最近色々なところでオリキャスライダーが見れて嬉しい私です。まあ一番印象的だったのは浅倉ですが(笑)。あの人全然変わってねぇ…。
それでは、どぞ〜
※流れを軽く変更しました
「さて、ヴァーリ」
「なんだ、アザゼル」
リアスと兵藤が旧校舎に向かった後の会議室で声をあげたアザゼルに、壁に寄りかかる形で立っていた白龍皇、ヴァーリが答える。
「お前は外で敵の目を引け。白龍皇が前に出たとなれば、奴らの作戦も多少は崩れるだろうさ。それに、何かしらの動きを見せるかもしれん」
「俺がここにいることは、あっちも承知済みなんじゃないか?」
「だとしても、キャスリングで赤龍帝が中央に転移してくるとは予想してないだろう。その上でお前まで出てきたとなれば、確実に奴らの動揺を誘える」
「問題のハーフヴァンパイアごと、テロリストどもを吹き飛ばしたほうが早いんじゃないかな?」
サラリと告げられたヴァーリの言葉に、会議室全体の、特にその場に残ったグレモリー眷属の木場とゼノヴィアの表情が凍る。
一方のアザゼルは、彼の発言に焦るわけでも怒るわけでもなく、淡々とした態度で向き合った。
「和平を結ぼうって時にそれはやめろ。最悪の場合はそうするが、魔王の身内を助けられるのなら、助けるに越したことはねぇ」
「了解」
アザゼルの意見にヴァーリはため息をつきながら答え、会議室の窓の前に立つ。
ヴァーリの背中から白い光が飛び出し、光の翼が展開された。『白龍皇の光翼』だ。
「……禁手化」
【Vanishing Dragon Balance Breaker!!】
翼から響く音声の後、ヴァーリの体を真っ白なオーラが覆う。光がやんだ時には、ヴァーリの体は白い輝きを放つ全身鎧に包まれていた。
『白龍皇の光翼』の禁手。『白龍皇の鎧』である。
禁手を発動させたヴァーリは会議室の窓を開き、勢いよく空へ飛び出していった。
そしてそのまま、白龍皇による魔術師たちの蹂躙が始まる。
外の魔術師たちはヴァーリの技になすすべも無く消滅させられていく。その度に新しく魔法陣が展開して次の集団が現れるが、それも間も無くして倒される。
現れ、倒され、現れ、倒され…。白龍皇の無双ぶりは凄まじいもので、もしこの場に兵藤 一誠がいれば、自分のライバルとなる男との力量の差に驚くことであろう。
一方、会議室に残った面々のうち、サーゼクスがキャスリングを果たしたリアスの戦車の駒を拾い上げ、真剣な面持ちで声を上げる。
「…アザゼル。ひとつ訊いてもいいだろうか?」
「…んあ〜、なんだ?」
「君はここ数年、神器の所有者を多数集めていると聞いている。神器をそんなに集めて、一体何をしようと言うのだ?」
サーゼクスの問いに、アザゼルは頭をかいてやれやれとでも言いたげの様子で答える。
「神器の研究のため。お前らも知っているように、それが主な理由さ。…だが、もう一つある。俺は備えていたんだよ」
「備えていた? 一体何に?」
「…『禍の団』」
「カオス・ブリゲード?」
聞き覚えのない言葉に、サーゼクスは眉根を寄せる。その場の誰も心当たりがないのか、一人として違った反応はない。
「うちの副総督、シェムハザが前から目をつけていた不審な動きをしている集団だよ。そいつらは三大勢力の危険分子を集めているそうだ。禁手に至った神器持ちの人間も含まれている上に、『神滅具』持ちも数人確認しているぜ」
「その者たちの目的は?」
「破壊と混乱。この世界の平和が気に入らないのさ。しかも最大級にタチが悪い。組織の頭は、〝赤い龍〟と〝白い龍〟の他に強大で、凶悪なドラゴンだ」
「ッ!?」
告げられたアザゼルの言葉に、全員が絶句する。
一度世界を滅ぼしかけた、二匹の龍。その他に強大なドラゴンと言われれば、全員に思い当たる節があったからだ。
