リリカルなのはVS夜都賀波岐   作:天狗道の射干

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副題 当たり前の日常。
   友達になりたいと手を伸ばす。
   魔法少女達の決闘。


2016/08/18 改訂完了。


第六話 友達

1.

「昨日はお楽しみでしたね!」

 

「ぶふっ!」

 

 

 翠屋の前に停車した二台の乗用車。

 その前に立っていた高町恭也に対し、開口一番アンナはそんな言葉を口にした。

 

 

「忍、お前、子供に何を吹き込んだ」

 

「何って、ねぇ」

 

「ねー」

 

 

 思わず吹き出してから、一部始終を知るだろう恋人を半眼で睨む恭也。

 そんな彼を後目に当の月村忍は、幼い少女と笑顔でハイタッチを交わしている。

 

 

「しっかし、あんなことやらこんなことまでしてるとは、お盛んですなー」

 

「そうなのよねー。恭也ったら、最近はちょっとアブノーマルなことにまで――」

 

「ちょっと待て! 本気で何吹き込んでいる!!」

 

 

 赤面しながら、慌てて言葉を投げ掛ける。

 

 幼い子供に対する情操教育的な意味で、割と真剣に問題があるんじゃないか。

 そんな風に思う男を、手玉に取るは小悪魔大小。

 

 そんな彼女達は知らない。

 自らの背後に、その危機が迫っていると言う事を――

 

 

「そうね。おばさんも気になるわ」

 

「あ」

 

「オワタ」

 

 

 その危機の到来を理解して、月村忍が硬直し、アンナは両手を上げて降伏する。

 

 振り返った二人の背後、長い栗毛の女性が居る。

 高町桃子はその顔に、柔らかな笑顔を張り付けたままに告げた。

 

 

「……少し頭冷やそうか?」

 

 

 笑顔を浮かべているのに、その目はまるで笑っていない。

 度が過ぎた小悪魔二人に、桃子の魔手はゆっくりと伸びていき――

 

 その結末を語る必要はないだろう。

 

 ただ一つ、彼女の娘の未来を知る者がこの場に居たならば、きっとこう語っていた筈だ。

 

 白い魔王は遺伝だった、と。

 

 

 

 そんな紆余曲折を経て、家族旅行は幕を開けた。

 高町一家となのはの友人達。そして恭也の恋人である忍。

 

 参加者は総勢9人。

 翠屋の前で集まった彼らは、二台の車に分かれて乗り込み、山道を進んでいる。

 

 

「えーと、アンナちゃん大丈夫?」

 

 

 都会の公道程には整備されていない山道故に、その車は激しく揺れる。

 高町士郎が運転する先行車両の中で揺られる美由紀は、後部座席の端に座ったアンナへと苦笑を浮かべながら問い掛けた。

 

 

「燃え尽きたわ、真っ白にね」

 

 

 高町美由紀の問い掛けに、微妙に余裕が有りそうな返答が返る。

 

 頭には、大きなタンコブ。

 その見た目は、まるで燃え尽きた灰の様に真っ白になっている少女。

 

 そんなアンナの口からは、まるで幽体の様な何かが漏れ出て手を振っていた。

 

 

「あらあら、そんなに痛くしたつもりはないのだけど」

 

「お母さんが拳骨するの、久しぶりに見たの」

 

 

 助手席に腰掛けた高町桃子が、そんな会話にニコニコと笑う。

 対してアンナと美由紀の間に座ったなのはは、自身もされたことのある仕置きの強烈さを思い出して小動物のように震えていた。

 

 

「はは、これから温泉に行くからね。ゆっくり浸かれば治るだろうさ」

 

「そ、そうかなぁ」

 

「温泉。温泉が呼んでいるのね」

 

 

 車の運転をしながらそう語る士郎に、美由紀は苦笑を返す。

 

 そんな二人のやり取りが聞こえているのかいないのか、アンナは電波を受信しているかのような譫言を呟いている。

 

 

 

 そんな団欒の時間を過ごす彼らを余所に――

 

 

(……っ)

 

 

 でこぼこ道を進む車の振動に、少年は内心で痛みを堪える。

 その小さな身体を見下ろすと、塞いだ筈の傷口が開いて血が滲みだしていた。

 

 

(また、か……)

 

 

 これが初めてと言う訳でもない。

 先に負った傷口が開く事は、これまでにも多々あったのである。

 

 その傷は、これまでにユーノが負った物。

 動物病院による外科手術によって塞がってはいたが、完治はしていなかった傷痕。

 

 大狗のジュエルシードモンスターによって、一度塞がれた傷は大きく開いた。

 以降は表層のみを誤魔化す形でしか治癒魔法を使っていなかったのだから、切っ掛けがあれば開くのは当然だ。

 

 

(……完全に治せれば、楽にはなるんだろうけど)

 

 

