IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第六十六話~ペアを決めてトーナメントへ!~

「………あ~…………まだ5時か…………6時半まで暇だな……」

 

珍しく、セットした目覚まし時計よりも早く起きた俺は、ベッドの布団の中で、傍らに置いていた目覚まし時計を見ながら呟いた。

5、6分早く起きるのはしょっちゅうあったが、1時間以上早く起きるのは初めてだった。

 

普通なら、その場で二度寝しそうだが、俺の場合、二度寝する時に寝付くまでかなり時間が掛かる。そのため、少なくとも1時間寝るなんて事は無理だ。

つまり、俺は本来目覚ましをセットした6時半まで起きているしかないのだ。

 

「しかし、つくづく考えたら俺、時間潰しの手段ってスマホしかねえんだよな~、何か他にやる事無いか……………ん?」

 

潜り気味だった体を起こして暇潰し出来るものがないかと部屋を見回していると、ふと、鞄が目に留まった。

 

「そういや俺、鞄に何か入れたまま忘れているような気がすんな~、何入れたっけ?」

 

俺はそう呟きながら布団から出ると、部屋の電気をつけると、鞄を持って再びベッドに腰掛ける。

 

「あ、そういやこの前、先輩から手紙貰ったんだった。読んでくれって言われたけど、全く読んでなかったな」

 

独り言を溢しながら、俺は鞄から手紙を取り出す。日はそれなりに経っているが、幸いにも手紙がグシャグシャになっていることはなかった。

 

しっかし、こうしてじっくり見てるとつくづく思うが、マジで字が上手いな、コレ書いた先輩は。

 

等と思いながら、俺は封をされているハート型のシールを丁寧に剥がし、出てきた1枚の便箋を手に取り、考える。

 

この便箋には、どんな事が書かれているのだろうか?ただ『文通しようぜ』的なヤツか?それとも『ISの適合は嘘だったと言って退学しろ』みたいな事を書かれているのか?

まあ前者なら未だしも、後者はマズイ。俺が嫌いな、一番めんどくさいタイプの連中からの手紙だ。まあ、そんな手紙だったら問答無用で焼却炉送りにしてやりゃ良いか。

取り敢えず読もう。

 

俺は谷折りにされ、文章が隠れている便箋を開いた。

なになに………………

 

 

『試合の時、助けてくれてありがとうございました。

 

クラス代表決定戦の時もそうでしたが、敵に立ち向かっていく黄昏君の姿は、とてもカッコ良かったです。

 

初めて貴方を見た時は、正直に言うと、パッとしない感じの人だと思っていましたが、ボロボロになっても尚立ち上がろうとする貴方に、私は一発で恋に落とされました。

 

これからもずっと、貴方をお慕いさせてください。

 

 

2年3組 水島 夕麻(みずしま ゆうま)』

 

 

 

えっと……………コレって所謂、ラブレターってヤツか?

それにしても、随分こった内容だな。俺が女でも、こんなラブレターは到底書けねえや。

 

まあ取り敢えず、どうすりゃ良い?

 

2年3組の教室に行って、答えを言うべきか?否、そもそも答えるための告白の文章が無い。

だとすれば、態々言いに行く必要は無い、か……………う~む、分からん!

 

それに、コレはあまり考えたくはないが、悪戯の手紙かもしれん。

あまり軽率な判断は出来ねえな。

 

 

 

そうしているうちに、タイマーを切っていない目覚まし時計が鳴り始めた。

俺はタイマーを止めてスイッチをOFFにし、制服に着替え、今日の授業の用意を済ませると、朝飯にありつくべく、食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ~、兄貴ってラブレターなんざ貰ってたんか」

「それは知らなかったな」

 

食堂に着いて朝飯にしていると、食べ終えそうな時間にペパロニとアンチョビが合流して、俺は2人が朝食を摂るのを見ながら、一服がてらにお茶を啜りながら、2人と世間話をしていた。

 

「そういや兄貴、誰とペア組むんだ?今回のトーナメント」

「あ?トーナメントのペア?どういう事だ?」

 

ペパロニが言ったトーナメントとやらは、恐らく学年別個人トーナメントの事だろう。

だが、それはペアじゃなかった筈だ。

 

「ああ、狂夜は知らないのか」

 

