閣下が生きるハイスクールな世界   作:佐竹 リン

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ドライブ本編最終回…ハート様…カッコよすぎ…。

序盤にちょっとだけ出たゴースト、チェイスの元となった人物、タイプトライドロンが出た時から絶対やると思ってた全てのタイヤカキマゼール…。最後まで盛りだくさんだった内容でした。
一年間ありがと〜!!

さて、あとは特別編。アレはパラレルワールドなのかな?封印したドライブに変身するし、チェイサー出て来てるし。
何にせよ、楽しみです!


三十六話目

 

聖剣破壊組の追跡を始めて数日。

 

アイツらは悪魔稼業を終わらせてから捜索を始めるから、今は時間的にかなり遅い。今A.M何時?

まぁ、お陰でオレもバイト終わらせてからでも十分間に合うんだけどな。

 

見たところ、アイツらも未だ何の収穫もないみてぇだ。謎の神父服やシスター服を着て、偽の十字架(本物だと、悪魔の皆は頭が痛くなるらしい)を手に持ち、この街中の教会という教会を回っている。

 

神父服を着ていれば、ただの人間と戦う必要もない。そういう理由があるんだろうな。

 

オレはそんな光景を真後ろから見守っていた。もちろんバレないように対策も立てているぞ。

 

 

 

教会の中を歩き回り、時には祭壇を持ち上げたりしながら情報を集めようとしているが、結局は何も見つからなかったようだ。

 

「今日も収穫なしか…。」

 

溜息をついてイッセーがそうぼやいた。

確かに、情報が少なすぎるもんな。コレじゃあどこを探せばいいのか見当もつかねぇだろう。せめて堕天使の本拠地が分かればいいんだろうが…。

 

今日のところは解散する事にした様で、全員が荷物をまとめ始めた。

 

 

 

 

 

その時、匙が何かを感じたように叫んだ。

 

 

 

 

 

「上だ!」

 

イッセー達はその叫びを聞いたと同時に空を見上げた。空から襲撃して来たのは、白髪の神父だった。

 

『神父の一団にご加護あれってね!』

 

神父は手に持った剣でイッセー達に斬りかかり、ユウトが魔剣を創ってその一撃を受け止めた。

 

暫くギリギリと均衡した状態が続いていたが、神父が剣を薙ぎはらうように振り、ユウトを弾く。

 

ユウトが少しだけ宙に浮いたが、そのままイッセー達がいるところに着地、神父もそれに向かい合う位置に立った。

 

 

あの特徴的な長い白髪、同業者相手でも容赦なく斬りかかろうとする奴。

 

アイツは……フ…フリー…何だ…?

 

『フリード・セルゼン…!』

 

あ、そうそう、それそれ。

 

『その声はイッセー君かい?お久しぶりでござんすね。どうだい?Doragon Powerは上がったのかNA?』

 

 

フリードが一本の剣を構える。確かこの前の話で、ユウトがフリードと戦ったって話をしていたな。フリードもエクスカリバーを一本持っているとも言ってた。

じゃあアレがその一本か…。イリナとゼノヴィアが持っていた二本と合わせて、三本見てきたことになる。

 

アイツが持っているエクスカリバーは、見た目だけじゃ能力が何か見極められねぇな。

 

『さぁて、今度こそ君達をkillさせて貰いますよ。何度も何度も取り逃がして、こっちも腹が立ってんだよ!』

 

そう言ってフリードがイッセー達に飛びかかっていった。

コレはヤバいかもな。オレも変身して参戦したほうが…

 

 

 

 

…いや、やっぱりやめだ。

 

 

 

 

相手は聖剣持ち。悪魔である皆には相性が悪りぃが、相手にならないわけじゃねぇと思う。

 

それに今回はユウトが冷静になっているし、イッセーと小猫、匙がいる。いくらフリードが聖剣持ってるとは言え、四人で一緒に戦えば苦戦する事はねぇだろう。

 

 

推測ではあるが、ガベリは多分何処からかこの戦いを見物しているだろう。イッセー達に加えて、聖剣使いのフリードがいるんだ。ガベリからすれば、唯のカモだからな。

 

イッセー達を狙って下りてきたガベリを倒す為にも、下手にあの戦いに乱入して、オレの存在がガベリにバレるって事になるのは避けたい。

 

マジでピンチになった時はすぐに乱入する。それでいいだろ。

 

 

 

オレは…一応辺りを見張っておくか。

 

どこからあの野郎が見ているのか、分からねぇしな…。

 

 

==============

【第三者視点】

 

『ブーステッド・ギア!』

 