 今まで通りに、表層のみの傷を塞ぐ。

 目に見える傷と出血さえ隠せれば、それで暫くは誤魔化せる。

 

 完全な治癒は行わない。

 そこまでしてしまえば、余りにも魔力の消費が大きく付いてしまうから。

 

 

(少なくとも、ジュエルシードを集め終わるまでは……魔力は幾らあっても、足りないんだから)

 

 

 治療魔法と言う物は、それ程までに万能と言う訳ではない。

 ましてや今のユーノの肉体状態は、通常の治癒魔法では治し切れない程の物であった。

 

 全身に及んだ傷は、損失とまではいかなくとも、かなりの痕を残している。

 骨は幾つも折れて、内臓器官は酷く衰弱し、多量な出血によって純粋に血の量が足りていない。

 

 通常の治癒魔法では、損失した部位は戻らない。

 治療魔法とは、生きている部位を魔力で活性化させる魔法なのだ。

 

 無論、高位技術としての損失部位の再生技法は存在する。

 ゼロから代替となる物質を構成して、損失部位と癒着させて治癒する技術である。

 

 かなり高位の術式だが、その初歩をユーノは覚えている。

 初期的な火傷や肉体切断くらいならば、多少は治療出来るのである。

 

 無論、それには結界や捕縛などとは比べ物にならない程に、大量の魔力を消費せねばいけないのだが。

 

 故にユーノは、治りにくい傷を治す事よりも、魔力を溜め込む事を優先していたのであった。

 

 

(成果は、出ている。……魔力が足りなければ、イレインとの戦いでの被害は、今よりも遥かに酷い結果になっていた)

 

 

 傷の痛みに堪える少年は、そんな風に思考する。

 彼の思考の通り、イレインとの戦いで彼が魔力を維持していなければ、あの戦いの結果は、より悲惨な形で終わっていただろう。

 

 

(今の僕には、これしか出来ない。けど、これだけでも意味はある)

 

 

 力のなさに、歯噛みする。

 何も出来ない事を、悔しく思う。

 

 それでも、魔力を溜め込むくらいは出来たから。

 

 

(だから、これで良い。これで良いんだ)

 

 

 ユーノ・スクライアは、己の思考を正当化する。

 表だって戦う事が出来ないからこそ、この痛みくらいには耐えなくては、彼は己を許す事が出来なかったのだ。

 

 

〈どうしたの? ユーノ君〉

 

〈あ、いや……温泉が楽しみでね。確か火山が多い地形に見られる入浴施設だったっけ?〉

 

 

 そんな痛みに耐えるフェレットの様子に、違和を感じてなのはが問い掛ける。

 

 気付かれてはいないが、何処か心配そうな声。

 それに対して、ユーノは平然とした表情を装い、誤魔化す様に話題を逸らした。

 

 

〈ユーノくんは温泉に入ったことはあるの?〉

 

〈いいや、知識で知っているだけさ。だから結構楽しみにしているよ〉

 

 

 そんな誤魔化しに、高町なのはは引っかかる。

 それは少女が愚鈍と言うよりは、少年の誤魔化しが上手だからであろう。

 

 動物の姿であればこそ、顔色の悪さなどは見えないのだから。

 

 

〈そっか、なら一緒に楽しもうね。一緒に来れなかった、ノエルさんやファリンさんや、……イレインさんの分まで〉

 

 

 先の騒動以来、少し体調を崩してしまったファリン。

 忍が調整を加えてはいるが、彼女でも解明出来ない何かがファリンの中には存在しているらしい。

 

 故にエーアリヒカイト姉妹は居残り。

 主である忍のロマン回路が未知の現象を前にフル稼働していたが、ノエルの計らいによって彼女のみ温泉旅行への参加をする事になっていた。

 

 ファリンの解析作業により、徹夜明けでテンションが天元突破している忍。

 悪乗りしたアンナと彼女が引き起こすちょっとした騒動に、被害者として巻き込まれるであろう少年。

 

 未来を知れぬ唯人であればこそ、彼は自らに訪れる受難を知らない。

 全てを知るアンナと変なテンションの忍の手で女湯に連れ込まれ、其処で天国の様な地獄を味わう事を。

 

 彼には傷を癒す魔力も、温泉を楽しむ余裕も、残ることはないのである。

 

 

〈あ、何か見えて来た〉

 

〈うん。あれが皆で何時も行ってる、海鳴温泉旅館なの〉

 

 

 山の公道を進む車窓から、その温泉旅館の姿が見える。

 曲がりくねったカーブの先、少し開けた小高い丘に佇む木造旅館。

 

 その風情ある日本旅館の佇まいに、考古学や民俗学の研究なども行っている才気溢れる少年は、痛みを感じながらも興味を惹かれる。

 

 これから訪れる未来を知らない少年は、その瞳を輝かせるのであった。

 

 

 

 

 

2.