「…そうか。彼が動き出したのか…。〝無限の龍神〟オーフィス。神さえも恐れたドラゴン…。この世界が出来上がったその時から、最強の座に君臨し続けている者」
『そう。オーフィスが「禍の団」のトップです』
表情を険しくさせつサーゼクスの言葉に応えるように、聞きなれない声と共に会議室の床から魔法陣が浮かび上がる。
その魔法陣を眺めながら、サーゼクスは忌々しげに呟く。
「…レヴィアタンの魔法陣」
その呟きに、残ったグレモリー眷属の木場は驚きを見せた。彼の記憶にあるレヴィアタンの魔法陣。つまりはセラフォルー・レヴィアタンの魔法陣と床に現れたそれとでは、紋様が全く違ったからだ。
一方、同じく残った眷属のゼノヴィアはその魔法陣を指差して冷静に告げた。
「ヴァチカンの書物で見たことがある。…あれは、旧魔王レヴィアタンの魔法陣だ」
やがて、魔法陣から放たれる光がやむ。そこから現れたのは、一人の女性だ。大きく開かれた胸元に、深くスリットの入ったドレスを身につけている。
「御機嫌よう、現魔王のサーゼクス殿」
不敵な物言いで、その女性はサーゼクスに挨拶をする。
サーゼクスは顔を険しくさせたまま、現れた女性に問いかけた。
「先代レヴィアタンの血を引くもの、カテレア・レヴィアタン。これは一体どういうことだ?」
目の前の女性…カテレア・レヴィアタンは旧魔王の末裔の一人だった。
大昔の戦争で旧四大魔王が滅んだ後、新しい魔王を立てようとした冥界で、最後まで異を唱え続けたもの。それが、旧魔王の血を引く者たちだった。
彼らは冥界の隅に追いやられ、種の存続を旨に新政権が樹立してからというもの、消息が断たれていた。故に、こうしていきなり目の前に現れたのは、何かしらの目的があってのことだろうと予測できる。
カテレアは挑戦的な笑みを浮かべて、口を開いた。
「旧魔王派の者たちは、そのほとんどが『禍の団』に協力することに決めました」
その言葉に、魔王一派はより一層様子を険しくさせる。約一名が可笑しそうに笑っているが、誰も彼について触れようとはしない。
「カテレア、それは言葉通りだと受け取っても良いのだな?」
「その通りです。今回のこの攻撃も、我々が受け持っております」
「…なぜだ、カテレア」
「今日のこの会談の、まさに逆の考えに至っただけのこと。神と先代魔王がいないのならば、この世界を変革すべきだと、そう結論づけました」
神の不在、三大勢力の和平。それらを全て知った上でのクーデターだった。
彼女の考えていることは、ここにいる面々とはまったく逆のもの。改革派のものだ。
「オーフィスの野郎はそこまで未来を見ているのか? そうとは思えないんだがな」
「彼は力の象徴として、力が集結するための役を担うだけです。彼の力を借り、一度世界を滅ぼし、もう一度構成します。
…新世界を、私たちが取り仕切るのです」
「天使、堕天使、悪魔の反逆者どもが集まって、自分たちが支配する自分たちだけの世界を欲したわけか。そのまとめ役が、『ウロボロス』オーフィス」
アザゼル、カテレア、サーゼクスが互いを威圧させながら言葉を交わす。
『ウロボロス』ことオーフィスは、噂では赤い龍や白い龍よりも強いとある。無限の力を有した、神の力に等しいドラゴン。そんな大物が率いる軍勢に、流石にサーゼクスらも慎重なのだろう。
「カテレアちゃん! どうしてこんな!」
悲痛な叫びを上げるセラフォルーに、カテレアは憎悪のこもった睨みを浴びせる。
「セラフォルー、私からレヴィアタンの座を奪っておいて、よくもまあぬけぬけと! 私は正当なるレヴィアタンの血を引いていたのです! 私こそが魔王にふさわしかった!」
「カテレアちゃん…。わ、私は!」
