IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中) 作:弐式水戦
『うおらァァァァァアアアアッ!!!』
「グボアッ!」
「や、止めろ!これ以上俺達に手を出すと『喧しいんだよゴミ野郎が!』ガッ!?」
さてさて、親父から残ったクソ共の始末を任された俺は、連中の顔をパンプキンにして、身体中痣だらけする勢いで暴れまくっていた。
親父とお袋で、あのクソ忌々しいデブ野郎除いて合計3人が潰れ、俺は残った連中相手に蹂躙していた。
ある者には、肩や腕目掛けて《帝王拳》や《覇王の逆鱗》を使えるようになってから覚えた《覇王拳》を喰らわせ、関節辺りをブッ壊してやった。
え?技の名前が安直すぎる?き、気のせいじゃね?(苦笑)
他の連中には、背中目掛けて回し蹴りしたり、2人一気に取っ捕まえて互いの頭をぶつけ、挙げ句に投げ飛ばしてやったりもした。
因みにだが、縛られていた鈴仙は、この騒ぎの隙を狙った八意先生と上白沢先生によって保護され、寮へと連れていかれた。そのため俺は、安心して連中の始末に集中していた。
そうこうしてるうちに殆どのモブ共が倒れ、最終的には親父に殴り飛ばされただけのデブ野郎が残った。
『さあ、残ってるのはテメエだけだぜ?デブ野郎』
俺がそう言うと、俺の両隣に親父とお袋がやって来る。
「ヒィィィィィッ!!」
自分を殴り飛ばし、おまけに部下達をあの世行き一歩手前辺りまでフルボッコにした、我がポルシェ一家全員に睨まれたからか、デブ野郎は涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら後ずさる。
『なあ親父、コイツどうしたら良いと思う?』
俺はデブ野郎を睨み付けながら、何処から持ってきたのかは分からんが、1挺だけでも重さ60kgはある重機関銃、MG08をバットのように肩に担いでいる親父に聞く。
「さあな……………取り敢えずお前を殺そうとしたことに対する相応の罰を与えるってのはどうだ?」
「確かにそうね。第二次大戦で、ソ連のナイジョノフ家と並んで最強の一家と呼ばれた、私達ポルシェ家の人間を殺そうとしたんだもの。当然相手側も、私達に殺される覚悟があるからこそ、此処に来た筈だものね」
お袋はそう言いながら、デブ野郎を見下ろす。睨まれたデブ野郎はさらに後退りしながら首を横に振る。
それが、お袋の嗜虐心に火をつけたことも知らずに………………
「あらあら、この豚さん、そんな覚悟も無いのにフェルちゃんを拉致して殺しに来たそうよ?どうする?」
うわー、お袋の顔がスゲー悪い顔になっちゃってるよ。人懐こそうな顔してるのに、考えてる事は極悪人そのものじゃねえかよ。《撃滅姫》じゃなくて、《セイレーン》って名乗った方が良いんじゃねえのかコレ?
俺は内心そう思いながら、後ずさるデブ野郎に近づく。
「と、止まれ!これ以上僕に近づくんじゃない!!」
そう叫び、デブ野郎はスーツから拳銃を取り出し、俺に向けて叫んだ。
「う、撃たれたくなかったら僕から離れろ!それから僕にお前の専用機全てを寄越せ!!」
デブ野郎は錯乱しているのか、訳の分からんことを叫びまくる。コイツ一体何が言いたいんだ?俺を殺したいのか?専用機が欲しいのか?
