鎧武のよく使っている、フリーステージに、英語でブラッドというロゴが書かれた赤いジャケットの集団が、青いパーカーの鎧武のメンバーに迫っていた。
そこまではいつもの光景だ。
だが、今回は明らかに違っている。
そんな鎧武のメンバーを守っている二人がいた。二人とも鎧武のパーカーを着ている。
光実とラットは、その二人の顔を見て驚いていた。
「おめえら何者だ?」
ブラッドのリーダー、影岡修羅(かげおか しゅら)はじっと謎の二人を独特の切れ長の目で睨み付けている。
修羅の顔立ちは細面で、一見すると女と間違えるかもしれないほどの、美男子だ。だからこそ、やっていることはよろしくないが、そのルックスから女性のファンも多い。
「お前こそ何者だ。鎧武になんのようだ」
銀色の髪の青年がそう告げた。
そもそも、見たことのない男だから、修羅は不服らしい。
「貴様のような、パッとでではわからないだろう。俺様はブラッドのリーダー、泣く子も黙る、影岡修羅様だ。以後修羅様と呼べ」
その言葉に、もう一人の黒髪の青年が苦笑していた。そっとその目を、修羅に向ける。
どこかこの修羅を馬鹿にした視線だ。
「何が修羅様だ。俺たちの事を知らないとはなあ。…こいつは、チーム鎧武のリーダー、住居裕也。俺はチーム鎧武の元メンバー葛葉紘汰だ。これ以上、鎧武に手を出すなら、俺が相手になってやる」
「相手になってやるだと?ロックシードはちゃんと持ってんだろうな?…素手で戦うっていうのか?」
そういいながら、修羅とチームブラッドのメンバーが、声をあげて笑っていた。だが、そんな中でも葛葉紘汰と住居裕也は冷静だった。
飽きれている視線を、修羅たちに向けていた。
「紘汰、頼む…あっこまで言われちゃなあ」
「だよな…じゃあ、とっとと片付けるか」
そう言って、紘汰は鎧武の戦極ドライバーを取り出した。
その瞬間、僕は驚いていた。
ただでさえ、あり得ない状況なのに、紘汰さんだということを証明する、戦極ドライバーを持っている。初期型のドライバーは、最初に装着したものしか着けることが出来ない。つまり、この目の前にいる人物は葛葉紘汰でしかありえない。
光実は今回は、ただ成り行きを見守っていた。
・・・いや、動けなかった。
何が起こっているのか、まだ理解できていない。まるで夢のような気分になっている。
「戦極ドライバーだと…そんな馬鹿な…」
「馬鹿なと言われても、持ってんだから仕方ねえだろ?さてと、望みどおりインベス達を輪切りにしてやるぜ」
そう言って装着した時、ブラットの連中が逃げ出していった。
「お・・・覚えてろ」
もはや負け犬の遠吠えに似た捨て台詞をはいて…
そんな様子を、紘汰と裕也は笑いながら見ていた。