 金髪の少女と紫髪の少女が対峙している。

 共に激しい攻防の末、衣服は着崩れ、額からは滝の様に汗が零れ落ちる。

 

 だが服を着直す時間も、汗を拭う暇も彼女達にはない。

 僅かでも隙を晒せば、それが敗北につながると理解しているが為に。

 

 

「負けちゃ駄目よ、すずか!」

 

「やっちまいな、フェイト!」

 

 

 外野で声援を上げるのは、アリサ・バニングスとアルフ。

 

 今日初めて出会った両者は、思いの外相性が良かった。

 すぐに意気投合した二人だが、今は友誼を抱きながらも対立している。

 

 互いに信じる。大切な人を思うが故に、互いに譲る事など出来ぬのだ。

 

 勝つのは彼女だと、そう信じる心。

 頑張れと言う思い言葉に込めて、二人は激闘の中にある少女らを激励する。

 

 

「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ……はっ! 今二人を不意打ちすれば、私が最強だと証明できる!?」

 

「きゅー」

 

 

 腹黒いことを口走るアンナと、言葉にならない声を上げるなのは。

 特別な力に頼らなければ年相応以下の体力しかない運動音痴組みは、部屋の隅で無様な屍を晒している。

 

 そんな四者の口にした言葉。

 それを、向かい合う二者は、全て聞き流していた。

 

 所詮は弱者の戯言。負け犬の言葉だ。

 自分達が打倒してきた敗者たちに、この強者同士の争いに介入する資格はない。

 

 そんな相手にかかずらって、真の敵に弱みを晒す訳にはいかない。

 それは間違いなく敗北に繋がる隙となり、何よりこの強敵に対する侮辱となる。

 

 

「行くよ、すずか。これが私の全力全開」

 

 

 バチバチと雷光が煌めく。

 落雷が掌に集いて、輝ける玉へと変じる。

 

 来る。そうすずかが確信した瞬間――それは放たれた。

 

 雷光の魔球は、電磁力の力で弾丸の如くに飛翔する。

 

 空間を引き裂きながら、音速の数倍で迫るその雷光の魔弾。

 最早人の視力では捉えられず、見えたとしても身体が反応しない速度域。

 

 だが、此処に居るのは夜の一族。

 中でも肉体機能に特化した。先祖返りの少女である。

 

 目に捉える事が出来ない筈の先行放電を確かに捉え、そしてすずかは夜の一族としての力を全力にて行使した。

 

 

「やらせ、ないよ!」

 

 

 来るべき場所は、分かっている。

 ならば雷光の一撃が来るよりも僅かに前に、身体が動けば対応はできる。

 

 視力が追い付いたのは、その血に宿る魔性の力。

 体の動きが間に合ったのは、その位置取りが良かったから。

 そして襲い来る魔球を押し返すことが出来たのは、単純に偶然の産物だろう。

 

 だが、如何なる理由であれ、魔球は返された。

 ならば窮地になるのは、全力の攻撃を放った直後のフェイトである。

 

 

「ま、けるかぁぁぁぁっ!」

 

 

 力を放出し、のけぞった体でフェイトは叫ぶ。

 泳いだ上体を全身の筋力で無理矢理に、元の姿勢に戻して迎撃する。

 

 だが、迎撃が間に合おうとも、そこに力は入らない。

 この様な力の籠っていない返しでは、相手にチャンスを与えただけであろう。

 

 緩やかに打ち上がった球体が、すずかの目の前に落ちて来る。

 夜の一族である少女は、久しく見ない強敵の存在に笑みを浮かべたまま、スマッシュフォームでその時を待つ。

 

 

「っ」

 

 

 来るであろう攻撃を予感し、フェイトは唾を飲み干す。

 

 そして、襲い来る豪速の魔弾。

 それを受け切れなかったフェイトは、痺れる手を握り絞めて呟いた。

 

 

「強い」

 

 

 そんな少女の賛辞に対して、返るのは紫の少女の微笑み。

 自分が全力を行使して、漸く一点を奪い取れた強者を称える。

 

 

「フェイトちゃんこそ」

 

 

 少女達は互いを称え合い、そして再び激突する。

 

 煙と嫌な臭いを上げながら、寿命が削られて行くボールとラケットと卓球台。

 

 ミッドチルダ式魔法と夜の一族の身体能力。

 それら本来は秘匿せねばならない力を、フルに発揮した超次元卓球は熱を増していく。

 

 そんな激闘を遠い目で眺めながら、ユーノは思う。

 

 

(どうしてこうなった)

 

 

 少年に問いに、答える声はない。

 

 

 

 

 

 時刻は少し遡る。

 ユーノが嬉し恥ずかし辛しな混浴タイムを満喫した後、四人娘+一匹は温泉宿の休憩コーナーで談笑していた。

 

 

「うりうりー。この淫獣めー。そんなにロリィな裸は良かったかー」

 

