バカと低血圧とポジティブとテストと召喚獣   作:虚っさん

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いつも通りの友人達

第二問 以下の意味を持つことわざを答えなさい

『(1)得意なことでも失敗してしまうこと』

『(2)悪い事があった上に更に悪い事が起きる喩え』

 

姫路 瑞希の答え

『(1)弘法も筆の誤り』

『(2)泣きっ面に蜂』

教師のコメント

正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』や『弱り目に祟り目』などがありますね。

 

虚井 廿楽の答え

『(1)河童の川流れ』

『(2)(白紙)』

教師のコメント

おや、一つ目は正解ですが二つ目はどうしました?君なら分かると思ったのですが。

 

土屋 康太の答え

『(1)弘法の川流れ』

教師のコメント

シュールな光景ですね。

 

道前 進の答え

『(1)さるも本からおちる』

教師のコメント

誤字ですね。答え自体は合っていたのかと思うと非常に残念です。答案用紙を返す前に、一度じっくりと自分の答えを見直してみるとこういった事は減りますよ。

 

吉井 明久の答え

『(2)泣きっ面蹴ったり』

教師のコメント

君は鬼ですか。

――――――――――――――――――――――

 

「すいません、ちょっと遅れちゃいました♪」

「早く座れ、このウジ虫野郎」

 

若干ウトウトしていた頃。そんな声に再び叩き起こされた。

ドアの方を見ると、茶髪にいかにもバカっぽい顔の奴が立っている。知ってたとでもいうべき光景だろうか。彼の名前は吉井明久。Fクラスに来ることは最早当たり前の頭脳を持つ男である。なまじそこそこイケメンなだけに余計腹が立つ。俺の悪友の一人である。

 

ちなみにふと隣を見ると、せっせとノートに自主勉強を始めている真面目な女子生徒が一人。熱心なことである。

 

「えーと、ちょっと通してもらえますかね?」

 

次に聞こえたのは覇気のないそういう声。明久の背後に立つ冴えないサラリーマン風の男。教師だろうか。

教師らしき人の言葉に従い、取り敢えず近くの席に膝を下ろす明久。

 

「えー、おはようございます。二年F組担当の『福原 慎』です。よろしくお願いします。」

 

振り返り、黒板に名前を書こうとする福原先生。しかし、しばし動きを停止した後、何も書くことなく再び振り返った。……おそらくチョークが無かったのだろう。

 

「皆さん全員にちゃぶ台と座布団は支給されていますか?不備があれば申し出て下さい。」

 

およそ学校で聞くことになるとは思わなかった単語が二つ。ここは本当に学校なのか?

 

「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってないですー。」

「あー、はい。我慢してください」

「先生、俺のちゃぶ台の脚が折れています」

「木工ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください」

「センセ、窓が割れていて風が寒いんですけど」

「分かりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう」

 

これはひどい

 

「必要なものがあれば極力自分で調達するようにしてください。」

 

必要な物?強いて言えば新たな教室、かな。自分で調達しろって事は新しく学校を建てろって事か。やれやれ、俺の貯金で出来るかな(現実逃避)

 

「では、自己紹介でも始めましょうか。そうですね、廊下側の人からお願いします。」

 

福原先生の言葉に従い、廊下側最前列の生徒が立ち上がる。先ほども紹介した木下秀吉である。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。」

 

しかし、やはり男には見えない。彼には双子の姉がいるのだが、正直その姉よりも胸がありそうに見えるし。

 

「――という訳じゃ。今年一年、よろしく頼むぞい」

 

ニコリと笑い、座る秀吉。前の方で明久がニヤニヤと笑みを浮かべているのが非常に気持ち悪い。

 

「……土屋康太」

 

秀吉の後ろに座っていた生徒が立ち上がり名前を告げる。これまた知った名前である。土屋康太、通称『ムッツリーニ』三白眼とやや小柄な肉体、紺色に近い髪色を持つ少年。彼を表す言葉は色々あるが、最も単純に表せるのはこれだろうか。

『ムッツリドスケベ』

しかし参った。着々と自己紹介は進んでいるのだが、女子が本当にいない。

 

「――です。海外育ちで、日本語は会話は出来るけど読み書きが苦手です。」

 

お、これは珍しい女子の声。しかしこの自己紹介の内容から思い当たる人物がいるのだが。

 

「あ、でも英語も苦手です。育ちはドイツだったので。趣味は――」

 

あ、これ……明久南無

 

「吉井明久を殴る事です☆」

「誰だっ!?恐ろしくピンポイントかつ危険な趣味を持つ奴は!」

 

大声をあげ振り返る明久。

 

「はろはろー」

「……う、し、島田さん……」

 

ひきつった顔を浮かべている明久。おそらく奴の頭の中では今恐ろしい速度で忌まわしい記憶がよびさまされている頃だろう。不憫な。

 

その後も淡々と自己紹介が進んでいき、明久の番。

 

「コホン。えーっと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んで下さいね♪」

『『『『『『ダアアアアアアアアアアアアアアアアリイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!』』』』』』

 

野太い声の大合唱。参加してはみたけど想像以上に吐き気が。進は今の声に驚いて後ろにどたりと倒れた。小動物か。

 

「……失礼。忘れて下さい」

 

ひきつった笑みを浮かべながら着席する明久。いやお前自業自得だからな?

 

と、進の番が回ってきた。

 

「ういーっす!!道前進でっす!!今日も元気に頑張りまーっす!!」

「道前さん!いたんだ!」

 

進が自己紹介をすると同時に後ろを振り返る明久。女子の声には敏感な奴だ。そして明久はその流れで俺の事も見つけたらしく、再びひきつった笑み。おうなんだその顔は。

 

その後もしばらく名前を告げるだけの作業が続き、俺の番が来た。面倒臭いが立ち上がり告げる。

 

「……あー、虚井廿楽だ。低血圧なんであんま大声で騒がれるとキツイ。出来るだけ静かに平穏に過ごさせてくれ(無駄だろうけど)。取り敢えずそんな感じなんで。よろしく。」

 

適当に自己紹介をして再び着席。次は俺の席を奪い取って座りやがった坂本の番である。が、奴が立ち上がろうとしたところで突然教室のドアが開いた。

 

ガラガラガラガラ……!!

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