【Boost!!】

 

フリードとの戦いが始まり、兵藤は早速自分の神器、〝赤龍帝の籠手〟で倍加を始めた。

今回は木場が聖剣を破壊する事が主な目的であるため、全面的にサポートに回るらしい。

 

兵藤が考えている作戦。それは木場に力を“譲渡”する事だった。

 

赤龍帝の籠手には二つの能力があり、一つは前から判明していた“倍加”の能力であり、倍加した数だけの力が付加されるもの。

そしてもう一つが、倍加した力を味方の誰かに与える事で、自分では無くその味方の力を倍加させるというものであった。

 

つまり、兵藤が一度倍加させた力を兵藤自身が使うこともできるし、木場に与える事もできるのだ。

 

その能力を使えば、木場の神器である〝魔剣創造〟で創られる魔剣の数を二倍にする事も可能だ。

 

今、兵藤はいつでも木場に“譲渡”出来るように倍加を続けているのだ。

 

 

今は木場と小猫、そして匙が主になって戦っている。

 

『ラインよ、伸びろ!』

 

匙がそう叫ぶと、匙の腕にカメレオンの頭の様なものが現れ、その口からシュルルっとベロのような触手が伸びていく。

 

その触手はそのままフリードの足に絡みついた。

 

『ウゼェっす!』

 

フリードはその触手を切り離そうとエクスカリバーを振った。

 

しかしエクスカリバーはその触手を斬る事はなく、そのまますり抜けてしまった。

 

『へっ!そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ!木場!今のうちに存分にやっちまえ!』

 

『ありがたい!』

 

木場が二本の魔剣を手に取り、一気にフリードに迫る。

 

一方のフリードは、どこが愉快なのか声を上げて笑っていた。

 

『ははっ!そんな魔剣程度で俺さまのエクスカリバーちゃんに勝とうっての⁉︎甘いんだよ!』

 

フリードが振ったエクスカリバーが、木場の持つ魔剣を粉砕した。

木場はすかさず距離を開け、再び魔剣を創り出したが、創っては砕かれ創っては砕かれ…以前の戦いと同じ流れになるのは明確であった。

 

「木場!譲渡するか?」

 

「まだやれるよ!」

 

兵藤のサポートを拒絶した木場。彼は自分の力でフリードを、エクスカリバーを破壊したいという想いがあった。

 

『ハハハ!なんだか知らないけど、エクスカリバーちゃんを見る目が怖いねぇ!憎しみでもあるの?けど、こいつで斬られれば悪魔くんは消滅確定だぜ?死んじゃうよ?死んじゃうぜ?死んじゃえよ!』

 

フリードがそう言って木場に飛びかかっていく。木場は新たな魔剣を創ってフリードの剣を受け止めようとするも、またもや一撃で破壊された。

間髪入れず、二撃目を与えようとするフリード。

 

 

「……イッセー先輩、祐斗先輩を頼みます。」

 

「うぉぉぉい!小猫ちゃぁぁぁん!」

 

 

それと同時に、小猫が兵藤を持ち上げて、RPGの便利アイテムよろしく木場とフリードの元へぶん投げた。

 

物凄いスピードで二人の元へ近づく兵藤。

 

「こうなったらやけだ!木場ぁぁ!!譲渡すっからなぁぁぁ!」

 

「うわっ!イッセーくん⁉︎」

 

《Transfer!!》

 

譲渡の音声がなり、兵藤が溜めてきた倍加の力が木場に渡された。

 

「…貰ったからには使わないとね。〝魔剣創造〟!」

 

木場が神器を発動させ、辺りに様々な魔剣を創り出した。あちこちから魔剣が生える…。お花畑ならぬ魔剣畑のようだった。

 

『チィッ!』

 

フリードは足元から生えてきた魔剣を避ける為に攻撃を中断、後ろに飛んだ。

 

しかし、着地したはずのフリードはガクッと膝から崩れ落ちる。何事かと思っていると、フリードの足に巻きついている触手が光を放っているのが目に映った。

その光はフリードから匙の方へと流れていくようだった。

 

『…これは!俺っちの力を吸収してるのか…⁉︎』

 

『どうだ!これが俺の神器、〝黒い龍脈〟【アブソリューション・ライン】だ!こいつに繋がられれば、お前の力は俺の神器に吸収され続ける!お前がぶっ倒れるまでな!

