アクラの樹海へ続く小さな洞穴の前、一番に準備を終えたカスチェイ・デ・キリコとガロッキア・バールストンが他のハンターたちを待っていた。最終決戦とも言われるほどの気合の入れようである調査隊一行とは対照的に、彼らの心には気持ちの高ぶりは微塵も感じられない。彼らはいつも通りの装備にいつも通りのアイテムしか持ち込まないために、あっという間に準備が完了してしまったのだ。カスチェイ・デ・キリコにいたっては砥石とこんがり肉、鉤爪の護符(不運なカスチェイを憐れんでガロッキアが作ったものらしい)、それからスラッシュアックス用の強撃ビンの替えしかもっていない有様である。それもそのはず、回復はガロッキアにまかせっきりなのがいつもの光景だ。
「はぁ。公のスキャンダルを探るつもりが、まさかこんなことになるなんて。本当についてない……」
「いい加減腹を決めちまえよガッキー。……腹の話をしたら、なんか腹が減ってきたな」
大きくため息をついて落ち込むガロッキアにアドバイスすると、ポーチに忍ばせていた最後のこんがり肉を掴むと惜しむことなく頬張るカスチェイ。アイテムポーチはとうとう砥石が3つのみになってしまった。
「四六時中腹減り倍加と悪霊の加護でもついてるのか君は? さっき朝食食べたばかりだろう?」
どちらかといえばジャギィXシリーズは着込むだけで野生の勘を得る上に、生肉でも気にせず食べてしまうようになる。
「まーたミカミのやつがアタイの皮膚とか爪とかはぎ取るんじゃないかと怖くて、ほとんど喉通らなかったからな。恐ろしい女だぜ」
「お前が言うな……それで、そっちは何か分かったのかい?」
「空き家を数軒見て回ったけど、その手の情報は落ちてなかったな。図書館なんてだだっ広いだけの小難しい場所、アタイには無理だからさ」
「よりコアでありのままを記載した文献を集めようと思えば、確かに民家を回った方が効率がいいのかもね。そのあたり、ロロア・ロレンスは気づかなかったようだけど。というより、彼女が躍起になって探しているものとはいったい何なのだろうな?」
ガロッキアがふと気になる点について言及するが、カスチェイは何も知らないという様子で肉にかぶりつくので彼は無視されたと少し表情をムッとした。もちろんガロッキアにはマスクで隔てられていて見えはしない。
「僕の報酬より肉がいいってことかい……」
「喋るのと食べるのは同時にできないんだよ。分かってくれや」
視線もかわさず二人は会話を続けた。ガロッキアはマスクをかぶっているので、端から見ればカスチェイが独り言をいっているようにしか見えないだろう。
「彼女の探っているもの、内容如何によっては『こちら』に率いることも可能なのではないだろうか?」
「……無理だな。あいつはアタイらのような人間とは違うんだから」
「ら、は余計だ。僕を一緒にするなよ」
「これだけ行動を共にしているのにか?」
少しの沈黙が挟まれ、ガロッキアはドライな口調で答えた。
「それはそれ。お前との関係は『姉上』の交渉がうまくいくまでの間だけだ」
「分かったよ……だが交渉の成果に関わらず、報酬はちゃんといただくからな。アタイは金さえもらえりゃ国なんてどうなったって……」
「君に費やした回復薬と生命の粉塵の分を差し引いてね」
「うわぁ守銭奴! それでもお前『次期当主』か? ほとんど残らねぇじゃねぇか」
「言っただろう? 僕の国はお金がないんだ! この装備だって、正体を隠すためにわざわざ遠方から取り寄せた。今度の交渉は絶対に失敗できない。『姉上』のためにも切り札が必要なんだ……」
それにしては割に合わないとカスチェイは反論するが、それ以降他のメンバーが到着するまでガロッキアは口を開かなかった。
エドワードとアリスが現れると、それまでの口調を豹変させて彼は挨拶をした。
「ずいぶんと早いねえ君たち」
「ああ、エドワード。すみません、みなさんを急がせるつもりではなくて……」
「いや、僕たちは急ぐべきだろうよ。ねぇみんな?」
エドワード、そしてそれに続いて続々と調査隊のハンターたちが集まった。意外にもセルゲイは遅れてやってきた。
「あの武神もついに怖気づいたかと思うところだったぜ、先輩?」
「……犠牲者達の埋葬に立ち会ってきた。最後のチャンスになるかもしれんからな」
