「私はもうここでお別れ……」
「えっ?」
「この聖域が消えるのと同時に私の記憶が消える。そんな顔しないでアイチ。もともとそうだった状態に戻るだけ」
「タクトが消えたとき、アイチやみんなとの思い出は無くなるはずだった。あの時私は二度とアイチやみんなに会えないと思ってた」
「……」
「でももう一度再会できてアイチを助けることができた。それだけでもう十分……」
「コーリンさん!」
この時僕の後ろに散らばってしまっていたリンクジョーカーのカードのフォトンが光だす。
「そのフォトンは今の私……。それが消えるときみんなと一緒にいたことも、アイチとともに過ごした思い出もここにいる私と共に消える」
そして光っていたフォトンは小さい粒となり消えた。
「あっ、コーリンさん!」
僕はフォトンが消えたことに気づき再びコウリンさんに向かい叫ぶ。
「例え僕らとの思い出がコウリンさんから消えちゃっても、直ぐじゃないかもしれないけど、きっとまた僕らは巡り合えます」
「だってコーリンさんはいつまでも僕たちと繋がってるから!」
「アイチ…」
こうして、コーリンさんは僕らの前から消えていった。
僕はコーリンさんと別れてからこの夢を何度も見続けた。
あの卒業式のショップ大会から一週間後、僕はいつもの日常を送っている。ただしそこにはコーリンさんの姿はない……。確かにコーリンさんはいたが僕らの知っているコウリンさんではなかった。
僕は仕方ないと割りきろうとしても、やはりコウリンさんのことを諦めることがでかなかった。
皆はそんな僕の様子を見て心配になって、声をかけてきたりヴァンガードに誘ったりしてくるが、僕が前見たいに元気になることはなかった。
学校が終わるとショップに行きたい衝動にかられるんだけど、今日はいつも以上に行きたいとは思わない何故だろうか?
そして僕は自分の家に帰ると着替えもせずベットに倒れた。
「コーリンさん会いたいよ僕……やっぱり諦め切れないよ」
僕は一言呟くと、視界は少しずつ暗くなっていった。
Myヴァンガード……
んっ……
Myヴァンガード……
誰かが僕を呼んでいる……誰?
目を開けるとそこは真っ暗な空間で、よく自分のユニットたちと会話するところだった。もちろん目の前には僕の分身とも呼べる存在であるブラスターブレードがいる。
……また何かあったのだろうか?
「ブラスターブレード……また、クレイに危機が?」
「Myヴァンガード、それは君がよく知っているはずだ」
「…」
「確かにクレイは救われた。しかし、それでも君の体が壊れたらどうもこうもない。やはりあのコーリンという女性が諦め切れないのか?」
「…うん」
僕はブラスターブレードの指摘に頷いた。やっぱり僕はコウリンさんを諦め切れない。
「Myヴァンガード、もしそのコーリンという女性にもう一度会う方法があるって聞いたらどうする?」
「えっ」
僕はブラスターブレードの言葉に驚いた。
「一体どうやって?」
「Myヴァンガード君はその女性に会うために家族や友、それにヴァンガードを切り捨てることができるか?」
「家族や友、それにヴァンガードを切り捨てる……」
「そうだ」
カムイくんや岬さんそして櫂くん、エミや母さんとそれに皆との繋がりであるヴァンガードまで……。
僕は考えた。けれども、それらは僕にとっては大事なものだ。とてもじゃないが切り捨てられるものじゃない。思い出すのはコウリンさんの最後の笑顔、でも僕は……。
「ブラスターブレード…やっぱり僕はコウリンさんを諦め切れない。彼女に会いたいんだ!」
「……分かった。Myヴァンガードがそう言うんだったら仕方ない。彼女に会う方法とは異世界へ行くことだ」
「異世界?」
僕はブラスターブレードの話を聞いて一瞬混乱するが実際クレイという惑星もあることだし無理矢理納得した。
「いいかMyヴァンガード、彼女の魂とその肉体の消えた先が異世界だということだ。どの世界なのかも把握している」
その世界にコーリンさんが…
「異世界への道はこの私が切り開く。だからMyヴァンガードはその道を通って行ってくれ」
「分かったよ」
「それとMyヴァンガード、もう一度最後に聞くが本当に行くんだな?」
「うん」
「そうか…ならもう何も言わない。それとこれだけは覚えていてほしい。私たちロイヤルパラディンはたとえヴァンガードが存在しない世界でも、君の中にいるということを」
「えっ、それはどいう?」
「時間がない…では行くぞMyヴァンガード!」
ブラスターブレードは僕に一言告げると、大きく剣を振りかぶり目の前の空間を切り裂き、大きな穴が空く。僕はその穴に吸い込まれた。
こうして僕、先導アイチはコーリンさんに会いに、異世界に行くことになった。
勢いで書いてしまいました。でももうひとつの作品の方が主なのでそっちが行き詰まった時など書いてこうかと思います。