IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第六十七話~初戦の相手が予想と違う?き、気のせいじゃね?~

さてさて、遂に迎えたトーナメント当日。アリーナの観客席は、生徒や各国のお偉いさん方で埋め尽くされている。

一応、今日の試合に出る俺やペパロニ含む生徒は、今日のトーナメントで誰と当たるのかを知らせるモニターに対戦相手が映し出されるのを、今か今かと待っていた。

 

「いや~、楽しみだなあ。この日のためにかなりイメトレしたからな」

 

壁に凭れ掛かり、頭の後ろで手を組むペパロニが、呑気に言った。

俺達は、トーナメントの申請をした後、ISの軌道等をどうするかについての作戦会議をしていた。

取り敢えずやり方は、連携を取ったり、各自バラバラに動いたりして相手を翻弄し、疲れたところを狙って銃火器や拳をぶち込むという、かなり荒っぽい作戦になった。

流石にそれを一般生徒にやるのは気が引けるので、専用機持ちが相手になったらやるということにした。

 

そうして待つこと30分、漸く対戦相手が決まったようで、モニターに俺達の対戦相手が映し出された。

 

 

《第1回戦 黄昏 狂夜&黒澤 希望(くろさわ のぞみ)vs織斑 一夏&シャルル・デュノア》

 

「ほお~う……………初戦は奴等か」

「いきなり作戦実行の試合が来ちまったぜ?兄貴」

「だな。まあ、後は頑張るしか言いようがねえや……………ところでペパロニ」

「ん?」

 

ペパロニが此方を向くと、俺は今更な台詞を口にした。

 

「お前の名前って、希望(のぞみ)って言うんだな」

「ま、まあな~………」

 

ペパロニは、顔を少し赤くしながら頬を掻く。名前で呼ばれるのに慣れてないのか?そういや、アンチョビでさえコイツを名前で呼んでないしな。

にしても希望ってのか~、知らなかったなあ~。

 

え?入学式あった日の自己紹介聞いてなかったのかって?しゃーねえじゃん、色々あったんだし。

 

まあ、そんな事は置いといて…………

 

「じゃあ希望、さっさとアリーナに行こうぜ」

「兄貴~、ペパロニって呼んでくれよォ~」

 

俺は軽くペパロニをイジりながら、アリーナに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、あーなるとは思わなかったな」

「だな。アタシはてっきり、あの銀髪ちゃんと当たるかと思ったぜ」

 

ピットにて、俺とペパロニはそんな事を話していた。

ペパロニは専用機を持ってないので、既にラファール・リヴァイヴを展開している。

アリーナに出るまでには時間があるので、今はリラックス&作戦の確認タイムだ。

 

「んじゃあ、さっき言った作戦でのやり方で」

「おう!」

 

俺とペパロニは話し合いを終え、カタパルトに近づいた。

 

「そういや兄貴、試合ではどれ使うんだ?」

「ああ、打鉄だ。最近使ってなかったから、たまには良いだろう」

「ま、確かにそうだな」

 

そう言い合いながら、俺は打鉄を展開する。

その姿は、外付けの装備により、若干変わっていた。

 

 

主武装は近接ブレードの『葵』とライフルの『焔備』、それから残った拡張領域にはサブマシンガンを追加。

それから、胸元のホルスターに2丁拳銃、それを足にも追加し、背中に青竜刀を付けるという完全武装だ。

 

「にしてもズルいぞ、兄貴は打鉄改造して、アタシはやってないんだからな?」

「まあ、専用機に整備室の武装取り付けちゃダメなんてルールは無いんだから良いじゃん」

俺はそう言って、出撃の用意をする。それを見たペパロニも、出撃の用意をする。

 

《それでは、各自アリーナに出て、指定の位置についてください》

 

そうアナウンスが入り、俺とペパロニは互いに頷き合う。そして、勢い良くアリーナに飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

アリーナに出ると、其所には既に、織斑兄とデュノアが待機していた。

 

「よお、待たせて悪かったな」

 

俺がそう言うと、織斑兄は何故か、表情をしかめた。あれ?何か失礼なこと言ったか?

 

「春馬兄、それは俺達をナメてるのか?」

「はあ?何言ってんだお前?」

 

俺はそう言って、首を傾げる。横に居るペパロニを見ると、ペパロニもまた、俺と同じく首を傾げている。

 

つか、何をどうやったらそんな反応出来るんだよ?