ドルコンはからかうつもりであったが、セルゲイの口から思わぬ言葉が出てきたので一同は言葉を失ってしまった。シキ国からアクラ地方にたどり着いてわずか数日間で、戦闘員、非戦闘員共に犠牲者がそれなりに出ていた。彼らの遺体を持ち帰ることはできない。死臭は肉食竜を呼び寄せる格好の餌となるからだ。セルゲイはかつて体験していた。慈悲深いかつての調査隊のリーダーが仲間の遺体を持ち帰ろうとし、無情にもさらなる被害を出してしまった過去のことを思い出す。遺品だけを残して、土に還してしまうのが『荷物』も減って一番効率がいいのだ。残酷なようだが、未開拓地の調査に参加するというのはこれほどの覚悟を要することなのだ。
「それでも犠牲者の遺体をすぐに埋めなかったのは、せめて目的であったこの地に彼らをたどり着かせたかったというわけですね」
ファティマがドルコンの肩に手をやりなだめると、彼はばつが悪そうに小さくなった。
「フォルラン達も出発したようだ。俺たちも遅れを取るわけにはいかない。洞窟から樹海に出たら、スカルボからの連絡を待ちつつ四人一組で動け。エンプティはロロア達、ガロッキアとカスチェイはエドワード達。俺はファティマのチームに入る。チームは組むが、基本的に一蓮托生。あとは臨機応変に、生き残るための選択をしろ」
「急ごしらえのチームで大丈夫か?」
心配そうにロロアが尋ねるが、セルゲイは問題ないと答える。
「5人以上で動くのはあまり好かん」
「ああ……なるほどな!」
「こんな時まで『ココットの英雄』のジンクスなんて気にしている場合か? 誇りを惜しむほど優しい相手じゃないってミカミさんもあれほど……」
口をはさんだのはエドワードであったが、これに対してロロアもセルゲイもきっぱりと「ダメだ」と断る。
「悪いなエドワード、こればっかりは私も譲れないよ」
「ロロアまで……やれやれ」
「心配するなエドワード。あくまで四人一組のチームがいくつもあると考えればいい」
エドワードの不安をよそに、セルゲイが彼の肩にポンと手をやる。そしてセルゲイはまた全員の顔を見渡して、ある異変に気が付いた。
「エンプティの姿が見えないが……?」
「すまない。エンプティはここだ」
ハンターたちに声をかけたのはオネゲルである。その後ろからエンプティとパスカルの二人がトボトボとついてきているのが見える。オネゲルも険しい顔をして、彼らの方へと歩いてくる。行動を共にしている時間が長く、勘も鋭いロロアとエドワードにはなんとなく嫌な予感がしていた。
オネゲルとパスカルがゆっくりとロロアとエドワードに近づいてきて、耳打ちをする。寝耳に水と言った具合にその発言は二人を一気に緊張させる。
「もしもの時に備えて、エンプティを見張っていてほしい」
もしもの時という言葉を聞いて、ロロアは件のジンオウガ戦でのことを思い出す。感電を覚悟でジンオウガにしがみつき、獣のような形相で闇雲にゲイボルグのランスで肉を貪るその姿に狂気を感じた、あの時のエンプティを思い出す。
「……またジンオウガの時みたいなことが起こるかもしれないってことか?」
「ジンオウガの時?」
「ああ……なんだかリミッターが外れたかのように暴走して」
「……彼はああなると体がボロボロになるまで言うことを効かなくなるからね」
エドワードにもその心当たりはあった。そもそも彼がエンプティを保護したきっかけもその性格を垣間見てのことなのだから同然と言えば同然だが。
「実はここへ来てからと言うもの、『もう一人の感情』が強くなってきていると彼は言っていたんだ」
「もう一人の感情? 多重人格のようなものか?」
「ああ。おそらくクープランとしての本能だろうな。一度パトリック兄さんに話を聞いてもらった時は、記憶が戻る前触れと言っていたが……」
まさかな――エドワードは俯くエンプティをじっと見つめた。もしかして、完全に記憶を取り戻しているのかエンプティ? だが、なぜ黙っている? 彼の中にもじわじわと不穏の心が渦を巻くのを感じていた。
「なあエドワード。あんまり気負いすると動きに支障をきたすぜ?」とフォローするようにロロアもエドワードに言う。迂闊な性格をしているくせに、こういうときにあれこれと悪い方向に考えてしまうのもエドワードの悪い癖である。
「……エンプティ、いやクープランというべきかな。この戦いが終わったら、一度アリスも兄さんも混ぜて四人で腹を割って話そう。いいね?」
返事の代わりに、エンプティは力なく左手で了解の文字を切った。
「そうだった、パスカル! あの時はスヴェンが来て色々伝えたいことが伝えられなかったんだが、今頼んでもいいか?」
ふと思い出したかのようにロロアは慌てて二人の元へと近づき、他の人間に聞かれないようにこっそりと耳打ちをした。その言葉はパスカルにはまるで聞き覚えもなく、何を伝えようとしているのかも分からないものだったので思わず彼はロロアに聞き返す。
