リリカルなのはVS夜都賀波岐   作:天狗道の射干

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副題 輝くトラペゾマッド。
   スタイリッシュ掌返し。
   海上での決闘。




第十二話 真実の断片

1.

 ブリッジに緊張が走る。

 指揮所務めの新米管理局員達は、想定もしていなかった現状に動揺を隠せていない。

 

 

(考えろ考えろ考えろ。ここから何をすれば良いか、取り得る手段はあるはずだ。逆転の札はあるはずだ!)

 

 

 クロノ・ハラオウンはそう思考を巡らせる。

 理性は既に詰んでいると判断しているが、感情はそれを認めない。

 

 僅かあるはずの逆転の札。あるはずだと信じたいそれを、ありはしないそんな都合の良い答えを、マルチタスクで探し続けている。

 

 そんな彼の必死の抵抗を、まるで嘲笑うかの様に――

 

 

「ごふっ!」

 

 

 女の天魔が、その突剣を抜き去った。

 

 その動作に合わせて、まるで思い出したかのように、吐き出された血液が艦長席を赤く濡らせる。

 

 流れ出した出血は多量に過ぎて、命の危機さえ感じ取れる程。

 そんな光景を見て、如何に戦場に慣れてはいても、クロノは動いてしまった。

 

 

「母さん!」

 

 

 如何に多くの戦場を経験したとは言え、彼は未だ十四才の子供だ。

 

 父を早くに失くし、たった一人残った身内。

 そんな母が害される光景に、その命が危ぶまれる瞬間に、冷静で居られるはずもなく――

 

 

「動けば撃つって言ったろ? 馬鹿が」

 

「がっ!?」

 

 

 故にそれも、必然の結末。

 歪みを用いてリンディの傍まで転移したクロノを、宿儺の放った銃弾が撃ち抜いた。

 

 

 

 宙を機械の破片が舞う。

 まるで大砲が放たれたような轟音と共に、右の義手に大穴が開いた。

 

 半ばより砕かれた義手は完膚無きまでに壊れ、弾丸の衝撃でクロノは後方へと飛ばされる。重い音を立てて壁にぶつかると、そこで漸く勢いが止まった。

 

 

「あれ? 何で胴体ふっ飛ばさなかったの?」

 

「そりゃお前、……そんなんじゃ、詰まんねぇだろ」

 

「ああ、いつもの“遊び”ね」

 

 

 腕を失くしたクロノは、無様に這い蹲っている。

 絶え間なく血を流し続けるリンディに、最早意識は残っていない。

 新人ばかりの武装隊は、そんな状況の変化に付いていけず、天魔の放つ異様な気配に飲まれている。

 

 そして、残る両面は嗤っている。

 二人で一人の天魔・宿儺は、そんな彼らを見詰めていた。

 

 

「お前は、何の為に!」

 

 

 苦悶の声を漏らしながら、クロノが口にするのはそんな言葉。

 そんな彼の台詞に返るのは、笑い続ける鬼の乾いた声音。

 

 

「あ? 何の為に、ねぇ」

 

「さぁ、私らも姐さん方に言われて来ただけだしね」

 

「……はっ?」

 

 

 血を吐くような問い掛けに、返る言葉は空々しい。

 それは単純に、両面の鬼もまた、ここで介入する意義を見出せぬが故に。

 

 

「なーんで、あの子を手助けするのかねぇ?」

 

 

 男の視線が向かう先は、転送ポート周辺を映し出すモニター。

 其処に映るのは、手に手を取って走っている二人の少女の姿。

 

 彼に与えられたのは、彼の少女が逃げる迄、管理局を足止めする任。

 そんな下らない仕事に退屈を感じつつも、それでも両面悪鬼は言われた通りに動く。

 

 今は未だ、彼本来の役割を果たせぬが故に。

 

 

 

 そして鬼の視線の先で、金髪の少女が掻き消える。

 

 転移の光に包まれたフェイト・テスタロッサが消える迄、その背を見送り続けた二人の鬼はその光景を確認してから口にする。

 

 

「はーい。お仕事完了!」

 

「んじゃ、後はフリータイムだな」

 

 

 そう。これにて、与えられた仕事は終わり。

 これよりは両面の鬼の役割にも関わる、一つの“遊び”を行う時間。

 

 ニヤリと笑って、両面は視線を艦橋にいる者達へと戻す。

 既に崩れ落ちた管理局員たちを見下ろして、唯ニヤニヤと笑っていた。

 

 

「……お前たちは、天魔はテスタロッサと裏で繋がっていたのか!?」

 

「あー、それ、どうなんだろう?」

 

「いや、俺は知らねぇけど、もしかしたらそうなのかもなぁ」

 

 

 クロノが口にする当然の疑問。

 それに宿儺は韜晦するばかりで、真面に答えようともしない。

 

