主神に恋い焦がれるのは間違っているだろうか   作:sophia

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現在原作8巻、外伝3巻まで読んでます。もう少ししたら外伝4巻買って読みます。

本当はロキ・ファミリアの二次小説書こうと思ってたんだけど気が付いたらヘファイストス・ファミリアのを書いていた。

7/10 外伝4巻を買い椿の一人称が手前だったため、急いで修正しました。申し訳ございませんでした。



始まり

鍛冶屋――――

 

それは己のすべてを武具の為に全てを注ぐ愚かな者達。

しかし、その愚か者が存在しなければ冒険者たちは冒険することもできない。

 

そんな愚か者たちの中に常日頃己の最高峰の剣を作るために打ち続けている鍛冶師がいた。

 

その名前はアドミーラ・チェルヌイフ。

 

所属ファミリアはヘファイストス・ファミリア

現在最高位と言われている上級鍛冶師であり、レベルは5。

 

彼は元々鍛冶師になりたくてオラリオを目指したわけではなく冒険者になりたいからオラリオに来たのだ。では何故彼は鍛冶師なのか?

それは簡単な理由である。

主神である神ヘファイストスに一目惚れしたからという馬鹿げた理由だ。ヘファイストス・ファミリアに所属するとき通過儀礼のようなものがあり、それは神の力を使っていない状態のヘファイストスが作り上げた一振りの剣を魅せ、その剣を見たときに違うと思うかどうかで入るか入らないかを決めるというものだ。アドミーラも例外なくその通過儀礼を受けたのだが、その当時は鍛冶など一度もしたことがなかったのでよくわからないけどあなたのギルドなら入ります!という感じで入ったのだ。

入った後にそれを知ったヘファイストスは腹を抱えながらおおいに笑った。

 

素人同然である彼は偶々近くにいた女性鍛冶師(椿・コルブランド)に指南してもらいやり方を覚え、鍛冶師の真似事をしながらダンジョンを冒険をしてレベルを上げていった。そして所属して7年でようやくレベル5まで上り詰めたのだ。

そして現在は稀に冒険者としてダンジョンへ潜り、それ以外はほぼ鍛冶師として活動しているのであった。

 

 

「ヘファイストス様!今日も美しい!」

 

「ありがとう」

 

彼の日課は書類仕事をしているヘファイトスとそれを手伝っている同僚の椿が頑張っている中、横でニコニコしながら主神へと愛を囁くことである。正直に言わなくても邪魔なだけの存在であるが、今となってはそれがいつもの風景なので今更そのことに対して何かを言う者はいない。むしろ他のファミリアも知っているほどなのである。

 

「最近いい剣は作れたの?」

 

「レベル5になってからいろいろ作ってはいるんですけどやはりそう簡単にはいきません」

 

レベルが上がったからと言って飛躍的に鍛冶師としてのスキルが上がるわけではない。それはアドミーラ自身もわかっていたことではあるが、レベル4の時より少しいいものを作れている程度なので本人としては悲しいものである。レベルが上がることで直ぐにいい剣が作れるなら今すぐにでもレベルを上げにダンジョンに止まる勢いで潜るのだが、とアドミーラは考える。

同僚である椿は最近不壊属性(デュランダル)が付与している≪ローラン≫シリーズを作り、ロキ・ファミリアに提供しているためアドミーラ的には差を付けられているかのような感覚である。

 

「それよりも俺の愛が籠ったコーヒーのお代りはいりますか?」

 

「お願いするよ」

 

手前(てまえ)は愛が籠っていないものを頼むぞ」

 

ヘファイストスはいつもの様にスルーし、椿は要らない部分を除くように指示をする。それに対して笑顔で「わかりました」と言いながらコーヒーを注いで二人へと渡す。

 

「大好きです。ヘファイストス様」

 

そういいながらコーヒーを渡すがニッコリと笑いながら簡単に何事もなかったかのようにされる。

 

「アドが入団してからもう7年も経つのね」

 

急にヘファイストスがコーヒーを飲みながら昔を懐かしみ始めた。

 

「あの時のアドは何も知らない赤子同然だったのに今では副団長とは誰が予想できるか」

 