「安心なさい。私は今日あなたをここで殺し、魔王レヴィアタンを名乗ります。そして、オーフィスには新世界の神となってもらいます。彼は象徴であればいい。あとのシステムや法、理念は私たちが構築する。ミカエル、アザゼル、そしてルシファー…サーゼクス。あなたたちの時代はここで終わりです」
カテレアの言葉に、サーゼクスもセラフォルーもその他の魔王も、そしてミカエルも表情を陰らせた…。
そんな中、一人だけ愉快そうに笑う男がいた。
「…ふっ、 くっくくく…っ」
一人で心底可笑しそうに笑うアザゼル。悪童らしく、邪悪な笑みを見せていた彼に、カテレアは明らかな怒りを含めて問いかける。
「アザゼル。何がおかしいのです」
「…いや、おまえら。揃いも揃って世界の変革かよって思ってよ」
「そうです。それが一番正しいのですよ、アザゼル。この世界は」
「腐敗している? 人間は愚か? 地球が滅ぶ? おいおい、今時そんな言葉、下手な悪組織でも使わないぜ?」
「アザゼル、あなたもあなたなのですよ。それだけの力を有しておきながら、今の世界に満足などと…」
「言ってろ。おまえらの目的はあまりに陳腐で酷すぎる。なのにそういう奴らに限ってやたらと強いんだよな。まったく、傍迷惑なこった。
気づいてるかレヴィアタンの末裔。おまえ今、盛大に死亡フラグをブッ立ててるんだぜ?」
「アザゼル! あなたはどこまで私たちを愚弄するか!」
これまで抑えていた怒りを抑えきれなくなったのか、カテレアは全身から魔力のオーラを迸らせて叫ぶ。
「サーゼクス、ミカエル。あいつは俺がやろう。手ェ出すなよ?」
一触即発の空気になったところで、アザゼルはゆっくりと立ち上がった。堕天使の総督が、薄黒いオーラを放ち始める。まるで戦闘高揚でもしているかのように……。
「…カテレア、降るつもりはないのだな?」
サーゼクスからの、最後の通告だった。しかし、カテレアはその首を横に振る。
「ええ、サーゼクス。あなたはいい魔王でした。でも、最高の魔王ではない。だから、私たちは新しい魔王を目指します」
「そうか。残念だ」
その確認を見届けたアザゼルは、校舎の窓際一帯を吹き飛ばして外に飛び出す。
十二枚の黒い翼を展開して、同じく空に舞い上がったカテレアに向けて言を放つ。
「旧魔王のレヴィアタンの末裔。『終末の怪物』の一匹。相手として悪くない。カテレア・レヴィアタン。俺といっちょハルマゲドンでも洒落込もうか?」
「望むところよ、堕ちた天使の総督!」
校庭のはるか上空で、堕天使の総督と旧魔王の末裔の戦闘が行われる。光と魔の力がぶつかり合い、激しい攻防戦が繰り広げられた。
次元の違う力に押され、何の反応も出来ずにいた木場の元に、サーゼクスが歩み寄る。
「木場祐斗くん。私とミカエルはここでこの学園を覆う結界を強化し続ける。アザゼルとカテレアが暴れる以上、被害は大きくなるかもしれない。できるだけ外に被害を出したくないからね。
悪いのだが、グレイフィアが魔術師転送用の魔方陣の解析が済むまで、外の魔術師たちの相手をしてくれないか?」
「はい!」
「ありがとう。妹の騎士が君でよかった。その禁手を、妹と仲間のためにふるってくれ」
「はっ! ゼノヴィア、一緒に来てくれ!」
「ああ、私もリアス・グレモリーの騎士だ。木場祐斗、私たちは二振り揃ってこそだと思う。いざ、参ろうか」
グレモリー眷属の騎士二人は、それぞれの獲物を構えて外に飛び出した。
ーーーーーーーーーー
木場とゼノヴィアが向かった先の、校舎を挟んで逆側。いわゆる校舎裏の方では、突然の腹痛に襲われ、ガドルの姿に変貌を遂げた八神が、ようやく痛みの収まった腹部を不安げに見下ろしていた。
(一体何だったんだろうな、ホント…)
今までに感じたことのない異常に、八神は恐れを感じずにはいられなかった。
