よろしくお願いします。
第1話
呉島光実は沢芽市内にある大学に通っていた。
ずっと罪に苛まれていた光実であったが、最後に尊敬する葛葉紘汰に会って以来、前向きに進めるようになった。今は、大学で勉強し兄であり、沢芽市復興局の責任者をしている、呉島貴虎の手伝いが出来るようになることが、目標だ。
昔は、それが引かれたレールだったため、正直逃げ出そうとしていた。だが、今は心から手伝いたいと、そう思える。
罪滅ぼしにはならないかもしれない。
それでも、これで少しでも沢芽市のためになるのなら…
そうやって、復興に向かっている沢芽市であったが、水を指す事件がおこっている。
終わったはずの、インベスゲームがまた盛んに行われていた。それを盛り上げるための、配信も再開されている。
DJサガラはさすがに、もういないが、代わりにDJクロスという、黒い仮面を身に付けた謎の青年が行っている。
顔を見せない、その謎めいたところが、余計に駆り立てている。
そして、また錠前ディーラーも復活した。
そもそも、どこでロックシードを手にいれているのか謎だ。ユグドラシルコーポレーションに残っていた、ロックシードの残りは、貴虎が処分をした。
戦極ドライバーも全て処分をしている。
一応、もしものために戦極凌馬の残した設計図は、貴虎が持っているが。一般に出回る代物じゃない。
だがロックシードがあるということは、戦極ドライバーが存在する。その上、ヘルヘイムの植物がどこかにあるということだ。
ヘルヘイムの植物は、葛葉紘汰と高司舞が二人の力により、インベスともども消滅させた筈だった。だが、ロックシードが次々に生産されているところを見ると、何処かで繁殖している。
ヘルヘイムの植物があるということは、インベスもいる可能性がある。
だが、今ちゃんと表向きにドライバーを持っているのは、光実ただ一人だ。
もっとも、貴虎が今秘密裏にドライバーを製作している。何が起こる前に対処するためだ。
この日も、講義が終わったのち、インベスゲームを監視するために、ダンスステージへと向かっていた。
ビートライダーズは今も健在だ。
最初は、各チーム力を合わせて、皆で仲良くパフォーマンスを見せていたが、インベスゲームが流行り始めると、新たなチームができ、今やまたバラバラになっていた。
光実が在籍していた、チーム鎧武はとくにピンチにたっていた。元々のリーダー、住居裕也も、ナンバー2だった、葛葉紘汰も、更にそんな二人がいない鎧武を纏めていた、高司舞もいなくなっている。
光実もまた、たまに顔を出す程度で、流石に踊る気分ではないため、今いるラット、リカ、チャッキーそして新しく入った、ルーとメイの双子しかいない。
確かに、チャッキーが今纏めてはいるが、まともなロックシードもないため、かなり苦戦している。
だからこそ、光実は紘汰じゃないが、用心棒としてチーム鎧武に復帰していた。
「ミッチ、助けてくれ。またブラッドの連中が、うちのステージにちょっかいを出している」
ラットに言われた光実は、直ぐ様ダンスステージに走っていく。
ブラッドとは、最近出来たビートライダーのチームだ。昔のバロンのように、力こそ正義とし、弱いものをねじ伏せてきた。
躍りというより、インベスゲームを目的に結成されたチームだ。だからこそ、柄の悪い連中ばかり揃っている。
「急ごう。僕が守ります」
そう、舞さんのために…
やはり、高司舞のことはずっと心に残っていた。
これで舞さんへの償いに、なるとは思えない。それでも、舞さんが守りたかったこの場所を守ることが、今できる最善の罪滅ぼしだ。