閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

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活動報告には記載致しましたが、こちらでも謝罪させて頂きます。

先程投稿いたしました三十五話は、僕の知識不足により削除させて頂きました。内容としては、行方不明である筈の聖剣を何故か教会が管理しており、奪われてしまうというものです。
すぐに原作を読み返してみれば、明らかに行方不明であるという表記がされておりました。


今回の変更点は、
・ガベリが奪ったのは一本の聖剣
・正教会も襲撃されている
の二点でございます。

皆様には大変ご迷惑をおかけ致しました。本当に申し訳ありません。


三十五話目

【三人称視点】

 

八神が飛び出していったレストラン店内では、兵藤を始めとする聖剣破壊同盟の六人が強張った表情で座っていた。

 

先程、突然ゼノヴィアに掛かってきた一本の電話。その電話に出て、少し話したかと思えば急に叫び声をあげるゼノヴィア。

一体何に驚いたのだろうか…。兵藤達は不安を感じずにはいられなかった。

 

『…あぁ……うん、分かった。こちらに任せてくれ。』

 

そう言ってゼノヴィアは電話を切った。

 

『ちょっとゼノヴィア?突然叫び出すなんて、何があったの?』

 

イリナが席を立ち、ゼノヴィアに尋ねる。

ゼノヴィアは暫くの間黙っていたが、ゆっくりと口を開いた。

 

 

『…教会に残されていた最後の聖剣が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……奪われた。』

 

 

兵藤達が囲んでいたその一席に、ザワッと緊張した空気が流れた。

 

『…カトリック教会が昨日の夜、プロテスタント教会が今日の朝、そして正教会が今日の昼に襲撃を受けたそうだ。仕掛けてきた者はたった一人だったそうだが、恐ろしく強く、誰一人として相手にならなかったらしい。』

 

『誰一人って…嘘でしょ⁉︎だって、教会には、訓練を受けた大勢の神父達や悪魔祓いが…!

それに、カトリック教会からプロテスタント教会、正教会ではかなりの距離があるわ!そんな短時間で移動できるわけが…!』

 

『私だって信じられないさ。何度も確認したし、何度も私の耳を疑った。

…けど、どうやら本当の話みたいなんだ。』

 

重苦しい顔を浮かべるイリナとゼノヴィア。兵藤達には彼女達の様子を伺う事しか出来なかった。

 

『なぁ、それって、また堕天使の仕業なのか?』

 

兵藤がゼノヴィアに尋ねる。ゼノヴィアは顔を一層硬くし、答えた。

 

『いや、違うみたいだ。堕天使と共通している点は、背中から生えた一対の翼だけ。後は全く違う。

どちらかと言えば天使の翼の方に似ているらしいけど、彼らはまず聖剣を奪う理由がない。』

 

『じゃあ、一体誰が……。』

 

聖剣を持ち去った謎の人物…。兵藤達は彼、あるいは彼女の正体について考えていた。

しかし、思い当たる節は何も無い。

 

『このまま此処で考え続けていても仕方ない。取り敢えず、身元が判明している堕天使の方から取り掛かるとしよう。

そうすれば、いずれその者についての情報も入ってくるさ。』

 

ゼノヴィアはそう言って席を立ち、

 

『今日はご馳走様。何か分かったら、また連絡して欲しい。』

 

と言葉を残し、そそくさとレストランから出て行ってしまった。

 

『じゃあねイッセー君。頑張ろうね。』

 

イリナもゼノヴィアと同じ様に、さっさとレストランから出て行ってしまった。

 

 

 

その場に残ったのは、兵藤らグレモリー眷属と匙の四人。

すると、木場もまた席を立った。

 

「じゃあ、僕もこれで失礼するよ。僕は僕で、聖剣の捜索を続けるから…。」

 

そう言って立ち去ってしまおうとする木場。兵藤は、また木場が遠くに行ってしまいそうな予感がして、声を掛けようと腰をあげる。

しかし、木場の前に小猫が立ちふさがった。

 

