プロローグで色々教えてくださるとうれしいとか書いているくせに、教えられない環境を作ってしまいました。申し訳ありません。
今度こそ、様々なご意見、お待ちしております。
ドームの中の炎が収まったのを確認したオレは、ドームを崩す。
中には、焼死体となったブウロが倒れていた。
オレはもう一度手合わせ錬成で地面に小さな穴を開ける。そこに、ブウロを入れてやった。
穴を塞いで、そこらに落ちていた木の枝を刺す。かなり簡単ではあるが、ブウロの墓を作った。
「さて…と。」
なんかメチャクチャ疲れたな。
それもそうか、あの短時間で連続して形態変化させてりゃ、疲労もたまるよな。
「部長、とりあえず詳しいことは明日部室で話しましょう。聞きたいことが色々あるんでしょうが、ここで話すのも微妙ですし。」
「……そうね、そうしましょう。」
オレの提案に乗ってくれた部長は、兵藤と一緒に三人を運びだす。
そん時は手伝ったが、帰る時には別行動になった。
オレは「お疲れ様でした」と声をかけて外に出る。
外に出たオレは、俊敏体に変わって空に飛んだ。屋根の一つ一つを足場にして行けば、走るよりかは速い。
だからあっという間に家に着いた。
家に帰り着いたオレは真っ直ぐにベッドに向かい、そのまま眠ってしまった…。
ーーーーーーーーーー
翌日、いつも通りの退屈な時間が終わり、放課になった。
オレと木場、兵藤は一緒に部室に向かったが、その間はあまり話さなかった。
「そういや、木場。お前昨日の怪我は大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。」
みたいな事を一言二言交わすぐらいだ。
部室について、扉を開ける。
中にはすでに部長と姫島先輩、塔城が座っていた。
オレたちも席に座り始める。オレは自然と部長に向かうような形になった。
「さて、まずはシュウ。あなたが戦っていたあいつの事について聞きたいんだけど」
「……その前に、オレも一つ聞いてもいいっすか?」
その質問も後で答えるつもりだ。けど、それよりもハッキリさせたい事がある。
「……いいわよ。何かしら?」
予想はできているのだろう。少し言葉に間があった。
「あんたら一体何者なんすか?」
オレの質問に、少し考えるように黙ってしまった部長。
他のみんなも、部長の方を注目している。
やがて、決心したように顔を上げた部長が「いいわ、教えてあげる。」と声を出した。
「私達、ここにいるあなた以外のオカルト研究部員は、人間じゃなくて悪魔と呼ばれる種族なの。」
……悪魔、か。
確か、ガドルの姿になっていたオレと会った時に、この人が最初に言っていたな。
「実は、この世界には天使、悪魔、堕天使って呼ばれる種族が存在しているの。見た目が普通の人間と変わりないから、見ただけでは分からないだけで、この人間界って呼ばれる場所にも意外と多いのよ。」
天使、堕天使もいる……。
「てことは、天野のヤツは?」
「あぁ、彼女は堕天使らしい。」
兵藤がオレの疑問に答えるように言った。
なるほどな、それで全てがつながった。
神さんがオレにこの部活に入部するように勧めたのも、このためか。
「実はイッセーとその堕天使がデートしたとされる日に、イッセーは一度殺されそうになったの。
治療してそのまま放置していると、また堕天使に襲われるかもしれないから、そうなっても対処できるようにするために転生悪魔として悪魔にしてしまったの。
友達のあなたに何も言わずにしてしまったのは申し訳ないわ。」
「いえ、結果としてまだこいつ生きてますから、問題ないです。
てか、こいつ殺されかけたんすか?」
「えぇ、多分イッセーが宿す神器の影響だと思うわ。」
神器か…。確か特別な人間に宿る、特定の能力を持つ武器のことだっけか?
オレの錬成能力も、神器である設定にされているって神さんが言ってた。
「てか、天使と悪魔がいるってことは、そいつら争っているって事っすよね?大丈夫なんすか?」
「いえ、その三つの種族は今は敵対していないわ。」
今は?てことは、過去か未来には敵対する時があるって事か?
