閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

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月曜に録画していた『恋仲』見ました。

改めて福士さんの演技力すごいですよね!フォーゼの弦ちゃんの性格も恋仲の葵くんの性格もかなり表現できてましたもん。



十八話目

神さんとの会話の数日後、オレはいつも通りイッセーの家の前で待っていた。

 

あれ以来、グロンギはこの世界に出て来てねぇ。

ひょこひょこ来るもんじゃねぇってのは分かってるけど、いつポッと出て来るか分からねぇからな。警戒はしてる。

 

昨日の話だと、ゴ集団のヤツらも強くなっていることは確実だ。

ブウロの時のように、簡単に倒せたりできねぇだろうよ。

 

…もっと力をつけねぇと、あいつみてぇに皆を守ることができねぇのか…。

 

 

 

ガチャ

 

 

 

「お、イッセーとアーシア。今日は遅かったな〜。一体どうしたんだ?」

 

オレはイッセーの家の玄関から出てきた二人に向かって声をかける。

 

「あぁ、悪い。ちょっと、目覚めが悪くてさ…。」

 

かなり疲れましたって顔をしながらイッセーが答えた。

 

「オイオイどしたの?テンション低いね随分と。まだ朝日の光に慣れてねぇっての?」

 

「あー、そんなことじゃないんだけどさ…。 」

 

「イッセーさん。お疲れでしたら、いつでも言ってください。

何でもお手伝いしますから。」

 

「ハハッ。アーシアは優しいな〜。」

 

「シュウさんもですよ。いつでも頼りにしてください。」

 

オレ達は毎度のように談笑しながら学校に向かう。

しかし、イッセーは険しい表情を浮かべながらオレとアーシアの会話を右から左へと聞き流している。

 

「…オーイ、本当にどうしたんだお前は。らしくねぇぞ?ボーッとしちまってさ。」

 

アーシアも心配していたようで、イッセーの顔を覗き込んでいる。

イッセーは一瞬ためらった様子を見せたが、その後何かを決心したように口を開いた。

 

「……アーシア、少しだけ離れててくれねえか?シュウと話したいことがあるんだ。」

 

「え?あ、はい…。」

 

イッセーにそう言われたアーシアは、少しだけ小走りでオレ達と距離を開ける。

 

「んで?話したいことって何よ?」

 

「あぁ…その、さ……。」

 

珍しくイッセーの歯切りがかなり悪い。

こいつはいつも直感で話すようなヤツだから、言いたいことはズバズバ言って来るんだよ。

けど、今回はブツブツ言いながら考えてる。

 

 

そして、イッセーは再び口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

「……部長に夜這いされそうになったら、お前はどうする?」

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

ガゴンッ!

 

 

 

 

 

 

「いってえな!いきなり殴るなよ!だから嫌だったんだよお前に相談するの!」

 

「何でそんな訳の分からん妄想で悩んでんだよ馬鹿馬鹿しい。心配して損したわ。」

 

んなこと考えていたからあんな顔してたのかと思うと、いろいろ腹が立ってくる。もう一発だけ殴っても天罰はねぇだろ。

 

「違うって!もしもの話とかじゃなくて、本当にあったんだよ昨日の夜!」

 

「お前頭狂ったか?何で部長がお前んとこ行って夜這いしようとするんだよ。

変な夢でも見たんだろ?」

 

「間違い無えんだよ!昨日の夜さ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

『話をしよう…あれは今から三十六m「昨日の話だよ!」

 

「どこに叫んでんのお前。」

 

 

ーーーーーーーー

 

「さて…そろそろ寝ようかな。」

 

俺、兵藤 一誠は夜の悪魔稼業を終わらせて家に帰り、これから寝る支度を始めようとしていた。

アーシアはすでに寝てしまっているよ。

 

あ、言ってなかったけどアーシアはホームステイってことで俺の家で過ごしているんだ。

この事が松田と元浜に知れ渡った時はメッチャ罵倒されたっけ。

ま、これが人生勝ち組ってやつだよなあ〜。

 

 

俺の部屋に行ってパジャマに着替え、さあ寝るぞ!って時だった。

 

 

パァッと、突然魔法陣が部屋の中に現れた。

 

 

紅い色にこの紋章…。グレモリー家の魔法陣だ。

 

こんな時間に?てかさっき会ったばかりだよな?