「…小猫ちゃん?」

 

小猫は俯いたまま木場の前に立っていたが、スッと顔を上げて木場の顔を見る。

その瞳は少し潤んでいた。

 

「…お願いです、祐斗先輩…。…いなくならないで……。」

 

小猫の必死な願い。その悩殺力は半端ではなく、兵藤がこれを受ければ、例えどんな頼み事でも引き受けてしまうだろう。それ程の威力があった。

 

木場は暫く黙っていたが、フゥと息を吐き、一言。

 

「…小猫ちゃんに頼まれたら、嫌とは言えないね。分かった、一緒に頑張ろう?」

 

どうやら、木場も小猫の《頼み攻撃》には耐えられなかったようである。

 

木場が戻って来てくれる。兵藤と小猫はそう思って、それぞれが歓喜の顔を浮かべた……。

 

 

 

「…なぁ、結局何だったんだよ。俺未だに何が何だか分かんないんだが…。」

 

 

 

そこへ、匙がボソリと呟く。

すっかり忘れられていたが、彼もまたこの作戦の重要な人物の一人であった。

 

 

ここからは完全に余談だが、ひょんな事で兵藤と匙が意気投合を果たし、匙が積極的に聖剣破壊作戦に参加するようになった。

 

なぜ意気投合したかって?それは聞いてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ただ一言だけ言うならば、やはり男は変態であった、という事だ。

 

あとは察して欲しい……。

 

 

尚、今回の六人分の食費を兵藤一人が全て賄うことになり、兵藤の財布がすっからかんになったのは、また別のお話……。

 

 

==============

 

一方、こちらはオレサイド!

 

こちらは完全にガベリの野郎に苦戦を強いられております!

 

ガベリの戦闘スタイルは、凄まじいスピードで空を飛び、相手の死角から斬撃を繰り出すというものなんだ。

 

そのスピードはまさに電光石火。感覚神経が強化されている射撃体となっていても余り捉えることが出来ないほどなんだが…

 

おかげでオレの攻撃は一向に当たらねぇのに、あちらの攻撃は当てられ放題な始末だ。

 

ちくしょう!ちょこまかと飛び回りやがって!

 

 

 

 

たかがペリカンのくせに…とお思いの方。オレの名誉の為に言っとくが、実はペリカンはかなり獰猛な性格なんだ。

体格は鳥類最大級の大きさで、鳩や小さな鳥を襲い、丸呑みにしてしまう程だ。知らなかったろ?オレも最近知った。

 

 

 

 

 

だが、そんなアイツにも弱点はある。

 

 

翼だ。あの野郎の翼を無力化してやる事が出来れば、絶対オレの方が優位に戦う事が出来る。

フラグでも振りでも何でもねぇぞ⁉︎本気で絶対勝てるんだ。

 

何でかと言うと、ガベリにとっての戦闘方法は、いずれも翼がある事で最大の効果を発揮しているんだ。

逆に言えば、その翼の動きを封じるか、翼を剥ぎ取ってしまうかすれば、ガベリの戦闘力は軽く半減はする筈なんだ。

 

本来ならアイツが羽休めのために降りてきたタイミングを狙えばいいんだろうが、アイツ耐久力でも上がったのか、未だに疲れた素振りを全く見せてねぇ。

 

 

だからオレは翼を集中的に狙ってんだが……。

 

 

ガベリがそんな事簡単に許すはずがねぇよな〜。オレがどんな戦法使っても、あの手この手でヒョイヒョイと躱してしまう。

 

いつまで経っても不利な流れが続く。クソ、イライラしてきた。

 

 

俊敏体になれば、辛うじてガベリの動きについていくことが出来るんだが、少し気を抜けばあっという間に見失ってしまう。

 

射撃体になれば、ガベリの動きをある程度は見抜く事が出来る。しかし、放った矢ではガベリを倒すどころか、翼を撃ち抜くのも難しい。

 

剛力体になれば、確実にガベリを一撃で葬る事ができる。しかし、動きについていけなければお話にならねぇ。

 

格闘体は未だ試してねぇが、この調子だと上手くいかないのは目に見えている。

 

 

 

これでどうやって戦えばいいんだ!