 その口にした遊びと言う言葉通りに、両面の鬼は遊んでいる。

 見極めているのだ。彼らが何をするのか、彼らに何ができるのか、を。

 

 

「お前たちは! 一体何がしたいんだ!!」

 

 

 そんなふざけた態度に怒りを抱いて、クロノ・ハラオウンは叫びを上げる。

 

 圧倒的に不利な立場にあって、尚も強気なその態度。

 そこに挫けぬ意志を見つけ出して、宿儺は小さく呟いた。

 

 

「ま、及第点って所か」

 

 

 紡いだ声は、誰にも届かずに掻き消える。

 この状況下で諦めないなら、多少は相手にする価値もあるだろう。

 

 そうとも、例え四肢を捥がれようとも、喰らい付くと言う覚悟。

 

 それはあくまでも、最低限の条件だ。

 それがなければ、そもそもからして始まらない。

 

 

「さて、私らが何をしたい、ねぇ」

 

「それは夜都賀波岐に対する問いか? それとも俺個人に対する問い掛けか?」

 

 

 そう。既に世界は、それ程に詰んでいるのだ。

 故にこそ求められる次代の輝きとは、絶望の中でも足掻く光と知れ。

 

 

「教えてやるよ。……俺の意志はあいつの意志だ」

 

 

 空気が変わる。密度が変わった。

 最低限を満たした相手を前に、ならば次はと威圧が増す。

 

 

「俺だから分かる。俺にしか分からねぇ」

 

 

 呑まれる。吞み込まれる。

 その意に。その想いの大きさに。

 

 その言葉の意味は分からねど、宿した熱意に場の誰もが呑まれている。

 

 

「そうさ。どっかで電波受けてる、喪女拗らせたうちの指揮官代行殿も! てめぇらのトップ張ってる、腐ってイカれた脳味噌共も! 死に損なってるあの死体女も! どいつもこいつも、あいつのこと、まるで全然分ってねぇ!!」

 

 

 そう。真実を知る者達は、真実何も分かっていない。

 

 

 

 怒りに狂い、彼を裏切ったこの世界の人間達。

 一人も生かして残さないと、女の情念を見せる天魔の指揮官。

 

 ああ、馬鹿だろ、忘れてんのか?

 あいつが自分の宝石に傷付けられて、その事実すら忘れられて、それで怒りを覚えるとでも思っているのか?

 

 あいつ意外としつこいんだぜ。

 手前の大事はずっと大事って、真面に思考も出来ない今でも縋りついてやがる。

 

 

 

 魔法があいつを傷付けるという真実を知り、それでもなお己の理想の為に広げ続ける最高評議会。

 

 愛されている事実を知っている手前らがそんな調子で、結果纏めて破滅するかよ。

 ありもしねぇ幻想に縋って、何時か叶うと信じて罪科を積み上げ続けるのがお前たちの善行か? お前らの正義は、そんな形じゃなかっただろうっ!

 

 彼の愛で諸共に滅びるならそれも至高とか言ってる奴奈比売(うちのバカ)も大概だが、お前ら阿呆を拗らせ過ぎだ。

 

 

 

 そして死に損ないのあの女。

 手前は正しい。確かにその回答は一番マシだ。

 

 だがよ、あいつはあれで意外と優柔不断だぜ。そんな単純に割り切れねぇ。

 この世に生きるアイツの刹那が、地獄に堕ちるその選択。どうして奴が認められようか。

 

 

 

 天魔は語る。宿儺は告げる。

 誰も分かっていないと、彼の裏面であるが故に分かる鬼だけが知っていると。

 

 その言葉の意味は、その場の誰にも分からない。

 誰かに教える様に口にしてはいないから、理解できる筈がない。

 

 けれど、その内に秘めた熱量だけは、誰もが感じ取っていて――

 

 

「そうらしいよ。私が動く理由って、さ」

 

「ふむ。ならその辺りの事を、色々と教授して貰いたいのだがね」

 

 

 故に場の誰もが、その男が口を開くまで、その登場に気付けなかった。

 

 

「あん?」

 

 

 そんな唐突な声に、宿儺がブリッジの扉を見る。

 其処に立っていたのは、狂笑を浮かべる一人の研究者であった。

 

 悪名高い大天魔。

 彼らに制圧されたこの場所は、正しく死地。

 

 多くの局員達が二の足を踏み、立ち入ることを恐れるその死地に、平然とやって来るのは紫髪の男。

 

 

「ドクター?」

 

「ふむ。生きているかね。クロノくん? 生きているようだね。それは何より」

 

「おいおい。お前、正気かよ」

 

 

 そんないつも通りの態度を示す科学者の姿に、両面の鬼すら呆れて口にする。

 

 絶対の死地へと立ち入った男は、ニヤニヤと狂った笑みを浮かべていた。

 

 

「ねぇ、おっさん。分かってる? 私達がその気になれば、今この瞬間にも皆死ぬわよ」

 