そうアンチョビが言うと、スカートのポケットから1枚のプリントを取り出して、見せてきた。そのプリントには、今回のトーナメントについては、より実践形式に近づけるため、ペアでエントリーすることになったと書かれていた。

 

「こんなモン、何時の間に配られたんだ?」

 

俺はそう呟きながら、アンチョビが持っているプリントを借り、眺める。

学年・組・氏名を記入する欄が2つ。やはりペアで申請するようだ。

俺はプリントをアンチョビに返し、腕を組んで考えた。

 

「ペア、ねえ……………誰か居ねえかな?」

「まあ、明日の放課後までだから、少し考えたらどうだ?」

「そうしようかな」

 

俺はそう答え、ちょうど朝食を終えた2人と教室に向かった。

 

 

 

 

 

 

「あ~、学校サボりたい~」

「こら狂夜、そんな事を言うんじゃない」

「まあまあ姐さん、たまにはこんな台詞聞くのも良いじゃないですか~」

 

教室を目と鼻の先に控えた俺達は、そんな茶番のような会話を交わしながらも、教室へと足を踏み入れた。

次の瞬間……………

 

『『『『『た、黄昏君!!!』』』』』

「はいィ!!??」

 

突然、ペパロニとアンチョビ以外に教室に居た、3組の女子全員が、俺の前に雪崩れ込んできた。つか、何事?

 

「こ、これ!!」

その中で代表するかのように出てきた矢田さんが、俺に1枚のプリントを見せてきた。

 

「これ、トーナメントのお知らせか…………」

「あれ?知ってるの?」

「ああ。さっき食堂で、アンチョビに見せてもらったからな」

 

そう言うと、ならば話は早いと言わんばかりに、女子達がさらに詰め寄ってきた。

 

『『『『『なら、是非とも私とペアを組んでください!!!』』』』』

 

そう言われるが、俺としては困る。普段俺は、ペパロニやアンチョビ、美鈴、早苗とよく話しているが、他の生徒と話したことは滅多にない。

大して接点の無い奴と組んだところで連携が取れないのは、火を見るより明らかだ。

それに1回戦負けしたらモルモットにされちまうしな。

 

俺は苦肉の策として、ペパロニを見た。実はペパロニ、未だにペアが決まっていないらしいのだ。

アンチョビからトーナメントの試合形式変更について聞いた時、アンチョビは既に、他の生徒と組むつもりだと聞いたのだ。

そのため、普段俺やアンチョビと一緒に居るペパロニは、まだペアが居ない状態なんだそうだ。

 

俺の視線に気づいたペパロニは、俺の言いたい事を察したらしく、ニヤリと笑みを浮かべ、任せろとばかりに親指を立ててから、女子の方を向いて言った。

 

「悪いが、兄貴のペアはアタシなんだ。諦めてくれ」

『『『『『そんなあ~!!!』』』』』

 

女子達は、まるでこの世の終わりを知ったかのように落胆した声を出した。

 

「うう~ッ黄昏君とあまり話したことがないのが仇になった~!」

「妹分の黒澤さんがペアって…………黒澤さん、専用機無いけど連係プレーでKO負け確定じゃない」

「これじゃ優勝商品なんてゲット出来ないよ~」

 

等々と呟きながら、女子達はトボトボと散っていった。

 

「ふう……………Danke.ペパロニ、助かったぜ」

「いやいや、気にすんなって!ちょうどアタシもペア居なかったからな、正にグッドタイミングだぜ」

「それなら良かった。んじゃ、今日の放課後にでも申請しに行くか」

「Si!!」

「やるならテッペン獲るぞ!」

「Si!!!」

「「Victory is ours!!!」」

こうして、俺はペパロニとトーナメントに挑むことにした。

まあ、あんま接点の無い奴と組むよりかは遥かにマシだからな。

 

 

 

 

 

余談だが、放課後ペパロニと職員室にトーナメントの申請をしに行こうとしていた時、美鈴や早苗、ユリエやリーリスに会い、ペアを組まないかと誘われたが、ペパロニと組むと言った途端に残念そうな顔をされ、ちょっとした罪悪感に襲われたが………………まあ、仕方ないよね?決まったモンは決まったモンだし。

 

そうして日は流れ、遂に俺達は、トーナメント当日を迎えた。

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