IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

62 / 89
第六十一話~巨乳眼鏡先生達のターンだそうです~

さて、山田先生の部屋を出て、今は学食に着いた訳だが、俺はまだ、山田先生の部屋での会話で知った事実に驚いている。

俺がこの学園に入学する前から、実は俺と山田先生は、既に一度会っていたという事実。

確かに、例の女の子と山田先生はシルエットが同じだが、まさか本人だったなんて……………世の中って、何があるか分からねえモンだな。

 

 

「おや、山田先生も、これから夕食ですか?」

 

この世界に転生してから起こった様々なことを思い起こしていると、長谷川先生が近づいてきた。どうやら長谷川先生も、これから夕食にするところだったらしい。

 

「ええ、今日は生徒と夕食です♪」

 

何故か山田先生は、嬉しそうに言った。その理由が分からずボンヤリしていると、どういう訳か話が進み、長谷川先生も交えての夕食となった。つか、教師2人に生徒1人とか、スゲーキツいんですけど……………

 

「では、私は席をとっておきますので、2人は列の方に」

 

そう言って長谷川先生は、3人が座れる席を探しに行き、俺と山田先生は、食券を貰いに列に並び、各々今日の夕食を頼んだ。

因みに俺はカツ丼、山田先生は軽食セットだった。

 

 

 

 

 

 

「成る程、黄昏と山田先生は、2月から既に出会っていたと……………」

「ええ、まあ…………(実は今日知ったんだけどね…………)」

 

さて、各々の料理が乗ったトレイを受け取った俺と山田先生は、長谷川先生がとってくれていた席に座って3人で話をしていた。

色々と話しているうちに、俺は全部食べ終えていた。まあ、基本的に話すネタが無かったら黙って食ってるからな、俺。

 

そして一服していると、俺と山田先生の話になった。2月に俺が、チャラ男3人組に絡まれてた山田先生を助け、それからこの学園に送り届けたことなどを話した。

 

「あの時の狂夜君、かっこ良かったです~」

 

顔を赤くしながら言うと、山田先生は両手で頬を押さえながら体をくねらせる。かっこ良かったと言われて悪い気はしないが、俺本人が居る真横で言われたら、かなり照れくさい。

そんな気分になりながら頬を掻いていると、長谷川先生が口を開いた。

 

「確かに、絶体絶命の時に助けに来てくれるというのはかっこ良いな。なあ、黄昏?」

「俺に話振られても困るんですがねえ……………」

 

そんなこんなで話している間に、時間は8時になっていた。

 

「んじゃ、俺はこの辺で」

 

そう言って俺は立ち上がり、俺の部屋に戻ろうとしたが、それは長谷川先生によって止められた。

 

「まあ待て、黄昏。そう焦ることはない。どうせだから、もう少し付き合え」

「えー」

「そんな顔をするな。大して時間は取らせないさ」

 

そう言いくるめられ、俺のささやかな抵抗も虚しく、長谷川先生に部屋へと引き摺られていった。

その横を、山田先生が申し訳なさそうに、だが、何処と無く嬉しそうな表情で歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんな訳で俺達は、山田先生の部屋へとやって来た。部屋に上がってから聞いたのだが、どうやら山田先生にもルームメイトが居るらしく、そのルームメイトが長谷川先生なんだそうだ。

 

話によると、長谷川先生は、ちょっとした事情から、本来の予定より遅れて赴任してきたので、部屋の準備などの予定が狂い、本来教師に与えられる一人部屋が用意できなかったんだと。

それを聞いた山田先生がルームシェアを申し出て、長谷川先生が山田先生のルームメイトになったんだそうだ。

 

「そういう訳で、あの時は本当に助かったよ」

「それはそれは、良かったですね」

 

そうしつつも、俺と山田先生、長谷川先生の思出話討論会は続いた。

 

長谷川先生は、実は別の学校で養護教諭やってたとか、山田先生の過去とかを聞いて、当然俺の過去の話も聞かれた。

 

俺が元織斑家の人間であるということは、二人とも気づいていないようなので、元から解体所で暮らしていたと話した。

それから、話が俺の学園生活の話になり、長谷川先生が赴任してくる前に何があったのか等を話した。

 

 

さて、そんなこんなしつつも、気づけば消灯時間を少し過ぎていた。

 

コレって、俺は体験したことはないが、修学旅行とやらでの就寝時間に、消灯時間を過ぎても起きて、クラスメイトて話し続けるというヤツではなかろうか?

