IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第六十九話~遂に来た!現役ドイツ軍人vsドイツの帝王!~

「黄昏君、黒澤、お疲れ様。中々凄い戦いだったぞ」

「ああ、私でもあんな試合は見たことがない」

「そ、そりゃどうも」

「まあ、ざっとこんなモンッスよ」

 

さて、ピットへと戻ってきた俺とペパロニは、ピットに来てくれていた上白沢先生や長谷川先生からのお褒めの言葉を戴いていた。

観客もそうだが、俺とペパロニ、あの試合で織斑ペアを結構ズタボロにしたんだが、何故かそれについてのお咎めがないのが不気味だな。

てっきり、『やり過ぎだ』とか言われると思っていたんだが。

 

「それにしても、フランス代表候補生のデュノアでさえ圧倒するとは…………黄昏君もそうだが、黒澤もこれから、かなり注目されそうだな」

 

腕を組んだ上白沢先生が、ウンウンと頷きながら言う。つか、デュノアってフランス代表候補生だったんかよ。通りでこの前見た時に、操縦が矢鱈と上手いなって思ったわけだ。それに織斑ツインズへのアドバイスも完璧だったし…………

 

「まあ、取り敢えずはお疲れ様。ISのエネルギーを補充するから、ついてきなさい」

 

そう言われ、俺達は先に歩き出した上白沢先生の後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ISのエネルギーを補充している間、俺とペパロニは試合の観戦を楽しんでいた。

様々なペア同士がぶつかり合い、時にはブレードやナイフが、時には銃弾やミサイルが飛び交う。

美鈴や早苗達、八雲重工の面子や、簪や鈴、リーリスのような代表候補生の試合は中々に迫力があり、かなり楽しめた。

 

 

そして、俺とペパロニのペアvsボーデヴィッヒのペアとの対決となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「漸く、こうしてお前と戦える時が来たな………」

「ああ、そうだな…………」

 

再びアリーナへと舞い戻った俺達は、ボーデヴィッヒのペアと対峙していた。

ボーデヴィッヒとペアを組んだのは、篠ノ之箒だった。見た感じ、多分抽選か何かで選ばれたって感じだな。

 

暫く無言で居ると、またしてもボーデヴィッヒが先に口を開いた。

 

「私のシュヴァルツェア・レーゲンの修理が早く終わったのは、お前のお陰だ。感謝する」「いやいや、別に構わんさ。つか、お前の武装潰したのは俺なんだ、修理の手伝いくらいはしなきゃな」

「そうか………」

 

それにしても、ボーデヴィッヒの奴、結構変わったなあ。何と言うか、人を威圧し、見下しているような雰囲気が抜けている。

どんな風の吹き回しでこうなったのかは分からんが、人を見下しているような態度がなくなったのは良かったな。心置きなく戦えそうだ。

 

「ところでだが、お前は何処かの国に帰属する気はないのか?」

 

不意に、ボーデヴィッヒがそんな話題を持ち掛けてきた。

 

「さあな…………今のところは未定だが、なんでいきなり?」

「いや、何…………ドイツでも、お前の事は何度も小耳に挟んでいてな。企業のパイロット2人を相手取って勝利する実力や、私のシュヴァルツェア・レーゲンを直せる程の技術力、そして人柄の良さ…………前に私の部下に話してみたら、『是非ともドイツに来てほしい』等と言っていたからな。言ってみただけだ、気にしないでくれ」

「はあ…………」

 

そうこうしているうちに、試合開始間近になった。

 

《試合開始、20秒前》

 

そんなアナウンスが聞こえ、カウントダウンが始まる。読み上げられる数値が0に近づくにつれ、先程から無言状態だった篠ノ之箒が、殺意&敵意駄々漏れの状態で此方を睨んでくる。

 

俺は目線をペパロニに向け、先に篠ノ之を始末するようにアイコンタクトで伝える。

ペパロニは視線に気づき、俺が何を言いたいのかを理解したのか、任せろとばかりに親指を立てた。

そして遂に…………………

 

 

 

《試合、開始!》

 

試合開始を告げるアナウンスが、アリーナ一帯に響き渡った。

 

「うぉっしゃあ!行くぞォ!」

 

俺は勢い良く飛び出し、背中に装備している青竜刀を構え、ボーデヴィッヒ目掛けて突撃する。

それを見たボーデヴィッヒは、俺が真っ向からの先制攻撃を仕掛けてくると思ったのか、ニヤリと表情を歪めながら言った。

 