「あんた、動物相手に何言ってんのよ」

 

 

 顔を赤くしているように見えるユーノを弄るアンナ。

 そんな彼女に、動物相手に何をしているのかと、冷たい瞳をアリサが向ける。

 

 

「むふふ、いやぁ、ユーノくんも男の子ですなぁ、という話な訳ですよ」

 

「いや、意味分かんないし」

 

 

 ニヤニヤと笑うアンナに、意味分からないと返すアリサ。

 そんな二人の遣り取りを聞きながら、なのはは疑問を抱いて首を傾げた。

 

 

「……ねぇ、すずかちゃん。男の子と一緒にお風呂に入るのって、そんなに可笑しいことなの?」

 

「え、いや、私に聞かれても」

 

 

 ユーノが同年代の男だと知っているなのはだが、それが一緒にお風呂に入ることと何か関係があるのか理解出来ない。

 そんな無垢なる少女に問い掛けを向けられて、すずかは答えられずに羞恥で顔を真っ赤にした。

 

 

〈なのは! 助けてなのは!〉

 

 

 助けを求める声が届くが、何から助ければ良いのか分からない。

 アンナに弄られるユーノを見たまま、なのはは首を傾げるだけ。

 

 最早ここまでか、無駄に悲壮な覚悟を決める。

 そんなユーノの窮地を救ったのは、全くの第三者であった。

 

 

「おや、あんた達は」

 

「……なのはにユーノ」

 

「フェイトちゃん! アルフさん!」

 

 

 偶然通りかかったのは、金の主従。

 上下共に黒い普段着姿のフェイトと、露出の激しい服装をしたアルフ。

 

 彼女達がここにいる理由は、とても単純な物だった。

 偶然、街の福引で温泉旅行券を得たアルフ。福引ついでに湯治という知識を得たアルフが、未だ傷が治りきらぬフェイトを説得して連れてきたのだ。

 

 フェイトとしても、本来ならば頷かない事ではあった。

 

 だがここ数日、体調が頗る悪いのである。

 喉の渇きは水を飲んでも癒えず、何とも言えない倦怠感が付き纏っている。

 

 母の期待に応える事は大事だが、それ以前に自分が潰れてしまっては意味がない。

 多少ならば無理を押し通す彼女だが、多少の域を超える不調によりこうして休息を受け入れていたのであった。

 

 

「ちょっとなのは」

 

 

 まるでお見合いの様に、黙ったまま向かい合うなのはとフェイト。

 そんななのはの脇を突いて、アリサが紹介しろと言葉を紡いだ。

 

 

「その子達が誰なのか、私達にも紹介しなさいよ」

 

「あ、えーと」

 

 

 アリサの言葉に、さてどう紹介しようかとなのはは悩む。

 

 友と言うには、彼女との接点が薄い。

 だが敵と断言するには、色々と問題がある。

 

 知り合いと言う程には遠くなく、されど身内と言う程には近くない。

 

 しばし悩んだなのはは、ふと思い付く。

 うんと頷いて、自身の考えを肯定するとそれを口にした。

 

 

「友達になりたいんだ」

 

 

 にっこりと、まるで花開いた向日葵の様に、笑う高町なのは。

 そんな少女の瞳は、最高の答えを見つけたと言わんばかりに輝いている。

 

 

「フェイトちゃんはまだ知り合ったばかりだけど、うん。友達になりたい知り合いだよ」

 

「え、友達?」

 

 

 どういう関係なのかではなく、どういう関係になりたいのかを口にする。

 そんな何処かズレた回答にフェイトは、目を白黒させて何を言えば良いのかと戸惑っていた。

 

 

〈アルフ。アルフ。どうしよう?〉

 

〈良いじゃないかフェイト。フェイトだって、友達とか欲しかっただろう。こいつなら信用出来るしさ〉

 

〈けど、友達って何をしたら?〉

 

 

 あわあわと慌てるフェイトに、アルフはあっさりと肯定の意を示す。

 

 ジュエルシードを巡って対立する相手。

 だが、それは友情を結んではいけない理由にはなり得ない。

 

 アルフはそう思考して、単純にフェイトに友達が出来そうな状況を喜んでいた。

 

 

「……友達になりたい知り合いって、あんたねぇ」

 

「あはは、何かなのはちゃんらしい言い方だね」

 

 

 そんななのはのズレた回答に、友人二人は苦笑を頭を抱える。

 だが同時に、なのはらしいと納得して、二人は揃って苦笑を浮かべた。

 

 

「友達になりたい? ならば良し! 勝負と行こう!」

 

 

 そんな中で、毛色の異なる少女が一人。

 何処からともなく取り出した卓球のラケットを片手に、彼女は宣言する。

 

 

「そう。友情とは戦いの中で生まれる物! 繋いだ絆は、敵対しても裏切らないのよ!」

 

「アンナちゃん。また、漫画の影響か何かかな」

 