「はあ~あ、このクソガキは随分と往生際の悪い奴だな。ちっとばかり怖がらせてやるか」
そう言って、親父がMG08をデブ野郎に向けながら出てきた。
「おいクソガキ、テメエいい歳こいてガキみてえな我が儘叫んでんじゃねえよ、見苦しくて見るに耐えねえ」
「う、五月蝿い!!其所のガキは織斑の出来損ないと呼ばれて、2年前のモンド・グロッソで実姉に見捨てられたんだ!!そんな奴には何したって許される筈だ!!」
あー成る程、つまりはこのデブ野郎、出来損ないって呼ばれた俺がISの情報を独占して、さらにこうやって人間離れした能力を持ってるのが許せねえのな。
んで、妬みやら何やらで俺を拉致して実験動物(モルモット)にして、適当に俺を使い回してぶっ殺し、そして俺のゴールドウィングやレオパルトを構造解析して、このデブ野郎にも使えるようにして、データ提供による利益もろとも自分の物にしてしまおうって寸法か……………つくづく見下げ果てた野郎だぜ。
そう思っていると、親父がデブ野郎の周りにMG08を撃った。しかも片手で。
「口を慎みやがれクソガキ。俺的にはこのままテメエをぶっ殺して、太平洋に捨ててやっても良いんだぜ?鮫の餌として役に立つだろうしな」
「ヒッ!?」
親父はデブ野郎の頭にMG08を突き付け、銃口をグリグリと押し付けながら言った。足はデブ野郎の膝下辺りを踏みつけ、今にもデブ野郎の脚の骨を木っ端微塵に踏み壊す勢いだ。
だが俺的には、戦争以外の理由で人殺しはしてほしくない。そのため、取り敢えず俺は、親父を止めることにした。
《覇王の逆鱗》を解除し、親父の肩にポンと手を置く。
「まあまあ親父、その辺りにしておけよ」
「ん?良いのか?」
そう言うと、親父は突き付けていたMG08を離し、再びバットのように担ぎ直して此方を向く。
「いやまあ、ハッキリ言ってこのデブ野郎をぶっ殺してえのは山々だがな、この先の事を考えりゃ、生かしておいた方が良くねえか?」
俺はそう言って、親指で後ろを指差す。親父がそっちを向くと、其所には黒いセダンが3台停まり、中から女性1人と男性11人が出てきていた。
それを見た親父は俺が言いたいことを察したのか、頷いて下がった。
「あ、あの……………少し、よろしいですか?」
セダンから出て近づいてきた女性が、おずおずと話し掛けてくる。
其所で俺達は、20分にも渡る話し合いをすることになった。
事の端末を語ろう。
先ず、今回やって来たデブ野郎は、とある企業の社長で、他の男達は、デブ野郎とは違って日本政府の役人だが、デブ野郎のように自分の利益に目が眩んだ奴等なんだそうだ。
そして、デブ野郎に唆されて今回の騒ぎを起こしたんだと。
そして日本政府の上層部は、『下の連中が勝手に暴走しただけだ』と、まさに蜥蜴の尻尾切りのように言うだけで、自分等が、『俺が今回の学年別トーナメントで一回戦負けしたら、研究施設に問答無用で連行して被検体にする』とか、『イワンは発見次第直ちに捕縛し、俺と同じく研究施設に連行して被検体にする』と言ったことについては、示し会わせたかのように口を割らない。
つまり、何だかんだ言っていながら、ソイツ等も自分等の利益に目が眩んでるハイエナと何ら変わらないってことだな。
被害は被りたくない、だが甘い汁を吸いたいっていう愚かな思想だな。
それを聞いた親父とお袋がデブ野郎共を本気で殺そうとしたから、止めるのにマジで苦労したぜ。
そして女性は、『ある程度の無理なら聞くので、今回の事については水に流してほしい』と、他の男性共々土下座しながら懇願してきた。
流石に、俺達に何の嫌がらせもしていない人達に土下座されちゃあ、断って泣かすのも悪いと思い、先ずは俺と鈴仙についての名誉毀損やらの損害賠償を、俺と鈴仙其々に10億円ずつ、合計20億円請求、さらに、俺達が暴れたことによって壊れた学園の施設等の修理費等を全額負担させ、親父とお袋への一切の不干渉、あの世行き一歩手前辺りまで追い詰めたデブ野郎共の医療費の全額負担を要求した。
そして女性は、電話で4トントラックを2台程呼び、その中にデブ野郎共を家畜のように放り込ませ、帰っていった。
「ヤレヤレ、神様からは『この物語の世界はフィクションだ』と聞いてたが、この世界の政府の連中にはロクな奴が居ねえな」
さて、事が済んだので上白沢先生に連絡を入れようと携帯を取り出していると、親父が溜め息混じりに言った。
「まあ、確かに転生してきた転生してきた時は、俺だってそう思ったさ。だがまあ、そんな波瀾万丈の生活も、中々悪くはねえな」
俺はそう言いながら、上白沢先生へと連絡を入れる。
「ああ、先生ですか?黄昏です………………ええ、まあ、何とか無事に済みましたよ………………りょーかいです、今からそっちに向かいますので…………はーい」
俺は通話を終え、電話を切った。
「センセーさんは何だって?」
「ああ、『各国のお偉いさん共が、是非とも挨拶したいって言ってるから来てくれ』だとさ」「恐らくは勧誘でしょうね。私もレーヴェもそうだけど、少なくともこの世界でフェルちゃんに勝てる人なんて私とレーヴェぐらいしか居ないから、『ウチの国に帰属してくれ』とか言ってきそうね」
親父にそう答えると、お袋が半ば呆れたような雰囲気を漂わせながら言った。
まあ、連中は俺が訓練機の打鉄を使った時点で一回戦負けは決まったものだと笑ってたらしいからな、今頃手のひら返してどうやって俺を帰属させるか考え中だろうな。
「フェルディナンド、もしソイツ等がお前に失礼なこと抜かしやがったら、半殺しにしても良いぜ」
「こえーよ親父」
そんな会話を交わし、親父達は瞬間移動で転移した
…………………俺がこの学園に入学する前まで家として使っていた、黒澤解体所のプレハブ小屋へと。
「ヤレヤレ、それじゃあ行きますか。あんま気乗りしねーけど」
俺はそう呟きながら、電話で上白沢先生に聞いた場所へと移動を開始した。