部長がオレの疑問が読めたのか、さらに深く説明してくれた。
「大昔、悪魔と堕天使は冥界の中で争っていたの。土地を奪い合う戦争をイメージするとちょうどいいと思うわ。
そして天使はそんな悪魔と堕天使を昇天させようとした。結果三つ巴の関係になっていたの。
でも、ある理由がきっかけでその戦いを終わらせかねない事になった。
そうして戦いが終わって、今のような世界ができたって感じよ。」
部長が簡潔に教えてくれたから、簡単に頭の中に入った。
どんな理由かは気になるが、まぁそこは気にしなくてもいいか。
「じゃあ、以上で私たちの説明はおしまい。次はあなたの番よ。」
……そうだったな。オレも色々説明しなきゃいけねぇことがある。
「…さっきの質問の答えっすけど、実はオレも分かってねぇことが多いっす。だから分かる範囲のことだけを説明するってことでもイイっすか?」
そう聞くと、皆が了承の意思を示したから、オレはそのまま説明する。
「あいつは、グロンギと呼ばれる戦闘民族の一体です。
グロンギはゲゲルと呼ばれるゲームをしているんすけど、その内容は[決められた時間内に指定された人数の人間を殺せるかどうか]って言うかなり残酷なものっす。
だからオレは、グロンギを見つけては倒しています。
因みに、あいつはゴ集団と呼ばれる上位クラスの力を持っているヤツですよ。」
オレは確実に分かることを説明した。これ以外のことはまだあやふやな事だから、まだ触れないようにしておく。
また、あいつらは別の世界から来たのだと思う。灰色のオーラから来たから事から、そう考えられる。
けどそこは伏せとくつもりだ。言ったところでなんとかなる問題じゃねぇからな。
「そう…なら、他にもたくさんいるかもしれないってこと?」
「どちらとも言えないですね、かなりの数を倒したはずなので、もういないとも考えられますが。」
実際、グロンギは全員倒したはずだ。それなのに、ブウロが生きていた。
理由は分からねぇが、もしかすると他のグロンギも生き返っている可能性がある。
あるいは、他の世界に転生していったオレと同じ運命を歩んでしまったヤツが、なんらかの理由で再びグロンギの本能に飲まれたのかもしれねぇ。
つまり、他にもグロンギが出てくるのかもしれないってことだ。
「なるほどな…他にも、あんなに強い奴がいるのか……。」
「んな心配する必要はねぇよ。ゴ集団はもとより数が少ねぇからな。他の奴はお前らでも戦えるんじゃねぇのか?」
兵藤が心配そうに聞いてきたから、安心させてやるためにもう一言付け加えた。
メ集団は全員でかかればなんとか抑えきれると思うし、ズ集団は個人でも何とかなるだろ。
「じゃあ、今度はあなたの力について教えてもらえないかしら?」
「はい。結論先に言いますが、オレも神器持ってます。
名前は『真理の扉【ゲート オブ トゥルース】』って言います。
物体の原子を操って、物の構造を変換させる能力を持っています。鉄の塊を鉄剣に変えたりも出来ますよ。」
「それで、地面が動いたり炎が燃え上がったりしたのかい?」
「あぁ、他にも風の動きを変えたりもできる。それで昨日は突風を起こしたりしたんだ。」
木場の質問に答えつつ、昨日の種明かしもする。
「じゃあ、あれは?祐斗達を助ける時にかなり速く動いていたけど」
「……あれはオレなりのスタイルチェンジみてぇなもんすよ。
肉弾戦向きの格闘体とか、速さ向きの俊敏体とか。」
オレは少し暗い声で返してしまった。
…ガドルの姿になる事は言わないつもりだ。理由とかは…まぁ察してくれ。
そこで部長が声を張って告げた。
「よし、これでもう互いのことは分かったわね?前まではあなたがただの人間だと思ってたから隠してたけど、もう隠し事もなし。
……もしあなたが、悪魔である私たちと一緒にいるのが嫌だと言うのなら、私はその意思を尊重するつもりだけど…。」
「何言ってるんすか。あんたらが悪魔だったとしても、昨日まで一緒に過ごしてきた時間はウソじゃねぇんだ。それだけで十分。」
確かに、この部活に入る目的は果たした。この世界の事情も分かった。
だから別に長居する必要はない。
それでも
「だから、オレはあんたらとここにいたい。まだ部活を続けたいと考えていますよ。もちろん、悪魔になるのは勘弁ですけどね。
そのかわり、手伝いくらいなら、しっかりやらせてもらいますよ。」
それがオレの意思だ。
こんな楽しい日常は、もう手放したくない。
「そう、それが聞けてよかったわ。
折角同じ部活に入った仲だもの。その繋がりはそのままにしておいたほうがいいものね。」
そう言って、部長は立ち上がり、こうつなげる。
「八神 柊くん。あなたを改めてオカルト研究部に歓迎します。
眷属にならないとしても、その分しっかりと働いてもらうからね!」
「うっす、了解しましたよ!」
やっぱり、オレはこの部活が、皆が大好きだ。
……オレがこの部活に残るって言った時に、木場と兵藤と部長の三人は普通に安心してた感じだったが、残りの二人は異常に嬉しそうにしてたけど……何でだ?
ーーーーーーーーーー
その日の夜からさっそく、皆の夜の活動を手伝うことになった。
とは言っても、契約とか言うのは本物の悪魔が行かねぇと詐欺になるってもんだからな。オレが出来るのはチラシ配りとはぐれ悪魔の討伐ぐらいなもんだ。
今日は契約を取りに行く事になってるらしいから、さっそくオレの仕事がねぇ。
部長は気をきかせて、先に帰っててもいいとは言ってくれたが、さすがに今日は帰る気にならねぇよ。
これからもお手伝い頑張りますって言ったその日に帰るってのは、かなり勇気がいるだろ。
だからオレは今部室のイスに座っている。
兵藤が契約を取りに行くときに、何故か魔法陣に乗らず外に出ようとした。
他のヤツらは、魔法陣使ってジャンプして行ったのに、何してんだこいつ?
