リリカルなのはVS夜都賀波岐   作:天狗道の射干

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今回はクロノSideのお話し。+なのは達の企み解説回。独自設定マシマシです。


第十九話 六課襲撃 其之参

1.

 手元に置かれた通信端末を介して、危急の報が入り込む。

 後援者の一人であるが故に其れを知れた男は、思わず怒鳴り散らしそうになった。

 

 だがしかし、公開意見陳述会は既に幕を開けている。当会議場の様子は全管理世界に生中継されているのだ。

 そんな場に置いて、感情の儘に声を荒げるなど出来よう筈もない。故に男――レジアス・ゲイズは大きく息を吸い込むと、怒りを呼気に変えて吐き出した。

 

 そうして、僅か落ち着いて思考する。視界に映すのは、同じ情報を得たであろう二人の姿。

 

 

(全く、アヤツらは平然としおって……顔色の一つも変えんか腹黒共め)

 

 

 壇上にて語られる今年度の予算使用報告。其れに底知れぬ笑みを浮かべて、耳を傾けているのはカリム・グラシア。

 幼き時分より利権を巡る古狸共と渡り合っていたのであろう人物は、叩き上げのレジアスとは反応が何処までも違っている。

 

 聞いてない筈がない。情報を知らない筈がないのだ。

 だと言うのに浮かべた笑みを揺るがせず、その内心を悟らせない腹黒さ。

 

 その身の希少技能も相まって、レジアスとしては余り好まぬ人種だが、味方として見れば心強いとは言えるであろう。

 

 だが一つ。ほんの僅かな疑念があった。

 

 

(しかしな、グラシアめ。……アヤツは一体、どのタイミングでコレを知った?)

 

 

 自分と同じくこの今に知ったのならば、如何に腹黒とて眉一つは動かすのが道理であろう。

 だがその笑顔と言う名の鉄面皮は、僅かたりとも崩れていない。手駒であるアコースでも利用して、予め知っていたのであろうか。

 

 

(……まぁ、良い。今は疑惑に過ぎぬアヤツより、確証としてあるアヤツの方が問題だ)

 

 

 考えても答えは出ぬかと、レジアスは其処で思考を切り替える。

 視線が向かう先に居るのはもう一人。澄まし顔をしている青年こそが、最も腹を立てている元凶だ。

 

 通信機より伝えられた報告から推測できる事実。それを知ったからこそ、レジアスは怒りを抱いているのだ。

 

 

()()()()()()と言うのが示しておるわ。……奪われたのは、直前に儂の手元から引き抜いて行ったFの部隊のみ)

 

 

 レジアス自身持て余していたプロジェクトFの戦闘員達。

 クロノはアグスタの一件以降の人員補充と言う名目で、そんな彼らをレジアスの元より受け取っていたのだ。

 

 そして今回の魔群襲撃。書類上は備品として扱われる彼らだけが犠牲になって、それ以外の被害はない。

 生身の人々はこの場への護衛に対する支援組として組み込まれ、余剰メンバーは全員が同時に休暇を割り振られている。

 

 そんな偶然、ある物か。被害が限定された理由など、少し考えれば誰にでも分かる事だった。

 

 

(分かっていたのだろう。魔刃だけでなく、魔群も来ると。だったら予め話さんか戯けめ)

 

 

 詰まりは知っていたのである。魔群の襲来を予想していたのだ。

 恐らくは二日。地獄に一番近い日が終わってから、あの少女が再び立ち上がった直後には分かっていた。

 

 故にこそ、そのタイミングで人員を補充したのだろう。

 犠牲を零には出来ないから、斬り捨てても問題ない者達を集めたのだ。

 

 それを分かっていて、話さなかったであろう事。その事実に、レジアス・ゲイズは苛立っている。黙っていた理由が分かって、それでも怒りが収まらないのである。

 

 

(魔鏡と言う障害はあったのだろうがな。……全く気に喰わん小僧だ。後で締め上げるから覚悟しておけ)

 

 

 確実に魔群を欺く為に、話す相手を限定したのであろう。その理由は分かっている。

 だが限定した中に、自分がいない事。それに怒りを抱いたレジアスは、感情の昂りを抑えながらにクロノを睨み付けるのだった。

 

 

(……やれやれ、怖い人だ。だがまぁ、仕方がない)

 

 

 その憤怒の視線に背を震わせながら、顔色は変えずにクロノはそう思考する。

 レジアスの怒りの理由は分かる。話さなかった事。相談しなかった事。そして作り物であっても、レジアスの部下を黙って犠牲にした事を怒っているのだ。

 

 その怒りは正当だと、そう思わずには居られない。

 そして同時に仕方がなかったと、そう思考する自分を自嘲した。

 

 

(仕方がない。仕方がない、か……)

 

 

 犠牲を零には出来ないと、それは最初から分かっていた。

 情報の伝達を最低限にして、それでも数人は犠牲者を出さねば騙せなかったのだ。

 