 

 女の鬼が、半ば本気で口にしたその言葉。

 紛れもない真実を前に、スカリエッティは笑みを深くする。

 

 

「分かっているとも、正気に自信はないがね。君達が本気になれば、その瞬間に船は沈む。そら、どこに居ても死ぬのは変わらんだろう? なら少しでも君達を間近に観察してその神秘を解き明かしたい。そう思うのは研究者として当然だと思うがね。……後おっさんは止めてくれ、私はまだお兄さんだ」

 

 

 至極当然と、スカリエッティは己の考えを吐露する。

 確かにそれは合理的な行動であり、同時に人の持つ当然の感情が欠けている。

 

 

「はっ。良いなぁ、おい。良い感じにイカレてんじゃねぇか」

 

 

 そんな男の様を、宿儺はそう批評する。

 求道に狂った研究者は、鬼の瞳で見てもそう断ずるより他にない。

 

 この男は壊れている。

 この男は、致命的なまでに、何かがズレて狂っていた。

 

 

「ふむ。そういう物かね。だが、別にどうでも良いな。君達をこうして直接見て、得る物は確かにあったのだから」

 

「あん?」

 

「君達の肉体が高密度の魔力で形成されているのは、まあ管理局としては周知の事実だ。その魔力がどこから来ているのか、というのは明かされてなかったのだがね」

 

 

 得る物はあった。

 スカリエッティは絶対の死を前に、そう語る。

 

 既に天魔に対抗する為の研究を進めているとは言え、現状では有効打を手にしてはいない。

 

 そうでありながらも、何ら臆する事はなく、今回得た事を自慢げに語るのだ。

 

 

「……実はこの艦橋の魔力総量は計測されていたのだが、君達が現れる前と後で全く変化が見られない。ああ、つまりはそう言うことなのだろう? 君達の体を構成しているのは、出現場所にある大気中の魔力素であり、結論、魔力がある場所ならば、どこにでもその体を作り出すことが出来るという訳だ! その現象、形成とでも呼ぶべきか!」

 

 

 即ち、彼が理解したのは、天魔の在り様。

 大気中に存在する魔力素こそが、彼らの身体を形付くっていると言う真実。

 

 詰まりは単純。天魔は、この世の何処にでも現れる。

 魔力素の存在しない虚数空間を除いて、彼らは何処にでも一瞬で出現出来るのだ。

 

 その解答に気付いたクロノは、余りの事実に忘我する。

 その解答に辿り着いた研究者を、天魔は楽しそうに見詰めていた。

 

 

「ふーん。……で? そんなこと話してどうするよ」

 

「いや、どうもしないよ。唯の悪癖でね。如何にも新しい事を知ると自慢したくて堪らなくなる」

 

 

 或いは、コイツならば自分の知識だけで、世界の真実に辿り着くかも知れない。

 

 何故にこの世界が、こんなにも詰んでいるのか。

 何故に大天魔が、憎悪と憤怒を以って魔導師たちを狙うのか。

 何故に魔法が、この世界に止めを刺す切っ掛けになり得るのか。

 

 この男ならば、確かに辿り着くかも知れない。

 それは宿儺が好む物とは種を異とするが、確かにある一つの可能性。

 

 

「それで、その科学者さんは、私らのこと知ってどうするつもりなのかしらね」

 

「何、大したことではない。唯、神殺しをしようと思うだけだよ」

 

 

 故に、問い掛けるのは、そんな疑問。

 それに返す狂人の言葉に、誰もが絶句した。

 

 大天魔とは、神に使える六柱の偽神。

 彼らを真実神と呼び、神と認めているのは、管理局とて変わらない。

 

 そんな神の前で、お前を殺すと叫んでいる。

 スカリエッティの一言は、それとまるで変わらぬ自殺行為だ。

 

 

「未だ管理局を襲撃しに来たことのない君は知らないかもしれんがね。君の同胞。五柱の大天魔達は幾度も私から子供達を奪っている!」

 

 

 即ち、天魔・悪路。天魔・母禮。天魔・奴奈比売。天魔・紅葉。天魔・大獄。天魔・常世。以上六柱、以って穢土夜都賀波岐。

 

 彼らは幾度も、ミッドチルダへ侵攻した。

 そしてそんな彼らに抗う為に、常に最前線で肉壁とされるのはスカリエッティの愛しい子供達だ。

 

 ウーノ。ドゥーエ。トーレ。クアットロ。チンク。セイン。セッテ。オットー。ノーヴェ。ディエチ。ウェンディ。ディード。タイプゼロ・ファースト・セカンド。

 

 無数の戦闘機人は破壊され、プロジェクトFの人造魔導師も役に立たない。

 彼らは無残な姿で無間八大地獄に飲まれ、何も掴む事はなく、無意味に屍を重ねている。

 