「えっ? どういうこと、ちゃんと説明してよロロア?」
「それじゃあもう一度だけ言うぞ……で……だから……しておけ。という訳だから、学術院に帰ったらちゃんと『実行してくれよな』……それと困ったときはココット村に行け! ロロア・ロレンスって名前を出せば、その人達がきっとお前の助けになってくれるはずだ。どっちに転んでも、かならず助けがいるときがくるだろう。だから、最後まであきらめるなよ!」
「まるで死ににいくかのような言伝だな、ロロア……」
空気の読めない呟きを制裁する手刀を食らって、オネゲルがうめき声をあげる。ハンターの腕っぷしでやられたらたまったものではない痛さになるのだろう。
「死ぬ気はないさ。これは『万が一の可能性』だ。私に何かあった時、この野望を食い止めるためにお前達の力が必要になる。忘れずに実行するんだ、いいな? これはお前たちにしかできない」
いつでも不敵な笑みを絶やさないはずが、これまでロロアの見せたことのないような真剣な顔が二人の少年に向けられていた。その顔にこの責務の重要さを見出したのか、二人はそれ以上彼女に何も言うことができず、いましがた彼女から言い渡された言伝の内容をどのように実行していくのかを既に頭の中で計画を立てはじめていた。
「ロロアはきっと大丈夫だ。僕たちは僕たちにできることをしよう、オネゲル」
「フン……もとからそのつもりだ」
アクラディ・アウス・レグヌムの外へ通じる洞窟に入っていく狩人達を見送りながら二人の若き書士隊員は決意を新たにした。
***
外の樹海に出て間もなく、ロロア達の元にスカルボが現れた。かれは巨大な樹木を猿のように器用に飛び回ってあっという間にこちらに近づくと、険しい顔をしてセルゲイにこう告げた。
「ゴア・マガラがイャンガルルガに倒されたよ……あのイャンガルルガ、やっぱり危険だ」
静かに告げられるスカルボの声。主要なターゲットのうちの一つが達成されたにも関わらず、調査隊のハンターたちの中に喜ぶ者はいなかった。黒い風の災厄。その中心にいたはずのゴア・マガラが、嵐の中心がいなくなった。それも外部からやってきた者の手によって。感染したモンスターが感染源を倒すという前代未聞の出来事に、これから戦う極限の生命力に息をのむ。
「アイツは今どうしている?」
そんな中でロロアは思いきってスカルボに尋ねる。スカルボは今しがた自分が偵察してきたソレを思い出すように遠い目で眺め、少し考えて
「戦闘に勝利した『余韻』に浸っていたんじゃないかな。あの様子は」とだけ答える。
「『余韻』か……確かに、それほどの下克上を成し遂げればあいつでも慢心するかもしれない」
「本当に行くのかい、みんな……これまでのあの黒狼鳥の戦績を知ってる?」
戦績と言う言葉を聞いてセルゲイも驚き目を見開く。この短期間でさらにいくつもの戦いを経験したらしい。
「モンスターの戦績だと?」
「僕達アクラのハンターはね。生態系の管理を徹底していて、個体それぞれに目印をつけて管理しているんだ。長い間監視を続けているボクならだいたいは把握できる。そして、把握しているだけでも……その」
「どうした?」
「……感染してから、管理していた狂竜化モンスターがほとんど全滅している。リオレウスも、ジンオウガも……全部あいつと戦って敗れた。そしてゴア・マガラも」
言葉が後ろへ向かうにつれて、スカルボの声が震えていく。アクラ地方で苦労しながらモンスターとはいえ生態系の管理に努めた我が子のようなモンスター達を、全て屠られてしまった。管理していたモンスターが全滅と言うことは、そうでないものも既に何頭もやられている可能性を示唆する。
膝をついて崩れるスカルボをセルゲイとロロアが優しく抱きかかえる。その小さい体はすっかり震えてしまっている。仲間をやられた絶望感と、ずっとその元凶の近くで監視を続けていたことの恐怖感に耐えきれなくなったのだ。
「今までありがとう、スカルボ。休んでいてくれ」
泣き崩れるスカルボの背中をさすってやりながらロロアが優しく声をかける。セルゲイは一同を見渡すとカスチェイを呼び出す。
「アタイに何か用か?」
「一度ギルドホールに戻って、スカルボを送って行ってやれ」
「えっ? あ、ああ。かまわないけど……」
カスチェイは困ったような顔をして、ガロッキアを見るが彼はこちらを見るだけで何も言わない。つまりそういうことなのだろう。