 

(被害を零には出来なかった。それでは、何をしているのか、予め分かってしまう。今回の本命は、知れば当然逃げるだろう。だからこそ、気付かれていないと思わせる事が必要だった)

 

 

 それでも減らそうと、少しでも減らして見せようと努力した。

 反天使の製作者である男を蹴り上げて、六課隊舎その物に手を加えさせもした。

 

 

――クアットロは肉眼を持たない。蟲の軍勢なればこそ、不死であるが故にこそ、あの子は欠点を持っている。ならば、欺く事はそう難しくはないよ。

 

(スカリエッティが細工を加えた六課隊舎。あの中でなら、()()()()()()()()()()()()()()()。奴の性格を考えれば、殺した相手が作り物だと気付く事さえないだろう)

 

 

 魂のない複製。それを壊したに過ぎないと、今のクアットロには理解が出来ない。

 仮に誰かが逃げ延びたとして、今の魔群は隠れている者達すらも見付けられはしないのだ。

 

 与える情報は絞った。ルーテシアは知らず、襲撃の有無を分かっていたのはティアナのみ。

 教えずともに出来るのだと、そう断じたティアナ。そんな彼女を信じて、魔群への対処を任せたのだ。

 

 

(だがやはり、犠牲を零には出来ない。誰も死んでいないのに、そうと錯覚する事は出来ない。故に数人。犠牲としたのは、プロジェクトFの作り物)

 

 

 対処は多く行った。だがそれでも、零れ落ちる命はある。

 犠牲が零では騙せない。油断を生み出す為だけに、犠牲に選んだのは作り物。

 

 魂がないから、複製だから、人間じゃないからとその犠牲を許容したのだ。

 

 

(仕方がないと、その犠牲を受け入れている。被害を減らせた事に、満足感すら抱いている――これが慣れか、怖い物だ)

 

 

 確かに多くを救う選択だ。犠牲を少なくした策である。だがそれでも、これは胸を張って良い物ではない。

 犠牲者を生んだのだと、誰かの命を捨て駒として使ったのだと、その行為に感じる慣れを怖れながらにクロノは思う。

 

 

(忘れるな。例え偽りの命でも、僕は確かに切り捨てたのだと。次があるならもっと減らせよ。それが確かな責務であろうさ)

 

 

 忘れてはならない。一つの生命に優劣はなく、それは作り物だろうと関係ない。

 今は生きていないとしても、何れ人になれたかもしれない複製達。その可能性を奪ったのだと、それを決して忘れてはならない。

 

 

――忘れぬなよ。抱いた祈りを。間違えるな。至るべき場所を。

 

 

 だが同時に、思考を過ぎるのは先を託された女の言葉。

 重荷を背負えば潰れると、だから背負う必要のない道を歩けと言うそんな言葉。

 

 

(だが背負い過ぎるな。原初の願いを忘れてしまえば、救うだけでは何れは堕ちよう。誰にでも誇れる様に、愚かであっても最善を目指そう)

 

 

 背負った荷を零には出来ない。だがこの荷を負う事を、常態にしてはならない。

 誰かを犠牲にして選ぶ賢い道よりも、愚かと分かって理想の道を歩ける様に、少しずつ荷を下ろしていく必要があるのだろう。

 

 

(全く、難しい話だ。僕らが目指した理想は、こうも遠いな……)

 

 

 誰かを扱う側に立って、初心を保つ事の難しさに内心で息を吐く。

 嘗ての自分。入局したばかりの若さに殴られそうだと愚にも付かない事を考えながら、クロノは一つ思い浮かべる。

 

 

(だが、だからこそ、意味があるか。尊い愚道。其れを歩むと、僕らはそう決めたのだから)

 

 

 それはあの日に、皆で決めた理想の場所。

 愚かな道と分かっていて、それでも歩くと決めたのはそれが尊いと知っていたから。

 

 問題なく進む意見陳述会に耳を傾けながら、クロノはあの日を振り返る。

 

 

 

 

 

2.

 其れはもう七年は前の事。恐るべき終焉が過ぎ去って、その直ぐ後の出来事だった。

 

 

「ねぇ、皆。これから、どうすれば良いかな?」

 

 

 病室から解放されて、僅かな自由を取り戻した高町なのは。

 そんな彼女は問い掛ける。今正にある終焉。後僅かしかない世界の時に、同じ事を知る友らへ問い掛けた。

 

 

「世界は滅ぶ。そう言われても浮かばない。後八年。それで滅ぶって言われて、それでどうするのが正しいのかな?」

 

 

 その場に集まったのは、管理局に所属する五人。

 高町なのはとクロノ・ハラオウン。アリサ・バニングスに月村すずかとザフィーラだ。

 