そう思うと少しワクワクしてくるが、あくまでも、此処が教員の部屋だということを忘れてはいけない。

 

「じゃあ、俺はそろそろ帰ります。もう消灯時間過ぎてますし」

 

俺はそう言って立ち上がり、瞬間移動で俺の部屋に転移しようとしたが、長谷川先生がそれを止めた。

 

「なんなら、今日一晩ぐらい泊まっていったらどうだ?」

「ファっ?」

 

いきなり言われた突拍子もない一言に、俺は動きを止めてしまう。

 

「どうせ消灯時間は過ぎているからな、早く寝た方が良いだろう。それに、布団なら私と山田先生のをくっつければ、お前一人ぐらいは入れる筈だ。勿論、掛け布団もな」

 

そう言って、長谷川先生は山田先生の方を見る。

山田先生は、それで何かを考え付いたかのような表情を浮かべると、少し顔を赤くしながら長谷川先生に同調した。

 

「確かに、長谷川先生の言う通りですね。布団も問題はないし、後は寝れば良いだけ……………ですもんね」

「よし、ならば善は急げだ。黄昏、布団を敷くぞ」

「あ、はい」

 

最早逃げ道は無い。俺は素直に従い、長谷川先生と山田先生を手伝った。

その後、二人が寝間着に着替えるそうなので、俺は脱衣所で作業着のシャツを脱ぎ、制服のカッターシャツに着替える。

先生方から、もう脱衣所から出てきても良いと許しが出たので、俺は脱衣所から出る。

 

「さあ、黄昏。年上の女に挟まれて眠る幸せを、とくと味わうが良い」

「(明日大丈夫かな、俺………………)」

 

 

そんな不安を感じつつ、俺は長谷川先生と山田先生に挟まれる形で布団に入り、その夜はずっと、二人に抱き枕にされていた。

 

其所で長谷川先生が言った、『年上の女に甘える幸せ』が、俺には『年上の女に挟まれる恐怖』になってしまったのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、やっと眠ったか……………」

「狂夜君、中々寝付きませんでしたからね」

「ああ……………だが、試しに二人で寝たふりをしてみたら、あっさりと眠ったな」

 

二人の間に挟まれた状態で寝息を立てる狂夜を見ながら、千里と真耶は言った。

スヤスヤと寝息を立てる狂夜を、千里はそっと抱き締め、頭を撫でる。それを見た真耶が、少し不満げに言った。

 

「長谷川先生、最近狂夜君にベッタリですね?この前も、狂夜君のお出掛けについて行ったらしいですし………………もしかして、長谷川先生も狂夜君が?」

そう言う真耶に、千里は振り向いて言った。

 

「ああ、そうだな。私はコイツが好きだ。勿論、一人の男としてな」

 

そう言って千里は、狂夜を抱き締める力を弱め、狂夜を仰向けの体勢に戻す。

そして、まるで眠る赤ん坊に寄り添う母親のように狂夜に密着し、顔を覗き込みながら言った。

 

「容姿は中性的だから好みは分かれるだろうが、他者のために自分が前に立つ等という姿勢や優しさに、惚れない女など居ないだろう?」

 

そう言って、千里は真耶に見せつけるかのように、狂夜の額にキスをする。流石に耐えかねたのか、真耶は千里から奪うように、狂夜の右肩に抱きついた。

 

「私だって狂夜君が好きなんですから、長谷川先生には渡しません……………ッ!」

「それは私の台詞だ、山田先生」

 

そうして、千里は真耶に抱き寄せられた狂夜に近づき、狂夜の左肩に抱きついた。

 

「私もコイツが好きだ。だがライバルも多い。紅に東風谷、ブリストルにシグトゥーナが主だ。それに最近、上白沢先生も、コイツに好意があるような仕草を見せているからな……………」

 

そう言って、千里は抱きつく力を強くして言った。

 

「コイツは……………誰にも渡したくない」

「私もです」

 

そうして、二人は暫く互いの顔を見合い、それから軽く微笑み合うと、狂夜に抱きついたまま、二人は眠りについた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告