閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

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これからも頑張って執筆していくんで、どうかよろしくお願いします!


二十二話目

 

今日は修行最終日。オレも最後の日くらいはって事で皆と一緒に特訓している。

要するにオレ個人の練習は三日間だけ。

ホントはこの日も個人練したかったけど、毎日夜に自主練もしたからカバー出来ただろう。

 

今はイッセーとユウトが最後の模擬戦をしている。この模擬戦が終わったら各自家に帰って体を休め、決戦に備えることになっている。

 

イッセーも思った以上に強くなっていた。この前オレとやった戦いが役に立ったようでなによりだ。

 

【Boost!!】

 

今の音声で十二回。合宿前は二、三回だった事を思うと、かなり成長した事が分かる。

えっと、二の十二乗だから…四千九十六倍か。

 

…ファ⁉︎何それ⁉︎有り得ない倍数じゃねぇか!

一つ大切な事を言うと、この合宿期間でイッセーの元の戦闘力も最初と比べりゃかなり上がっている筈だ。

あの堕天使風に言うなら、合宿前のイッセーが1とすれば、今のイッセーは5は軽いだろう。

いや、10はあるかもな。

その四千九十六倍…

 

…今のイッセーのスペック測ってみてぇんだが…。

 

 

【EXPLOSION!!】

 

最後にチャージ終了を知らせる音声が鳴り、イッセーの身体から半端じゃない力を感じる。

 

「イッセー!魔力の弾を作りなさい!」

 

「はい!」

 

部長の指示に答えて、イッセーは手に力を入れる。

すると、米粒くらいの弾が出来上がった。

 

「撃ちなさい!」

 

部長の合図とともに、イッセーは手を後ろに下げ

 

「食らえぇぇぇ!」

 

と、手を突き出す。

米粒くらいの大きさだったその弾は急に大きさを変え、巨大な弾となってオレの元に飛んでくる。

 

 

 

 

え?オレの元?

 

 

 

 

「やべ!シュウ!避けろ!」

 

イッセーの慌てた声ではっきりした。

やっぱりオレんとこに飛んできてんじゃねぇか!

 

射撃体に緊急変化して両手を叩き、その弾に向けて突風を起こす。風で弾を相殺してやろうと思ったんだ。

ところが、弾は勢いが弱くなるだけで、確実にオレに近づいてきてる。

 

オイオイ!相殺できねぇとか嘘だろ⁉︎

仕方ねえ!

 

「緊急脱出!後ろの山ゴメン!」

 

風を上に吹かせることで、弾の軌道を変えてオレの後ろにある山に向ける。

 

弾は真っ直ぐに山へ向かっていき

 

 

 

 

 

デデーン☆

 

 

 

 

 

山は消し飛びました。

 

「あらあら…」「山が…」「吹き飛んでしまいました…」「凄い威力です…」

 

全員が感嘆の声を漏らす。

 

「シュウ!悪い、大丈夫か⁉︎」

 

「あぁ、なんとかな。オレの技でも押し返せねぇとは…かなりやべぇなその力。」

 

「えぇ、そうでしょうね。祐斗?戦ってみてどうだった?」

 

「はい。正直驚きました。あの威力は上級悪魔の力と大差ありません。」

 

イッセーの力を証明するように、ユウトが持っていた木刀がボキッと折れた。途中でイッセーが木刀を殴った時だろうな。

 

「イッセー。貴方の力はこの戦いで重要な切り札になるわ。私たちを、そして自分を信じなさい!」

 

「皆を…自分を…信じる…。」

 

「そうよ、貴方をバカにした連中に思い知らせてあげましょう。フェニックスなんて関係ないわ。

私達がどれだけ強くなったか、奴らに思い知らせてやりましょう!」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

こうして修行は終わりを迎える。

残すは夜の決戦のみ!

 

新たな決意を胸に、オレ達はそれぞれの家へ帰っていった…。

 

 

 

 

「イッセー、この一件終わったら覚えとけよ?」

 

「さっきの事根に持ってんじゃねえか!」

 

ーーーーーーーーーー

 

夜、オレ達は部室に集まってそれぞれが戦いに向けて用意をしている。

ユウトは剣を磨き、小猫はグローブを締め直す。アーシアとイッセーは落ち着きがない様子でいるのに対し、部長と朱乃先輩は優雅にお茶を飲んでいる。

…対照的すぎるだろ。

 

すると、足元にグレモリー家の魔法陣が輝き、そこからグレイフィアさんが姿を現せた。

 

「皆様、準備はよろしいでしょうか?」

 

「えぇ、いつでもいいわ。」

 

簡単なやり取りを済ませる部長とグレイフィアさん。

しかし、グレイフィアさんの顔が何となく暗く見えるんだが?

