閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

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これからも、頑張っていこうと思います!


九話目

塔城に思いっきり殴られ、しばらく気絶していたが、三人目の木場が戻って来た時に丁度目を覚ました。

塔城は目に見えて不機嫌だったので、とりあえず謝罪しておいた。

なかなか機嫌が良くならねぇから困ったが、オレの分の団子をあげることで何とか許しを得た。

 

その後、部長が魔法陣から、兵藤が扉から戻ってきたから皆でお茶飲んで、今日のところは解散になった。

 

明日はオレはチラシ配り、兵藤が契約を取りに行くそうだ。

て事で、明日はオレと兵藤だけがお出かけです。

 

……夜の街を歩くのは初めてだな…。

楽しみだ。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

翌日の夜。オレは配るチラシを大量に持っている。

……こんだけ配らなきゃいけねぇのかよ、今日中に終わんのか?これ。

 

「いい?シュウはそのチラシをこの地図に載っている場所にどんどん届けてくること。イッセーは確実に契約を取って代償をもらってくること。分かった?」

 

「へーい」「はい!」

 

返事をして、オレたちは部室を出る。オレも兵藤も自転車走行になるから、ある意味大変だ。

 

現地に向かっている途中、兵藤が話しかけてきた。

 

「なぁ、シュウの神器って、どうやって目覚めたんだ?やっぱ何か特別なことしたのか?」

 

「特に何もしてねぇぞ?

いつの間にか使えるようになってた。」

 

神さんにもらったもんだ。ある程度デカくなったら使えるようになった。

 

「お前は何かしたのか?」

 

「したよ。自分の中で最も強いと思っている人のモノマネを全力ですると、神器が目覚めやすいって部長に聞いたから、皆の前で全力でモノマネをした。」

 

「へぇ〜。ちなみに何したんだ?ブロースの白崎 十護か?」

 

「いや、ドラグ・ソ・ボールの、空孫悟だよ。ドラゴン波をやってみた。」

 

「あ〜、お前あのマンガ好きだったな。今度オレにもそのモノマネ見せてくれよ。オレだけ見れてねぇってのはひでぇだろ。」

 

「いや!絶対にしない。」

 

他愛のない話をすること数分。オレたちはそれぞれの目的地に到着する。

 

「じゃあ、また後でな」

 

「しくじんなよ兵藤君」

 

兵藤は最初の契約者の家の前に立つ。

それぞれ全ての仕事が終わり次第、勝手に部室に帰る事になっている。早く終わらせて帰りたかったオレはさっさと住宅地へと向かった…。

 

ーーーーーーーーーーー

 

ピ〜ンポ〜ン

 

……コレで三回目のインターホンなんだけどな?

 

あ、紹介が遅れました。兵藤です。

 

俺は今、チラシを使って悪魔を呼んでいる人、所謂契約者の家の前にいるんだ。

そこで、すでに三回インターホン鳴らしたのに、反応がない。

呼ばれてすぐに向かったから、まだ契約者は家にいると思ったんだけどな?て言うか、人を呼んどいて留守にするのは酷いだろ。あ、悪魔か。

 

どうしようか困っているときに、俺は鍵が開いているということに気付いた。

俺は玄関の扉を開けて、中に声をかける。

 

「こんにちは〜、依頼されて参上しましたグレモリー使いの悪魔で〜す。」

 

しかし、中からは返事が返ってこなかった。不思議に思った俺は

 

「すいませ〜ん、勝手に入りますよ〜?」

 

と声をかけて家に上がる。

廊下は電灯がついておらず、真っ暗だった。

 

驚かそうとしている…って雰囲気じゃないな……。

 

暗い廊下を歩き続け、俺はその家のリビング前の扉の前に立つ。

リビングも電灯はついていないが、ロウソクか何かの火が点いているのが分かる。

 

「あのー、グレモリー使いの悪魔ですけど…依頼者の方、いらっしゃいませんか〜?」

 

……やっぱり返事が返ってこない。

けど中の火が気になるし、入ってみるか……。

 

「失礼しま……うわ!⁉︎」

 

俺は思わず、驚愕の声をあげてしまった。

何故なら、壁に逆向きに磔にされた死体を見つけたからだ。

その死体には、あちこちに切られたような傷が付いており、さらには傷口からも臓器が出ている。かなり残酷な死体だった。

 

俺はたまらず、胃の中に溜まっているものを吐き出してしまった。

 

…一体、誰がこんな事を……

 

「これはこれは、悪魔ちゃんではあーりませんか〜?」

 