 スカリエッティは覚えている。

 誰一人として忘れずに、その名を、その姿を覚えている。

 

 失った愛する子供たちに、報いねばならぬと知っている。

 

 

「そう。失ったのだ。ならば為さねばなるまい!」

 

 

 為すのは復讐か? 否、断じて否。

 そんな情に縛られた回答は、無限の欲望に相応しくはない。

 

 故に彼は狂人だ。

 唯一つの求道を目指して、他の全てを台無しにする壊れた男だ。

 

 ジェイル・スカリエッティとは、そんなイカレタ研究者。

 

 

「神殺しを! お前達の犠牲は無駄ではなかった。この私をその高みへと導いたのだと示す為に!!」

 

 

 そう。それこそが真実。

 スカリエッティは宣言する。何れ至るぞ、と。

 

 狂気が強念を生むならば、その想いは確かに渇望と言うに足る。

 今の全ての民が弱り切ったこの世界において、確かな輝きを宿すのは、壊れて狂った求道の男。

 

 

「ははっ! ははははははっ!」

 

 

 故に返るのは、鬼の笑い。

 

 嘲笑うのではなく、嘲るのでもない。

 真実面白い馬鹿を見たと、宿儺は腹を抱えて大笑する。

 

 

「良いな、お前。体張るタイプじゃねぇのが、ちょっと気に入らねぇが、それを差し引いても面白い。……認めてやるよ。お前は真面目に生きている」

 

「そうかね。なら褒美代わりに、その体を解剖させて欲しいのだが」

 

「嫌だよ、バーカ。そんだけキマッタこと口にすんなら、自分の頭だけで俺らの真実を明かして見せろや」

 

 

 言って宿儺は背を翻し、その体が解けていく。

 ここにあるという意思が消え去り、肉体は魔力へと還元される。

 

 

「おや、宣戦布告した心算なのだが。殺さないのかね?」

 

「はっ、てめぇみたいに真面目に生きてる奴は少ねぇんだよ。特に魔導師連中にはな。ならその果てを見届けねぇで、殺しちまうのは勿体ねぇ。……気張れよ科学者。手前の傑作。手前の自信。全部揃った所で潰してやるからよぉ!」

 

「じゃね、オジサマ。今日は久しぶりに、結構楽しかったわ」

 

 

 そう言葉を残し、両面の鬼は去っていく。

 その崩れて魔力に還っていく姿を、スカリエッティは冷たい瞳で観察していた。

 

 

 

 そして、彼らの痕跡が消える。

 何もかもが消え、嵐が過ぎ去った後――

 

 

「っ! 何をしているお前達! 早く母さんを医務室に運ぶんだ!!」

 

 

 クロノの言葉で、止まっていた時が動く。

 ハッとした表情で敬礼を返した後、ブリッジクルー達はリンディの元へと歩みを進めた。

 

 

「ふむ。ふむふむふむ。ああ、なるほど。だが、出来れば彼らの太極も確認したかったが、ああ、他天魔の太極データだけでも推論だけなら立てられるか。魔力素だけならば何の変哲もないのだから、違いとなるは魂の有無。この場で起きた事象。大天魔がこれまでに起こした現象。即ちそれは。魂の活動。肉体の形成。法則の創造と言った所か。ならばその先にあるのは、神という存在とは。ああ、そもそもこの世界には何故魔力が満ちている? 魔力とは何だ? リンカーコアが吸収する大気中の魔力素。魔力で構成されている天魔という存在。そして創造の先、そう流れ出すという概念。この世界そのものが或いは……ああ、滾ってきたぞ! ふふふ。ふはは。ははははははは!!」

 

「そこで高笑いしている馬鹿! お前が医療技術も一番高いんだから、笑ってないで手伝え!!」

 

 

 また一つの真実に気付いた男は笑い狂い、隻腕の執務官が怒鳴り付ける。

 

 天魔が消えた後、慌しい遣り取りの中で、ゆっくりとアースラは平常へと戻っていった。

 

 

 

 

 

2.

「君達は、自分が何をしたのか分かっているのか!?」

 

 

 喧噪が去り暫くしてから、クロノは歪みを行使した。

 

 対象はなのは達。このブリッジに向かって来ていると言う事実には驚かされたが、それで怒りが収まる訳もない。

 

 捕えられた少女達は、そんなクロノの怒りが籠った説教を長々と聞かされている。

 

 彼の怒りに晒される少年少女達は、己が悪いと知っている為に、項垂れてその説教を受け入れるしかない。

 

 

「御免なさい。けど、フェイトちゃんが捕まったままなのは、嫌だって思ったから」

 

「感情だけで動かれたら困る! 彼女を逃がしたことで、どれだけこの事件の解決が遠のいたと思っているんだ! 彼女の黒幕、その正体、その居城が判明するかもしれなかったというのに!」

 

 

