これにて最終話となります。どうしても修羅の選んだ未来を書いてみたくこのような最終話にしました。
あれから1か月の月日が流れていた。
沢芽市は相変わらず、インベスゲームが続いていた。確かに市場に出回るロックシードは無くなったが、それでもストック分を使って、行っている。
特にひどいのは影岡修羅がいなくなったチームブラッドだ。
今まで修羅が統制していたのだが、それがなくなり余計に見境なく襲ってくる。
「貴様らのロックシードはもらう」
チームインヴィットとチームレイドワイルドなんかはよく狙われていた。バロンや鎧武と違って、頼るべき城乃内はいまやシャルモンで忙しくパティシエをしている。初瀬がいないワイルドも、まともなロックシードもアーマードライダーもいない。だからこそ、僕とザックで交代で守っていた。
「残念、僕を倒してから言ってもらえないかな」
そう言って僕は龍玄のドライバーを取り出した。
その時だ、僕の携帯がなる。
「え、鎧武にレッドホットが?わかりました」
そうか、こいつら手を組んだな。仕方なくザックに連絡を取る。
「バロンにも来ている…そんな、これじゃあ、手の打ちようが」
方法は城乃内をたよるしかないよな。
でも、こんなこといつまで繰り返されるんだ?結局なんの解決にもなってない。
これじゃあ、昔と変わっていない。
「さあ、どうする?俺達倒している間に、お前たちのステージはいただいてやる」
「させるか、僕は沢芽市を守るときめているんだ」
虚しくなってくる。結局、あの頃と変わらないなんて。何か手を考えないと。
そう僕が悩んでいるときだった。
「久しぶりにあったら、ずいぶん面白いことをやっているな?その力がどんなものかわかって使っているのか?まあ、裏切ってくれた礼もある。俺様がそれが一体何なのか教えてやるよ」
影岡修羅?
なんでこいつがこんなところに。あの白い鳥が連れて行ったんじゃないのか?
「修羅、てめえはもはやリーダーじゃねえ。せいぜい言ってろ」
その言葉に修羅は笑い始めた。
「ほんと、あいつの言う通りだ。こんなことにこだわってた俺様が馬鹿らしい。さあ、味わえ。これがお前たちが使っている力の正体だ」
そう言って、修羅の目が赤く光るとロックシードからヘルヘイムの植物がはえ、チームブラッドに襲い掛かってくる。
チームブラッドの連中は半狂乱になって、そのロックシードを放り投げた。
「何をする。やはりあんたはオーバーロードに」
「なっている。もう認めているからショックもない。これを早く映像として流せ。そうすれば、否が応でもロックシードを手放すだろう。あんな危険なものをそれでも持っている連中はいかれている奴くらいだ」
「そういうつもりだ?そもそもそんなことをしたら、あんたは」
「どのみち、俺様はこの世界の未練を断ち切るために来ただけだ。それに救ってくれたあいつへの礼もある。終わったら戻るから、気が変わらないうちにさっさとやれ」
僕はその言葉に、頷くと撮影しすぐにそれを配信する。
それを見た連中が驚いてロックシードを投げてどっかへ逃げて行ったようだ。鎧武から連絡があって、チームレッドホットも逃げたらしい。
「あいつって誰だ?」
「あいつはあいつだ。さあて、そろそろ約束の時間か。言っとくけど謝らないからな。俺様がやってきたことを否定するつもりはない」
「まあ、いいんじゃあ。それより、そのあいつを教えろ」
「さあて白い鳥とでも言っとくか。じゃあな」
そう言って修羅が姿を消し去っていた。
向かう先の想像はついていた。
僕はどうしても確かめないといけないことがある。だからこそ、いそいでその場所に向って行った。
「修羅、いいのか本当に。そんな簡単なもんじゃないのも俺はわかっているから」
白い鳥に言われた修羅がふっと笑っている。
「ちゃんと決めたと言っただろ?俺様は力がある者が好きだ。お前はその最たるものだろ?」
「まあ、そうだけどな」
今回は白い鳥と修羅のみで戻ってきていた。
あの世界はもはや落ち着いている。オーバーロードたちも全て消滅させ、インベス達も紘汰と舞の力でまた新たな人生を歩み始めていた。
「そんなことより悠長にしていると、ビルスにいわれるんじゃねえか?」
「ビルスが怖くてあの世界を創れるかって。そこは気にするな。第一、俺は分身。本体はちゃんと向こうにいるんだしな」
そう、また極ロックシードを変化させている。あまりやると、ビルスに怒られるのだが、修羅のため紘汰は問答無用でやっていた。
そのときだった。
バイクの音が鳴り響いてくる。
「なんだ?一体?」
「お前にわからない事を、俺様が知るはずないだろ?」
そこに現れたのは、僕だった。
そもそも、ここにいるのは想像がついた。