 

「…ゲーム開始前に、皆様に重要なお話がございます。」

 

グレイフィアさんが暗い声で話し始める。オレ達は全員グレイフィアさんの方を見た。

 

「…ライザー様は、ハンデという形で八神様の出場を認めました。」

 

「えぇ、覚えてますよ?オレがいたら勝負になるだろうとか余裕ぶっこいてましたし。

まぁ、オレがいたら「勝てるだろう、ですよね?」…はい、そういう事です。」

 

グレイフィアさんが急にオレの言葉を遮る。思っていたことを代弁されただけだからいいんだけどね?

 

「…先日、同様の事を考えられた方が、ライザー様の助っ人という形でライザー様側につきました。」

 

「それじゃハンデにならねぇじゃん。」

 

「誰が入ったの?貴族悪魔の誰か?」

 

オレが批判の声を出し、部長はさらなる説明を求めようとした。

 

「いえ、悪魔ではありません。」

 

そこでグレイフィアさんが間をあける。

 

 

 

更に言葉を繋げた。

 

 

 

「謎の人物です。彼はたった一人でライザー様達を倒すほどの実力の持ち主です。」

 

 

 

 

「何だって⁉︎」

 

「そんな奴が、何でライザー側につくのよ⁉︎」

 

「申し訳ありませんが、彼の意図は存じておりません。

唯、八神様を目の敵にしているのは間違いないようです。」

 

「シュウ、何か思い当たる節はあるのか?」

 

ライザー達を倒すほどの実力派で、オレを目の敵にする奴か…。

 

「ある。一つだけ、いや一種族だけってのが正しいな。」

 

オレが言いたい奴らが誰のことなのか分かったらしく、皆がそれぞれの反応を示す。

 

「グロンギ…!」

 

「恐らくな。オレが思い当たる節はそれしかねぇ。」

 

皆の雰囲気が一気に暗くなる。修行を通して、ライザーと辛うじて戦えるようになったと思った矢先に、ライザーより強い者と戦わなければならない。そのような状況で明るく振る舞うってのは無理難題だろうな。

 

「心配すんな!そいつはオレがなんとかする。互いのハンデ同士が戦うってことは、最初のようにライザーチームとの戦いになっただけじゃねぇか。」

 

「シュウ…」

 

「それに、皆ならきっとライザー達にも勝てる。オレはそう信じてるさ。

オレはそのグロンギを倒す。皆はライザー達を倒す。そして全てを終わらせる!それでいいじゃねぇか。」

 

元気付け、気合付けのためにオレらしくねぇことやってみました。

皆の顔が最初のように、引き締まったものになってくる。

 

「そうね、悩んでいても仕方ないし、やれる事を精一杯やるだけよね。」

 

「そういう事!って事で、もう時間だろ?お先に行かせてもらうぜ!」

 

「あ!おい、シュウ!」

 

オレは勢いよく魔法陣に飛び込み、バトルフィールドに入っていった。

 

ーーーーーーーーーー

【第三者視点】

 

八神が先に魔法陣に入り、グレイフィアは冥界に戻っていったため、部室の中にはグレモリー眷属のメンバーだけが残っていた。

八神はあの様に言ってはいたが、ふと一つの疑問が浮かび上がった。

 

「あの一本角のグロンギ…だったりするのかしら…」

 

一本角のグロンギ、ガドルがその敵ならば、八神が負けてしまうかもしれない。彼はそれほどの手練れであることは全員が分かっていた。

部室の空気が重くなる。誰一人として話し声が出なかった。

 

「大丈夫だと思います。」

 

その沈黙を破るように、誰かが呟く。

その声を出した人物は朱乃だった。

 

「もしそのお方がシュウ君の敵であったとしても、シュウ君なら負けることはないと思います。それに…」

 

「何となくですが、彼からは優しい匂いがします。はっきりとは分からないですが…。

ですから、私達の敵に回るとは考えにくいです…。」

 

朱乃の言葉を小猫が繋ぐ。

この二人の中には、八神ならどんな敵でも乗り越えるだろう。更に、ガドルはきっと敵ではないだろうという思いがあった。

その思いは二人だけでなく、この部室の中にいるメンバーの全員が同様に思っていたようで、深くうなづいた。

 

「そうよね、きっと大丈夫。」

 

リアスは席を立ち、魔法陣を見据える。

 

「行きましょう、シュウもあっちで待っているし。」

 

先ずリアスが入り、次に朱乃、木場、小猫、兵藤、アーシアと続いた。

 

 

 

「あ、やっと来た。遅かったっすね〜、何してたんすか?」

 

「貴方が入るのが早すぎるのよ。」

 

バトルフィールドに入ったメンバーに、八神の文句が浴びせられ、リアスはそれを綺麗に受け流した。

 

リアスは部員の一人一人の顔を見る。

全員、迷いがない顔だ。

 

「行きましょう!奴らに勝って、また皆で学校に通いましょう!」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

リアスの言葉に返す皆。

今ここに、リアスの運命をかけたレーティングゲームが始まった。

 

 

 




よいよ、次回からレーティングゲームです!
果たしてどんな戦いが待ち受けているのか⁉︎
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