僕は今自室にいて、今回のことについて考えていた。
結論から言って、レーティングゲームはライザーフェニックス眷属側の勝利で幕を閉じた。展開は序盤はリアスグレモリー眷属が押していたが、やはりライザーの不死がとても強く、赤龍帝である一誠くんの力も届かず、ボロボロにされた。そして、その一誠の……いや、眷属たちの姿に耐えられずリザイン……降参した。
今部長と朱乃先輩は結婚パーティーへ、アーシアさんは寝込んでいる一誠くんを看病している。
この降参について僕はどうとも言えない。ファイトだったらあきらめなければとか言えるけど、今回は違う。ゲームでもあるが、実際に戦い傷つくものだ。それも踏まえれば、部長の判断は間違っているとは言えない。でも……。
僕はあの時の一誠くんの目を思い出す。あれは……あれは意地でもというあきらめていない目をしていた。あの目は前の世界でもたくさん見たことがある。
僕はふとあの観戦室から帰る時に、サーゼクスさんから貰った一枚の紙を見て、別れ際のあの言葉を思い出していた。
『魔法陣の紙。もしかしてあなたは……』
『アイチくん。ここまでは悪魔の……眷属の領分だったが、ここからは先は関係ないということだよ』
『なるほど』
『しかし、その紙を使うのは君次第だ。よく考えるといい。願わくは赤龍帝と共に……ね』
『やっぱり一誠くんにも』
『ああ、彼のところにはグレイフィアが行ったよ』
『ありがとうございます。それと一誠くんは来ますよ……絶対』
『その言葉、覚えておくよ』
サーゼクスのその最後の言葉を聞くと、僕は一旦自分の家に帰って来た。恐らくこの紙を使えば冥界へ行き、結婚パーティーを潰しに行くことができるだろう。だけど、それと同時に自身の危険が付きまとう。すると神器から声が聞こえてきた。
『迷っているのか、Myヴァンガード』
ブラスターブレード!
僕はひさしぶりに聞こえてきたブラスターブレードの声を聞いて驚く。
『しかし、もう答えは出てるんじゃないのか』
ブラスターブレードの言う通りだ。僕は思い出す、今まで戦いを思い出す。その中には命を賭けたものだってあった筈だ。だが、そんな時でも僕は仲間を見捨てることはしなかった。なら今回だって僕のやることは決まっている。
「行こう。部長を助けに!」
『調整はもう終わっているから、安心して戦うといい。サポートは任せろ』
「うん」
僕はそんな一言と共に、魔法陣を発動させた。
「ここは……?」
「アイチ!」
光が止むととても広い空間に出て、大きな門が見える。恐らく、この先が部長たちがいるパーティー会場だろう。あのサーゼクスさんのおかげか、幸い門番はいない。すると後ろから一誠くんの声が聞こえた。
「一誠くん!」
「アイチ、これからやることは……」
「分かってる。助けよう、部長を」
「ああ!」
僕は一誠と拳を当てる。そして、僕たちは部長たちがいるであろうパーティ会場の扉を勢いよく開けた。
『その結婚……ちょっと待ったぁーーーー!』
僕と一誠くんは同時に大声で叫んだ。すると、周りにいた悪魔たちがどよめきだす。
「一誠……アイチ」
「これは一体……」
「ちっ、どういうことだ!?」
「これはちょっとした余興ですよ」
会場全体がどよめく中、サーゼクスさんが一歩前に進みながら発言した。
「サーゼクス様、あのレーティングゲームの結果が不服だと?」
「そうは言ってない。しかし、あの眷属の数の差、さらに経験の差では少し厳しかったのではと思ったのでね……」
「では……」
「なに、伝説のドラゴン、そして勇気があり謎の神器を使う人間対フェニックスなんて面白いとは思わないかい?」