 同じ物を見て、同じ道を歩いて、同じ悩みを抱える同士が其処に集っていた。

 そんな彼らに如何した物かと問い掛けて、そんな問いを受けた彼らは思い思いに悩む。

 

 その中で先ず最初に口を開いたのは、将官用コートを肩に羽織った青年だった。

 

 

「先ず必要なのは、現状理解と大目標だ。今と目指す先を知らねば、何一つとして出来る事などないだろうさ」

 

 

 彼には余り時間がない。拘束と監視の目が、この中で最も多い立場である。

 監視が後退する僅かな隙間を付いて集まれたが、もう直ぐにでも追手は姿を見せるであろう。そして次の機会はない。

 

 故に手早く進めようと、少しでも有意義な集まりにしようと、彼は問題点を明らかな物に変えて羅列していく。

 

 

「私見で悪いが、恐らく神が死ぬとは、世界の全てが消え去ると言う事を示しているのだろう」

 

 

 全能の覇道神が死すると言う事。その果てにある滅びを、クロノ・ハラオウンはそう捉える。

 

 

「この世の全ては、神の魂から出来ている。大気を孕んだ風も、海の水も、この手足に流れる血潮や肉ですらも、根本的には魔力素だ」

 

 

 魂の力。魔力素。それが最小の粒となり、あらゆる原子や素粒子などを形作っている。故に根本を言えば風も水も人の身体も、全てが魔力素の集合体だ。

 

 

「それが崩れる。神の死と共に、全ての魔力素が消失する。詰まりはそれが、世界の滅びと言う物だろうさ」

 

 

 神が滅ぶとは、その魔力素が失われる事を意味している。

 

 即ち、魔力素によって成り立つ全ての事象崩壊。

 海は消え、空は無くなり、大地は虚無に還って、人の身体は魔力と共に霧散する。それが世界の崩壊だ。

 

 

「……この場にあの狂人か、ユーノが居ればもっと上手く説明出来たんだろうけどな」

 

 

 そう肩を竦めながらに語るクロノの言に、誰もが表情を暗くする。

 全てが消える。それが世界の滅び。後八年で訪れる、この世界の終焉なのだと。

 

 

「世界が滅べば、その瞬間に我らも滅びるのであろうか?」

 

「程度の差はあれ、そんな感じじゃないの? 掠め取れた記憶は朧げで、証拠としてはちょっと弱いんだけど」

 

 

 ザフィーラが零した疑問に、アリサが狩猟の魔王より掠め取った記憶を元に言葉を返す。

 肉体を構成する材料が失われれば、自壊するのは必然の道理。魂の強さ故に自壊する速度に大小あれど、何れ皆が滅び去る。

 

 何等かの方法で己の魂から力を発する事でも出来ない限り、全ては遠からず消え去るのだ。

 

 

「彼の記憶で見たわ。凶月の目に映っていた前の世界の人達は、何て言うかな。もっと強かった。魂の強度自体が、今より誰しも強かった」

 

 

 そして今の民の内から、魂の力を引き出す術は失われてしまっている。

 己から魔力素を生み出す事は出来ない。それは個人の強弱が問題なのでなく、今の魂がそれだけの力を内包していないからである。

 

 

「性格とか、輝き方とか、そんな問題じゃないの。()()()()()()()()()()。滅んで然るべきだったのに、生き延びた代償がそれだった」

 

 

 本来滅び去る定めであった。一つの命として、成立しない程に弱っていた。

 それを失わぬと如何にか留めて、壊れた魂に祝福(リンカーコア)を与える事で治療して、それでも未だ不足しているのだ。

 

 

「……私も、アンナちゃんの中で見た。今の世界の人々には、本来生きていられる力なんてなかったって」

 

 

 足りていない。未だまるで足りていない。

 神が滅べば諸共に死ぬと言うのは詰まり、この今に生きる人々が本当の意味で生きていないからこそ言えるのだろう。

 

 

「リンカーコア。神の祝福って、そういう事。……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だからこそ、私達は生きていられる。だからこそ――」

 

 

 霊魂の形成。此処にある人が生きているのは、生きていられる肉体を神が形成しているからだ。

 

 腸を子に貪られながら、今にも死する直前で、それでも神は全人類を形成し続けている。

 其れを知るからこそ、夜都賀波岐は怒り狂っているのである。其れが無くなれば滅ぶしかないから、この今の世には余りに救いが足りないのだ。

 

 

「神が死ねばその瞬間に、人類全てが魔力となって霧散する。それが世界の滅び」

 

 

 例外は居よう。だがそれも極僅か、多くは自分の力で自分の形成も出来ぬ民。

 元より壊れかけた魂しか持たぬ今の人々は、神の死と同時に魔力となって霧散しよう。

 

 それこそが今にある問題点だと、彼らは確かに認識した。

 

 

「神の座を交代させる。多くの者らが目指すのは、そんな解決策だ」

 

 