 烈火の如く口にされる言葉は、確かな正論。

 それ故に、なのは達は肩身を狭くするしかない。

 

 

「あのさ、クロノ君」

 

 

 そんな彼女達の姿を哀れに思ったか、頭に白い包帯を巻いたエイミィは擁護の為に口を開く。

 

 彼女達にしてやられたというに、意識を取り戻して直ぐに許し、こうして庇おうとしている姿は確かに彼女善人であると示している。

 

 だが――

 

 

「この子達は未だ子供だし。仕方ないんじゃないかな。幸い、それ程大きな被害は出ていな――」

 

「君も君だぞ、エイミィ! 管理局の一員でありながら、こんな子供に後れを取るなど弛んでいる! 君がしっかり彼女達を監督できていればこんなことには――」

 

「げ、藪蛇った」

 

 

 擁護しようとしたつもりが、飛び火する説教にエイミィは嫌そうな顔を隠せない。

 そんな彼女の態度が頭に来たのか、クロノは更に気炎を上げて叱責を続けようとして――。

 

 

「そこまでよ。クロノ」

 

「か、……艦長、傷の方は宜しいのですか?」

 

「私がミスすると思うのかね? 右肺はやられていたが、他の臓器に影響はなかった。簡単な開腹手術と治癒魔法で事足りたよ。……まあ、まだ安静にしておくべきなのは否定せんがね」

 

 

 彼の言葉を遮り、一組の男女がブリッジに姿を現した。

 

 車椅子で運ばれる女。リンディ・ハラオウンはその顔色の悪さを隠せず、しかし管理局員然とした態度を示す。

 

 

「艦長。まだ休んでいるべきでは」

 

「いいえ、クロノ執務官。この現状は十分に異常事態と呼べます。で、ある以上、責任ある立場の人間として、眠ってなど居られません」

 

「などと言って聞かなくてね。……まあ、魔法行使さえ控えれば悪化しないと保障はしよう」

 

 

 言ってリンディは視線をなのは達へと移す。

 視線を向けられて、子供達はその姿勢を正した。

 

 

「貴方達があのような行動をしなくとも、天魔・宿儺の襲撃があった以上、我らがフェイト・テスタロッサを確保し続けることは不可能だったでしょう」

 

 

 そんな言葉に、明暗分かれる表情を浮かべる場の者達。

 明るい表情を浮かべたなのはらに対し、噴飯を隠せぬのは隻腕の少年だ。

 

 

「艦長! それが事実だとしても、彼女達は!」

 

「ええ、規律に反し、利敵行為を行った。例え協力関係にない民間人の行動であっても、管理局法の影響外にある管理外世界の住人であっても、処罰せずに済む範囲を既に超えています」

 

 

 続く言葉にコロコロと表情を変えていたなのはは、一瞬でその表情を緊張させる。

 

 

「高町なのは。貴方に下される処罰は一つ。貴方のデバイス、レイジングハートの修理が完了次第、フェイト・テスタロッサを呼び出しこれと戦闘を行う事です。その為に、ジュエルシードの使用も許可します」

 

「なっ!?」

 

 

 リンディの決定に、驚きを返す者と喜びを返す者。

 戸惑いを浮かべる者に、納得している者。皆が其々に特徴的な表情を浮かべる。

 

 

「待ってください、艦長! 民間人を戦場に出すのは!」

 

「利敵行為により損害を出したのなら、それと同様の利益を齎すのが起こした事態に対する責務です。フェイト・テスタロッサとの戦闘に勝利する必要はありません。例え敗北したとしても、彼女の魔力パターンを元に追跡は可能。……高町なのはに求めるのは、得られるはずだった情報。敵本拠地の位置情報です」

 

「それなら、僕が出れば!」

 

「その様で戦うつもりですか、クロノ。義手が壊れている以上、それが直るまで戦闘は禁止です。……私もこうして動けぬ以上、戦力不足は深刻と言うより他にありません」

 

「ですが!」

 

「それに、貴方では彼女は来ないでしょう。勝算が皆無な相手に挑むほど、フェイト・テスタロッサも愚かではないはずです」

 

「くっ……」

 

 

 自分が戦場に出る。武装局員達に任せる。

 様々な案が浮かんでは消えるが、そのどれもが役には立たない。

 考えれば考える程、リンディの言に従うしかない事実にクロノは気付いた。

 

 自分より弱い民間人に頼らなければならない。

 そもそも戦場に出すべきではない、そんな子供に頼らねばならない。

 

 その事実にクロノ・ハラオウンは歯噛みする。何の為に身に付けた実力だ、と。

 

 

「……色々と気に入らないことはあるが、罰というには軽すぎるな。それだけか?」

 

 

 高町恭也は、決まったことに口を挟もうとはしなかった。

 

 妹が前線に出され、更にその勝負を利用されるというのは腹が立つ。

 

