「お凛々入るよー。」
そんな状況下で幼馴染みが入ってきた?
まぁ、紛れも無く入って来たんだが…………。
「お凛々ー、今日は朝からガッツリスタミナ弁当買ってきた…………よ?」
奴は魂魄と俺を目線で行ったり来たり何度も往復した後にスマホを出して
カシャ
と音を立てた後にその場を立ち去った。
「え、あっちょっと!待ってください!」
彼女は俺を振り払って玄関に向かった。俺はテーブルの上にあったスマホのアプリを開き、朝っぱらから画像を送ってきた奴にボイスメッセージを送ってやった。すると、突然
バン!
と扉が彼女にヒットする音が響き、奴が乗り込んできた。そして、俺を肩をトントンと叩きながらこう言った。
「冗談だって、冗談。マイケルみたいな冗談だよ。」
「なぁにぃがぁマイケルみたいな冗談だ!」
俺はそいつの顎を掴み揺さぶりながらいった。
「揺れる揺れるぅぅ……」
俺はそいつの間抜けヅラに飽きた頃にはてを離していた。
「何が揺れる揺れるぅぅだよ。」
「大丈夫だよ?誰にも言わんから。
でも強姦はよくないよ?」
俺は取り敢えずそいつの腹を殴った後に落ち着くことにした。
暫くして純は話し掛けてきた。
「それで、あの子は誰?許嫁?」
「このご時世許嫁なんている訳無いだろ。アニメの見すぎだこのオタクめ。」
「お前許嫁を完全否定しやがったな!世界の許嫁が泣いてるぞ……。」
「うるさい黙れ。取り敢えず話を始めるぞ。端的だけど非現実的だから。」
「へいへい。」
意味もない雑談を終え、俺は真剣な表情を浮かべると奴は笑みを消した。本当、いつもその態度だったらなぁ……と俺は度々思い、彼女との話を語り始めた。
「で、やっぱり許嫁じゃないのか?」
「うるせぇな、引っ張るなよ。」
やっぱり真剣な表情をしてもコイツはコイツだった。
「ふむふむ。そんな事を言うなんてアニメの見すぎじゃない?」
「しょうがないだろ。俺だってびっくりしたわ。」
「許嫁の方がまだ信憑性あるよ?」
「まだ引っ張るか……お前。」
「しゃーないね。しつこい男の子だから。」
「まぁ……知ってるけど。取り敢えずコイツが無害だって事は分かってくれたか?」
俺は玄関に向かってそう言った。すると彼女がおずおずと廊下の角から現れた。
「は、はい。取り敢えず九十九さんと仲良しだって事は分かりました。」
「こいつの仲良し?……何か地味にやだな。」
「おやおやー?照れてんの?お凛々は照れ屋だなぁー。」
「地味じゃねぇな。普通に死ね。」
俺はそう言いながら腕をガッチリと掴んだ。
「酷い事言うねぇ………………酷い事しないでね?」
奴は笑みを浮かべていたがその様子を見ると笑みが苦笑いになり、下から目線でこう言った。
「だが断る!」
俺はこいつの上目遣いに需要があるとは思えず、寧ろやるのに金が欲しいくらいだと思ったのでそのまま腕をねじりはじめた。
「ダニィだだただだだだだだだだだだ!!」
「うるせぇって、近所迷惑だ。」
「やめぃやめぃやめぃやめぃ!悪かったから悪かったからって!」
俺はそう言われた後も暫く捻ってから手を離した。奴はその体制のまま少し悲しそうな顔をしてから俺に言った。
「はぁ……今日は随分と長かったな。」
「いつも以上にうざく感じられたからだ。」
「へいへーい……。」
奴はしょぼくれたまま立ち上がり彼女にすこし近づいてから言った。
「えっと、俺の名前は中村純。まぁこの子の幼馴染みだから、知りたい事があれば何でも言ってねー?」
純は半歩引いた体制の彼女に手を差し出した。
「あっはい。私の名前は魂魄妖夢です。因みに九十九さんからどれくらいの付き合いなんですか?」
彼女は純の差し出された手を握り、その後こう聞いた。
「んー?そうだねぇ…………。まぁ幼稚園の年長頃と考えると約十年以上の付き合いって事になるのかな?」
「そういやお前とはそんだけいたのか…………。」
俺は奴と過ごした年月を思い返しながらそう呟いた。