 

「春馬兄、なんで訓練機なんて使うんだよ?ゴールドウィングとか言うのを使えば良かったのに」

 

成る程、まあ詰まる所、『俺達の専用機を上回るスペックを持つISがあるのになんで凡庸機なんて使うんだよ?』って言いてえのか………………これ、葛城に聞かれてたら殺されるぞ。

そういや、俺今回3人を出してなかったんだよなあ、聞かれてなかったら良いんだが…………

 

『既に聞こえてるわよ』

 

あ~りゃまあ、どうやら望む前に望みを絶たれてしまったようだ。

 

『あのガキ、金髪の小娘みたいな事を言うなんて………これだから専用機貰っただけで調子に乗ってる煩悩は嫌いなのよ』

「(まあまあ落ち着け。試合が全部終わったら何かしてやるからさ)」

『それが数少ない、私の楽しみだわ。なら今夜、私と寝てもらおうかしら』

「(はいはい、それで良いよ。じゃあな)」

 

そうして、葛城との会話を終えた俺は、織斑兄の方を向いて、溜め息をついてから言った。

 

「オルコットと同じ事を言いやがるんだな、お前は…………実に愚かだ」

「ッ!」

 

俺の言ったことが気に障ったのか、織斑兄はさらに顔をしかめ、俺を睨み付ける。

俺は織斑兄の視線に構わず、言葉を続ける。

 

「オルコットもな、お前と似た事を言って、俺に負けたんだよ。完膚なきまでにな」

「…………」

「専用機が訓練機に負ける筈がないとかバカ言って、結局は負ける。お前や織斑弟と戦った後だから、更正しているのを期待していたんだがなあ……………残念だったよ」

「………だから、セシリアの謝罪を拒んだのか?」

「ああ、まあそれもあるがな」

「ッ!なんでだよ!?春馬兄と戦った後、セシリアは完全に反省していたんだぞ!」

 

そう言われ、俺は溜め息をつき、空を見上げながら言った。

 

「…………提出物」

「?」

「提出物ってさあ、何れにしろ提出期限はあるだろ?そして、それを出し遅れたら、普通はどうなる?」

 

俺はそう言って、織斑兄を見る。答えが思い浮かばないのか、はたまた答えは分かったが言えないのか、織斑兄は黙っていた。

 

「そう、普通ならもう、提出物を見てくれないんだよ。その提出物が謝罪と、人を見下さない、代表候補生としてあるべき態度、これを求めていたんだよ。あの模擬戦の前にな。だが、オルコットはそれを達成出来なかった。そして俺のクラス代表就任パーティの後、彼奴は謝りに来た。遅れに遅れた提出物を持ってな」

そう言って、俺はまた溜め息をつき、今度は織斑兄の方を向いて言った。

 

「本当に残念だよ。お前も何だかんだ言って、そうやって他者を見下してるじゃねえか」

「ち、違う!俺は………」

「違う?何が違うんだよ?俺と言う人間を見下してる訳じゃないから、訓練機使ってる事に文句言っても良いとか思ってんのか?ならばどの道、お前も他者を見下してるって事には何ら変わりねえんだよ」

 

そしてと付け加え、俺は目を細めて織斑兄を睨んだ。

 

「何度も言うが、俺は黄昏狂夜だ。もし俺の姿が織斑春馬君に似ていたとしても、それはただの人違い、はたまた、ただのそっくりさんだ。間違えんな。それに……………死んでから今更騒ぎ立てるのか?お前は」

「ッ!」

 

俺がそう言うと、織斑兄は図星を突かれたように、先程の勢いを失う。

 

「まあ、そんな事はこの際どうでも良い。先ずは試合に勝たなきゃならんからな。それから、訓練機が専用機に負ける筈がないとか考えてるお前のアホ頭に、一発拳骨入れてやらなきゃならんしな」

 

俺はそう言って、背中に取り付けている青竜刀を右手に取り、バトンのように振り回した後に構える。

 

《では、試合開始!》

 

その瞬間、試合開始のアナウンスが流れた。

さあて、俺をモルモットにしようとしてやがるバカ共に、俺の暴れっぷりを見せてやるとしますかね。

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