「ガロッキアなら大丈夫だろ。お前がすぐに戻ってくればいいだけの話だ」
「ま、それもそうだな。じゃあガッキー、ちょっと待ってろよ」
「うん。なるべく早く頼むよ」
カスチェイがそういうと、ガロッキアもそっけなく答えた。カスチェイに連れられてスカルボがトボトボと歩いていくのを見届けて、もう一度セルゲイが全員に念を押す。
「この先にイャンガルルガがいるのだろう……正直俺も驚いている。この調査隊も、以前のそれと大して変わらないように、よほどの危機も刺激もなく終わるのだろうと思っていた……ああ、こんな大発見と大惨事は初めてさ。お前たちは本当についてないな?」
セルゲイが笑った。これから死地に赴く人間の行動とは思えない豪快な笑いをした。彼の笑いに、セルゲイを囲む狩人達の反応は三者三様。顔を引き締める者、セルゲイらしいとつられて笑う者、未だ覚悟が決まらず迷いが見られる者、既にフルフェイスの防具をかぶり臨戦態勢といった者。ポーカーフェイスを崩すまいとしているが、その口端がひきつっている者。
「ああ。最高についてない。カスチェイ・デ・キリコのせいさ。生きて帰ったらあいつに上手いこと言って引退させなくちゃ!」と、これはエドワード。
「でも……キリコ殿のお蔭で狂竜症のヒントを得ることができたのも事実でござったな」と、ムラマサがさりげなくフォローを入れる。
「その点じゃ、案外エドワードとカスチェイ達のチームって絶妙なバランスだよな!」と、ドルコンが茶化す。
「不幸な女とツイてる男。あらあらアリスさんがかわいそうですわ」ファティマが火に油を注ぐ。
「これから最終決戦だっていうのに、本当にブレないなファティマは」エリフがため息をつく。
「それがどうしたっていうのよ。言っておくけど、私とエドワードは……」こんな時でも負けず嫌いなアリス。
「ここまで来たからには、全員で生き残りましょうね」これはヴェロニカ。
「……みんらで、いきのほる!」と、これはエンプティ
最後の発言に、全員がぎょっとした。あのエンプティが声を発していた。その驚愕の眼差しにエンプティはあわてて口をつぐみ『発音おかしかったか?』と手でサインを作る。
「……いや、本当にエンプティも変わったよなあ。クックック……ミナガルデに帰ったら、またこのメンバーで新天地を旅したいよ、私は」
特徴的な笑い方をしながら、ロロアがしめくくる。全員の手が重なる。
「お前たちと戦えることを、俺は一生誇りにするだろう」
「それ、なんか死ぬ人の前触れみたいだからやめてくれない?」
「これが物語なら、そうかもしれんのう。物語なら」
「物語……私たちのこの調査隊の発端も物語でしたね?」
「でもこれは物語じゃねぇ。筋書もエンディングも決まっちゃいねぇんだろ?」
「だったら、やるしかないよね……!」
「シュレイドのハンターの底力みせてやりますわ!」
「そうさ、この調査隊の結末を決めるのは私たちだ」
「……ウオオオオ!」
結束の儀式を終えて、ついに死地に乗り込んでいく狩人達。黒い風の中心、曇天の元凶に向かって、彼らはその足を進めた。
***
茂みを抜けて、再び広い場所についた。すでに樹海と呼ぶにはあまりに生命の気配は存在しない。生い茂る植物、緑一色に視界を鳴らしていたはずの狩人達にはその光景はあまりに異常であり、ここが本当に現実の世界なのかさえ疑わせる錯覚が起こる。
地面を覆っていた緑の絨毯はそのほとんどが剥がれ落ち、殺風景な砂地と化していた。周囲に生えていた植物は枯れ、木の幹は色素を失い白く変色していて、病的にも変形したグロテスクな様相を醸す。
あらゆる生命を拒絶し尽くした死の大地、その中央にたたずむ限りない極みに近づきし者。未だ自身の闘争本能を満たせずに、今しがた御して動かない獲物を恐ろしく肥大化させた翼の爪や刃物のような嘴で弄って遊んでいた。紫よりはほぼ真っ黒に染まりきった甲殻、その上からさらに赤黒い血液が衣のように全身に付着していて、周囲へ与える生物へのプレッシャー計り知れない。身体の周囲では常に夜の帳が炎のようにたなびき、既に黒狼鳥としてのそれでは形容できない別の種に進化を遂げようとしていた。黒蝕竜との戦闘を経てか、とうとう黒い風を自身のものとしたそいつは、あらゆる技を得たことに慢心してか、その余韻に勝ち誇ったような鳴き声をあげた。
「あれが、あのイャンガルルガなのか……?」
「間違いない。ロロアの左目を奪い、エンプティの心をかき乱し、俺達相手に一歩も引かず、空の王者リオレウス屠り、しまいには狂竜ウイルスの元凶をその手でやっちまった……あいつが」
