閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

19 / 63
戦闘校舎のフェニックス
十五話目


アーシアがこの学園に来て数日。アイツは既に学園に馴染んだみてぇだ。

持ち前の明るさや人付き合いの良さで、あっという間に有名になったらしく、今では二年の中で最も付き合いたい女子No.1だとか。(松田 元浜情報)

 

…これだとうちの部活、有名人が集まるっていうイメージがつくぞ。

 

 

それはさておき、アーシアは放課後のチラシ配りにおいても真面目に取り組むんだ。

よくオレとイッセーとアーシアでチラシ配りに出るんだが、丁寧に折り畳んでポストに入れるほど熱心にやっている。うん、素晴らしいね。

けど、丁寧に折り畳んである悪魔からのメッセージって、信憑性あるのかね?

 

んで、今日も放課後になったから悪魔稼業が始まる。

 

「それじゃ、チラシ配り行ってきます。行こうぜアーシア、シュウ。」

 

「はい。」「んー」

 

いつも通りチラシ配りに出ようとしたオレ達

 

「あ、待って」

 

すると、部長が声をかけてきた。

 

「チラシ配りは今週まででいいわ。前にも言ったけど、悪魔の修行の一環としてやってもらっただけで、チラシ配りは本来なら使い魔の仕事なの。」

 

それを聞いてイッセーとアーシアは喜ぶ。

…オレは嫌な予感がするから喜べねぇ。

 

「じゃあ、チラシ配りは卒業ってことですか⁉︎」

 

「その前に、まずあなた達は自分の使い魔を持たないとね。」

 

使い魔、ねぇ…。

飼い主と絶対的な主従関係にある動物や精霊のことだったか?

イッセーはそんなん持てる様になるんだな〜。

 

「まずは私が紹介するわね。この子が私の使い魔よ。」

 

そう言って召喚されたのは、コウモリだった。

…丸っこいな随分と。

 

「ちなみに、イッセーは一度会ったことがあるのよ?」

 

「え?そうなんですか?」

 

すると、コウモリがボンッと煙を上げて姿を変える。

そこには、一人の女性が立っていた。

 

「あ!この人は!じゃあ、あの時のは…」

 

……なんで落ち込むんだこいつ。

しかし、人間の姿になれる奴までいんのか。便利だなぁ〜

 

「私のはこの子ですわ。」

 

そう言って出てきたのは、小鬼だった。

この人らしいな。ちっちゃくて可愛いんだが、れっきとした鬼だ。

 

「どうですか?シュウくん。」

 

「可愛いっすね。その上強そうだし、頼りになりそうっす。」

 

「ふふ、ありがとうございます。」

 

…感想がオレ限定だった理由は問わない。アレだ、イッセーとアーシアは見ただけで思っている事が読めたから聞く必要は無かったんだ。

 

「…シロです。」

 

小猫の腕の中に、これまた可愛らしい白猫がいた。

ペット感覚もありなのか?

 

…なんか小猫が何か言って欲しそうな目でジッとオレの顔を見てる。

よし分かった。

 

「こいつも可愛いな〜、小猫らしい。」

 

オレはその猫を撫でながら感想を言う。

 

「……♪」

 

嬉しそうだからよしとする。

 

 

「僕のは…」

 

「お前のはいい。」

 

「ふふ、つれないな。」

 

「まぁそう言うなよ。ユウト、気になるから見せてくれよ。」

 

「はい!私も気になります。」

 

そう言うと、ユウトも自分の使い魔であるリスを出した。

爽やかな奴は爽やかな使い魔を持つそうです。

 

 

あ、そうそう。オレは木場のこともユウトって呼ぶことにしました。

理由はアーシアが来たあの日以来、イッセーが自分のことはイッセーと呼べって言ったため、互いの事を名前で呼ぶことが増えたんだ。

だからオレも八神じゃなくてシュウと呼ばれるし、イッセーも兵藤じゃなくてイッセーだ。

だから木場のこともユウトと呼ぶ事にした。

まぁ、他の人はユウトが基本的に木場って呼ばれてるらしいからそのまま木場って呼んでるけどな。名前で呼ぶのは部長ぐらいだったらしい。

ちなみに、部長はそのまま部長だし、朱乃先輩と小猫は前からです。

 

 

「あなた達には、後日皆と同じ様に使い魔を選んできてもらうわ。」

 

「その使い魔って、どうやって手に入れるんでしょうか?」

 

「それはね…」

 

その時、部室の扉がノックされた。

 

「はい、どうぞ。」

 

「失礼します。」

 

外から入ってきた奴らは、眼鏡をかけた女を先頭にして立っていた。

男が一人ぼっちのようで。

 

「な…このお方は!」

 

「あのう、どちら様でしょうか?」

 

イッセーの顔が驚愕に染まり、この人物が誰か分からないアーシアは首を傾げている。

 

「この学校の生徒会長さんの支取 蒼那先輩だ。隣にいんのは副会長の森羅 椿先輩で、後の連中は……纏めて言うなら生徒会役員だな。」

 

