閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

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仮面ライダーチェイサー:チェイスが…。
あのシーンは思わず泣きそうになりました。個人的に特撮で泣きそうになったのはW以来だなぁ〜。

新しい感動をありがとう!Movie大戦などで復活してくれると信じているぞ!

…出来れば、本編中に復活して欲しくもあるけど…。


三十三話目

【第三者視点】

 

旧校舎前にある広場、球技大会の練習を行ってきた場所で、兵藤と木場がゼノヴィアとイリナに向かい合う形で立っていた。

 

兵藤の怒りが爆発し、木場が参戦する事を告げた後、ゼノヴィアが『グレモリー眷属の騎士の実力を見てみたい』と言った事で、この四人による模擬戦が行われる事となった。

実際、兵藤はこの模擬戦に関しては無関係であり、巻き込まれた側ではある。しかし元々の元凶は彼であるため、こうして戦いに参戦しているのだ。

 

周囲への影響を考慮し、広場を覆う様に張られた結界の中で、それぞれがより強く闘争心を向上させる。

 

 

『では、始めようか。』

 

ゼノヴィアが己の聖剣、〝破壊の聖剣〟を包んでいた布を解く。再び、素晴らしい輝きを放つ刀身が現れた。

 

『いつでもどうぞ。』

 

対する木場は、神器〝魔剣創造〟を発動させ、周囲に様々な魔剣を創り出した。

 

二人はそれぞれの獲物を握り、相手の元へと駆け出していった。

 

 

一方、兵藤とイリナは…

 

 

「なぁ、どうしても戦わないとダメか?俺的には、もう言いたかった事は全部言わせて貰ったし、アーシアを襲う気が無いんだったら戦う気も無いんだけど…。」

 

まだ戦いの準備さえ整えていない状態であった。

兵藤は“アーシアを襲うつもりなら”戦うという事で、そのつもりがないのならば戦う気は無い。

その為、何とか戦わずに済ませようと説得しているが…。

 

「まさか、昔憧れていた男の子と再会してみれば、彼は悪魔になっていたなんて…。これも、主がお与えになった試練なのね!」

 

全く聞く耳を傾けていなかった。

胸の前で祈るように手を組み、ブツブツと何かを呟いている。その光景は悪魔である兵藤にとって、軽い鳥肌モノであった。

 

「可哀想な兵藤 一誠くん。昔の馴染みで、イッセーくんって呼ばせてもらうわね。神の名の下に、断罪してあげる!」

 

イリナもまた、己の聖剣〝擬態の聖剣〟を取り出し、兵藤の元へ飛び出していった。

 

「クソ!やっぱりやるしかないか!」

 

【Boost!!】

 

兵藤も神器〝赤龍帝の籠手〟を発動させて、迎え撃つ。

 

 

 

 

 

こうして始まった模擬戦ではあるが、流れがどちらに向いているのかは歴然であった。

 

兵藤とイリナの方は、イリナが全力で戦っていない状況であるにも関わらず、兵藤は避けるのが精一杯であった。

木場とゼノヴィアの方も、木場は防戦一方であった。ゼノヴィアの一撃には唯でさえ凄まじい威力を持つ上に、聖剣の能力“破壊”の力が加わっている為、魔剣と聖剣が触れるたびに魔剣が折られていく。

 

(クソッ!せめてあの技さえ成功すれば!)

 

しかし、兵藤にはこの状況を一気に逆転させるための技がある。魔力がたまり、イリナに一瞬でも隙が生まれれば、一気に大逆転できるであろう。

 

その技を放つ、最高のタイミングを狙う…。

 

 

 

 

「気をつけてください。イッセー先輩には女性の服を弾き飛ばす技があります。」

 

しかし、味方であるはずの小猫により、考えていた戦法がカミングアウトされてしまった。

 

「小猫ちゃん⁉︎なんでバラしちゃうの⁉︎」

 

兵藤は小猫に尋ねた。小猫はキッと兵藤を睨みつけ

 

「…女性の敵」

 

と、ボソッと呟いた。

 

 

「…まさかそんな技を持っているとはね。昔から変わっていないのね〜。これは、尚更断罪してあげないと!」

 

イリナはこれまでよりも素早い動きをした。既に常人の目には止まらないスピードであろう。

 

(確かに速い…!けど、追いつける!)

 

しかし、兵藤はその動きをしっかりと目で追っていた。

以前から何度も木場と模擬戦を行ってきた兵藤にとって、イリナの動きはまだゆっくりに見える。

イリナには少し慢心の心があるのか、余裕の表情で兵藤に斬りかかっていた。

 

(チャンスは今しかない!)