ヘファイストスの言葉に対して椿はクックックと笑いながらアドミーラの昔を思い出す。ヘファイストスはファミリアを作ってから一度も鍛冶をしたことがない人物が入団することは彼以外に一人たりともいなかった。もっとも鍛冶師とはかけ離れていた存在であるにもかかわらず、今では団長である椿に並ぶ実力を持っている異質な存在。アドミーラ・チェルヌイフを入団させてよかったと心から思った。

 

「これも愛のなせる業!」

 

拳を強く握りしめながら普通の会話の様に愛を囁くその姿はある意味賞賛に値するものだろう。相手が美の神であるならそれも普通なのかもしれないが、愛を囁いている相手は美の神ではないのだ。ヘファイストス自身容姿にコンプレックスがあるのにもかかわらずその部分もすべて好きだと、愛していると言ったアドミーラはある意味特別な存在である。

 

「正直アドがこんなに成長するとは思ってなかったよ」

 

「俺は決めたことは絶対にやる男ですから」

 

彼がファミリアに入団した時は誰しもが鍛冶師としてここまで成長するとは思ってはいなかった。それは本人も含めて、である。しかし、彼は才能などないが試行錯誤を繰り返し、他の鍛冶師の倍以上の剣を作り上げ鍛冶師という生き物を理解したのだ。そこからアドミーラは開花し、レベル2となると同時に様々な剣を作り上げレベル3になるときにはすでに固定客を持つまでに成長したのだ。

そして現在はオラリオの鍛冶師の中でも最高峰と言われるほどの武器を作り上げ、高くて買えないと言われるほどである。

 

 

「そういえば、最近新しい子入りましたよね。椿がよく弄ってる子」

 

「あぁ、ヴェル吉のことか」

 

「そうそう、ヴェルフ。ヴェルフ・クロッゾ君」

 

ヴェルフ・クロッゾ

呪われたクロッゾの家系で有名な者で魔剣を作ることが出来るらしい。その子を最近ヘファイストスが見つけてファミリアに入団させたのだ。

 

「あいつは弄りがいがあって面白いぞ」

 

「あんまりいじめてあげないでね」

 

椿にとってもヘファイストスにとってもその子は特別な子だ。魔剣を作れるにもかかわらず頑なに作ろうとはしない姿勢が有名である子

椿とアドミーラ以外も知っているが、魔剣を生成できるということは自分たちを簡単に越えられてしまう可能性が高い為、ダンジョンには連れて行かないでレベルを上げないようにしている。そのことをヘファイストスは少し悲しく思うが、子供達のことについてあまり口を出さないようにしているため何もできないでいるのだ。

ヴェルフは魔剣を作れるが鍛冶師としての技術力が高いわけではないためいくつか武器を店頭に置いても売れないため、そこを椿に少しいじられている。もっとも、椿はそんなことが無くても日常的に彼を弄っているのだが

 

「あの子このままだと埋もれない?大丈夫?」

 

アドミーラは心配なのだ。折角ヘファイストスのファミリアに入ってきたにもかかわらず埋もれて最終的にファミリアからいなくなることが心配なのだ

居なくなってしまうとヘファイストスが悲しくなるという理由なのだが

 

「あいつはそこまで弱くはない。お前が気にするほどのことではない」

 

「椿がそこまで言うならいいけど…何かあったら助けてあげなよ?」

 

椿は笑いながら答える。それに対しやはり心配をするヘファイストス。それを見て可愛いと思うアドミーラ。三者三様である。

その後ファミリア内の情報を会議というほど固いものではないが、もう少し柔らかくした感じで情報を言い合う。

一見ただ日常会話を離しているだけのように思えるが、団長、副団長、主神としてファミリアの内部について詳しく知っていないといけないため、この三人の会話はとても重要なものでもあるのだ。

 

 

 

 

 

アドミーラは一旦ヘファイストスの部屋を出て自分の工房へと戻る。どんなど素人でまともに武具を打てない大馬鹿者だとしてもヘファイストス・ファミリアの子供達は一人ひとつの工房を持つことになる。他のファミリアは共同工房が多いのだが、ヘファイストス・ファミリアは他のやつに技術を盗まれないようにかわからないが個別なのである。そんなアドミーラの工房は壁一面に様々な武器が飾られている。

出来が酷いものから一級冒険者が使うほどの武器が飾られている。これはすべて彼が今まで作り上げた武器である

 