 問題点を理解したなら、次に考えるべきは解決策だ。

 多くの指導者達は其れを見ていて、目指すべき場所を模索している。

 

 最高評議会は魔道の神を。御門顕明は修羅の神を。天魔夜都賀波岐は永遠の神を。両面鬼は再誕に伴う変化を。そして今は知る由もないが、何れ立つ悪魔の王は自らが神となる為に。

 其々求める結果は違っても、歩く道の過程は変わらない。座を目指し、神へと至り、流れ出す。それが彼らの解答だった。

 

 

「支える神に限界が訪れたのだ。ならば神を交代させる。確かに現実的な方法論と言う物だろうさ」

 

 

 現実的な話と、クロノ・ハラオウンはそう語る。

 

 神様と言う単語こそ出ているが、結局話しは簡単なのだ。

 時計が上手く回らないから、歯車を入れ替えて修理する。それが彼らの解答なのである。

 

 

「……でもね。私、思うんだ。それで良いのか、って」

 

 

 だが其処に、疑問を挟む少女が居た。

 高町なのはは問い掛ける。それで良いのかと、そんな疑問を抱くのだ。

 

 

「見たよ。沢山見た。アンナちゃんの頑張りを、どんな風に生きたかを確かに見たんだ」

 

 

 天魔・奴奈比売の多くを見た。その内側から、長き時間の一端を見たのだ。

 

 全能を思わせる神々が必死になって抗って、それでも避けられなかった此の今を見た。

 覇道三神と言う強大に過ぎる神々が揃ってしかし、それでも敗北するしかなかった過去を見た。

 

 

「あんなに強い神様達が、それでも破滅を避けられなかった。ならきっと、それが答え」

 

 

 それを見た高町なのはは、彼女なりの答えを出す。この今の現実に、彼女が抱いた答えがそれだ。

 

 

「誰かに頼っているままでは、きっと先なんて存在しない。何時か訪れる破滅と言う終焉を、先延ばしにするだけにしかならないんだ」

 

 

 盛者必衰。始まりがあれば終わりは来る。それが必然だとしても、この流れは余りに早い。

 それはきっと、誰か一人に荷を負わせたから。余りに重過ぎる重荷を託して、寄って縋るから破綻する。

 

 神が代替わりを起こしても、このままでは長くは続かない。根本から解決する必要があると、その瞳は強く語っていた。

 

 

「なら、どうする気よ? 実際、神の交代は必要でしょ」

 

「うん。そうだね。だけど、其処で思考を止めちゃいけないんだ。……それに、目指す答えなんて、私達はもう知っている」

 

 

 問い掛ける言葉に頷いて、しかしそれだけではいけないとなのはは返す。

 神の交代は必要だ。それ以外を目指すには時間が足りず、だが其処で満足しては何処にも行けない。

 

 ならば目指すのはその先に。神が代替わりした先に、目指す答えはもう分かっている。

 

 

「アリサちゃんも見たよね。すずかちゃんも知っているよね。クロノ君も、ザフィーラさんも、皆々分かっているんだ」

 

 

 見ていた筈だ。知っている筈だ。この場の誰もが分かっている。

 その答え。それを示した人が居る。口に出して語ったのではなく、唯生き様で見せた人が居たのである。

 

 だからなのはは、その大切な人の姿を口にする。

 

 

「私の大好きな人。彼が歩いたその道に、歩いている今に答えはある。それはきっと、とても簡単な事なんだ」

 

 

 力を失い、管理局を追われたその少年。それでも歩く事を止めない、その姿。其処にきっと答えがある。そう彼らは知っている。

 

 

「特別な力なんてない。神様や運命に選ばれた訳じゃない。少し頭が良いだけで、それ以外は何処にでもいる誰かと何も変わらない」

 

 

 森の奥に建物を作ろうと、テント暮らしをしている少年。

 食べる事に困り、寒い日々に震え、折れそうになりながらも思考錯誤を続ける姿。

 

 本局より出る事を許されない彼女が、デバイス越しに見た輝き。

 誰もが本当は体験していた原初の暮らしの中で、真面目に生きているその姿。

 

 

「でもその歩く道筋は、誰より光に満ちている。誰にも選ばれていないからこそ、誰でも出来る事だからこそ、その歩く道は尊いんだって」

 

 

 ユーノ・スクライアは一般人だ。魔力なんて持たないし、選ばれた力や受け継ぐ立場がある訳じゃない。

 鍛えた身体に、しかし才能なんてない。優れた頭脳は、されどマルチタスクを失くした今となっては役立たず。もう特別な物なんて、彼は何一つとして持っていない。

 

 それでも、その道を歩く姿は輝かしい。

 誰にでも出来る筈の事だから、特別な事なんて何もないから――それでも歩き続けるからこそ、その背は尊く輝いて見えるのだ。

 

 

「誰しもが皆、あんな風に生きられたら――きっと神様なんて必要ない」

 

