IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第七十七話~勘違いはよくあることさ~

復活したボーデヴィッヒによるプチ騒動から、早いもので数日経った。

 

あの後は大変だったなあ~。あの日一日の大部分の記憶がまるっきり吹っ飛んでるし、完全に意識がはっきりしたら、美鈴と早苗が土下座して謝ってきたし、簪達からは問い詰められるし、ペパロニとアンチョビに助けを求めてみたものの、2人はただ笑ってるだけで助けてくれなかったし。

それに、先生達すら助けてくれなかったんだぜ?つーか、長谷川先生なんざ後ろから抱きついて、背中に『浮気者』とか『バカ』とか書いてきやがったし、山田先生は顔を真っ赤にしたまんまだし、上白沢先生も複雑そうな顔してたし。

 

俺のサン値がマッハで削れちゃいましたよホントに。

 

ああ、それから余談だが、ボーデヴィッヒの専用機の修理はちゃんとやったよ。あのプチ騒動の翌日、放課後にボーデヴィッヒが教室にやって来て、『修理するから手伝ってほしい』と上目遣いで頼んできたよ。別にそこまでしなくても手伝ったんだけどね。

んで、無事に修理を終わらせたんだが、それからボーデヴィッヒが時折『ドイツに来ないか?』と勧誘してくるようになったよ。まあ、未だに断ってるけどね。

 

 

 

 

そんなで過ごしてきたある日の放課後、俺はレオパルトの操縦訓練のためにアリーナに向かおうとしていたところを上白沢先生に呼び止められ、職員室に来ていた。

 

 

 

「世界中からのスカウト、ですか?」

「ああ。先日のトーナメントでの一件以来、君を是非我が国にと、世界中からスカウトの電話や手紙が殺到していてな。今ではこの有り様だ」

 

そう言うと、上白沢先生は机に1つの段ボール箱を置き、その蓋を開けた。

中には手紙がビッシリと入れられていた。

 

「コレ、全部俺宛ですか?」

「まあな。君もそうだが黒澤宛の手紙も多い。恐らく、2人揃って訓練機で専用機持ち相手に圧勝したからだろう。ヤレヤレ、この前までは黒澤の事はただの一般生徒、君の事はモルモットにしか見ていなかったのに、実力を見せつけられたら手の平を返したかのようにこんな手紙を寄越すとは、この時代の人間は態度が変わりやすいな」

「それについては同感ですね」

 

苦笑いしながら言う上白沢先生に、俺も苦笑いしながら返事を返す。

 

それから俺は、デュノアやデブ野郎とその他大勢の事について聞いた。

 

先ずデュノアは、取り敢えずは卒業するまで、この学園に留まることになったというのは聞いたが、学園卒業後は、5年間、用務員としての無償奉仕活動をする義務が課され、織斑ツインズについては、来年度までの教室掃除と、反省文500枚の提出の義務が課された。

少し軽すぎるような気がしたが、多分それは、あのクソアマという後ろ楯のせいだな。

 

ドイツがやらかした事については、ドイツは委員会から散々お説教を喰らい、賠償として、他国への技術提供を要求されたんだそうだ。

ボーデヴィッヒについては、今回の事件については、ボーデヴィッヒ自身も全く知らなかったとの事なので、ボーデヴィッヒへのお咎めや処分は一切無いそうだ。

 

そしてデブ野郎共の事に話が移るが、デブ野郎共は皆纏めて、社会的抹殺されちゃいましたよ。

デブ野郎が社長を務めているらしい企業については、前々から地域の人達から白い眼差しを向けられる程にブラックな企業だったらしく、今までそのデブ野郎に虐げられてきた社員達が一斉に会社をバックレて、さらには訴訟まで起こす事態にまで発展。

そのためデブ野郎は、その社員達に多額の損害賠償を支払うことになり、脛かじりの拠り所としていた親からは勘当、その他諸々が重なり、退院後は完全に落ちぶれた生活を余儀なくされたんだとさ。

それはデブ野郎が引き連れてきた役人共も同じで、とある人々の活躍により、ソイツ等の汚い汚い金の使い方等を徹底的に調べ上げられ、さらにはそれを社会のあちこちにぶちまけられて、それを見た住人達の怒りはもう大噴火。恐らく奴等が退院したら、間違いなく地域住人に意思を投げつけられるような生活をすることになるだろうとの事。

ちょっとやり過ぎたかな?

 

政府側からしたら、俺が日本に対する不信感を抱くと共に、これ以上何らかの騒ぎが起ころうものなら、自分達が大損害を被る羽目になるだろうと、今頃は涙ながらに頭を抱えているだろうとさ。

まあ、解体所での騒動の時も、主任さんからの脅しでかなりの大損害を被ってたもんね。それに、今回の事件によって、俺だけならず八雲重工からも不信感を抱かれ、八雲重工の技術提供を受けられないかもしれないもんね。あ~あ、御愁傷様。

これをペパロニが聞いたら、間違いなく彼奴は腹抱えて大爆笑だな。政府の人間相手だろうが、構わず・゜・m9(^o^)9m・゜・プギャー!!!してるだろうな……………( ̄▽ ̄;)

 

 

「まあ、そういう訳でだ。こういった互いの手紙は、取り敢えず処分しておこう」

「よろしくお願いします」

 

そうして、俺は職員室を出ようとしたが、上白沢先生がそれを呼び止めた。

 

「何ですか?」

 

そう聞くと、上白沢先生はこう聞いてきた。

 

「あの時居た、君そっくりの男性は誰なんだ?」

 

あー、俺その辺りの話全くしてないんだった。

 

「ああ、俺の父親ですよ。女性の方は、俺の母親です」

「そうか………是非とも会って挨拶したいな…………」

 

ん?何か言ったか?

 

「あ、いや!此方の話だ、気にしないでくれ」

「はあ…………まあ良いや。失礼しました」

 

そうして俺は、職員室を後にし、アリーナへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「あー、レオパルトの機動性マジパネエや。ゴールドウィングよりかは少し劣るが、それでもかなりの機動力だ」

 

アリーナでの操縦訓練を終え、俺は家路についていた。

早く帰って飯食って寝てえしな。

 

そう思いながら歩いていると、山田先生に呼び止められた。

つか、最近誰かに呼び止められてばかりだな、俺。

 

「狂夜君、伝えるのが遅れましたが、朗報ですよ!」

 

山田先生は、そう嬉しそうな声を出す。朗報?何だろうか?

もしかして、4人分の部屋を秘密裏に用意してくれていたとかだろうか!?

 

俺は、そんな淡い期待を胸に、山田先生の次の言葉を待った。

 

「漸く手配できたんです!」

そう、手配できたのだ。

 

「男子の、大浴場が!!」

 

……………へ?

 

部屋じゃねーの?ねえ、部屋は?4人部屋は?

 

 

 

 

 

 

あ、2人部屋でも構わないって言ったんだっけな、俺……………σ( ̄∇ ̄;)

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