「おーい兵藤、ジャンプしねぇのか?オレお前がジャンプするの見てみてぇんだけど〜。」
オレがそう言うと、兵藤がピシっと固まった。
比喩的表現じゃねぇぞ?マジで石みてぇになっちまった。
部長がそれを見て溜息をついた。
「なぁ部長。オレ何か悪りぃこと言ったか?」
「えぇ、すごく。」
何でだよ、オレは単純に思った疑問をぶつけただけだってのに。
兵藤はしばらく固まっていたが、急に元気になって「シュウ!お前後で覚えてろよ!」とか言う言葉を残して去っていった。
後で聞いた話だが、兵藤にはまだジャンプに必要な魔力が無いらしい。だから今は自分の足で行かなきゃいけねぇってことだ。
……なるほど、悪りぃことだな。
でも面白いから後でからかってやろー。
ーーーーーーーーーー
結局、オレ以外の全員が契約取りに行っちまった。
オレがいるから、部室を開けてても問題ないそうで。
……ヒマだなこりゃ。
そーだ、皆が帰ってきた時にでもゆっくり出来るように、お茶と茶菓子用意しとくか。
お茶は割と自信がある。ガドルの力を手に入れた頃から、無性にお茶が飲みたくなる時があるから、よく淹れるんだ。
茶菓子もよくついでに作ったりもする。今日は団子だ。理由はない。
調理を始めて数分後。ちょうど出来上がった時に、魔法陣に反応があった。
もう誰かが契約を終わらせてきたのか。早いな〜。
紅い光が周りを照らし、誰かを足元から転送させる。
やがて光がおさまり、転送が終わったことを示す。
「あらあら、八神くん。ずっと待ってて下さったのですね。お疲れ様です。」
「お疲れ様っす、姫島先輩。お茶の用意が出来てるんで、少し待っててください。」
最初に戻って来たのは、姫島先輩だった。
オレはすでに出来ていたお茶と茶菓子を持って、テーブルがある広間に向かう。
テーブルにお茶と茶菓子を置いて、オレもソファに座る。
場所的には、オレの向かいに姫島先輩が座るように置いた。
姫島先輩は、手を洗いに行っていたのか、洗面台の所から戻ってきた。
「あ、どーぞ。座ってゆっくりして下さい。」
お茶と茶菓子、そしてオレの方を見て、一瞬顔を歪めた先輩はオレの隣の席に座り、向かいの位置に置いてあるお茶と茶菓子を取った。
……何でそんなメンドいことしたの?普通にそこに座ればいいじゃないか。
そんなオレの疑問は知らず、姫島先輩はお茶を飲み出した。
「美味しいですわね、このお茶。」
「まぁ、オレもよく淹れますから、趣味で。」
「あらあらまあまあ。このお団子も本当に美味しいですわ。」
「喜んでもらえたなら良かったっす。姫島先輩が淹れるお茶も美味しくて好きっすけどね。」
オレは世間話をして、時間を潰そうとしている。てか、隣に座られたおかげで何か緊張しちまうよ。
「……八神くん。」
「はい、何すか?」
「……折角ですし、私のことは朱乃と呼んで下さいませんか?私も、シュウくんと呼ばせていただきますので。」
……名前で呼べってことかよ…。
いやいや、それはちょっとムリだな〜。かなり緊張しちまうし、恥ずかしい。
てことで、断らせてもらおう。
「あの、すみませんが、ちょっと恥ずかしいかr「いけませんか…?」…。」
そう言う戦法はズルいだろ。そんな事されて、平気なやつはそうそういねぇと見た。
…断れねぇ……。
「……朱乃先輩…。」
…ヤベェ超恥ずかしい。今オレの顔を鏡でみたらトマトみてぇになってる気がする。いや絶対なってる。
「フフッありがとうございます。」
姫j…朱乃先輩はかなり嬉しそうにしている。
……てか、あまり意識したことなかったけど、この人もデカい。隣に座っているからなお分かる。
何がって?二つの大きな膨らみだよ。
ヤベェこんな顔された後にそんな事意識しはじめたら色々まずい事になる気がする。
誰か〜!早く戻ってきてくれ〜!!
その時、再び魔法陣が紅く光り、次の人物を転送し始める。
その光がおさまったところに立っていたのは、塔城だった。
けど、オレはすぐには反応できず、塔城が戻ってきた時には朱乃先輩の二つの膨らみの誘惑に耐えていた。
塔城はその状況をしばらく眺め、その視線を自分の胸元に落とす。
その後、頬を膨らました。
……どうやら、ご立腹のようでゴフゥ⁉︎
オレは塔城にいきなり腹を殴られ、部室の壁まで飛ばされた。
ボソッと塔城の声が聞こえた
「…最低です。」
その言葉を聞いて、オレの意識はブラックアウトしていった…。