 

「行くぞ!〝赤龍帝の籠手〟!」

 

【Explosion!!】

 

ここで倍加を終わらせた兵藤に、倍加した分の力が加わった。

 

横薙ぎに斬りかかってきたイリナの剣を避けて腕を掴み、背負い投げの要領で投げ飛ばす。

 

「くっ!中々やるじゃ…!」

 

体制を立て直したイリナに、兵藤が全力で走り寄ってきているのが見えた。

イリナは本能的に身の危険を察知した。

 

 

何故なら、兵藤が若干アレな顔を浮かべているからである。

 

 

「これで決まりだぁぁぁ!!」

 

 

兵藤は飛び上がり、全力で両手をイリナに向かって突き出す。

 

手がイリナの肩に触れ、そのまま服を弾き飛ばす…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イリナはその場に身を屈めることで、何とか兵藤の突進を躱したのだ。

 

兵藤の勢いは止まらず、そのままイリナの後方に行ってしまう。

 

そこに待っていたのは…

 

 

 

小猫とアーシアの二人…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…では無く、“男”の八神であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その上、彼は丁度何かを考え込んでいるようで、兵藤がこちらに飛んで来ていることに気づいていなかった。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!避けてくれぇぇぇぇぇぇ!!」

 

止まることが出来ないでいる兵藤は、泣き叫びながら懇願する。

 

「あ?」

 

しかし、まさか自分の元に飛んで来ているとは思ってもいなかった八神は反応する事が出来ず…

 

無慈悲にも、兵藤の手が八神の肩に触れてしまった。

 

 

 

 

バァァァァン……

 

 

 

 

八神は一糸纏わぬ姿に早変わりした!

 

 

「………」 ガクガク

 

「………」パンッ バシューン!

 

 

無言で震える兵藤。無言で周囲に壁を創り、密室のようにした八神。

兵藤の顔は、絶望感溢れるものとなっていた。

 

「イッセー…貴方にそんな趣味が…?」

 

「…流石に引きます。」

 

「違いますよ!俺は健全な男の子です!」

 

リアス、小猫とそんなやり取りをした後、その場にいた誰もがこれ以上口を開く事は無かった。

 

聞こえるのは、そこで木場とゼノヴィアの剣が打ち合う金属音だけであった。

 

 

 

 

ボゴゴ…

 

 

 

 

「!!?」

 

 

 

 

やがて、先程とは違った服を身に纏った八神が壁を壊して出てきた。

 

「…なぁ、イッセー」

 

「はい!何でしょうか⁉︎」

 

兵藤はその場に正座して背筋をビシッと伸ばす。

恐らく、この状況を見ている者の殆どは恐怖に近い何かを感じたであろう。

 

「テメェ…やってくれんじゃねぇか?」

 

「あ!いや、そんな!滅相もございません!別にシュウの裸を見ようなんて思ってないし!ホモでもゲイでも何でもないし!」

 

顔に青筋を浮かべ、明らかに怒っている八神と、必死に弁解をする兵藤。

この光景は、関係の無い者からすると、哀れにしか映らなかったであろう…。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

一方、木場とゼノヴィアの戦いも終わりを迎えようとしていた。

まだどちらも傷を負っているわけではないが、着実に攻撃を決めているゼノヴィアに対し、木場の方は全て無力化されている。

このまま勝負を続けたとしても、木場の負けになるのは火を見るよりも明らかであった。

 

その上、木場は既に冷静さを失ってしまっていた。

 

『さぁ!この僕の魔剣の破壊力と君の聖剣の破壊力!どちらが上か、決めようじゃないか!!』

 

身丈と同じぐらいの大きさの魔剣を構え、ゼノヴィアに向かっていく木場。

 

『…残念だ。剣の才能はありながら、そのような暴挙に走ろうとは…。』

 

ゼノヴィアは己の剣を振り上げ、木場の魔剣を砕こうとした…。

 

 

 

「ほんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

そこへ、兵藤が奇声をあげながら吹き飛ばされてきた。

 

兵藤はそのまま木場の魔剣の側面に当たり、木場の手から魔剣を叩き落とす。

 

一体、なぜ彼が飛んで来たのか…?