オレがそう説明したところで、部長が生徒会長さんを迎え入れた。

 

「いらっしゃい。こんなお揃いで、どうしたの?」

 

「お互い下僕が増えたということで、挨拶をしようと」

 

下僕?ってことはまさか…

 

「あんたも悪魔なのか?」

 

「はい。私の正確な名前はソーナ・シトリー。シトリー家の次期当主です。」

 

なるほどな、俺がこの部活に入って悪魔の事を知ってから、コイツらから妙な気配を感じたのはそのせいだったって事か。

 

「この学園に他にも悪魔がいたのか⁉︎」

 

「…イッセー、同じ悪魔なのに気付かんのか?」

 

絶句したイッセーに対して、思わず突っ込んでしまった。

だって、悪魔同士なら感覚で分かりそうなもんじゃね?はぐれ悪魔とかはその感覚で探すわけなんだし。

 

「リアス先輩、僕達のこと何も話してないんですか?まぁそいつが言ったように、気づかないこいつもどうよって話ですが。」

 

「サジ、私達は互いの事に干渉しないようにしているの。兵藤君が気づかないのも当然です。」

 

一人ぼっちの男がため息まじりに苦言を放ち、その男に生徒会長さんが説明をする。

 

「そうは言っても、あっちは気付いてたのにこっちが気付かないってのは情けねぇ話だよな。

アーシアは最近の事だからともかく、長い間悪魔になってるイッセー君は微塵とも感じなかったんだろ?」

 

「う、それは、まぁ、そうだけど…。」

 

ニヤニヤ顔で突っ込んだオレと弱腰になるイッセー。

他にも色々あるが、まぁ今は言わねぇでおいてやるか。

 

「そ、それはともかく、お前は最近生徒会の書記になった…」

 

「匙 元子郎。“兵士”です。」

 

「同じく“兵士”の兵藤 一誠と“僧侶”のアーシア・アルジェントよ。」

 

イッセーの疑問に答えるように会長が匙の紹介を行い、返すように部長がイッセーとアーシアの紹介をした。

 

「お前も兵士か!しかも同学年だろ?よろしくな!」

 

同じ境遇の悪魔を見つけて嬉しそうに握手しに行くイッセー。

しかし、匙は…

 

「俺としては、変態三人組のお前と同じ駒ってのはプライドが傷つくんだけどな。」

 

と言って、イッセーを見下す視線を向けた。

 

「なんだと!お前それはどういう意味だ!」

 

「お?やるか?こう見えても俺は駒四つの兵士だぜ?」

 

なんでそこで喧嘩が始まるんだよ。

イッセーに至っては事実だろそれ。

 

「お止めなさい、サジ。兵藤君は駒を八つ消費している兵士なのよ?」

 

その喧嘩をしずめようとして会長が鋭い視線を向けながら忠告した。

けど、それではおさまらず…

 

「八つって、全部じゃないですか!信じられない、こんな奴に…。」

 

「うるせぇ!」

 

…何時になったらおさまるんだろうな〜これ。

 

「ごめんなさいね兵藤君、アルジェントさん。新人悪魔同士、仲良くしてあげてください。ほら、サジ。」

 

「はい…よろしく……。」

 

一応この場はおさまったようで、匙は渋々ながら握手のために手を伸ばす。

イッセーはさっきの事があるからちょっと渋ってるが、アーシアは直ぐにその手に反応して握手を交わす。

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

「うん!アーシアさんみたいな可愛い子なら大歓迎だ!」

 

…大分態度が違ぇなオイ。

 

その様子を見ていたイッセーは、アーシアの手に掴まっていた匙の手を奪い取り、

 

「俺の方もよろしくね!匙くん!アーシアに手を出そうとしたらマジでぶっ殺すからね匙くん!」

 

と、力を込めて匙の手を握る。いや握り潰そうとするってのが正しいのか?

それに対して匙の方は

 

「うんうん!こちらこそよろしく兵藤くん!金髪美少女を独り占めとか、本当にエロの塊だね兵藤くん!」

 

と、同じように兵藤の手を握りしめる。暴言も忘れずに。

 

てか、いい加減しつこいな…。

 

 

オレは黙ってイッセーの後ろに回り

 

 

 

 

 

ゴンッ!

 

 

 

 

 

と、ゲンコツをかましました。

 

 

「今回の件でお前がキレんのは筋違いってもんだろ〜。言われてんのは全部真実なんだし、言われたくなけりゃあんな事は直ちにやめるんだな〜。」

 

と言いながら、気絶したイッセーを部室の端に引きずっていく。

匙は唖然とした顔を浮かべている。オレはそんな匙くんに優しく声をかける。

 

「悪いな、ウチのやつが迷惑をかけた。お前が言ってたのは全部正しいことだが、なるべく喧嘩は止めてくれよ?今回は初めての対面だから何もしねぇけど、次はこのバカ同様にさせてもらうからな?