彼が作り上げるのは武器のみ

防具は一切作らない

 

理由は単純

愛する女神に魅せられた物が一振りの剣だったからである。

 

工房の炉の前にある椅子へと座り銀の塊を片手に持つ。その銀はまるで生きているかのように先程まで硬かったのが嘘のようにぐにゅぐにゅを姿を変え鎚(ハンマー)へと姿を変えていった。

アドミーラの保持するスキルの一つ、銀の鍛冶師<シルバー・スミス>の能力である。能力は単純で触れている銀を自由自在に変化させるという能力である。この能力は便利であり、鍛冶をする時には鎚に、冒険するときには剣や槍に、と様々な状況に対応できるすぐれたスキルではあるが武器としての攻撃力が低いため戦闘ではすごく強いわけではないが、壊れても銀を操りつなぎ合わせることが出来るので威力の低い疑似不壊属性(デュランダル)のようなものであるという認識でいいだろう。

 

鎚を片手に希少鉱石であるウーツ鋼を炉へと入れる。ウーツ鋼は弾性が強く壊れにくいため、不壊属性(デュランダル)が買えない人には人気の鉱石である。暫く熱すると赤く熱されたウーツ鋼ができておりそれを今回作る短剣の形になるように打つ。己の培ってきた技術を使い打ち込み、皮膜をたたき取り除く。すぐに鎚を水で濡らし叩きある程度叩いた後に刃金を接合剤でつけ可能な限り低い温度で再び熱し、熱した用材を取り出す。その用材を今度は叩き短剣へと形を変えていく。簡単そうではあるがとても難しく、少し気を抜いてしまえば傷ができてしまいそれだけで第一級冒険者には渡せない代物になってしまうのだ。暫くして一振りの剣が出来上がった。己の現在出しうるすべてを注いだこの剣は他の者にとっては最高のデキであると言えるだろう。しかし、神秘が発動せずスキルは一つもついていない。魔剣でもない

神秘は作成した時に必ず付くものではない

アイテムを作成している本人がつけたいと思ってもつかないことがあるのだ。もう少しで作り終わるその瞬間に発動するのでほぼ終わるまで解らないのだ。

 

冒険者には好かれる逸品に放っただろうがこれでは愛する主神に魅せられたあの剣には程遠い。隣に立つことさえもできないのだ

 

また彼の目指す剣にも程遠い為、今回の作成した短剣はとても悲しいものであった。数時間かけて作った剣はヘファイストス・ファミリアが保持している店に並ぶことなく彼の工房の壁に立てかけられることになった。この作品は彼にとっての失敗作となり悲しみを抱えた。

 

 

 

 

 

アドミーラ・チェルヌイフ

二つ名【魔剣精製(スペシャリスト)

ヘファイストス・ファミリア副団長

 

元々冒険者をめざしオラリオの地に旅立ったが着いた瞬間に神ヘファイストスに一目惚れし鍛冶師について何も知らないのに所属する。その後同僚であり、現在団長を務めている椿・コルブランドに剣の作り方をレクチャーしてもらい、直ぐに覚え徐々に成長して現在では最上級鍛冶師として名実ともにオラリオ全体に知られている存在である。

アドミーラの目標は二つあり、一つはヘファイストスの剣と同等のものを作ること

もう一つは元々冒険者になりたかった為英雄にあこがれていたので聖剣と呼べるほどの代物を作ること

 

発展スキル

神秘

・神の十八番である軌跡を起こす武器の作成ができる。レベル5になったと同時にベル・クラネルの運のように選択肢として出てきた

鍛冶師

・鍛冶師になるものであれば大体レベル2に上がった時に選べる発展スキル。少し鍛冶師としての実力が上がっちゃうよ

 

 

スキル

銀の鍛冶師(シルバー・スミス)

・銀の形を自由自在に操ることが出来るスキル。RAVE?はい、その通りです。

 




一応原作開始一年ぐらい前という設定で
今回は一話目なんで説明?みたいな感じの回ですはい。なので会話も特に内容もなく、ほぼ主人公は愛を囁くだけです。字話から本格的にいろんなことを書いていきますので今回は申し訳ないです。
今後はできれば日常系を少し書いてダンジョンも書きたいな?なんて思っております
ロキとヘファイストスが友達だし関連した話描きたいのと例の紐神も出します。
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