「ってかそのラケット、どっから出したのよ」

 

 

 ボケ担当の突拍子のない行動に、ツッコミ担当が疲れた表情を浮かべる。

 

 そんな中、天然二人は妙な説得力に誤魔化されて信じ込んでいた。

 

 

「よく分からないけど、友達って戦って作るんだね!」

 

「アンナちゃんが言うんだからそうなの、きっと、多分!」

 

 

 常識知らずと考え足らずは卓球場へと走り去っていき、確信犯はニヤニヤと笑いながら後を追う。

 

 ツッコミ担当たちが遊びの一環として楽しもうと開き直って付いていき、後には二人が残された。

 

 

「フェイト、楽しそうで良かった」

 

「良かったのかなぁ、これ」

 

 

 感涙する脳筋従者に、被害担当が動物姿で口走る。

 

 これが、彼女らが超次元卓球をやることになった理由であった。

 

 

 

 

 

 そして、時刻は深夜。

 並んだ布団の上で五人の少女は床に就いていた。

 

 アルフとユーノを含めると七人。

 どうせ同じ宿に泊まるんだから、一緒の部屋で遊ぼう。

 そんな子供の主張により、こうして一部屋に集っていた。

 

 

「ねぇ、フェイトちゃん。まだ起きてる?」

 

「なのは?」

 

 

 部屋の扉側、並んだ布団で横になっている二人。

 ピンクのパジャマを着たなのはは、隣で横になる浴衣姿のフェイトに声を掛ける。

 

 

「今日は、楽しめた?」

 

「……」

 

 

 なのはの問いに、フェイトは今日の出来事を思い出しながら考えた。

 

 ギリギリで勝利した卓球勝負。

 その後、皆でお風呂に入り背中の流し合い。

 

 脱衣所で一緒になって、フルーツ牛乳を飲んだ。

 そしてその後は、遊技場や部屋で遊んで過ごした。

 

 

「うん。楽しかった」

 

 

 楽しかった。

 素直にそう思えたから、フェイトは正直に答えを返す。

 

 自分だけ楽しくていいのか。

 母さんはどう思うだろうか。

 

 これで良いのか、これはいけないのではないか。

 それでも、今日ぐらいは良いんじゃないかなとも思ってしまう。

 

 そんな感情の機微を、かつての自身と無意識に重ね合わせることでなのはは理解していた。

 

 フェイトの事情は分からない。

 だが、分かる事も確かにあった。

 

 風呂場で見た背中の傷と、彼女の悲しそうな瞳。

 何かを辛い事に堪えているのではないか、と言う事だけは分かるのだ。

 

 だから思う。だから願う。

 イレインに向けたのと同じ感情を、今のフェイトに抱いている。

 

 嘗て自分がアンナに救われたように、今度は自分が助ける番だ。

 

 フェイト・テスタロッサを救いたい。

 力になりたい。友達になりたいと思うのだ。

 

 

「ねぇ、聞かせてフェイトちゃん。友達になりたい。その答え」

 

 

 だから、問う。

 なのはは不器用だから、直接的な表現しか出来ない。

 

 それでも、不器用だからこそ、直接的だからこそ、伝わる思いも存在する。

 

 

「わたし、は」

 

 

 その素直な言葉は、直接的だからこそ心に響く。

 対人経験の少ないフェイトにも、単純な言葉だからこそ確かに届く。

 

 

「うん。私も――」

 

 

 友達になりたい。そんな思いは伝わった。

 楽しかった。そんな思いは確かにあって、この先も望めるならばと願ってしまう。

 

 だからフェイトは、その言葉に答えを返そうとして――

 

 

「……これは」

 

 

 突如発生した魔力反応を感知して、フェイトはその言葉を止めた。

 

 

『ジュエルシード』

 

 

 感じ取った魔力は、災厄の宝石が発現した気配。

 今この瞬間より二人は、友達になりたい知り合いから、同じ物を求める敵対者へと変わる。

 

 

「ゴメン。なのは。……でも、私は」

 

 

 語らいは終わりだ。

 これより彼女らは、同じ物を求める敵同士。

 

 

「ううん。良いよ。……終わったら、また聞くから」

 

「君は……」

 

 

 そう覚悟を決めたフェイトに、微笑むなのはは変わらない。

 そんな太陽みたいな笑顔に気勢をそがれて、フェイトは微笑みながら言葉を返した。

 

 

「うん。分かった。その時には、答えを返す」

 

 

 全ては、全部が終わってから。

 話はまた後で、幾らでもする事は出来るから。

 

 そう思う二人は、まだ知らない。

 神ならぬ彼女らに、未だ来ない先を知る事などは出来ない。

 

 安らげる時間は、これで御終い。

 彼女達にとっての逆境が、迫ってきている。

 

 

 

 さあ、心せよ魔法少女達。

 抒情的な物語は、此処で終わりだ。

 

 これより先にあるのは、救いのない地獄の底。

 

 神の奇跡さえも届かない。

 凄惨な現実だけが待ち受けているのだから――

 

 

 

 

 

3.