気配に気づいたのか、手にした持ち前の勘か、ゆっくりと黒狼鳥が振り返る。傷だらけの顔が向けられて、禍々しく紅紫の眼光がひとつ曇天に妖しく輝いた。もはや黒狼鳥は戦いを楽しむ理由も忘れているかのように、我慢も聞かず咆哮を挙げる。これまでに聞いたどの生き物よりも力強く、そして嫌悪感を覚える不快な振動が狩人達の心をかき乱す。新しい獲物が飛び込んできたことに狂喜するかのように、真っ黒な翼を広げ跳びはねると、翼をとりまく瘴気は一層辺りから光を奪っていった。死地に咲き乱れる紫と紅の華。いよいよ、最後の戦いが始まる。
エンプティが吠えた。背中に竜騎槍ゲイボルグの槍を止めたまま、イャンガルルガに突進していく。宿敵もまた、この挑戦を受けるかのように、発達した翼爪をランスのように構えてエンプティに突き刺そうとする。爪とゲイボルグの大盾がこすれ合い、激しい火花が散る。両者は一歩も譲らないが、その直後に反対側の翼爪がエンプティに襲い掛かる。
「グッ……」
これも間一髪で大盾で防ぐが、これで終わりではない。またしても弾かれた翼の爪をそのまま上へ流すと、今度は身体をひねって尾を鞭のようにしならせてエンプティの体に叩き付ける。もはや鳥竜種のそれとは思えぬ強靭な足が地面をえぐりながら身体が180度回転すると、三度黒い風は振りまかれる。尾の回転をもろに受けたエンプティだが、幸い肌身に食らうことはなく毒を受けることはなかった。
体制を整えようとするエンプティに、さらに追撃が襲い掛かる。武器のランスにも劣らぬ鋭利な嘴が雨のようにエンプティに襲い掛かる。一度や二度ならかわしたものの、これをかわしきれずに防具を貫かんとばかりの一撃が放たれる。だがその連撃のさなかに思わぬ横槍が黒狼鳥の体に突き刺さる。エドワードの流弩ガノシュトロームから放たれた貫通弾が嘴の軌道をそらす。その隙に体勢を戻したエンプティがゲイボルグの槍をイャンガルルガの槍に突き刺そうとした。
だが、G級武器の性能に匹敵するゲイボルグであっても、紫の甲殻を貫くことはできなかった。単なる硬さとは違う違和感を覚えるエンプティ。生き物の体に突き刺した感覚とは明らかに異なるその異常さをすぐに感じ取った。再び襲い掛かる翼爪を冷静に見切ると、あわてて距離を取ろうとイャンガルルガから後退した。
「あんまり無理するなよエンプティ。こいつは何をしでかすか分からないからな!」後ろから続いてエドワードと、アリス、ガロッキアもかけつける。
『承知の上さ……ただこいつを見てるとどうも腹の虫がおさまらない……』
「あなたとイャンガルルガの因縁は知らないけど、チームで戦ってるってこと忘れちゃだめよ!」
「一応僕もいるので……すみません」
「かっこつけるのは後にしてもらいたいんだがのう……」
「私たちも続くぞ!」
苦笑いするムラマサをよそに、ロロアも動き出した。背中の戦術弩を取り出すと、瞬く間にその構造を作り変えていく。バレルは長くフレームを軽く、長射程の貫通弾型に組み立てると。その場で片膝立ちになった。ヘビィボウガンを扱う者が行う独特の射撃体勢で「しゃがみ撃ち」と呼ばれる。スコープ越しに宿敵を覗き込む、照準を示す十字の中心にその紅い眼光をとらえると躊躇なく引き金を引くが、弾丸はやはり紫の翼に阻まれる。防御した翼に貫通弾が直撃するや否や、弾は粉々になって風化してしまった。翼越しに、スコープ越しにその眼光と視線が合う。互いに右目がうずくのを感じると、ロロアもまたこらえきれない高揚感に胸を熱くする。
「まったく私はどうかしてるな……こんな時でも狩りが楽しいなんて! お前はどんな技を見せてくれるんだ? 楽しみで仕方がない」
「ハァ……戦闘狂がここにも。どうするでござるかヴェロニカ?」
「全力で、バックアップでしょう?」
「……そう答えると思っていたでござる!」
ムラマサとヴェロニカが飛び出す。いつものように両脇から切り込むように攻めると、遠くから鳴り響く笛の旋律に鼓舞されて力がみなぎる感覚が後を追う。ファティマのヤミノヒツギから力強い絶叫が聞こえてくる。それはこの曇天にも負けじと怪しげな雰囲気を放っているが、不思議と勇気を際立たせていく。
イャンガルルガが翼を広げて飛び上がる。その場でゆっくりと翼をうごかして滞空をし始めると、ムラマサを迎え撃つように尾の毒々しい棘を差し向けてきた。思わぬ奇襲に一瞬怯むが、棘をかわして背中の大鎌威太刀を抜いて尾を両断しようと回り込む。突き刺された尾の先から不快な赤みのかかった猛毒の液がムラマサの頬に付着する。肌に触れた途端焼けるような痛みが襲うが、そのままムラマサは武器を振り下ろした。だがまたしても大鎌威太刀の刃は尻尾の甲殻に阻まれて切断には至らなかった。