 

そんなこと考えているうちに、転移された誰かが部屋の中に現れて魔法陣は消えていった。

 

 

「部…部長?」

 

 

そこには、オカルト研究部の部長で俺達の主、リアス先輩が立っていたんだ。

 

「どうしたんですか?何かあったんですか?」

 

俺は部長に転移してきた理由について訊いてみたんだ。

 

「イッセー……。」

 

部長は何かを考えるように、俺の元に近づいてくる。

 

そして、俺の目の前に立ってこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を抱きなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

……え

 

 

 

ええぇえええぇええ!!?

ちょっと何言ってるんだよこの人!

え⁉︎これってあれか⁉︎夜這いってやつか⁉︎現実でやろうとする人初めて見ました!

なにそのプレイ!嫌いじゃないわ!

やべえ急な出来事に頭がこんがらがって変なことになってる!

俺がこうなってるのに部長は淡々と服を脱ぎ始めてるし!美しい身体があらわになってきた!も〜訳わかんない!

 

「まだまだ未熟なところも多いけど、素質はありそう…。」

 

なんかそれっぽい事言い始めたし!

てか本当にどーなってんだよ!俺部長に何かフラグ建てたっけ⁉︎覚えがない!

あやっべ押し倒された!ここで俺も童貞卒業してしまうのか⁉︎いやしたいけども!

 

「イッセー…。」

 

声が色っぽくなってます!もうこのままやっちゃってもいいかな⁉︎いいよね⁉︎あーでもこんなとこアーシアとか、ないと思うけどシュウに見られたら終わる!

あーもー!なんかも〜!

 

 

 

 

 

「いい加減にして下さい!!」

 

 

 

 

 

「きゃっ!」

 

俺は思わず部長を突き飛ばしてしまった。

 

「部長、一体どうしたんですか?今の部長、少しおかしかったですよ?何か悩みが言ってください!」

 

部長の肩を掴んで質問する俺に、気まずそうな顔をする部長。

 

 

辺りに沈黙が走った。

 

 

すると、またもや別の魔法陣が現れた。今度は銀色である。

 

「間に合わなかったのね…。」

 

部長が苦い顔をしてその魔法陣を睨む。

間に合わなかった?どういう事?

 

すると、その魔法陣から今まで見た事のない人が転移されてきた。

 

「このような形で既成事実を作ろうというのですか?」

 

「そうしないと、貴方達は私の意見を聞き入れようとしないじゃない。」

 

既成事実?部長の意見?どういう事だ?

 

「貴方の身体は大切なものなのです。あの様な下劣な男に貞操を捧げるなど、もってのほかです。」

 

後になって転移されてきた女性は俺の方を一瞥して、部長に言った。

 

てか、下劣な男て…。自覚してるけどさ……。

 

「私の貞操を誰に捧げるかは、私が決めることよ。それに、私の下僕を下劣呼ばわりするのは、例え貴方でも許さないわ、グレイフィア。」

 

「…何はともあれ、貴方はグレモリー家の次期当主様です。ご自重くださいませ。」

 

グレイフィアと呼ばれた女性はそう言うと、部長の服を拾って部長に手渡し、俺に向き直る。

 

「初めまして。私はグレモリー家にお仕えしておりますグレイフィアと申します。以後お見知りおきを。」

 

「あぁ、どうも。兵藤 一誠です。」

 

…正直今でも頭の中が整理できていない。

 

「グレイフィア、あなたが今日来たのは家の意思?兄の意思?それとも、貴方自身の意思?」

 

「全部です。」

 

グレイフィアさんが即答すると、部長は大きな溜息をつく。

 

「分かったわ、後は私の根城で話をしましょう。朱乃も同行させてもいいかしら?」

 

「雷の巫女ですね。構いません。」

 

どうやら話はひと段落ついたようだ。俺は全くついてこれてないけどね。

 

「突然迷惑をかけてしまったわね、イッセー。本当にゴメンなさい。今日のことはお互い忘れましょう?

また明日、部室でね。」

 

そう言って、部長とグレイフィアさんは魔法陣に乗ってどこかへ転移されていった。

 

「……何だったんだ?一体…。」

 

俺の部屋に、俺の呟きだけが広がった…。

 

 

ーーーーーーーー

 

「…ということなんだよ。」

 

今、イッセーから昨日あった出来事について長〜い説明を受けたところだ。

 

「な?おかしいと思うだろ?あの部長が、いきなり俺の部屋に来たんだ。何かあるとみたぜ。」

 

「いや今冷静になって考えてみたんだが、案外あり得るかもな。」

 

「何でだよ!」

 

「だってさ、お前が殺された日の次の日に、お前の横で裸になって寝てたじゃん。」

 

「う、まぁそうだけどさ…。」

 

「つっても、何か事情があるのは間違いねぇだろうよ。そのグレイフィア?とかが関わっているんじゃねぇか?」

 

話を聞いて思い返してみりゃ、確かに昨日の部長は変だった。

心ここに在らず〜って感じで、十回話しかけたとしたら七回は「え?何?」みてぇな返しが来たからな。

 

「そうなんだよなぁ…、スゲェ気になる。」

 

「気になるのはオレも同じさ。でも、忘れましょうって言われたんなら忘れてやったほうがいいと思うぜ?