「お前も、織斑一夏と同じやり方をするんだな…………だが、私とシュヴァルツェア・レーゲンの停止結界の前では無意m……「何時から、俺が真っ向からの先制攻撃を仕掛けると錯覚していた?」……何?」

 

俺はボーデヴィッヒが展開した結界に当たるスレスレで瞬間移動を使い、ボーデヴィッヒの背後に回り込む。

そして、ボーデヴィッヒの背中の装甲を青竜刀で殴り付けた。

 

「ガハッ!?」

 

力を入れすぎたか、ボーデヴィッヒは仰け反ったまま前方へと吹っ飛ばされる。

その瞬間、俺の視界が開け、ペパロニとモップ女の戦いが映った。

 

 

 

 

「邪魔だ、退け!」

「退けと言われて退く馬鹿が居るかよアホンダラ。そんなに退いてほしけりゃ自力で退かしてみやがれや!」

「貴様ァ!!」

 

俺が使っているのと同じ機体、打鉄の近接ブレード『葵』を振り回し、がむしゃらに俺に攻撃を仕掛けようとするモップ女を、ラファール・リヴァイヴの近接ブレードで軽くいなしながら、ペパロニが足止めしている。

 

やはりと言うか何と言うか、ペパロニって結構戦闘力高いんだな。

訓練していたのか、はたまた、ペパロニも俺と同じ、何かのイレギュラーみたいな存在なのか………………俺には検討もつかん。

 

「余所見している場合じゃないぞ!」

 

そんな声が聞こえた刹那、上空に逃げていたボーデヴィッヒがキャノン砲を撃ち込んでくる。

砲弾が間近に迫る。此処で瞬間移動を使えば事は済むが、それでは面白くない。

俺は青竜刀を構え、物凄い速さで迫り来る砲弾を睨み付ける。そして、青竜刀での間合いに入った瞬間を狙い……………

 

「うおりゃあ!!」

「なっ!?」

 

思いっきり青竜刀を振るい、砲弾を真っ向から殴る。暫くそのまま押し合った後、俺の使う青竜刀が押し合い勝負に勝ち、砲弾を別の方向に弾き飛ばした。

 

「やるな…………ならば、これならどうだ!?」

 

そう言って、ボーデヴィッヒは次に、2本のワイヤーを射出し、俺を捕らえようとする。

俺は青竜刀をしまい、両手に葵を展開し、迫り来るワイヤーを弾いていく。

時には薙ぎ払い、時には葵を、青竜刀をバトンのように振り回した時の要領で振り回し、弾いていく。

流石にこんな戦い方は見たことがないのか、観客席からどよめきの声が上がる。

チラリとハイパーセンサーが映し出した観客席の映像では、俺の戦い方に、各国のお偉いさん共が口をあんぐりと開けている。

 

ハンッ!ザマア見やがれってんだ!

 

俺はそう思いながら、ボーデヴィッヒからのワイヤーによる攻撃をかわしつつ、再びペパロニの方を見る。

 

 

 

「おのれェ!あの出来損ないと一緒に居るだけの雑魚が!」

「ハンッ!兄貴が出来損ないだァ?はっきり言って、出来損ないはテメエとアホ斑家じゃボケが!喰らいやがれ!」

 

ペパロニはそう言って、先程までモップ女を武器無しで相手していたが、右手にライフル、左手にサブマシンガンを展開し、モップ女目掛けて撃ちまくる。

 

「ひ、卑怯者!日本人なら堂々と、剣で勝負しろ!」

「知るか!テメエの思う日本人の枠ってヤツに、アタシが態々はまりに行く義理なんて微塵もねえんだよ!」

 

ペパロニはそう言いながら、ライフルやマシンガンの弾丸の嵐を雨霰と喰らわせる。

そして終いには、モップ女の打鉄を戦闘不能にした。

 

 

 

「待たせたなあ、兄貴!」

「まあ良いさ、気にすんな。それにしても良くやったなあ。ライフルとマシンガンを同時に扱うなんてよ」

 

俺がそう言うと、ペパロニはサブマシンガンを収納し、ライフルを誇らしげに天へと突き上げて言った。

 

「アタシだって成長するってモンよォ!!」

 

どうやら、ペパロニは今の時点で、完全にエンジン全開になったようだ。

こりゃ、最後まで暴れ回らなきゃ収まりそうにねえな。

 

「つー訳で、行くぞボーデヴィッヒ!」

「ああ、掛かってこい!」

「「うぉっしゃあ!」」

 

そうして、俺とペパロニvsボーデヴィッヒとの第2ラウンドが幕を開けた。

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