突然、背後から声がしたから振り向く。そこには、白髪の外国人と思われる人間が立っていた。

服を見る限り、こいつは神父のようだ。

 

「俺の名前はフリード・セルゼン。悪魔祓いでございますですよ。あ、あんたの名前は言わなくても良いんで、てか聞きたくねぇんだよ気持ちの悪りぃ悪魔の名前なんざ興味ねぇし。まぁ話はここまでとして、さっさとそこにいる悪魔ちゃんを殺すといたしますか。」

 

フリードはそう言って、自分が持つ刀身がない柄を取り出した。

 

「……お前がこの人を殺したのか?」

 

「そのとーりでごんす。そこのダンナは悪魔を呼び出すとかいうサイテーな事をしやがったクソ野郎なんで、ここで俺が殺したげるってのがいいでしょ?慈悲っすよ慈悲。」

 

「人間が人間を殺すって、そんな簡単にしていいことじゃないだろ!お前らは悪魔だけを殺すんだろ⁉︎」

 

「はぁ〜悪魔のクセして俺に説教っすか?ハハッまじウケるんすけど。悪魔を呼び出す人間なんざ、人間として終わってんだよ。んな奴に生きる資格があるとか思ってるわけ?」

 

クソッ!これ以上話してもキリがない。こいつは俺達よりもよほど悪魔らしいじゃねぇか!

 

フリードは拳銃を取り出し、何もない柄を構える。すると、柄から光の刀身が作りだされ、一本の刀になった。

刀と拳銃を持ったフリードは走り出して刀を振るう。

俺はその刀を悪魔の身体能力で避けることができたが、突然膝に激痛が走る。

見ると、銃で撃たれたような傷ができていた。

 

「どうでござんすか?銃声もならない光の弾丸、祓魔弾のお味は?」

 

光の弾丸、それでこんなに痛いのかよ!

悪魔は光に弱いから、光で作られた武器にはかなり弱い。だからその手の武器を持っているやつと戦うのはかなり不利だ。

フリードは一歩一歩と近づいてきて、刀を振り上げた。

 

やべぇ…もうダメかもな……。

 

そう思って覚悟を決めた時、

 

「やめてください!!」

 

と、聞き覚えのある声がした。

俺は声がした方を見る。そこには、数日前に案内したシスター、アーシアが立っていた。

 

「あーらら、助手のアーシアちゃんじゃないですか。結界張りは終わったんですか?」

 

フリードがアーシアに質問するが、アーシアは壁に張り付いてある遺体を見てしまった。

 

「い、いやあぁぁぁぁ!!」

 

アーシアは悲鳴をあげる。

 

「あれ?アーシアちゃんはこの手の死体を見るのは初めてだったっけ?なら、とくとご覧あれ、悪魔にすがろうとした愚かな人間の結末を。」

 

フリードがそう言って壁のそばにたったが、アーシアは俺の方を見た。

 

「フリード神父…その人は…?」

 

「人じゃないですよ?そこのお方はなんとクズ悪魔でございます。勘違いしないでね?」

 

「ウソ…兵藤さんが…悪魔……?」

 

「そそ、悪魔でごんす。だからそんな奴は俺が殺してやんなきゃいけねぇの。」

 

そう言ってフリードは再び刀を構えて俺の方に歩いてくる。

しかし、アーシアが走り寄ってきて、フリードと俺の間に立ち塞がった。

フリードは、顔をヒクヒクさせながらアーシアに問う。

 

「アーシアちゃ〜ん?君それ何してんのか分かってんの?」

 

「はい、フリード神父…どうか、このお方をお見逃し下さい。」

 

「生意気なこと言ってくれてんじゃねぇぞクソアマァ!!出来るわけねぇだろうが!!悪魔は全部クソだから殺しましょうってのはジョーシキだろうが!!」

 

「それでも!兵藤さんは違います!兵藤さんは決して悪い悪魔ではありません!兵藤さんは私を助けてくださいました。その事実は変わりません!」

 

そこまで言ってくれたアーシアは、横に飛ばされた。どうやら、フリードに突き飛ばされたか叩かれたかされたようだ。

 

「別にお前がどう思ってようが関係ないんでござんすよ。クソ悪魔はクソ悪魔、殺さなきゃいけねぇクズ種族にゃ変わりねぇ。なんなら、そこで見ておくといいと思いますよ?禁断のLOVEってのは、結末がどーなっちまうのか、現実見せて差し上げますんで!」

 

フリードは俺の方に歩き出す。

 

「やめてください!フリード神父!」

 

「ああうるせぇうるせぇ!!こいつぶっ殺したらテメェも再教育してやるから覚悟しとけ!!」

 