 

 真面目に生きて、歩き続ける。何度取り零そうとも、掌に掴んだ小さな物を守り続ける。誰もがそう出来たのなら、特別な何かなんて必要ない。

 

 

「自分の足で立って、自分の頭で考えて、自分の目で前を見る。皆がそう出来たなら、世界を満たす救いなんて必要ないんだ」

 

 

 それは一つの人間賛歌。誰もが当たり前に生きる事、それこそ目指すべき至高であるのだ。

 

 

「私はそれを目指したい。そんな世界を、目指したいんだって思ってる」

 

 

 高町なのははそう思う。彼女が心から願える世界は、その魅せられた輝きだけだ。

 だがそれは、流出に至る事を意味しない。流れ出して作ってしまう物では、そんな輝きでは意味がない。

 

 

「だけどそれは、神様になって示す流出なんかじゃいけない。神様がそうしろって言うんじゃなくて、誰もが自分の意志で歩き出せる世界を望むんだ」

 

 

 だからこそ、彼女の答えは座の否定。彼女が抱くは神の否定だ。

 神座などない世界へと、神様の救いなどない世界へと、その輝きを目指したいのだと願っている。

 

 出来る筈だ。不可能ではない。自分の足で確かに立って、己で己を形成する。

 誰もがそう出来る様になれば、神が死した後の世界でだって生きられる。そう信じて、その果てを願うのだ。

 

 

「成程、それがお前の望みか」

 

 

 その解答を耳にして、クロノは小さく笑みを浮かべる。

 彼が抱いた解決策は別の形であったのだが、この答えを聞いてしまえば目指さずにはいられない。

 

 そうとも、魅せられたのは高町なのはだけではない。クロノ・ハラオウンもまた、あの友人の背に魅せられたのだから。

 

 

「知っているか、高町。……古き世ではな。その在り様を“解脱”と言うんだ」

 

 

 神に頼らず、自分の足だけで立つその在り様。それを神座世界においては、解脱と言った。

 法則からの解脱。神からの解脱。座からの解脱。全てから解き放たれたその身には、神の加護も裁きも届かない。

 

 当たり前の人として生きる事、それこそ解脱と言う解答だ。

 

 

「ふーん。なら差し詰め、私らが目指すのは、“全人類の解脱”って事? 良いじゃないの。やりがいあるわ」

 

「うん。そうだね。きっとそれは、何よりも尊い答え」

 

「……命を賭けて開く道として、十分過ぎる目標だな」

 

 

 魅せられたのは、彼らだけではない。たった二人ではない。

 この場に居る誰もが皆、其れを目指したいのだと心を同じくしていた。

 

 目指すべき道は定まったと、そう笑みを浮かべる四人の姿。

 先導した立場にありながらも、本気で目指すのかと高町なのはは問い掛ける。

 

 

「皆、分かってる? きっと、凄い遠いよ」

 

「ああ、この身に残った時間では、どう足掻こうとも足りんだろうさ」

 

 

 解脱は遠い。たった一人の解脱ですら六代に渡る神の歴史で、一度しか起こらなかったのだ。

 ならば全人類の解脱など、果たしてどれ程に遠くなる。生きている間に届く筈はないのだと、そうと分かってザフィーラは其れを受け入れる。

 

 

「これは愚行だよ。どう考えたって、八年なんかじゃ間に合わない」

 

「けどその八年の内に、積み重ねられるもんはあるよ。ならきっと、どんな形になっても無駄じゃない」

 

 

 八年後に迫った滅び。その時には絶対に間に合わない。

 だけど無駄にはならないのだと、月村すずかは柔らかな笑みを浮かべていた。

 

 

「一度や二度の人生で――ううん。神様が一度や二度代替わりしたって、きっと辿り着けやしない」

 

「でも目指す意志は残せるわ。土台を作って置いたなら、後はその時を生きる奴らに任せば良いのよ」

 

 

 次に繋いだ世界でもきっと届かない。その次の世界でも届く保証なんて何もない。

 だがそれでも良いのだ。後に繋いで行く事、それが重要なのだ。自分達はその土台を生み出そうと、そうアリサは確かに断言した。

 

 

「何、大目標と言うのはその位で良いものだろうさ。アイツの光に目を焼かれた僕ら全員が納得行く世界など、それ以外にはないのだから」

 

「皆」

 

 

 どうせ自分達には、他の世界など思い付かない。その輝きに焼かれてしまって、だからそれ以上など浮かばない。

 故に目指すは神無き世界だ。神様が要らない世界を目指して、如何にか世界を存続させながら、続く世の中で生きていく事こそ答えである。

 

 

「さて、ならばどう動く?」

 

「自分が自分がって、必死になるのは逆に論外よね。自分達だけが強くなっても意味ないんだもの」

 

 