 

 

 

せめて、この三つの形態の能力を併せ持つ事が出来れば…!

 

あ〜!無い物ねだりをしても仕方ねぇ!こうなったら、今持ち合わせている力のみを使って、ガベリを相手してやらぁ!

 

 

『取り敢えず止まれ!』

 

 

射撃体になったオレは、ガベリに向かって突風を起こした。

 

翼を持っている奴には風が結構有力なんだ。多分翼が風をもろに受けるんだろう。

 

『クッ!』

 

ほら、アイツの動きが大分鈍った。

今が好機だ!ここを逃したら暫く攻撃出来ねぇぞ!

 

即座に俊敏体にチェンジし、ガベリまでの距離を一気に詰めた。胸の石を一個とって槍に錬成し、ガベリを地面に叩きつける。

そこで剛力体にチェンジ!さっき作った槍を剣に変えた。その間、わずか数秒。

まだアイツは下にいる!

 

 

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

 

ザシュ!という音と共に、オレの剣がガベリの翼を斬り裂いた!

 

いよっしゃぁぁぁぁ!!これで勝つる!!

 

『フッ、どうだ?これで貴様の命と言える物が無くなったな?』

 

オレは余裕があるようにそう言った。

内心で思ってる事と少し違うけど、まぁ仕方ねぇよ。この姿で大はしゃぎしている姿とかしたくねぇもん。

 

『ジャラジから聞いていたけど…確かに妙な力を持っているみたいだね。』

 

ガベリが悔しそうにこちらを見上げている。残念だったな、今回はオレの勝ちだ。

 

『コレじゃ、今は武が悪い。』

 

ガベリはそう言うと、斬り裂かれた自分の翼を掴み

 

 

 

 

 

ブチブチッ!

 

 

 

 

 

と、引きちぎってしまった。

 

 

ウェェ気持ち悪りぃ。何で翼を持っている奴は、翼に怪我を負うと捨ててしまうんだよ。見届けているコッチの身にもなれよ。

 

『自分から窮地に足を踏み入れるとは…。翼が無ければ、貴様は何も出来ないのではないか?』

 

オレがそう尋ねると、ガベリは嘲笑するようにククッと笑った。

 

 

『そんなもの、すぐに治るさ。』

 

 

そう言うと同時に、ガベリの背中から新しい翼がバサっと生えた。

 

 

……え!ちょ待てよ!あんだけ苦労して、やっと与えた一撃だぞ⁉︎そんなアッサリ治るとか聞いてねぇぞ!

 

 

『幾度も繰り返したゲゲルの成果さ。異常な程の再生能力と回復能力。お陰で、例え翼がもぎ取られようが斬り裂かれようが、あっという間に元通り。つまり、唯一のぼくの弱点が無くなったんだ。』

 

 

 

……嘘だろ?コイツはオレが元いた世界でも十分ゴ集団に昇格出来そうな実力だったよな?

あの時はガベリの翼に疲労がたまって奴の動きが鈍くなり、そこをクウガ…ユウスケに突かれて撃破されたんだ。

 

コイツのさっきの説明では、回復能力にも優れているらしいから…疲労が溜まらないって事か。

 

つまり、アイツは常にベストスピードで飛び回れるって事だよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…じゃあ、オレはアイツのスピードについて行けない限り、アイツを倒す事が出来ないってことか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっと事の重大性につい気がついたみたいだね。君のどの形態でも、僕を倒す事は出来ないんだよ。』

 

ガベリは得意げに翼を広げ、挑発するような口調で話しかけてきやがった。

 

『ここからが本番…と言いたいけれど、今の僕の力じゃ君を倒す事も出来ない。このまま戦っても決着がつかないから……、今日はこの辺で失礼するよ。』

 

そう言ってガベリは空を見上げた。

まさか!逃げる気か⁉︎

 