俺は力を込めて逃げようとするけど、膝が撃ち抜かれているため逃げられない。銃口をこちらに向けられ、引き金を引かれた。

 

 

 

 

 

 

しかし、弾が当たることは無かった

 

 

 

 

 

 

フリードが持つ拳銃が、窓を突き破って飛んできた何かによって弾かれたからである。

 

 

 

 

 

 

何があったのか、理解できなかった。

飛んできた何かが突き破ってきた窓の方を見る。

窓の外に、誰かがいるのが見える。

 

とても人には見えない何者かは、ジッとこちらの方を見ていた…。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

オレは今、ガドル射撃体になって兵藤がいる家にボウガンの矢を撃ち込んだ。

 

最初はかなりビビったぜ。

チラシ配りを順調に終わらせていた時に、聞き覚えのある声で悲鳴が聞こえてきて、その悲鳴の発生源に着いてみりゃそこは兵藤が最初に入った家で、ついでに中で兵藤が殺されそうになってんだ。

 

焦ってガドル射撃体に変身して、兵藤を撃とうとしているヤツの拳銃を撃ち抜いてやった。

うん、ナイスな狙いだ。

 

『何すか何すか?今度は何なんすか一体?そして誰なんだよテメェは。悪魔なんすか?悪魔には見えないけど。』

 

…分からねぇ言葉は無視して、オレはあいつの姿を見る。

 

なるほど、悪魔祓いってことか。

しかも室内の様子を見る限り、こいつはかなりやりすぎな奴だが、そこまでする理由が何かあるかもしれねぇ。

ただの悪人なのか、とても証明できねぇな。

 

仕方ねぇ、とりあえずは幼なじみいじめてくれたお礼をさせてもらうか。

 

『誰なんだって聞いてんだよ!!無視してっとテメェもそこらへんのゴミ虫と同じようにぶっ殺すぞ!!』

 

「…ザラセ ビガラン ボゲザ ビビダブ バギ(黙れ、貴様の声は聞きたくない。)」

 

分かんねぇ言葉で話しかけられたから、相手も分からねぇだろう言葉で返す。

確実に会話になってねぇ気がする。

 

オレは俊敏体になり、胸の石をとって槍を作り、その家に向かって走り出す。

あの男もこっちに走り出してきた。まぁ、そっちの方が好都合だ。兵藤やアルジェントを巻き込む心配をせずにすむ。

 

男は刀を振り下ろし、オレはそれを受け止めるように槍の先を当てる

その後すぐに刀を下に流しながら槍の柄をヤツの頭に向けて振る。

ヤツは少しだけ頭を後ろに戻すことでその柄を避けて距離を取る。距離をとったヤツは拳銃をかまえ、何発か連射する。

オレは槍を右に左に振り回しながら全ての銃弾を叩き落とす。

……銃声もならねぇし、銃弾は見えねぇから大変だったけどな。

まさか全て叩き落されるとは思っていなかったのか、ヤツは舌打ちをしてこっちに突っ込んできた。

そっから、刀と槍との打ち合いが始まる。右から来たり左から来たりする刀を弾きながら、オレも攻撃する。

だが、ヤツの速さも中々のもので、オレの攻撃にもすぐに反応して避ける。

けど、武器の方には配慮できてねぇ。

オレは一度思いっきり槍を振り上げる。男にではなく、刀に。

すると、刀は簡単に男の手を離れ、回転しながら飛んでいく。

すかさず、オレは槍を回しながらオレの腰の位置に運び、一思いに突き刺す。

ヤツの懐にある拳銃を破壊して、ついでにヤツも吹き飛ばす。

ヤツはまっすぐ飛んでいき、どこぞの家の外壁にぶち当たった。

少しだけ口から吐血して、ヤツはガクッと体を傾けた。

オレはヤツに近寄り、奴の様子を見る。

気絶しているようだ。

止めをさすことも考えたが、さっきも言ったように、あの光景だけじゃこいつがただの悪人かどうか分かんねぇ。

悪魔に対する、あるいは悪魔を呼ぶ人間に対する憎しみが異常にあるってだけかもしれねぇから、とりあえずそのままにしとく事にした。

 

 

 

 

……さて、と。

 

オレは後ろを振り向き、声を出す。

 

「久しいな、人間の少女よ。」

 

オレの後ろには、オカルト研究部の皆さんが立っていた。




何故八神は皆に自分の正体がガドルであることを隠すのか、それは後々明らかにさせていくつもりです。

…第一章だけで十話以上いってしまうなこれ。
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