 ジュエルシードの封印。

 それ自体は、拍子抜けする程に呆気なく終わった。

 

 元より優れた能力を持つ少女達。

 彼女らならば一人でも対処出来るのが、ジュエルシードの暴走体だ。

 

 それが二人掛かりなのだ。

 苦難と呼ぶほどの例外が出現する可能性など、一体どれ程の低確率か。

 

 

「ユーノくん」

 

「アルフ」

 

 

 二人は申し合わせた訳でもないのに、互いに意見を一致させる。

 特に取り決めた訳でもないのに、意志を疎通させた少女らの間には暗黙の了解が生じていた。

 

 封印されたたった一つのジュエルシードを、それぞれが信頼する相棒達に投げ渡す。

 

 即ち、勝った方がジュエルシードを手にする。

 それまでは双方の相棒が、互いを監視しながら共同で管理する。

 

 それが二人の間に生まれた。決闘のルール。

 

 

「レイジングハート、お願い」

 

〈All light, my master〉

 

「バルディッシュ、起きて」

 

〈Yes, sir.〉

 

 

 桜色と金色。

 二色の輝きが、少女達の身体を包む。

 

 輝きの中で、解ける様に消える衣服。

 その肢体を包むのは、白と黒の対となる色。

 

 小学校の学生服。それをモチーフにした白い防護服。

 黒い水着の様な衣装と同色のブーツ。その薄い護りの上から、黒い外套が風に揺れる。

 

 機械的な音を立て、デバイスが稼働形態へと変形する。

 なのははその手に黄金の杖を、フェイトはその手に漆黒の斧を。

 

 互いにインテリジェントデバイスを構えたまま、空へと浮かび上がる。

 

 展開された結界の中、二人は互いに見つめ合う。

 睨み合い、見つめ合い、開始の合図を僅かに待つ。

 

 そして、動いた。

 

 

「ディバインシューター!」

 

「フォトンランサー!」

 

 

 まず放たれたのは、牽制の一撃。

 迫る12の誘導弾を同数の直射魔法が射抜く。

 

 その魔法の激突を囮に、フェイトはなのはへと迫る。

 

 

「ブリッツアクション!」

 

「フラッシュムーブ!」

 

 

 雷を思わせる速度で移動するフェイトに対し、なのはもまた高速移動魔法を展開する。

 

 結果は明白。速度に特化したフェイトの方が遥かに早い。

 だが、なのはも然る者。一瞬ではその差を詰めさせない。

 

 同時に多数の魔法を扱う。

 その才自体は、なのはの方が上である。

 

 故に後退しながらも、無数の光弾をばら撒ける。

 一瞬では詰め切れない為に、フェイトは迎撃の度に足を止めざるを得ないのだ。

 

 

「っ! 詰め切れないっ!」

 

 

 接近するフェイトと、後退するなのは。

 両者の距離は詰め切れず、さりとて遠距離と言う程には離れない。

 

 先の共闘により、互いが得意とする戦術は分かり切っている。

 両者は互いの得意不利を知るが故に、自身にとっての優位となる戦法を望んでいる。

 

 速度を武器とするフェイトは、相手が苦手とする近接戦闘に持ち込みたい。

 対して遠距離砲撃を得意とするなのはは、距離を取っての砲撃戦を行いたい。

 

 互いの望みが噛み合わなければ、発生するのは陣取り勝負だ。

 如何にフェイトが詰め寄るか、或いはなのはが距離を保ち続けるか。

 

 

(やり、にくい)

 

 

 フェイトは素直にそう感じる。

 これまでフェイトはその速力故に、高速機動で距離を詰め切れない相手などは皆無であった。

 

 例え一時的にでも、その速力に抵抗できる者はいなかった。

 故に距離を支配出来ない戦闘など初体験であり、それにやりにくさを感じていた。

 

 

(早い)

 

 

 対してなのはは、その速度に舌を巻く。

 目で見て分かった心算になっていたが、第三者視点で見るのと体感するのとでは訳が違った。

 

 直線的に後退しながら、魔法をばら撒く。

 それで漸く接近を妨害出来る相手は、一筋縄ではいかない強敵だ。

 

 

(フェイトちゃんは防御面が甘い。だから当てれば、勝てる。……なのに)

 

 

 なのはには、実戦経験が足りていない。

 故に高速機動を行う相手に、どの手札を切るべきなのか判断が付かない。

 

 魔法の才能全てを引き出され、十年以上の努力を吹き飛ばして力を得たなのは。

 彼女はその成り立ち故に、同格以上との戦闘に不慣れだ。

 