 だが、決まったことは仕方がないと。

 そう割り切って、しかし疑問に思ったことを口にする。

 

 それに対するリンディの返答は、冷たい物であった。

 

 

「無論、貴方達にも罰はあります。ユーノ・スクライアはその全力を持って、高町なのはを支援すること。どんな状況になろうと、彼女が与えられた役を果たせるように動くことです。……そして高町恭也。貴方に下す罰は」

 

 

 そう。リンディは決めている。

 

 子供達が悪いことをしてしまうのはある意味仕方がない事だ。

 彼らは理で動くのではなく、情で動いてしまうから、叱り付けることはしてもあまり酷い罰は下せない。

 

 だが、高町恭也は異なる。

 彼はもう大人として扱われてもおかしくない年だ。

 

 である以上、子供達に悪いことをすれば罰せられると教える為にも、保護者である彼には相応の罰が必要だ。

 

 それも、合理的であれば更に良い。

 

 故に――

 

 

「今後一切、魔法に関わる事を禁じます。無論、高町なのはの戦闘への参戦は禁止。戦場に立ち入ること、艦内で見学することも許しません」

 

「何?」

 

 

 そんな言葉を、リンディは口にした。

 

 

「足手纏いです。大天魔が現れる可能性のある戦場に、非魔導士など連れて行くことは出来ません」

 

「……っ! だが! 例え足手纏いだとしても、なのはが戦っているのに何もしないでいるなど!」

 

「その結果、貴方の大切な妹が命を落としたとしてもですか?」

 

「くっ!」

 

 

 そう言われて、ついに恭也は返す言葉を失った。

 

 思い返すのは先程のクロノ・ハラオウンとの戦闘。余りにも一方的に敗れた記憶。

 

 そんな彼が、あっさりと片腕を持っていかれた。

 死を決意して尚、立ち向かう事すら難しいのが大天魔だ。

 

 確かに自分が適う道理はなく。足手纏いになってしまう可能性は高い。

 ならば、こうして一人去るのが正当だと言うのか、恭也は感じた思いに歯噛みした。

 

 そんな彼の姿に、リンディは尚も冷たい言葉を続ける。

 

 

「……無力を噛み締め、高町なのはの帰宅を待つ。それが貴方に下される罰と知りなさい」

 

 

 年長者でありながら、少年少女の暴走を止めなかった。

 それ故にリンディの恭也を見る瞳は、他の誰に向けるより冷たい。下される罰は、他の誰よりも重い。

 

 足手纏いであるというのも事実で、しかし見届けたいと願う彼に関わることを禁じる。

 

 それこそが彼女の考える、合理的でありながらも重い罰であった。

 

 

「……」

 

「お兄ちゃん」

 

「恭也さん」

 

 

 無言で拳を握り締める恭也の姿を、なのはとユーノは心配そうに見上げる。

 そんな心配そうな子供達の表情に拳を緩めると、恭也は意識を切り替える様に口にした。

 

 

「いや、なのはが気にすることじゃないよ」

 

 

 なのはの髪の毛をくしゃりと撫でる。

 そして優しく撫でながら、彼女に聞こえぬようユーノに伝えた。

 

 

「……なのはを頼む」

 

 

 絞り出すように口にした言葉に、どれほどの思いが籠っていたのか。

 共に一晩を過ごした事でその事実を知るユーノは、彼に頷きを返す。

 

 ユーノは決意する。

 何が待ち受けようと、なのはを守り抜くと。

 

 彼女達の戦いを見守ろう。

 そして妨害があれば、あるいはなのはに危機があれば、今度こそこの身に変えても守り抜こう。

 

 誰に口にすることはなく、唯、心の中でユーノは誓った。

 

 

 

 

 

3.

 そして、高町恭也は管理局員に連れられ、転送ポートまで移動する。

 妹達を残して一人去ることを、そのどうしようもない感情を噛み締めて――

 

 

「……それで、お前は何の用だ」

 

「ふむ。気付いていたかね」

 

 

 口にした言葉に、返るのは笑う男の声。

 まるで無関係な男の姿に、恭也は警戒心を露わにしていた。

 

 この場所に、高町なのはが来ることは許可されていない。

 

 それも罰の一環であったし、何よりなのはには前科がある。

 恭也に対して、またやらかす可能性がないとは言えなかった。

 

 だから、この場に彼女は来られず、代わりに姿を見せたのは――

 

 

「見送り、という柄でもあるまい」

 

「ああ、少しフォローをしてみようと思ってね。あまり、彼女を悪く思わないであげてくれ」

 

 

 ジェイル・スカリエッティ。

 狂気と求道の意志を併せ持つ、狂ってイカレタ研究者だ。

 

 

「彼女?」

 

「艦長だよ。彼女はあれで優しい女性でね。きっと君の処罰とて、君の命を心配する気持ちが多分に混じっているのだろうさ」

 

