その週末俺と伯母さんと伯父さんの三人でその家へと向かった。何を言われんだろう、ただの説教ですめばいいが停学、休学、無いとは思うが退学などの事を考えていた。まぁ、簡単に言えば面倒な事にならなければいいなぁって思っていただけだ。取り敢えず俺は何とか弁明しないといけないと思い、様々なことを考えているともう家に着いてしまっていた。俺はインターホンを押そうと近づくと扉が開く音がした。すっと目線を上げると俺の事を唆していた一人の男の子とその両親が扉から出てきた。
あら、貴方は凛くんのご両親ですか?
俺達の家族が少し戸惑い気味に答えると両親は急いでその男の子の手を引きながら近づいて頭を何度も何度も深々と下げ始めた。
俺と伯母さん達はポカンとしながら話を聞いているとどうやら俺が手を出した子の両親は何処から聞いたのかは知らないがその一部始終を聞いていて俺の知らない所で誤解が解けていたらしかった。何故そんな事が起きたのかその時はよく分から無かったが彼らは謝り倒した後にそそくさと去っていった。その後俺と伯母さん達はこのままどうしようか悩んだ後、折角家の前にまで来たということで入る事にした。
その家にお邪魔したとき殴ったのは俺で、俺が悪いはずなのに何故かここでも謝られるところから始まった。理由を明確には覚えてないのだがひどい勘違いをしてしまったのと俺の死んでしまった両親の事についての噂を広めてしまったという事を謝りたかったらしい。その後、世間話をしつつ紅茶をご馳走になってから帰ることになった。
次の日何事もなかったかのように授業が始まり、そして帰るという何も無く寧ろ退屈なくらいの時間を過ごした。その後俺は不気味なくらいな変化の無さだったため、事のあらましを聞くために奴の家へと向かった。
ピンポーン
インターホンがなると少しして奴が出てきた。奴は俺を見て親指で奴自身の家を指し、家に入るように促した。
俺は小さくおじゃましますと言って奴について行き、奴の部屋らしき場所にあるベットの横に座った。そして奴は飲み物を持ってこようと席を外そうとしたが、俺は静止させすぐにでも話をはじめようとさせた。
お前は一体何をしたんだ
俺はそれだけを奴へと問いた。
すると奴は少し眠そうに欠伸をした後に小さく呟いた。
何でもない、ただ事実を告げただけ。
その言葉の理解ができなかった俺ははっ?と聞き返した。そして再び口を開いたので何を話すのかと思ったら全く関係ない世間話をし始めた。俺はそんな奴の姿を見ながら適当に相槌をとり、これが俺の知らなかった奴の一部なのかと思いながら話し、一通り話すと家に帰ることになった。
「帰った!?それ以上それに関する話を聞かずにですか?」
私は九十九さんの話を聞いて腑に落ちない点があったので彼に疑問を投げかけました。
「あぁ、何でか知らないけど奴と話してて満足してな、時間も時間だったから聞かなくていいかなって思ってさ。」
彼は不思議そうな面持ちでそう言いました。
「その次の日、俺は違う奴に何があったかを聞いたんだよ。」
「はぁ……それで何が起こっていたんですか?」
「端的に言えばお前のところの子や他の奴が原因だから俺を怒るのは間違ってるとか様々な証拠や証人を連れて家を訪ね、そう訴えたらしい。あいつは先生の評価もよく、PTAとの繋がりも何故かあったみたいだから信じてくれたらしい。」
「そのような事が……。」
私は彼の話を完璧に理解したつもりではなかったのですが中村さんがいかに凄い事をしていたのかは彼の口振りで理解出来ました。
「まぁそんなこんなで俺は奴と仲良くなったという所だ。」
「あの……次は花穂さんの事を教えてくれませんか?」
彼の話が一通り終わると私は新たに覚えた疑問を問いかけました。
「花穂の事?……気が利いて、人見知りなくせに失敗を恐れなくて、俺にはもったいないくらい最高の妹だったよ。
でもそういう事が聞きたい訳じゃないんだろ?」
「……!はい、そうです。」
私は彼に本心がバレてしまっていたことにドキッとしながら答えました。
「それじゃあ話を続けようか。
ここから主人公はがらりと変わる。」
次の日頃から三人でよく出かける様になった。出かけるとは言ってもまだまだ小学生だったから電車には乗らずに公園に行ったり、文化センターみたいな公的な建物に行ったり、散歩したりした。暫くして俺達が中学生になるとこんな生活は出来なくなり、三人で過ごす時間は減った。ちなみにその時俺は卓球部に入り、奴は吹奏楽部に入った。吹奏楽部ってのは楽器を演奏する部活の事だ。
俺の部活はそれほどでもなかったがやつの部活はかなり忙しく、ほぼ毎日朝早くから学校に向かって練習していたらしい。その一年後花穂も中学生になり、前の年に比べ三人で顔を合わせる事が多くなった。
「それでよ、先生がなんて言ったと思う?『俺だって休みたいんだよぉ。』だぜ。傑作だろ?」
「アハハハハハ!!何それ顧問の先生としてどうなの!?」
「というかめちゃめちゃ似てる。」
「顧問としては駄目だろwというか純これの練習に結構時間かけたんだよ。」
「「暇人だよ(だ)」」
「うっさいわ!」
なんてまぁ久しぶりの三人での帰り道そんな事を話しながら帰っていた。その日、俺と花穂はなるべく遠回りしてから帰り、奴と別れると家に真っ直ぐと向かった。そして暫くすると花穂はおずおずとある話を切り出してきた。
「ねぇ……お兄ちゃん。私に好きな人がいるって言ったら、どう思う……?」
「え、えぇ!?そうだなぁ……。」
俺は突然の問いかけに驚きながら必死で最善の答えを考え始めた。
「おめでとう……とかか?」
「ふうん…………。」
花穂は俺の顔から目を逸らすと小さな声でこう言った。
「私…………純君が好きなの……。」
「えっ……?えぇ!?アイツを?」
俺は彼女の衝撃的な告白に間抜けな声を出した。
「そんなに驚くことないでしょ!」
彼女は照れているのか怒っているのか分からなかったが顔を赤くして拗ねていた。
「い、いや悪い悪い。うっかりな……。因みに何時から?」
「幼稚園の頃から。」
「はっ!?」
「だから!幼稚園からだって!!」
「一回言えば伝わるから……」
俺はなるべく彼女の怒りを買わないように心掛けながら言った。
「それで俺に話してきたって事は何か手伝えって事か?」
「うっ……、まぁそうなんだけど…………。」
「何だよ……。」
「お兄ちゃんなんかやろうとして失敗しそうだからやっぱりいいかなって思った。」
「はぁ!?何だよそれ!」
俺はそれをストレートに、実の妹ではないが言われてショックで仕方無かった。
「だから私が告白する時に立ち会って、振られたら慰めて欲しいんだよね。」
「へいへい。可愛い義妹の為にそれくらいの事はして差し上げますよ。」
俺は胸に手を当てわざと敬う様な態度でこんな事を言った。
「よろしい。」
すると彼女は手を扇子に見立てて口元を隠し、偉そうに言った。
「「…………ふっ、あはははははは!!」」
俺達はそんなくだらない事で人気の無い道で笑い飛ばすと話題は奴の事となり奴を馬鹿にしたり、褒めたり、笑える秘話とか話しながら家へと帰っていった。
そして数日後、彼女は奴に自分の想いを伝える為にその日の部活を休み、俺と一緒に奴の家へと先回りした。
主人公はがらりと変わると言いましたが物語の主人公が変わっただけで、語り手は変わってません。