「なるほど……いいでしょう。このライザーフェニックス、身を固める前に素晴らしい勝利をお見せしましょう」
ライザーが言葉を放つとまさに予め準備されていたかののうに、僕と一誠くんはライザーと共にレーティングゲームのフィールドらしき闘技場に移動される。すると、この場に響くようにサーゼクスさんの声が聞こえてきた。
「では、一誠くん、アイチくん。アイチくんに関しては悪魔ではないが、勝てばそれ相応の対価を与えよう」
「サーゼクス様。下級悪魔や人間なんぞにそんな……」
「何を言っているんだい、これは今この場で成り立った公式上の戦いだ。下級悪魔や人間など関係ないよ。さぁ、どうする?」
僕と一誠はサーゼクスさんの問いを聞き、口を揃えて答えた。
「「僕(俺)の望みは部長を返して貰うことです!!」」
「いいだろう。では、存分に力を見せたえ」
サーゼクスさんの一言で、部長を賭けた戦いが始まった。
「輝きやがれオーバーブースト!」
『Welsh Dragon balance breaker!!』
「立ち上がれ僕の分身……ライド!」
一誠くんと僕はそれぞれ違う言葉を力強く叫ぶ。一誠は赤龍帝の籠手から機械音が鳴り、その姿は赤い鎧に包まれる。そして、僕は今まで共に戦い続けてきた僕の魂の分身である、白い騎士の姿にライドする。
「これが赤龍帝の籠手のバランスブレイカー、赤龍帝の鎧だ!」
「そして、僕の分身……ブラスターブレード!」
「なんだと!」
この時、僕と一誠くんからとてつもない力の本流が渦巻いた。
「はん、片や伝説のドラゴンの力でも扱えきれなきゃ意味がない。そして、もう片方は人間だ。ほら、行くぞ!」
ライザーは明らかに舐めた態度でこちらに向かってくる。よし……。
「じゃあ、手筈通りに」
「おう!」
僕は一誠くんに一言告げると、ライザーを迎え撃つために前に出た。
「そら!」
ライザーは二つの炎の塊を投げてくる。しかし、遅い……。
「はぁっ!」
「なに!?」
ライザーが投げた炎の塊は僕の剣により、どれも真っ二つにされる。今の僕はグレード2になったことにより、反応速度や身体能力が上がっているのだ。さらに、あの合宿の成果も出ていてうまく力をコントロールできるようになっている。
「今度はこちらの番だよ」
「ちっ」
ライザーは舌打ちするが、僕はここで追い打ちをかける。僕は連続で鋭い剣撃を放ち、ライザーを細切れにした。しかし、ライザーは自慢の不死の再生により、無傷で復活した。
「はん、この程度か!」
「どうかな?」
「なにっ……うっ」
ライザーは再生してから、小さな呻き声を出した。実はライドした直後、ブラスターブレードの剣に聖水を着けていたのだ。それとゆっくりしている暇はない。僕とは違い一誠くんは右腕を犠牲にしてバランスブレイカーを維持するのに、時間制限があるのだ。しかも、10秒。だけど、僕が最初の三秒を攻撃に使った。それは……。
「終わったぜ、アイチ。今ならあいつを半殺しにできる」
「行って、一誠くん」
「おう!」
一誠くんは僕の声を聞くと、ライザーに向かって特攻して行った。
「舐めるな、小僧ども……ちっ」
ライザーも動こうとするが、先程の僕の聖水のダメージが効いていてなかなか動けない。
そして先程の三秒、一誠くんはライザーを一撃で倒すための力と聖水の強化をしていた。これなら……。
しかし、ライザーはまだ足掻く。
「糞がぁーーー!」
ライザーは狂ったような声を出すと、巨大な炎を出して、一誠くんの方にぶつけようとした。
……させない!