木場!さっさと決めちまえ!』

 

『…不本意だけど、確かに君はここで倒した方が良さそうだ。次の使い手に期待するとしよう。

…フリード・セルゼン、ここで斬らせてもらう!』

 

木場は魔剣を手に持ち、素早い動きで一気にフリードの元へ走り出す。

 

木場の魔剣が、フリードの首元へと迫る……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、かなり強い風がそこら一体に吹いた。

 

少しして、木場とフリードの間に小規模の竜巻が起こり、二人の距離を引き離す。

 

その場にいる全員が怪訝の表情を浮かべている時、どこからか落ち着いたような声が耳に入る。

 

「悪いけど、まだそいつを死なせる訳にはいかないんだ。」

 

何者かが、木場とフリードの間に降り立った。

 

 

 

「こいつは、ぼくの計画に必要な人材の一人だからね。」

 

突然の乱入者、ガベリは薄っすらと笑みを浮かべながら言葉を発した。

 

 

『…何処のどなたでございますか?ひょっとして、悪魔くん達のお友達かな?』

 

フリードは殺意を向けた状態で尋ねる。ガベリはゆっくりと振り向き、フリードの国の言語で答えた。

 

『まさか、一応助けに来たことになるよ。今この場だけだけどね。』

 

 

 

その様子を兵藤、小猫、木場は緊張した顔で伺っていた。

 

「な、なぁ、兵藤。あいつは一体何なんだ?」

 

悪魔の中で唯一グロンギの事を知らない匙が小声で尋ねた。

 

「…敵だよ、それもかなり強い。」

 

兵藤はかなり簡単な説明を返したが、匙は兵藤の尋常じゃ無さそうな顔を浮かべているのを見て、身構える。

 

 

丁度その頃話が終わったのか、ガベリが兵藤達の方に向き直る。

 

「君達に一つ質問がある。君達の協力者に、あと二人の聖剣使いがいるだろう?その子達の居場所を教えてくれないか?」

 

覇気のこもった声でそう問われ、兵藤達は大きな悪寒を感じた。

少しだけ身震いをしていたが、兵藤はグッと拳を握り、答えた。

 

「…知らねえよ。仮に知ってたとしても、教えるわけがねえだろ。」

 

その答えに同調するように、木場達もそれぞれが身構える。

 

「…そっか、なら…」

 

ガベリは落胆するような様子を見せると、翼を広げていく。

 

「ここで殺しておくか。」

 

そう呟き、ガベリは飛び上がった。

再び倍加を始める兵藤、魔剣を構える木場、ボクシングポーズをとる小猫、触手をフリードに繋げたまま構える匙。

ガベリはそんな彼らに向けて急降下し、翼を叩きつける。

 

 

 

 

 

ガキンッ!と、翼が何かに阻まれた音がなる。

 

 

 

 

今のは兵藤が受け止めたのではなければ、木場でも小猫でも匙でも、フリードでも無かった。

 

 

「お、お前!また!」

 

 

第二の乱入者、ガドル。

 

「…やはりこの者たちを狙っていたのか、後をつけておいて正解だった。」

 

ガドルは手に持っていた槍の先をガベリに向ける。ガベリは忌々しげにそれを睨んだ。

 

「まだ君と戦う用意は出来てないんだよ、少しくらい待っててくれてもいいだろ。」

 

「悪いが、そういう訳にもいかん。貴様の狙いがこの少年達だろうがなんだろうが、人が殺されるのを見過ごす事は出来んのでな。」

 

両者に緊迫した空気が走った。

 

 

 

その時、ガチャっとこの教会の扉が開かれた。

 

 

『イリナ!ゼノヴィア!』

 

外から入ってきたのは、イリナとゼノヴィアの二人だった。

 

ゼノヴィアは教会の様子をジト目で見て、一言。

 

『…何だ、あの珍生物は。』

 

珍生物呼ばわりされた二人の後ろに雷が落ちた。未確認生命体とは言われたものの、珍生物とは言われた試しがない。

 

『…ふ、ふん!珍生物だって!お笑いだねガドル!』

 

『何を言うか!どうせ貴様のことだ!貴様の方が明らかに変であろう!第一そのマスク、怪しい感満載ではないか!』

 

『このマスクの良さが分からないのか⁉︎それを言うなら君だってなんだよその中途半端な角は!発展途上ですって感じでカッコ悪い!』

 

二人が醜い押し付け合いを始めたところに、更に一言。

 

『どちらもだ。』

 

再び雷が落ちた。

先に言っておくが、ゼノヴィアには天然要素はあっても毒舌など人を馬鹿にするような要素はあまり持ち合わせていない。その為、彼女は思った事をそのまま口にしてしまうのだ。前回のアーシアの件もそうだった。

 

つまり、今回も…

 

 

「…貴様らの所業を見逃すわけにはいかん。」

 