「そうだよー?そんじょそこらのカップルとは一味違う!」
「うるさいキモイ。とっとと帰れ。」
すると純が急に大きな声を出したので俺は反射的そう言った。
「妖夢さん……酷くないっすか?この子…………。」
「え、えぇ?それは私には何とも……。」
純は俺に勝てないと思い彼女に助けを求めたが彼女の去りきらない警戒心のせいで少し冷たい返答になった。
「女の子を脅迫なんて最低だな?」
俺は追い打ちをかけるようにそう言うと八橋腕で目を多い泣き真似をし始めた。俺は無視、彼女は困った表情をしていると純は暫くして溜息をつくと腕を後ろに寄りかかるような体制で手を床について言った。
「まぁ茶番はさておき妖夢さんをどうするつもりなんだい?」
「あぁ、まぁそれを今考えていた。お前はどう思う?」
「俺?俺はねー…………まぁ、泊めてやるかな?」
「正気か…………?」
「そこまで驚くことでは無いだろ?と言うかそれ以外になんの選択肢があるんだよ?」
「お前はそんなお人好しじゃないと思ってたんだけど?」
「ハハハハハッ、いやだってさー
アイツにそっくりじゃねぇかよ?」
純は急に耳元に近づいてこう囁いてきやがった。
「……………………。」
「……?」
奴はニヤニヤしながらこちら見て。俺はウザイが反論できない気持ちを暴力とともに抑えてしまったため手を出せない状況になっていた。
「銀髪ってのは違うけど髪は短いし、背はあまり高くないし、仲良くねぇ奴にはあまり近寄ろうとはしない所とかさ、どう思う?」
適切で的確
頭のどこかで感じていたこのモヤモヤを撃ち抜かれた気分だった。
「…………だからお前は共に過ごそうって思ったのか?」
「いやそれだけじゃねぇよ………………」
「あぁ、まぁ強いていえば…………
面白そうだったから?」
そう言うと奴が頭を軽く叩き、舌を出した。俺はその表情に徒労を覚えつつ、溜息をついてから立ち上がった。そして彼女に向き合ってからこう言った。
「魂魄妖夢…。君は元の世界、幻想郷に帰るまでの間は俺の家に住まないか?」
彼女は少し驚いた表情を見せたがすぐにニッコリと笑い握手を交わして
「こちらこそよろしくお願いします。九十九さん。」
こう答えた。俺は取り敢えずその様子をニヤニヤとした表情で見ていた奴を殴った。
一方こことは違う世界では
「ゆーかーりーまーだーなーのー?」
「そんなすぐ見つかる訳ないでしょ?後二週間は頂戴。」
「えー……、まぁそんな事よりも藍?お腹すいたから何か作ってー。」
「え!!幽々子様はさっき食べられたでしょう?」
「ゴマ団子5個じゃ足りないわー。」
「私は2個も食べることが出来なかったのに…………。」
「夕御飯まで我慢してください。」
「えー、妖夢は作ってくれたのに…………。」
「幽々子……貴方は従者をこき使いすぎよ。」
「紫様がそれを言いますか……?」
「らーん?今なんか言ったかしら?」
「い、いえ。別に何も?」
「紫様がこわいです…………。」
まぁとても騒がしい時を過ごしていた。
「それにしてもそんなにも時間がかかるのかしら?」
幽々子は溜息をついてから紫に言った。
「普通にスキマを使ったのだったら何の問題もないわ。けれどあれはスキマの一部が壊れて、そこから妖夢は飛ばされたのよ。残念ながらその壊れたところはもう修復されているの。だけどその部分からきっと妖夢の霊力を僅かながらに掴めるはず。それに掛けてるのよ。」
紫はスキマを開きながら事のあらましを簡単に説明した。
「そうなの?それは何だか大変そうねー。」
「幽々子様?それはあまりに薄情なのでは?」
彼女の反応に藍は疑問を覚えた。
「そうかしら?でも妖夢ならどの世界に行ってもきっと生き残って帰ってこれると思うわ。」
幽々子はそんな藍の問いにこう自信を持って答えた。
「私もそう思う。だから私は今私に出来ることやるわ。幽々子、絶対見つけてみせるわ。」
「頼むわよ?紫。」
二人は顔を見合い。笑いかけ合った。