鎮守の森の御神木。ここはオーバーロードなら避けては通れない場所。
「なんでこんなところに鎧武の呉島光実が?」
修羅は驚いていたが白い鳥はやはり普通だ。どうしてきたのかはわかっているようだった。
「どうしても確かめたいことがあるんです。教えてくれませんか?」
「何を?教えるも何も、もはやこの世界に用はない。そう言っておいただろ?」
そう言っておいたのに、なんでここにいるのか。僕だってそれくらい考えたらわかる。
それに端からおかしかった。難で頑なにこの世界を守ろうとしたのか。
そして、あの偽物の紘汰さんに対する怒りの目。ほんとわかりやすい。
こっちもゆっくり考える時間があったんだ。この機会をどれほど待っていたか。
「バレバレですよ。紘汰さん。第一、人に危害を加えるのをそこまで嫌うオーバーロードはいるんです。姿を現してください。ここなら見せても平気ですよね」
その言葉に、やはり白い鳥は笑っている。
「さすがはミッチ。確かに俺達の仲間が迷惑をかけたし。今回だけだからな」
そう言って白い鳥が目を閉じると、黒髪の懐かしいあの姿に変化する。
僕たちが見慣れている紘汰さんだ。
「舞、お前も出てこいよ。そのために来てたんだろ?」
その紘汰さんに言われた舞さんまでも、あの鎧武の衣装をでて出てきた。
それになぜか修羅が驚いている。
「なんで、おまえ分身って」
「嘘だよ。今回はそのまま戻ってきたんだ。この周辺なら大丈夫だろうし、ミッチのことだ。どうせ気付いてくるだろうと思って」
修羅は頭を抱えている。まあ、紘汰さんと舞さんらしいけど、慣れてないと理解できないだろう。
「僕に会いに来てくれたんですよね。あの偽物のことを気にして」
その言葉に二人は笑って頷いている。
相も変わらずだな、この二人は。
変わってないのがこんなに嬉しいなんて。やっぱり、僕も割り切れていないんだな。
「ミッチ、ごめんね。あの三兄弟が迷惑をかけて。…私たちはちゃんと元気にやっているから心配しないでね。皆にも上手く言っといて」
舞さんはやはり、鎧武のことを気にしているんだ。
「任せてください。上手くしときます。それより紘汰さん、なんで修羅と一緒に?」
それに紘汰が答えようとすると、修羅がそれを止めて自分の口で説明を始めた。
「俺様を紘汰と舞が救ってくれた。俺様に新たな居場所を与えてくれてな。それに、力を見せつけないでもこいつらは認めてくれる。ようやく、俺様は安心できる場所に行けたんだ」
そっか。オーバーロードになったものを救うことができない。だから変わりに、一緒に暮らすことにしたということか。
修羅が裏切ったりとか考えないところなんて、昔のまんま。まあ、そこが紘汰さんのいいところであり、悪いところでもあるんだけど。
「ミッチ、お前強くなったな。白い鳥の姿で見てたけど、ほんと今のお前になら任せられる」
そう言ってポンと肩を叩かれたとき、僕は泣きそうになっていたが、その涙をこらえた。
そう、ここで泣くなんていう弱さを見せちゃだめだ。僕はありったけの笑顔を浮かべる。
「はい、紘汰さん任せてください。そのうち、紘汰さんを抜いちゃうかもしれませんよ」
「ミッチに追い抜かれるかもしれないわね、紘汰」
「そんなことさせるか。俺はさらに強くなってやる」
なんか、こんなやり取りが懐かしいな。僕にとって、やっぱり紘汰さん、舞さんは特別な存在。
本当は戻ってきてほしいのに。こうやって見たら、あの頃となんにも変っていないのに。
「あの、もう戻ってくることは?」
「ごめん、ミッチ。この世界に危機が訪れない限り、俺達は戻ってこれない」
「わかって、ミッチ。…私たちはずっと、この世界の事、皆の事を見守っているから」
もう戻れないんですよね、あの頃に。
こんなに悲しくなるなんて。でもここでないちゃだめだ。
「わかりました。二人とも気を付けて」
「ミッチ、お前もな。姉ちゃんにも仲良くやってるから心配するなと伝えてくれ」
そうだ紘汰さん結局、あれ以来お姉さんに会えてないんだ。多分わざと会わないんだろうけど。
「わかりました。必ず」
紘汰さんはそのままクラックを開くと、修羅と舞さんとともに姿を消していった。
その背中を見ながら僕は心の中で誓っていた。
この世界は兄さんとともにちゃんと守り抜いて見せますから…と…
ご愛読本当にありがとうございました。
色々と慣れない事もあり、不明慮な部分もあるかもしれませんがご了承ください。
これにて終了となります。
あの二人の世界の住民の戦いは、あえてあれ以上書かないようにしています。
ストーリー目的のため、本当にすいません。
気分転換に書いていた小説なので、本当に書き終えてスッキリしました。
それでは、本当にありがとうございました。