「今更カッコつけても意味ないと思うぞ?」

 

どこか悲しそうな目をしているガドルに小さくツッコミを入れる兵藤。

 

 

 

その時、ガドルは背後から忍び寄る殺気を感じ、持っていた槍を後ろに振る。

 

槍はガドルの首を刈り取ろうとしていた剣とぶつかり、ギィン!と甲高い音がなる。

 

その剣の持ち主は空中でクルクルと回転し、地面に着地した。

 

『ひゃはははは!やっと出会えましたね〜カブトムシ君!』

 

忍び寄ってきていた者はフリードだった。彼は昔、兵藤とアーシアを襲撃した際に、ガドルに気絶させられた事があった。その為、彼はガドルに強い恨みを抱いていたのだ。

 

『…今は貴様の相手をする暇は無い。さっさと失せろ。』

 

『かぁ〜手厳しいお言葉。強者の余裕ってやつですかい?あぁムカつく。そう言う奴を斬り刻むのが、俺っちの楽しみなんですよぉ!』

 

そう言って、フリードはエクスカリバーを持って走り出し、ガドルに斬りかかっていく。

 

兵藤達の目では彼の剣さばきが目に入らないほどの速さであり、消えていくようにも見えた。

 

『どうかな?どうかな?コレが俺さまの〝天閃の聖剣〟【エクスカリバー・ラピッドリイ】!速度だけなら、負けないんだよっ!』

 

『…なるほど、確かに速い。』

 

ガドルは全ての剣を捌く事は出来ないようで、偶に一撃をもらっていた。

 

そこで、ガドルはスッと手を伸ばし…

 

 

高速移動していたフリードをガシッと掴んだ。

 

 

『何⁉︎』

 

『だが、本体を捕らえられれば…』

 

 

右手をギリギリと後ろに伸ばし…

 

そのままフリードの左頬に叩き込んだ。

 

 

『ブベロォォォォ⁉︎』

 

 

奇声を発しながらフリードは吹き飛ばされていく。

 

『それで終わりだ。少しの間眠っていろ。』

 

ガドルは手のホコリをパンパンと弾いた。

 

 

ガベリはフリードが殴り飛ばされる所を、何も手出しをしないで見ていた。

 

『意外だな、邪魔をしに来るかと思ったが』

 

『いや、割と好都合だよ。ぼくと君達の戦いに、中途半端に首を突っ込まれると厄介だからね。君がやらなかったらぼくがやってた。勿論、君が殺そうとしたら止めるつもりだったけどね。』

 

ガベリはそう言って翼を広げ、少し飛び上がる。

 

『せっかくだし、君達がやる気になれる物を見せてあげるよ。』

 

ベルトから何かをゴソゴソと取り出し、兵藤達に見せつけた。

いや、正確には、木場とゼノヴィアとイリナの三人に。

 

『『『!!?』』』

 

ガベリが持っていたものを見て、驚愕の表情を見せた三人。そして兵藤と小猫と匙も、それから感じられる力に顔を顰めた。

 

『…そうか…貴様が!!』

 

ゼノヴィアがエクスカリバーの柄を握り締め、駆け出していった。

イリナと木場も同じ様に飛び出していく。

 

『はぁぁぁぁ!!』

 

『やぁぁぁぁ!!』

 

『うぉぉぉぉ!!』

 

それぞれの獲物を振るい、ガベリとの戦いを始めた。

 

 

兵藤達とガドルはその戦いを外から見ていた。ガドルは一回溜息をつき、兵藤達の方に向き直る。

 

『…少年、こうなっては致し方ない。貴様らだけでも先に逃げると良い。』

 

『無理だ!木場を置いて行けるわけ!』

 

『心配するな。木場というものも、あの少女らも殺させはしない。

…だが、子守する人数が増えるのは厄介だ。』

 

子守と言われ、兵藤達は少し嫌な顔を浮かべたが、すっと後ろに引いていく。

 

それを見たガドルもまた、ガベリとの戦いに参戦していった…。




雑談ショーwithリアス

リ「最近、イッセー達が何かこっそり動いてるみたいなのよね〜。」

八「まぁこの年齢ですからね。人に言えない事をしてしまうってのも、あると思いますよ?」

リ「それはそうなんだけど…。やっぱり心配なのよ?」

八「大丈夫っすよ。本当にヤバイことになって来たら相談来ると思うんで。」

リ「……貴方、時々オジンくさいこと言うわね。」

八「お、オジンくさい⁉︎オレはまだピッチピチの十代ですよ⁉︎」(実年齢でも三十代!)
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