「……? なんだこの奇妙な感覚」
単純に弾かれた時とは違う、妙な違和感が彼にもまとわりつく。たしかに甲殻は堅かったが、他にも何か不思議な感覚を武器越しに感じた。
それより参った――ムラマサは悔しそうな顔をして反対方向から走ってくるはずのヴェロニカを見た。まさかイャンガルルガが滞空するほどの飛行能力を身に着けていたとは。当然リーチの短いハンマーでは、空を飛んでいる黒狼鳥の頭は捕えられないはず。
「ちょっと、もう忘れたのムラマサ? この武器作ったのあなたじゃない!」
ヴェロニカが取っ手のレバーを引っ張ると、レグヌムバスターレについた鉄球が真っ直ぐ射出されてイャンガルルガの嘴をとらえた。嘴とは思えぬ強固な頭部に鈍い音がしてまたしてもはじかれるが、イァンガルルガを動揺させるには十分らしい。驚いているのはどちらも同じ。
「なんて堅い……これも極限状態の力?」
地上数メートルのところで滞空を続けるイャンガルルガ、器用に風圧を起こしながらヴェロニカに迫ると、そのまま宙返りで地面をえぐりながら尻尾の棘を振りかざした。雌火竜リオレイアの得意とするサマーソルトを見よう見まねではなく、自らの技のように堂々と見せつける。
「ヴェロニカ!」
毒の尾は間一髪でムラマサの大鎌威太刀に阻まれる。だが、モンスターの筋力に鍔迫り合いでかなうはずもなく、ムラマサはヴェロニカをかばうようにして吹き飛ばされた。その後間髪入れずに翼にエドワードとロロアの貫通弾が撃ち込まれて、ついにイャンガルルガもわずかに怯み地面に降り立つ。しかしガンナーの二名には見向きもせずそのままサマーソルトで二人に追撃を加ようとする。紫の一閃が弧を描いて二人に襲い掛かろうとする直前、エンプティとセルゲイが二人の前に立ち、エンプティの後ろをアリスが支えて、大小二つの盾でこれを防いだ。それでもなお、滴る尾の毒液が降り注ぎ、布地の多いエンプティの装備にこれが付着するや否や煙を上げて焼け焦げる。
「……」
「この調査が終わればいくらでも報酬なんて手に入るわよ……それより、頭を下げてて!」
エンプティがかがむと、彼の肩を踏み台にアリスが跳びだす。地面に降りる重力そのままに抜刀切りを繰り出すと、クロームレイザーの刃はサマーソルトから着地したばかりのイャンガルルガの翼に直撃する。またしても斬撃は不思議な感触に包まれて、刃は通らない。
「ちょっと……どういうこと?」
手加減などしていない。ここぞというときにやらかすあの嫌な失敗でもない。明らかに今のは渾身の一撃だった。それでもなお、黒狼鳥の翼膜すら引き裂けないとはどういうことなのだろうか。お返しとばかりにイャンガルルガのけたたましい咆哮がアリスの目の前でさく裂し、その衝撃に彼女は受身も取れず吹き飛ばされた。片方の耳から血が流れている。鼓膜を破ってしまった。それだけでなく、傷口から虫の蠢くような嫌な感覚が走り、針を突き刺す傷みが流れてくる。周囲に漂うウイルスが血に飢えた鮫のように集まってきているのだ。
「どういうことだ……堅いにもほどがある。名だたるG級武器の猛攻を受けてびくともしないなど!」
エリフがヒステリックに叫ぶ。
「アリス……くそっ! あり得ない。生き物の甲殻じゃないぞ……あいつは何に進化しようとしているんだ!?」
「まだ望みが絶たれたわけじゃない。さっき撃った貫通弾、頭部へは正確に直撃した。硬質化していない部位が他にもあるはずだ。例えば……」
ロロアの中に一つのアイディアが浮かんでくる。ここなら、絶対に硬化はできない――
彼女は再び戦術弩を改造し始めた。分解して四つに展開するとそのうち三つをイャンガルルガを取り囲むように周囲に射出した。三つの拳銃型ボウガンは地面にくっつくと足をはやして砲台の形となる。残りの一つはロロアが手に握りしめた。戦術弩の伏兵型。設置式の小型ボウガンを展開するテクニカルな戦術だ。
「エリフとエドワードも、そのまま攻撃の手を緩めるなよ!」
「……よし。その一手、君に任せるよ」
「麻痺瓶を使う。しくじるなよ、ロロア・ロレンス!」
エリフが瓶ポーチから取り出したのは黄色い液体の小瓶、アルクトレスジョーヌのレストにとりつけると背中の矢筒から一本取りだして狙いを定める。弦を引き絞ると瓶の薬品は矢の先端に塗りつけられた。絶対にはずさないと、弦を絞ったまま彼女もイャンガルルガに接近していく。