 誰か一人が強くなっても意味がない。誰もが強くなれる世界でないと意味がない。

 だからこそ必死になって動いても、何一つとして得る物はない。ならば解脱に至るには、何を為せば良いのかと。

 

 疑問を語り合うザフィーラとアリサの姿に、クロノは笑みを浮かべて言葉を返す。

 

 

「何、精々華々しく、そして人らしく生きて行けば良い」

 

 

 答えなんて決まっている。目指そうと思った自分達。

 それが魅せられた光景を、同じく多くに魅せてやれば良いのである。

 

 

「僕らがアイツに魅せられたのと同じ様に、多くの人に魅せれば良いのさ。そうとも、何の為の英雄だ」

 

 

 英雄として、祭り上げられたのだ。ならば英雄として、華々しく生きて行こう。

 誰もが何かを想える程に鮮烈に、それでいて誰もが憧れる様な人の幸福を魅せるのだ。

 

 

「届かぬ足掻き続けよう。愚かな尊さを見せてやろう。万人が、そう在りたいと願える様に――」

 

 

 きっと時間は掛かるだろう。目指す場所は遠過ぎて、本当に至れるかも分からない。

 

 

「僕らが一番、誰より真面目に道を歩く事。それこそが、解脱に繋がるたった一つの道なんだろうさ」

 

 

 それでもその歩く道筋は、たった一つしかない確かな答え。

 そして他の如何なる道よりも尊いと、確かに断じる事の出来る解答なのだ。

 

 

「やろう。皆」

 

 

 故に彼らは、此処に歩く道を決定する。

 其れは誰もが愚かと断じる、決して間に合わない方法論。

 だが同時に、誰もが尊いと感じる事の出来る道。其は最も愚かで尊き解答。

 

 

「目指そう。皆」

 

 

 座の交代は必要だろう。だが自分達では流れ出せない。故に見定めて繋いで行こう。

 そして交代劇を続ける先で、確かにその目的地へと到達する。何時か全人類を解脱させ、神を不要とする事こそ彼らの答え。

 

 

「神様なんて必要ない。誰もが自分の足で立てる世界を――人類解脱を目指すんだ!」

 

 

 何時か何処かで、誰しもが自分の足で進める様に――彼らは誰よりも鮮烈に、そして誰よりも幸福に生きると決めたのだ。

 

 

 

 

 

3.

「次は古代遺物管理部長、クロノ・ハラオウン氏の報告です」

 

(……出番が来た、か。さぁ、始めようか)

 

 

 呼び出しのアナウンスに、物思いから引き戻されたクロノは前を見る。

 尊き愚道。その道を歩くと決めたのが、彼ら古代遺産管理局にとっての初心であった。

 

 それを忘れるな。そう語られたのだ。ならば忘れぬ様に、選ぶべき道は決まっている。

 クロノ・ハラオウンは提督コートを靡かせながら、会議場の壇上へと一歩一歩と向かって行く。

 

 そうして、辿り着いて振り返る。

 壇上に立ち上がった彼が大胆不敵に名乗るのは、この時空管理局内にあって挑発するかの如きその肩書き。

 

 

「ご紹介にあずかりました。私は古代遺産管理部長にして、古代遺産管理局長。クロノ・ハラオウンです」

 

 

 管理局に局長はいない。最高評議会が事実上のトップであって、その在り様は協議制だ。頂点が一つと言う事実はなく、故にこそこれは大胆不敵な挑発行為となる。

 そんな彼の名乗りに対し、居並んでいた幹部陣が腰を上げかける。だがその程度で動くは小物。取るに足りないと断じて、クロノは更なる爆弾発言を此処に投下した。

 

 

「先ず最初に、全管理世界の皆様にこの場を借りて、相応しくはない物言いをする事、謝罪致します」

 

 

 公開意見陳述会。それは地上本部の予算運用などを開示する催しだ。

 この場に相応しいのは前年度の報告と、今年度の指針発表などであって、これから語るはまるで相応しくはない言葉。

 

 だがこの今にこそ、全管理世界が注目する場所だからこそ、この発表をする必要があるのだ。万が一にも、握り潰されてはしまわぬ様に。

 

 

「ですが、知ってもらわねばならない事がある。伝えねばならない事がある。故にこそ、今此の場所で、私は多くを語りましょう」

 

 

 クロノは腕を大きく振るう。舞台映えする動きにて、指し示すのは大型モニター。

 其処に映し出されるのは、多くの数字と文字の列。その流し出される内容を理解した時に、ガタリと議場に騒音が生まれた。

 

 

「一つに罪を。我々管理局が行って来たこの罪を、此処に明かします」

 

 

 立ち上がったのは、海や空の高官たち。最高評議会派だと見越していた人物たち。

 彼らは今直ぐにでもクロノを止めようと、最早手遅れと分かって動き出す。そしてそんな彼らを制する様に、古代遺産管理局の武装局員が武器を向けた。

 

