドルに手を添え、アクセルを捻るように手を動かし、少し頬を染めながら、色気のある声で言った。
「さあ、行くぞ黄昏。冗談半分でデートのようだと言ったことを後悔させてやる」
ヤバイ、色々な意味で滅茶苦茶怖い((((;゜Д゜)))
「お、お手柔らかにお願いします…………………」
「悪いが、それは無理な注文だな。今回お前は、本気で私を怒らせたんだから、今日はとことん付き合ってもらうぞ」
「\(^o^)/オワタ」
俺は内心orz状態になりながら、ゴールドウィングのシートに置いていたヘルメットをかぶり、イグニッションキーを回し、クラッチを操作する。
すると、コイツに積まれた、600馬力という怪物並みの馬力を誇るマイバッハエンジンが唸りを上げ、二本のマフラーから白い煙を勢い良く噴き出す。
内心で溜め息をつきながら、ギアを入れてアクセルを捻ろうとすると、リアシートに座った長谷川先生が抱きついてきた。
「ちょ、長谷川先生。サイドに取っ手があるので、そっちの方を持っといてもらえたらありがたいのですが…………………」
「嫌だ」
長谷川先生は拗ねた声で拒否すると、抱きつく力を一層強めてきた。
「お前にとってはただのツーリングでも、私からしたらデートなのだぞ、それぐらい察しろ……………バカ」
そんな声を聞きながら、俺はアクセルを捻り、いつになく元気の良さを失い、何処かシュールな雰囲気を感じさするようなマフラーサウンドを響かせながら、ゴールドウィングを発進させるのだった。
此処で俺は1つ、教訓を得ました。
長谷川先生を男女関係的なネタでおちょくってはいけない!
話が変な方向に流れちまうから気を付けろ!