その場から立ち上がるムラマサとヴェロニカ。ムラマサが頬の毒液をぬぐうが、まだ焼けるような痛みが残る。強酸性らしい。
「まだいけるかヴェロニカ?」
「……あなたこそ、無理するんじゃないわよ!」
「それはまた、元気そうで何よりでござる」
それから先は何も言わずに再び散開する二人。入れ替わりにドルコンが単独で突っ込んでくる。イャンガルルガも翼爪でこれをけん制するが、双剣を持ったドルコンのすばしっこさについていくことができず紅紫の一閃は空を切るばかり。
そこにガロッキアまで乱入し、攪乱するようにイャンガルルガの足元で暴れはじめる。もし足元で攻撃でも直撃すればひとたまりもしないだろうが、そんなことも恐れず二人の小さな蛮勇が剣を振り回している。
突然イャンガルルガが足元の二人に攻撃するのをやめた、かと思えば後ずさりをして体勢を整えるとその口から黒煙が漏れているのが見えた。
「ドルコン!」
エリフが叫ぶのもつかの間、イャンガルルガの口から圧倒的な質量の黒い火球が地面に向けて放たれた、イャンガルルガの口もろとも、地面で爆発が起こり、ドルコンとガロッキアが火に包まれた。ベリオXシリーズは凍土に棲むモンスターからから作られた装備。火に弱いのは明白だ。
爆発の中からガロッキアとドルコンが飛び出した。何故かガロッキアのサーブルスパイクの盾をドルコンが持っていて、その後ろに防具のいたるところに焦げ跡を残してドルコンのネプチューンエッジを握ったガロッキアが縮こまっていた。
「馬鹿野郎、無茶してんじゃねえよ!」
「で、でもなんとかなったでしょう? あなたのネプチューンエッジが無かったら、僕は丸焦げだ!」
とっさに互いの武器を入れ替えた二人、ガロッキアよりはそれでも火に強い装備をしたドルコンがガロッキアから片手剣の盾を奪って爆風を防ぎ、ガロッキアはその陰に隠れて自身の体を焦がさないようにとっさにネプチューンエッジから大量の水を放出させて頭からかぶったのだ。
(しかし、なんて機転の良さしてやがる……さすがは調査隊に選ばれただけのことはあるな、ガロッキア・バールストン。見直したぜ!)
再びエンプティが立ち向かう。そこへ見計らったかのようにオレンジと赤色の音色がエンプティの皮膚を硬化させていく。強く発達した黒狼鳥のキックを大盾で受けると、もう片方の脚にこれでもかと腰の据わった中段突きを放つが、岩に楊枝を刺すようなもの。突き崩すには至らず。イャンガルルガはカウンターに足元に陣取るエンプティにサマーソルトで応戦する。モンスターの防具を深くえぐったそれはエンプティの肌を紙のように引き裂き、同時に棘の猛毒と狂竜ウイルスのダブルパンチが襲い掛かる。
「エンプティ!」
追撃に飛び上がったイャンガルルガのキックが放たれるが、ちょうどヴェロニカのレグヌム・バスターレが間に合い振り回された鉄球が凶悪な弧を描いて頭部に直撃した。やはり傷を与えることはほとんどかなわなかったが、空中で衝撃をうけとめるだけの太い骨格構造は鳥竜種にはない。そのままフラフラとバランスを崩して側面に不時着した。その隙にセルゲイとエドワードが走り込んできて、エンプティの体を抱えて距離を取ろうとする。だが、未だ攻撃の手を緩めない紫色の戦闘狂はそのまま三人めがけて黒光りする嘴を振り上げた。
不意に黒狼鳥の上空から影が一人降りてきた。背中に器用に飛び乗ると腰の剥ぎ取りナイフでそのまま甲殻と甲殻の隙間を通すように器用に攻撃を繰り返す謎の女。黒煙に囲まれた上に、突然の奇襲に動揺し攻撃を中断して暴れ狂う黒狼鳥のせいで最初はよく見えなかったが、目が慣れてくると次第にその姿をとらえることができた。
「アタイを忘れんなよ!」
「カスチェイ!?」
スカルボを帰していたカスチェイが戦場に復帰した。近くの岩から飛び乗ったのかそのままイャンガルルガの背中の上で攻撃を続けるが、本人もこういうことに慣れていないのかやがて耐え切れなくなったのか手を離して振り放されてしまう。それでも時間を稼ぐのには十分であったが。
ドルコンとガロッキア、ムラマサとヴェロニカがカバーに入り、その隙にセルゲイは自分のアイテムポーチから解毒薬とミカミのワクチンを取り出して処置を施した。しばらく痛みに唸るエンプティであったが、次第に表情が急変した。痛みによるものではなく憎悪のようなものを感じさせていた。
「またアレが来る……くそっエンプティ、正気を保ってくれ!」
「この憎悪に満ちた表情……もしかして」