 

 

 

「おいユウト、試合終了だ。お前らの負けだ。」

 

 

 

兵藤が飛ばされてきた方向から、八神が歩み寄ってきていた。

 

「ま…負けだって⁉︎まだ勝負は終わっていない!」

 

「自分の戦い方を捨てた奴に勝機なんて無ぇよ。これ以上やっても無駄なだけだ。」

 

正論をぶつけられた木場は、何も言わずに俯くだけであった。

 

確かに八神の言う通り、木場は自分の最も得意とするスピードでの勝負を捨てた。木場のスピードが、全くと言えるほど通用しなかったからだ。

焦った木場は、普段は使うことが無い“力”での勝負に持ち込んだのだ。その上、相手にしているゼノヴィアは明らかにパワー重視の剣士。勝てる可能性は、誰が見てもゼロである。

 

「…でも、それでも!」

 

「止めたくないってか?聖剣を壊すために、命を投げ出すとでも言うつもりかよ。」

 

八神は木場の心境を読み、彼の考えを否定する様に言葉を遮った。

木場は唇を噛み締め、手を握り締めている。

 

「そんなに戦いがしてぇんなら、オレが相手してやるよ。今、丁度イライラしてるんだ。」

 

その言葉を引き金に、木場は新たな魔剣を創り出し、八神に向かって飛びかかった。

 

 

「うあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

木場は叫びながら魔剣を振り下ろす。

 

八神はその剣を左手で捉え、右手で剣を“分解”する。

己の獲物がアッサリと破壊され、放心状態となった木場の頭を掴み、地面に叩きつけた。とは言え、寸止めであるから木場の頭にダメージはないが。

 

「これが今のお前だ。戦う力が殆どない通常体のオレにすら勝てねぇ。少しは冷静になりやがれ。」

 

八神はそう言うと、木場の頭から手を離し、ゼノヴィアの元へ歩いて行く。

 

『悪りぃな、水を差しちまった。』

 

『構わないさ、彼は冷静さを失っているところがあった。ああなると、私のような部外者よりも、身内の者が諭した方が効果がある。』

 

ゼノヴィアも聖剣を元のように収めていた。先程のような敵意は既に無くなっているようだ。

 

『また今度、ユウトの頭がマトモになった時ぐらいにでも、模擬戦してやってくれ。今度は木刀か何かでな。』

 

『フフッ、了解した。』

 

 

次に、イリナの元へと歩いて行った。

 

イリナは倒れ伏せた兵藤の頭をツンツン突いている。

 

「あのね、これは天罰だと思うの。これに懲りたら、もうあんな変態な技は封印する事ね。」

 

「うぅ…確かに、まさかあんな事になろうとは…。いや、でも技を封印なんてしたく…」

 

「まだ何かブツブツ言ってんのか変態君。」

 

心の中で葛藤が起きていた兵藤に、八神は軽くコツンと小突いた。

 

「まさか幼馴染の片方は悪魔になってて、もう片方はその協力者だったなんてね〜。」

 

「まぁ、元はと言えば、入った部活が偶々悪魔の巣窟だっただけなんだがな。」

 

 

一言二言、軽く言葉を交わした後、イリナはゼノヴィアと共に帰っていった…。

 

 

 

 

 

……何処に帰って行ったのかは甚だ疑問ではあるが…。

 

 

ーーーーーーーー

 

「ダメよ祐斗!戻って来なさい!」

 

リアスの悲痛な叫びが響き渡る。

 

聖剣使いの二人が帰って行った後、木場が再び何処かへ行こうとしていた所を、リアスが必死に止めようとしているのである。

 

木場はリアスの叫びを聞きながら、スッと八神の方を向く。

 

「…やっぱり、僕はどうしてもやらないといけないんだ。」

 

その言葉を残し、ゆっくりと足を進めていく木場。

後ろ姿しか見せていないが、ハッキリと現れている“拒絶”のオーラ。それは「誰もついてくるな!」と言う木場の心を表しているように思えた。

 

「祐斗…」

 

リアスには、彼の背後を見送る事しか出来なかった…。




雑談ショーwith木場

八「言っとくが、この場では本編での雰囲気を引きずる事はNGだからな。いつもの優男なお前でいてくれ。」

木「うん、分かったよ。よろしくね。」

八「ハハッ、やっぱお前はそうじゃねぇとな。さて、あの後ユウトは一体どこに向かうのでしょうか⁉︎」

木「そうだね…。取り敢えず、あの二人にはリベンジを果たしたいな。いや、まずはフリードの方かな?出来る事なら、盗まれたという他の聖剣も壊したいところだし。それに…」

八「…なぁ、いつもの優男なお前でいて欲しいんだが…。」

木「ん?いつも通りだよ?」

八「…ダメだこりゃ。」
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