 足を止めて、切るべき札を熟考すれば、なのはに勝てる魔導師などはいないだろう。

 それだけの性能はある。どんな相手であろうとも、通用するだけの膨大な手札を保持している。

 

 だが、それ故の欠点。

 無数に手札があるからこそ、なのはは同格以上の敵に対して一歩譲る。

 

 出来る事が多過ぎて、悩んでしまうのだ。

 戦闘自体に慣れていないが故に、その行動には淀みが生まれているのである。

 

 流れるように動けない。即時対応に不慣れである。

 そんななのはにとって、この戦闘は極めて苦しい物であった。

 

 気を抜けば見失ってしまう程の速度で、フェイトは空を移動し続ける。

 僅かでも意識を逸らせば、その瞬間に敗北する。そんな高機動戦闘は、戦闘の素人には荷が重かった。

 

 

(強い。……この子は、多分私よりも)

 

 

 対してフェイトもまた、精神の疲弊を感じていた。

 実戦経験は少なくとも膨大な訓練を積んだが故に、彼女は自身の苦境を正しく認識していた。

 

 

(攻め切れない。この弾幕を、抜けられない)

 

 

 確かに速度では自身が上を行く。

 その光弾の数とて、イレインが生み出した質量兵器の物量には劣る。

 

 だが、高町なのはは速いのだ。

 自身には大きく劣るが、それでも並みの魔導師などより遥かに速い。

 

 故に弾丸を回避した一瞬で、距離が開いてしまう。

 回避は容易だが、接近が難しい。故に距離を詰め切れない。

 

 

(……このまま、被弾覚悟で行くべき? ううん。それは下策)

 

 

 被弾を覚悟すれば、この距離は詰められる。

 だが、それを選べば確実に自分が敗れる。フェイトはそう断じていた。

 

 

(魔力量の差。それで、押し切られる)

 

 

 少女の魔力は、自分よりも上である。

 漠然と垂れ流されている魔力量だけで、恐らくは己の母すらも超えるだろうと感じ取っている。

 

 それは極限まで才を引き出されたが故に、将来的に至れるであろう極限値。

 生まれついての天才児が、膨大な積み重ねの果てに至れるかも知れない到達点。

 

 性能値だけならば、既に高町なのはは次元世界最高の魔導師だ。

 その攻撃魔法も、その防御魔法も、単純に言って魔力の密度と質が違う。

 

 一撃でも被弾すれば、それが勝負を決する決め手となりかねない。

 その守りを抜く為には、一体どれ程の魔力を込めて攻撃する必要があるだろうか。

 

 距離は詰めても一撃で倒す術がなければ、そこからが本番となる。

 

 一撃でこちらを撃墜するかもしれない。

 その上、数十回の攻撃では揺るぎもしない敵対者。

 

 そんな相手と真っ当に競い合って、勝利出来る自信はなかった。

 

 

(けど、このままだと)

 

 

 故に突撃は下策。だが持久戦も愚策である。

 

 少なくとも、悠長に戦っていれば決着は着くだろう。

 魔力量が違うのだ。結末は自身の魔力切れと言う締まらない結果しかない。

 

 

(なら)

 

 

 ならば辛うじての勝機を、数十回分の攻撃を次の一撃に込める。

 

 出来るか、ではない。

 出来なくては負けるのだ。

 

 ならば敗北を許されぬこの身が、為せぬ道理は何処にある。

 

 

 

 そして、持久戦を避けたいのは、なのはもまた同様であった。

 

 

(付いて、いけないの)

 

 

 高速機動戦。慣れないそれが、少女の精神を圧迫している。

 酷使し過ぎた神経は消耗し、フェイトの動きを見失いかけている。

 

 確かにフェイトが推測した様に、スペックだけで見れば持久戦はなのはの利となろう。

 だが性能だけでなく、精神もまた考慮に入れるならば、その推測は的外れだ。

 

 このまま持久戦を続ければ、魔力が尽きる前に集中力が底を切る。

 なのははフェイトの影すらも完全に見失い、その性能を活かせずに落ちるであろう。

 

 故に――

 

 

(短期決戦。それしかない!)

 

 

 奇しくも両者が、同じ結論に至る。

 

 そして両者は、同時に動いた。

 

 

「ディバインバスター・フルパワー! ディバインシューター!」

 

「ブリッツアクション! 連続起動!」

 

 

 即座にマルチタスクを展開して、雨のような弾幕を作り上げるなのは。

 対するフェイトは、ブリッツアクションを連続で発動し続けることを選択する。

 

 桜の砲火が天を染める中、雷光の如く黄金の輝きが軌跡を描く。

 

 短期決戦。その内容は単純だ。

 なのはの生み出した膨大な量の魔力弾が、フェイトを撃ち落とすか。

 それともその隙間を縫って接近したフェイトの魔力斬撃が、一刀の下になのはを断ち切るか。

 

 至る結末は、二つに一つ。

 

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 

 