精々ユウトとか朱乃先輩に聞くくらいにしとけ。」

 

話にひと段落つけたオレ達は、前を歩いているアーシアを呼んで最初のように三人で登校した…。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ファアアァァ…や〜っと終わったぜ。」

 

今日も退屈な時間が終わる。

さぁ!やっとこれから楽しい楽しい部活の時間だz「おい、八神」…あり?

なしてここに日本史のセンセがいるんだ?今の授業は古典だったはずじゃあ…。

 

「貴様、私の授業以外では堂々と眠りこけっているらしいな?」

 

「え!いや、その、うん…はい……。」

 

何で日本史の先生がそんなこと知ってんだよ!他の教科の先生チクったな!

その先生はいつの間にか手に持っていた出席簿を振り上げ、容赦なくオレに叩き落す。

 

バグォオオオン!

 

出席簿から出てきたとは到底思えない音がなる。オレの頭にもう一つ頭が生えたように、でっかいタンコブができた。

 

「放課後、職員室に来い。」

 

「え!あのオレ!放課後はy「来い」……はい。」

 

 

オレが渋々返事をすると、先生は職員室に向かって歩いていく。

…あの先生には逆らえねぇ。

 

「えっと、シュウくん大丈夫?」

 

「ユウト…オレ、部活遅れます。」

 

 

 

放課後に職員室に入ると、ドチャっとありえない数のプリントを渡された。

先生曰く「寝ているほど余裕があるのだろう?」とのこと。

オレはそのプリントをやり終えない限り部活に行かしてもらえないそうです。

 

んで職員室の中では、オレはこの先生だけには逆らえねぇってことが有名らしい。ちくしょう。

 

 

 

……まぁ実際楽勝だけどね?地理以外。

 

ーーーーーーーーーー

 

「部長のお悩み…か…。多分グレモリー家の関係じゃないかな?」

 

俺とアーシアと木場は部室に向かって歩いていた。

シュウがいないことが気になって、木場に訊いてみたんだけど「職員室に呼び出された」って苦笑いしながら言ってた。

何したんだよアイツ…。

 

「じゃあ朱乃さんに聞けば何か分かるかな?」

 

「まぁ、あの人は部長の側近だからね…!」

 

急に木場が立ち止まってしまった。

 

「まさかこの僕が僕がここまで来て気づくなんて…!」

 

「木場?どうしたんだよ。」

 

顔を強張らせる木場を見ながら、俺とアーシアはいつも通りに部室に入った。

 

そこにはいつも通りの部長、朱乃さん、小猫ちゃんと、もう一人。

 

「グレイフィアさん⁉︎」

 

「ご無沙汰しております。兵藤 一誠様。」

 

昨日会ったグレイフィアさんがいた。

何でグレイフィアさんがここにいるんだ?

 

「全員は揃ってないわね。祐斗、シュウは?」

 

「少し遅れるそうです。」

 

「そう、分かったわ。それなら始めましょうか。」

 

「お嬢様、私がお話ししましょうか?」

 

グレイフィアさんが言った提案に対し、部長は手を振ることで否定の意思を見せる。

一体なんの話があるんだ?

 

「実はね…」

 

部長が口を開いた瞬間だった。

 

 

突如部室の中に魔法陣が現れ、魔法陣から赤い炎が巻き起こる。

 

 

肌に炎の熱気を感じながらその魔法陣の紋章を見ると、グレモリー家のソレとは全く違った。

 

その魔法陣の中から、一人の男性が姿を現した。

 

「ふぅ…人間界は久しぶりだ。」

 

赤いスーツを着たまるでホストのような男は、部長を見て口を開く。

 

 

 

「会いにきたぜ?愛しのリアス。」

 

 

 

俺はその言葉を聞き、驚きを隠せなかった……。

 




主人公居残りです笑
でもすぐに合流はさせますね。
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