 慌ただしくなる会議場。騒がしくなる聴衆達。そんな事態を気にも留めずに、クロノは此処に言葉を続ける。

 

 

「お使いのデバイス。通信端末で見て頂きたい。此処に記された情報を」

 

 

 提示するのはアドレスコードだ。其れは隠されていた管理局の罪。

 それを全て記したデータベースに、直接繋がれるアクセスコードであったのだ。

 

 己の目で見てくれと、そう語られて一部の者がそう動く。

 何だ何だと画面越しに見る人々は興味を駆られて、知った事実に絶句した。

 

 其れは完全なる法規違反。外道と言うのも生温い、彼らが為して来た悪と罪。

 

 

「断言しましょう。それらは全て事実です。紛う事なき事実であると、私が此処に証明しましょう」

 

 

 画面の向こうの民衆に向かって、クロノ・ハラオウンはそう断言する。これは事実であるのだと、誰もが信じる英雄が此処に語るのだ。

 

 最高評議会に与する彼らは、これで全てが終わったのだと理解した。クロノの名声を高めた彼らだからこそ、もう逆転の目はないと分かってしまった。

 古代遺産管理局の後援者らは、これで全てが始まるのだと理解した。予定していた通りに彼らは制圧されて、此処にあるのは最早英雄の独壇場。彼が語るは真実のみだ。

 

 

「それら全てを知って貰った上で、私には言わねばならぬ事がある。語らなければいけない事、為さねばならぬ事があるのです」

 

 

 クロノはそんな彼らを気にも留めずに、誰でもない誰かへと向かって言葉を紡ぐ。

 敵対者らの諦めた目に見詰められ、後援者らの援護の下に続く言葉は――しかし、誰も予想していなかった形を見せた。

 

 

「管理局は悪を為した。最高評議会は、罪を犯した。それは明確で――しかしその罪は、この今に裁かれるべきであろうかっ!?」

 

 

 クロノが語る言葉。それはしかし、明確な断罪要求ではなかったのだ。

 

 何故、と。敵対者たちは目を見開く。何故、と。後援者らは目を見開く。

 予めこうなると知っていた者らは動かずに、そしてクロノの言葉も止まりはしない。

 

 

「最高評議会が為さねば、この今が繋がれなかった事は明白だ! その犠牲が無ければ、既にミッドチルダは滅んでいたのだ! それは確かな事実であって、誰にも否定する事など出来はしない!」

 

 

 クロノが語るのは、最高評議会の擁護であった。

 彼らが居なければ既にミッドチルダは滅んでいた。夜都賀波岐と戦い抜けたのは、その冷徹なる意思があったからに他ならない。

 

 自分では出来なかった。その立場に居たのが自分では、こうはならなかったと断言する。そんな擁護の言葉を続けた直後に、しかしクロノは否定の言葉を口にした。

 

 

「だがしかし、だからと言って許される筈もない! 犯した罪は裁かれねばならないだろう! だが、それを裁くべきは誰か! 我らか!? 否だっ!!」

 

 

 どんな理由があろうと、罪は罪だ。悪は悪なのだ。

 最高評議会の功績は明らかであれ、その罪悪も明確なのだ。故にこそ、彼らは裁かれねばならない。

 

 だがしかし、裁きを決めるべきなのは、管理局員ではない。クロノ・ハラオウンは違うのだと、此処に確かに断言する。

 

 

「我らは何だ!? 管理局員だ! 管理局員とは、法と民の守護者である!」

 

 

 管理局員とは、ミッドチルダの法と民を守る為にこそ在る存在だ。

 警察と裁判施設を足して割ったような性質に、天魔との戦いの中で軍としての色も強く出た。其れこそ時空管理局。

 

 その全てが、法の順守と民の守護の為にある。

 彼らが語り誇る様に、彼らはあくまで守護者であるのだ。

 

 

「法とは何だ!? 法とは国家の元に、民を守る為にある決まりである!」

 

 

 そして彼らが順守するべき法とは、即ち国家の元に民を平等に守る為の決まりである。

 ならば法の守護者とは、即ち民の平等の守護者。この地に生きる民を守る事こそ、その存在意義なのだ。

 

 

「ならば即ち、我らは民の為にある! そうだろう? 我が同胞たる局員達よ!!」

 

 

 異論はあるか。異議はあるか。そう周囲を見回し同胞へと語るクロノ。

 そんな彼の即興に目を剥きつつも、レジアスは唯一言「ない」と断じて返した。

 

 強く断じたその言葉に、クロノは僅か目礼する。

 そうして再び画面の向こうへ目を向けて、稀代の英傑は此処にその真意を告げるのだった。

 

 

「その上で、先ず断じよう! この今に最高評議会は、ミッドチルダの政治の大半を牛耳っている!」

 

 