 その天秤は、黒衣の魔法少女へと傾く。

 その差を分けたのは、やはり経験だった。

 

 狙って当てる。

 日常生活では、そんなことを必要する場面はない。

 

 故に標的を狙う事すら苦手とするなのはに対し、フェイトは先のイレイン戦にて絶望的な物量を経験している。

 圧倒的な弾幕を、避け切ったという実績があるのだ。

 

 ならば、この結末は道理である。

 

 

「サイズスラッシュ!」

 

〈Scythe slash〉

 

 

 背後に回ったフェイトが、バルディッシュを変形させる。

 

 それは宛ら、死神が持つ大鎌。

 振り下ろした刃に籠るは、障壁貫通魔法。

 

 その刃が首を刈り取る様になのはへと迫り――その直前で動きを止めた。

 

 

「こ、これは!?」

 

「レストリクトロック」

 

 

 桜色に輝く輪に囚われて、その身体が動かない。

 驚愕を表情に張り付けたフェイトに、返るはなのはの自慢げな笑み。

 

 

「確信していたよ、フェイトちゃんならあの射撃魔法の雨を抜けてくるって」

 

「バインドを、遅延魔法で!?」

 

 

 そう。勝敗を分けたのは経験だ。

 

 イレインの弾幕を躱す姿を見ていた。

 その経験があったからこそなのはは、フェイトならば弾幕を抜けて来ると確信していた。

 

 だからこそ、己の背後にバインドを伏せた。

 絶対に抜けて来ると信じたから、その確信は勝利を手繰り寄せる。

 

 

(取った!)

 

 

 なのはは確信する。己の勝利を。

 そしてその手の杖に、膨大な魔力が集う。

 

 

(取られた!)

 

 

 フェイトは理解する。己の敗北を。

 自身の眼前で膨れ上がる魔力弾を見つめて、回避も防御も不可能だった。

 

 決着の一撃が放たれる。

 そのほんの僅か、一瞬に過ぎぬ直前に――

 

 

 

 それは、天から堕ちてきた。

 

 

 

――アセトアミノフェンアルガトロバンアレビアチンエビリファイクラビットクラリシッドグルコバイ

 

 

 まずそれに気付いたのは高町なのは。

 天から堕ちてくる声に驚き、展開していた魔法を消してしまう。

 

 

――ザイロリックジェイゾロフトセフゾンテオドールテガフールテグレトール

 

 

 自由になったフェイトは、即座に体制を立て直す。

 感じる異様な気配に、最早互いに争っている場合ではないと理解する。

 

 そして少女達は、堕ちて来るナニカに備えた。

 

 

――デパスデパケントレドミンニューロタンノルバスクレンドルミンリピドールリウマトレックエリテマトーデス

 

 

 だが、そんな備えは無意味だ。

 襲い来る脅威を前に、彼女達の対応は過ちだ。

 

 正しい選択とは、そうではない。

 備えようとするならば、まだ逃げ出した方が理に適っている。

 

 それを行うにも、最早既に時は遅いのだが。

 

 

――ファルマナントヘパタイティスパルマナリーファイプロシスオートイミューンディズィーズ

 

 

 アルフは悟る。これが己の感じていた恐怖の根源であると。

 ユーノは理解する。どうしようもない怪物がやってきた事を。

 

 恐怖と絶望に震える彼らの前で、それは顕現する。

 

 

――アクワイアドインミューノーデフィエンスィーシンドローム

 

 

 ゆらりゆらりと、蜃気楼の様に揺れる影。

 結界に覆われた夜空が塗り潰され、流れ出すのは自壊の法則。

 

 これはあらゆる神秘を許さぬ理。

 魔導が人の生んだ科学の粋であれ、その根本は■■■■に頼った奇跡。

 

 ならば両面鬼は認めない。

 あらゆる神秘の否定者は、魔力素と言う根源事象を否定するが故に――

 

 此処に、あらゆる魔法は自壊する。

 

 

――太・極――

 

無間身洋(マリグナント・チューマー)受苦処地獄(・アポトーシス)!」

 

 

 白い衣も黒い衣も、どちらも等価に消え失せる。

 魔法の杖は力を失い、翼を捥がれた少女達は天から墜落した。

 

 

 

 そして、両面四腕が現れる。

 幾何学模様を浮かべた天の下、異形の怪物が嗤っていた。

 

 

 

 

 




Q.宿儺の太極って「悪性腫瘍・自滅因子」じゃなかったっけ?
A.天魔勢は夜刀様以外、無間○○地獄で統一したい。(小並感)
なので、宿儺は身洋受苦地獄。マッキー大嶽は黒肚処地獄にします。


推奨BGM
1.楽しい休日(リリカルなのは)
3.ゆずれない思い(リリカルなのは)
宿儺登場シーン. 祭祀一切夜叉羅刹食血肉者(神咒神威神楽)





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