あ、そうそう。オレは悪魔じゃないけど悪魔の手伝いをしております八神 柊と言うもんです。よろしく〜」

 

「は…はい……。よろしく…」

 

よしよし、聞き分けのいい奴は大好きだ。

オレと匙が握手している光景を横目にしながら

 

「大変ね」

 

「そちらも」

 

と、部長たちが愚痴をこぼしていたのは聞こえてないフリをします。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

オレ達は今、学園の敷地内にあるテニスコートのフェンスの外にいる。

ナズェそこにいるんディスカ?って人のために説明すると

 

あの後、イッセーも匙も使い魔を持つ許可が下りたことを知る。

 

 

生憎、その使い魔を手に入れられる機会は月に一度であり、生徒会とオカ研が同時に依頼するのは不可能

 

 

どちらが使い魔を手に入れる機会を手にするかスポーツで勝負だ!

 

 

テニスで勝負することになり、テニスコートに移動する

 

って感じ。

 

 

テニス部が練習しているのにも関わらず、部長達が使ってもいいか聞いたところ、即座にコートを譲ったそうです。

この人たちの権力どれだけだよ。

 

実際にテニス勝負をするのは各チームから二人代表であるため、ほかのメンバーは外から応援だ。

まあ、興味本位で見学にきた奴らも多いけどな。

例えばオレの左側には小猫がいるけど、右側には例の変態共がいる。

メガネと坊主はどうやって情報を聞き出したのか。

 

コートの中には、オカ研から部長と朱乃先輩、生徒会から会長と副会長がいる。

要するに、それぞれの王と女王だ。

 

「朱乃。勝ちにいくわよ」

 

「はい、部長」

 

「いくわよ、ソーナ」

 

「よろしくてよ、リアス。」

 

こうして、オカ研vs生徒会のテニス勝負が始まった。

 

すぐそこで変態共が叫んでいるが、聞こえませんよ私。

 

「しっかし、仮にも人外同士が人間達の見ている中でテニス勝負って、大丈夫なんだろうな?」

 

「…大丈夫だと思います。悪魔だとしても、力を抑えれば普通の人間と同じになりますから。」

 

 

と、小猫は言うけれども…

 

 

「行くわよ!シトリー流スピンサーブ!」

 

「甘いわ!グレモリー流カウンター!」

 

 

ギュルルルル!バァン!!

 

 

普通ならありえない回転でボールがラケットを弾く。

衝撃に負けた部長は後ろに倒れ込んでしまった。

 

「これって、普通の人間に見えるの?」

 

「…ちょっと熱くなりすぎです。」

 

「いやちょっとじゃねぇだろ絶対。」

 

これじゃ絶対異常だって思う奴が出てくるn「魔球だ…」……はい?

 

「魔球だ!スゲエ!!」

 

その言葉が発せられて、辺りからドオッと歓声が起きる。

 

「いやいやいや!何でそうなるんだよバカなのかこいつら。」

 

「……平和が一番です。」

 

「…それには賛成だけども。」

 

 

結局、このテニス勝負では決着がつかず、後日また別の勝負が行われるそうです。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

てことで、次の日の夜に来たのは体育館だ。

今度は一般の生徒が見学に来るのを防ぐために、夜に行われた。

 

種目はドッジボール。つまり、全員参加型だ。

 

つっても、人間であるオレは見学です。理由は知らん。

 

 

……暇だから実況でもするか。

 

「使い魔獲得の権利をかけたドッヂボールの試合が、今、駒王学園の体育館で行われようとしています!

戦うのは、リアス・グレモリー率いるオカルト研究部チーム!対するはソーナ・シトリー率いる生徒会チーム!

果たして、使い魔を獲得する権利は、どちらの手に渡るのか⁉︎」

 

「…何やってるの?」

 

「暇なんです。分かってください。」

 

そんな冷たい視線で見ないでください部長。別にいいじゃない、ホントは試合に出たかったんだし。

 

「さあ!いよいよ試合開始です!最初のジャンピングボール!制したのは我らが爽やかナイト、木場 祐斗選手!

そのボールは塔城 小猫選手に渡り、彼女の怪力で外野にパスだ!

外野にてパスを受け取ったのは、姫島 朱乃選手だ!外から当てにいく戦法のようだ!」

 

「えい♡」

 

「ホンギャアァァァ!!」

 

「えい♡で放たれたボールは雷と共に敵陣に襲いかかる訳の分からん自体に!そのボールに当たった相手の選手、焦げてしまった誰かはアウトです!

そのボールは即座に森羅 椿選手が拾う!」

 

「やぁっ!」

 

「椿選手、先ずは近くにいた兵藤 一誠選手を狙う!」

 

「甘い!こんなものすぐに避けて…って!」

 

「おぉっと⁉︎避けたと思ったボールは、まるで意識があるように一誠選手を追いかける!

一誠選手は必死に逃げるが、ボールは確実に一誠選手との距離を縮めて!」

 

 

コカァン!!

 

 

「アウン!!」

 

「一誠選手のいかん所に当たった〜!」

 

オレはずっと妙なテンションのまま、実況を続けた。

 

その勝負は時間切れということで、オカルト研究部の勝利となった…。

 

 




ソーナたち、生徒会メンバーが登場です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。