 管理局の頂点は、既に政治と切って離せない程に癒着している。

 古きは判断の遅れが滅びを生むからこそ、即時対応できる様にとあった軍と政治の癒着機構。

 

 

「その悪は正されねばならない! だがしかし、我らが唯独善だけで現政権を覆したとすれば、それは軍事クーデターと何が違う!!」

 

 

 如何に彼らが悪とは言え、民衆が民意で選んだ政治と一体化しているのだ。

 それを軍事力に物を言わせて拘束しようと動いたならば、それは軍事的なクーデターと変わりはない。

 

 後出しで罪を為したと口にしようと、勝てば官軍と言う言葉がある様に勝利者の自由にされてしまう。それでは無条件で誇れる道とは言えなくなるのだ。

 

 

「故に愚かと分かっても、私は此処に問い掛けよう!」

 

 

 故に愚かと分かって、クロノはこの選択を選んだ。

 時間を与えるのは愚行と分かって、大義名分は既にあるのにそれ以上を彼は求めたのだ。

 

 

「戦術戦略両面において、これ以上の愚行はない! そうと分かって、私は貴方方へと問い掛ける!!」

 

 

 今正に包囲されている最高評議会関連施設。だが其処に攻撃指示は出していない。

 包囲はあくまで逃がさぬ為に、制圧の指示は未だ出さない。それを出すのは、全ての民意を聞いた後だ。

 

 

「声を聞かせてくれ! 他の誰でもない、其処に居る“貴方”の声をだ!!」

 

 

 管理局は民の為にある。ならば我らは、民の意を受けてから動かねばならない。

 

 

「想いを届けてくれ! 民の為に戦う我らに、大義名分などではない、確かな正義が何かと教えてくれ!!」

 

 

 それがどれ程に逆境を生むとしても、この今に聞かずには動けない。

 独善で動いた結果を誇れる程に、クロノの面の皮は厚くはないのだ。

 

 

「どんな小さな言葉でも、確かに聞こう! どんな形であったとしても、確かに聞き届けよう!」

 

 

 遠回りをしよう。此処に愚かな道を歩こう。皆の答えを聞いてから、何をすべきかを定めよう。

 遠回りをしよう。愚かな道だけど、尊いと分かっているのだ。だからこそ、此処に何を為すべきかと問い掛けよう。

 

 

「彼らは悪であるのか? その罪は今裁かれるべきなのか? 他でもない確かな民意を以って、此処にそれを裁定するのだ!」

 

 

 世界は物語ではない。故に進めるのは、主役だけの仕事じゃない。

 誰でもない誰か。誰でも良い端役。そんな彼らに責任を持って、声を上げて貰う事こそクロノの選択。

 

 そして彼は指をさす。天を指したその数は三つ。

 

 

「三日! 三日と言う時を置こう!」

 

 

 それが限界。包囲を維持できる限界で、多くの声を聞けるだけの時間。

 それでも限界スレスレだ。余りに維持が難しく、時間が経てば経つ程に転覆は難しくなる。

 

 そうと分かって、それでも彼は待つのだろう。

 

 

「どんな形でも良い。どんな想いでも良い。誰でもない貴方の、その答えを聞かせてくれっ!!」

 

 

 デバイスを繋いだネットでも良い。文書による投稿でも良い。直接乗り込んで来ても良い。

 賛同の意志でも良い。愚かと詰る声でも良い。速く捕まえにいけと、そう語るのだって構わない。

 

 確かな答えを届けて欲しい。その声の数こそが、目指すべき道へ近付いている証となるのだから。

 

 

「ミッドチルダ総選挙! その開幕を此処に宣言する!!」

 

 

 管理世界が注目する中、壇上にてそう演説して見せた先導者。

 後の世に語られる英雄宣言。其れに次ぐこれこそが、最も愚かな選挙宣言。

 

 彼がこの時に為して居れば、多くの悲劇はなかったのだと後の誰もが断じる一つの愚行。

 だがもしもこの宣言がなければ、今の輝きはなかったのだと誰もが認める尊き言葉。彼自身が語った様に、これは尊き愚行。愚かな尊さだったのだ。

 

 

 

 時空管理局体制の衰退期。そして後に起こる新たな世界の黎明期。

 その萌芽は未だ遠くとも、此処から先へと続いていた。この時の宣言こそが、始まりへと近付く確かな一歩であった。

 

 

 

 

 




以上、立候補者クロノ・ハラオウン氏の選挙演説でした。



そんな訳でなのは達の狙いは、『全人類の解脱』でした。
一代で出来る様な事ではないので、神座交代をする中でゆっくり目指す予定だった模様。

その中間で期待していたのはトーマで、だが先の一件で頼れないなってなった。
今の彼女達は中継ぎになる神様をどうしようかと悩んでいる所。だから前話でエリオの意志を聞いた時、なのはは一瞬期待した訳です。(一瞬の気の迷いだった訳ですが)




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