『待て!ガベリ!!』

 

慌ててガベリを捕まえようとしたが、少し遅かったようだ。オレの指がガベリの足元にチョンと触れるだけで、ガベリを止める事は出来なかった。

 

アイツはここに来た時と同じようなスピードで空を飛び、あっという間に見えなくなってしまった。

 

 

 

…取り逃がしたのは少し腹ただしいが、もう過ぎたことは仕方ねぇか。

 

オレは人間態に戻って、今後の事を考える事にした。

 

アイツは何より、自分が強くなる事に執着しているところがある。その上、より効率的な方法を求める筈だ。

となると、ゲゲルの対象にするのは“力を持った人間”だろう。いや、ライザーも標的だった事を考えると、悪魔が狙われる可能性も十分ある。

 

今この町にいる“力を持った人間”はイリナとゼノヴィアだけだ。後は全員一般市民だからな。

悪魔で考えると、オカ研の部員の皆と生徒会役員がいるな。部長は常に朱乃先輩が隣についている。前回の修行もあるんだ、二人でかかれば何とか追い払えるだろ。アーシアはあの面子に入っていなかったから、部長が守ってくれるだろ。

生徒会は全員一緒にいるし、心配することは何もない。

 

となると、別行動する気満々なイッセーや小猫、木場と匙(思い出したぜ〜)が心配だな。

たしか、ゼノヴィアやイリナもこいつらと一緒に行動するっぽかったな。

 

 

 

…よし、決めた。

 

 

 

暫くの間、アイツらの後をついていくことにする。

いつでも変身して戦えるようにするために、アイツらにバレない様についていくことになるが、何とかするしかねぇ。

 

 

そうと決まれば、明日から早速始めるとするか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…誰だ、壮大なフラグ回収っていったの。

 

 

==============

【三人称視点】

 

その頃、駒王町の上空では、ついさっきまでガドルと激戦を繰り広げていたガベリが、目に留まらないスピードで飛び抜けていた。

 

ガベリは腰のベルトに隠れるように提げていた一本の剣を取り出す。

 

先程の戦いでこの剣を使わなかった理由、それはこの剣の性質にあった。

 

この剣は使用者を選ぶ。つまり、選ばれた剣士でない限り、この剣の力を引き出す事が出来ないのだ。

 

光り輝く剣を見据え、ガベリはニヤリと怪しい笑みを浮かべた。

 

『ぼくが一本、教会どもも二本、そして堕天使どもが三本…。この町に六本が揃ったわけだ。

後は聖剣使いの二人から聖剣を奪い取り、三本を堕天使どもに渡せばいい。そうすれば、奴らが勝手に一本に纏めてくれるだろう。

…本来なら七本全てが揃った状態でやりたかったけど、どこにあるのか分からないんじゃ仕方ないか…。

取り敢えず、奴らが聖剣を一本に纏めた後、ぼくがその使い手となる奴を殺す。それだけでいいんだ。』

 

まるでこの町で起こらんとしている出来事を熟知しているように、ガベリは呟いた。

ガベリは手に持つ一本の剣…教会に残されていた聖剣を収める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そして…、ぼくは更に強くなる…。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガベリは更にスピードを上げ、深い闇の中に飛び去ってしまった…。

 




雑談ショーwithゼノヴィア

八『前回触れる事が出来なかったんだが…、お前ら何であんなに飯にがっついていたんだ?』

ゼ『フフッ。恥ずかしい事だけど、お金が無くなってしまってね。食事にありつく事が出来なかったんだ。』

八『日本に仕事しに来て、そんなに日にち経ってねぇよな?何ですぐに無くなったんだ?』

ゼ『……実は、イリナが妙な絵を買ったんだ。その絵の値段がかなり高くてね、あっという間に金欠さ。』

八『なるほどな、イリナならやりそうだ。』



?《ちょっと〜!!何をそこで陰口ついてるのよ〜!!》



八『…外が騒がしいので、今回はここまで。また次回にご期待ください。』
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