「……分かっているさ。俺が足手纏いだと言うのは」

 

「否、分かっていないな高町恭也。君は天魔を見たことがないから、彼らと遭遇しないで済む幸運を分かっていない」

 

「何?」

 

「そう。天魔・悪路。彼のデータを参考にすると解り易いだろう。彼の大天魔の能力は、一定範囲内にある物全てを腐食させるという単純ながら凶悪な物でね。……だが、そんな彼の腐食も魔導士と非魔導士で浸食速度が大きく異なるのだよ」

 

 

 スカリエッティは語る。

 彼が集めたデータを、詳細な画像と共に見せつけながら。

 

 その情報を見せられた者がどう思うかなど考えず、まるで子供が玩具を自慢するかのように見せ付ける。

 

 

「リンカーコア所有者が腐食から死に至るまでの平均所要時間は300秒。五分ほど掛かったのだが、リンカーコア非所有者の死亡時間は約3秒。100分の1の時間しか耐えられなかったことになる。……私はこれを魔力に対する抵抗力の有無だと判断しているがね」

 

「……何故、そこまで詳しく分かる? まさか!?」

 

「いや、志願者を募っただけだよ。表向きはね」

 

 

 何でもないことのように、己がデータの正当性を示す実験内容を、スカリエッティは隠すこともなく語る。

 

 画像で、映像で、死に逝く実験体の姿を見せながら、男は笑い続けている。

 

 

「志願せねばならない状況に陥った者も少なくはなかったが、まあ些細な話だろう」

 

 

 人生を壊された者。家族を人質に取られた者。

 そんな彼らに任意の志願を頼み込んで、そして全てを使い潰した。

 

 その結果、彼は膨大な情報と言うアドバンテージを確かに得たのだ。

 

 

「実験の内容は単純。魔導士百人と非魔導士百人を天魔が襲来する予定地点に拘束して置くだけだ。後はデバイスで随時、その変化を観測すれば良い」

 

 

 天魔五柱分のデータを記録するのは大変だったがね、とスカリエッティは語る。

 何ら悪びれる事もなく、彼の求道に踏み躙られた死者を嗤っている。

 

 

 

 そう。彼は見続けた。

 

 叫喚地獄に飲まれ、生きたまま腐り落ちていく人々を。嫌だと死にたくないと喚くその姿を。

 

 焦熱地獄に飲まれ、生きたまま焼かれていく人々を。今では慰霊碑と共に英霊として祭られる尊い犠牲が、無様に泣き喚いていたその姿を。

 

 黄金の瞳に飲まれて、身内同士で殺し合う姿を見た。妻だけは我が子だけはと、人質を盾に志願を強要された彼らが、その人質を自らの手で引き裂く姿を確かに見た。

 

 

 

 それを語る。悪意なく語る。

 そのスカリエッティの何の呵責もない態度に、恭也は怒りを隠せない。

 

 

「お前達時空管理局は、法と秩序の番人を自称しているのではないのか!?」

 

「おかしなことを聞くね。法も秩序も、多数の人間。集団や国家の為にある物だろう? なら、たった千数百人の犠牲でより多くを救えるデータが揃うのだから、そら、私は法と秩序の為に動いている」

 

「……クロノ・ハラオウンがお前を毛嫌いしている。その本当の理由が分かった気分だよ」

 

 

 狂科学者の在り様に、恭也はそう返すしか出来なかった。

 

 ただ、あの少年がこの男に加担していないのは分かる。

 刃を交えれば、彼の真っ直ぐさは嫌でも理解できたから。

 

 そんな彼があれほど、邪険にするどころかああも冷徹な目でこの男を見ていたのは、彼の本質を知るが故のことだったのだろう。

 

 唯目障りなだけの男に対し、死んでしまえば良いと思うような少年ではないのだから。

 

 

「ふむ。その言い方だと、また嫌われてしまったかな? 出来れば友好関係を築いておきたかったが」

 

 

 この男。ここで斬った方が良いのではないか。

 

 一瞬、恭也は本気でそう思案する。

 だが首を振る。そうした方が良いのなら、とうの昔に他の誰かがやっているだろう。

 

 この男は、今の発言に何も悪意もないのだ。

 本当にリンディ・ハラオウンを擁護する心算で、こんな碌でもないことを口にしているのだろう。

 

 故にこの男と関われば、そのイカレ具合が否応なしに理解できる。

 こいつに隠そうという意思がない以上、害しか齎さないなら当の昔に排除されている。

 

 そうならないのは、単純にこの男が優秀だから。

 この男が居なければ、管理局は更なる苦難に陥るからだ。

 

 だからこそ、こんな男が管理局の技術顧問。技術者の頂点に立っている。

 

 

「やはり人心と言うのは良く分からないな」

 

「……お前には一生分からないだろうよ」

 

 

 そう皮肉を言い、恭也はアースラを後にする。

 