肩を叩いて反応を待つエドワードとは対照的にセルゲイは冷静な手つきでエンプティの引き裂かれた防具の内側に手を入れて探る。やがて予想通りの反応がすると、セルゲイは彼の懐に入っていた赤紫色に輝く不思議な宝石を手にしていた。イャンガルルガのそれとはまた違った禍々しい光を放っている。そこにチェーンのようなものが付けられていて、何かのお守りとして使われているようであった。
「護石か……しかもこれほど上等なものは見たことがない」
「セルゲイ、ウイルスに当てられて気でも狂ったのかい? そんなことしている場合じゃ……」
イライラしながらエドワードが怒鳴ろうとして、セルゲイの持っていた護石に気が付く。何かを察したようだ。
「もしかして……」
「エンプティは、ある条件下のもとに、この護石の持つ力に当てられていたに違いない。深手を負った時、体の限界までその能力が引き延ばされる博打のスキル。うわさには聞いていたが、まさかこれが……」
ハンター達が狩場で稀に持ち帰る護石というものは多くのハンター達によってその存在を知られていた。中でもGクラスの火山地帯や、天空山など過酷な環境下で発見されるものほど強大なスキルの発動する護石があると、セルゲイはこれまでの調査で聞いたことがあった。だが彼の持っているそれは、そんなものの性能を優に超えた城もであることに驚きを隠せない。
「アクラディ・アウス・レグヌム。やはりエンプティの故郷は……」
「この護石の持つ力はおそらく……『逆鱗』か」
(それにしても、ごく一部の防具にしかその力の存在を確認されていないスキルを、まさかこいつが持っていたとはな……)
凍りつく表情の二人に後ろから声をかける女の声。ロロア・ロレンスがここまでやってきた。
「なんにせよ、エンプティのソレの正体が分かってよかったじゃないか」
「ロロア、もしかしてこのままエンプティを戦わせる気なのか?」
冷たい反応を見せるロロアに対して、エドワードは口を震わせてその怒りを抑えているように見えた。
「絶対にダメだ。あいつは何をやらかすか本当に分からないぞ! 敵味方の区別もつかず暴れだすんだ!」
エドワードの方に置かれる手。以外にも彼の激昂を抑えたのはエンプティであった。
「エンプティ……」
『俺の事なら心配するな』
「し、しかし……」
『お前たちなら、もしものことがあっても大丈夫だ。きっと止めてくれると信じている』
俺が辛いのは何よりも、ここで全滅すること。それならいっそ、何かの役に立って死ぬ方がよっぽどましだ。仲間を守るというのはそういうことではダメか?
ああ、そうだ――エンプティは遠い日の事、仲間の一人にこう語りかけたことを思い出した。不思議な感覚に包まれる。闇雲に力をふるっていたあの時とは違う、触れられた逆鱗の中にも一筋の光が彼の内面を浄化していく感覚を覚えていた。
***
「いたた……よもやバインドボイスまで強化されてるなんて、うかつだったわ」ヨロヨロとアリスが立ち上がる。耳から流れる血を片手で抑えると、アイテムポーチから回復薬を取り出して今しがた攻撃を受けた耳のあたりにぶっかけ、ミカミにもらった白い注射器をうなじに押し当てる。効果時間は3分間。ここからは傷みを惜しんでいる余裕はない。
再び黒狼鳥の口から大咆哮が放たれる。一斉に離れて距離を取る狩人達、そんなイャンガルルガに今度は遠方からの射撃が襲い掛かる。エリフが咆哮で硬直しないであろうギリギリの距離まで詰め寄ると、アルクトレスジョーヌの矢をはるか上空に放つ。弧を描いた矢の、後ろについた袋が炸裂すると大量の礫が雨のように降り、黒狼鳥に襲い掛かる。礫のひとつひとつにも麻痺毒が塗られているので、並のモンスターならこれを受けて立っていられないはずであった。
「どういうことだ……まさか状態異常も受け付けないのか?」
「出血性の毒以外にも、麻痺毒まで耐性をつけているとは……これはいよいよ打つ手がなくなりそうでござる」
状態異常武器を扱う人間、それもエリフやアリス、ムラマサのようなプロフェッショナルであれば、モンスターにどれほどの分量を仕込めば状態異常に陥れるかを把握しているものだ。あれほどの麻痺毒を全身に浴びて、身動きが鈍る様子もない。あざ笑うかのように黒狼鳥が吠え、対峙する狩人達をしげしげと見つめる。
千紫万紅という四字熟語は、色とりどりの花が咲き乱れている様子という意味です。
紫と紅という組み合わせから暴れ狂うイャンガルルガをイメージしてタイトルをつけました。似たような意味で百花繚乱という言葉があります。こちらの方がメジャーかもしれませんが。