僕は一誠くんの少し前に出現するようにイメージし、呟いた。
「『閃光の盾 イゾルデ』で完全ガード!」
僕が呟くと、一誠の前に盾を持った少女が出現して、巨大な炎はら一誠を守った。
「なんだと!?」
「くらいやがれ!」
「ま、待て! やめろ……貴様判っているのか!? この結婚は、悪魔の未来を左右するものだ!! 只の下級悪魔である貴様や人間がそれを妨害するなど、あってはならない事なんだぞ!」
「そんなの知るかよ!」
一誠くんはライザーの目の前で突っ込むと、合宿で得た技術や戦い方をフルに使い、見事にライザーを殴り飛ばす。殴り飛ばしたライザーは鼻血を出して気を失っていた。
『勝者は赤龍帝である兵藤一誠、そして先導アイチ』
僕はそんなサーゼクスさんのアナウンスを聞き、安心して意識を失った。
「あらあら、二人ともカッコよかったですわ」
「いや、しかし本当に助けに来てしまうなんてね」
「……驚きです」
朱乃、佑斗、子猫がそれぞれ、今回の件で声を出した。目の前には一誠が持っていた魔法陣から出したグリフォンがいる。そして肝心の今回の二人だが、一誠は目を覚ましているが、アイチは意識を失っていた。
「いやー、部員として当然のことをやっただけですよ」
一誠はやはり疲れているのか、弱々しく笑いながら言った。
「本当はアイチにも、グリフォンで送って貰おうと思ったんだけど……」
私はここで何故か朱乃の顔を見る。すると、朱乃はいつもの笑顔の筈なのに、私にはとてつもなく恐ろしい笑顔に見えた。
「冗談よ、朱乃」
「あらあら、何がですか?それとアイチくんのことはお任せください」
「分かったわ」
私はこの後、一誠と二人でオカルト研究部の部室へ向かった。
戦いが終わり静かになったパーティー会場には、サーゼクスとグレイフィアの二人の姿があった。
「これで良かったのですか?」
「ああ、今回はどちらも欲深かったと父上たちも反省しているよ。しかし、赤龍帝がこちら側に来てくれたのは良かった。後は、先導アイチ……か」
「彼ですか」
サーゼクスはライザーの炎をもろともせず、恐らく変身、召喚系の神器を使う、勇気ある少年について考える。
「願わくはリアスの眷属になって貰いたいが……協力関係になっているだけでも喜ぶべきか」
「このまま、この関係が続けばいいですが」
「そこは大丈夫だろう、リアスたちとの関係は良好だ。さらに、このままリアスたちの側に入れば、私かリアスが目を付けているという話を流し、他の上級悪魔に眷属化を迫られるということもないだろう。彼にはリアスの今回の恩ができたからね」
魔王であるサーゼクスルシファーは人間である先導アイチに興味を示した。
戦いが終わり、数日後ライザーフェニックスは戦い負けたショックとダメージで部屋に引きこもっていた。
「お兄様、お兄様、返事を……。まったく、料理はここに置いときますからね」
ライザーの妹であるレイヴェルは手に持った料理をライザーがいる部屋の前に置くと、彼女はその場を去って行った。
「ドラゴン怖い、騎士怖い……」
ライザーはずっと同じ言葉を何度も呟く。しかし、そこに突然、まったく見に覚えがない少年が姿を現した。
「へぇ、あのフェニックスがこんな姿とは……哀れだねぇー」
「なっなんだ、お前は!?」
ライザーはその少年の姿を見て驚く。なにせこの部屋は鍵をかけていて密室の筈だったからだ。
「そう、驚かなくても大丈夫だよ。それより、憎くないかい、あの二人が」
「憎いだなんて、怖いくらいさ……」
「怖い?なら、あの二人を倒せる力を与えよう」
「本当か……」
ライザーはそんな少年の悪魔の……いや、もはや悪魔よりも恐ろしい言葉に反応してしまう。そして、少年の手には赤黒い塊が現れていた。
「本当さ、君が望むのなら……」
「俺は……」
ライザーは一瞬戸惑うも、一直線にその塊に手を伸ばした。
「あはは、リバース」
少年が一言呟くと、部屋中に赤黒い光が広がる。
そしてその後、この日からライザーの姿を見たものはいなかった。
はい取り合えず、フラグを立てつつライザー編終わらせました。また、いつ投稿するか不明てすが、ぜひ楽しみに待っていてくれると嬉しいです。最後は……
ブラスターブレード
パワー9000、シールド5000、☆1
能力【自】:[【カウンターブラスト】(2)] このユニットが(V)に登場した時、コストを払ってよい。払ったら、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。
【自】:[【カウンターブラスト】(2)] このユニットが(R)に登場した時、あなたの《ロイヤルパラディン》のヴァンガードがいるなら、コストを払ってよい。払ったら、相手のグレード2以上のリアガードを1枚選び、退却させる。
閃光の盾 イゾルデ
パワー 6000、シールド0、☆1
能力【永】:守護者(守護者はデッキに4枚までしか入れることができない)
【自】:[あなたの手札から《ロイヤルパラディン》を1枚選び、捨てる] このユニットが(G)に登場した時、コストを払ってよい。払ったら、あなたのアタックされている《ロイヤルパラディン》を1枚選び、そのバトル中、そのユニットは、ヒットされない。