 こんな男をなのはの傍に居させるのは不安があったが、彼女と共にある少年を信じることにする。

 

 そしてこの男が興味を持っているのが、自分であることに安堵した。

 

 それにこうも思う。あの女艦長も、少年執務官も、こいつのような奴を野放しにはしないだろうと。

 

 

 

 そんなことを思い去っていく恭也の姿に、スカリエッティは甘いとほくそ笑んだ。

 

 

「ああ、君は自分が一番注目されている。そう思っているのだろう? まあ事実、その体の構造には興味があるが、……私の本命は君ではない」

 

 

 思うのは一人の少女。

 彼と同じ血筋。同じ肉体構造に至れる可能性を持つ少女。

 

 そしてあれほどの魔力を体内に有する。余りにも異質な少女。

 

 

「実に興味深い素材だ。或いは、彼女なら私が作り上げる、神殺しの素体に成れるかもしれない」

 

 

 スカリエッティは笑う。

 自身が随分と都合の良い場所に居る、この偶然に感謝して。

 

 

 

 さあ、今度は嫌われないようにしなくてはならない。

 

 今の対話で、第九十七管理外世界の住人が嫌う話の内容が、ミッドチルダの住人のそれとそうは変わらないと理解できた。

 

 ならばやはり、道化た態度で近付き、笑い者として傍にあるのが最良か。

 

 

「まぁ、道化芝居も楽しい物さ」

 

 

 現状は己にとって、都合の良い形で動いている。

 

 さあ天魔達よ。私を縛る最高評議会の老人達よ。

 今に見ていろ。私は全てを解き明かし、必ず為すぞ。

 

 

 

 無限の欲望は、静かに笑う。

 昏く歪な笑みを浮かべて、一人で笑い狂っていた。

 

 

 

 

 

4.

 そうして夜は明けて、明くる日の正午。

 なのはは大海の上、雲を下に見る上空に立っていた。

 

 立ち会うのはユーノ唯一人。

 管理局員達は少し離れた場所で、アースラの中から事態を見守る。

 

 手にした杖はレイジングハート。

 スカリエッティの手によって新たな力を得たその杖はその形状も変えている。

 

 

「出来るかな」

 

 

 念話によって呼びかけて、彼女が来る間に不安を抱く。今更ながらの不安を抱く。

 

 

〈I believe maser〉

 

「レイジングハート」

 

〈Trust me, my master〉

 

「うん。そうだね!」

 

 

 だが、そんな不安は直ぐに消し飛ぶ。

 そう。二人一緒なら出来ると信じているから。

 

 

 

 そして、黄金の輝きを纏って、黒衣の少女が飛翔する。

 空の彼方からやってきた彼女は、その手に黒いデバイスを構えていた。

 

 

――新しい名を付けると良い、君の手にあるそれは過去のレイジングハートと同一にしてならず、新たな力を有している。

 

 

 自慢げに語るスカリエッティの言葉を思い返して、なのはは新たな杖の名を呼ぶ。

 

 

「レイジングハート・エクセリオン!」

 

 

 対するフェイトは、その手にバルディッシュに酷似したデバイスを握り締める。

 それは彼女が使いやすいように、バルディッシュと全く同じ形をしていて、同じ部品を使っているけれど、それでも違う物だから。

 

 

「バルディッシュ・アナザーアサルト」

 

 

 名づけた名前も違う物。

 そういう言葉を付け足して、新たなデバイスを展開する。

 

 

 

 二人の少女は、三度目の交差をここに行う。

 

 海上の決戦。

 もう彼女らを阻む物など、ここにはない。

 

 

「だから、私達の戦いに決着を付けよう!」

 

「……絶対に、負けない」

 

 

 因縁の清算が始まる。

 

 二人の魔法少女は空を駆けて――

 

 

「いざ、尋常に!」

 

「勝負!!」

 

 

 そして、激突は始まった。

 

 

 

 

 




電波喪女「遊佐君。正座」

実は天魔勢で一番大変な宿儺さん。口の悪さは鬱憤溜まっている感じで。
常世さん含む他の天魔が暴走しているので、実は一番重要なポジション。穢土に帰ったら常世さんに怒られます。


恭也さんに下される罰は悩みました。悪い子達より保護者の方が罰が重くなるのは普通。保護者の仕事は責任を取ることなので。
現状で宿儺と戦わせるとヤバいので取り合えず退場してもらう。その理由付けに無理矢理罰を適応した感じです。
宿儺さんの弱点知らない管理局なら、割と当然な対応かなとも思います。


副題の掌返しは、前話と対応が180度変わってるリンディさんと、道化の仮面が剥がれたスカさんの二人に掛かっています。

後エリィさんのオッサン発言。お前年幾つだよ、とかツッコんじゃいけません。
なのはさんじゅうきゅうさいのように、女性はいつまでも少女なのですから。

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