しかし、いつまでもそのままでいるわけにはいかない。というのも、学園全体が結界で覆われている今、特殊な転移術で外から移動してくるテロリストを除いて誰も学園を出入りすることは叶わないのだ。
そんな中に、明らかに部外者だと分かる見た目をしたガドルがいれば、余計な騒ぎが起こる事に繋がる。下手をすればテロリストの一員だと思われることもあるだろう。化け物として疎まれるならともかく、奴らと同じ目で見られるのは勘弁だと考えた八神は、その姿を人間のそれに戻そうとする。
「っぐ! あがががが…!」
しかし、そこで再び痛みが走る。痛みの程度は先ほどのものよりかは低いが、何度も腹部を殴打されているかのような痛みに、八神は咄嗟に人間の姿に変わろうとするのをやめる。すると、その痛みもほとんどタイミングを同じくして収まった。
今の痛みに疑問を感じながら、今度は慎重に形態変化をし始める。しかしゆっくりと変化をしようとした八神に同調するかのように、若干の痛みが腹部を走った。せいぜい腹をつねられているかのような小さな痛みだが、八神はその痛みに警告のような、拒絶反応のようなものを感じ取った。
まるで、八神が人間の姿に戻るのを拒むかのように…。
(…まさか、人間の姿に戻れなくなったってのか?)
彼にとって一番考えたくない予感が浮かび上がる。さっきの激痛も、人間の姿の時に激しく起こり、グロンギ態になってしばらくした後に収まったのだ。
だが、いくらなんでも突発的すぎるだろうと思い直す。テロが起こり、ギャスパーの停止能力が発動するまで何ともなかったこの身体が、何の前兆もなしにそんな事態になるとは考えにくい。何かしらの原因があるのだろう。その原因が払拭された時に、元の体に戻れるはずだ。その点は安心しても良いだろう。
しかし、彼にとっての問題は、別のところにあった。人間の姿に戻れないと言うことは、このままグロンギの姿でい続けなければならないということだ。
先ほど述べた理由の通り、このままグロンギの姿でいることは彼にとってリスクが大きすぎる。誰かに見つかることのないように隠れていればその存在が感知されず、敵として見られることはないだろう。ところがそれは、ギャスパーが心配な彼にとってはそれは苦渋な選択であった。
仮に人の姿に戻ったところで、自分が時間停止能力の影響を受けていないことに対する説明は必要だ。全員が納得する理由を考えるのは非常に難しい話だが、それでも部外者のガドルが結界内にいることに対する説明よりかは多少なんとかなりやすい。ところが今の彼はガドルの姿から戻れない。非常に納得されにくい理由付けが、多大なるリスクが必要となってしまうのだ。
ーーーードオォォォォォォォンッッ!!
凄まじい破裂音が校舎の方から響く。少し考えにふけっていたガドルは、半ば反射的に校舎裏の物陰に身を潜めた。
そっと顔を出して音のした方に視線を向ける。すると、校舎の会議室があるあたりの窓一帯が何かしらの力で吹き飛ばされているのが見え、更には二人の人物が翼を生やして校舎内から飛び出してきたところだった。
(アレは…アザゼル?)
校舎から現れた二人のうちの一人は、堕天使総督のアザゼルだ。改めてよく観察すると、二人は互いに魔力の弾をぶつけ合ったりしているようだった。
恐らくもう一人はテロリストの一員なのだろう。テロリストのリーダー格が会議室に直接ジャンプすることに成功し、アザゼルと交戦することになったというところだろうか。
何にしろ、マズイことになったと顔を歪める。空で戦うアザゼルには、校庭全体を一望することが十分可能だろう。交戦中のためにあまり地上を警戒することがなくても、視界の端にでも見覚えのない怪人がいれば多少なりとも気に留めるだろうし、場合によってはあの戦いを終わらせてからでもこちらに向かってくるかもしれない。
そうなってはもう終わりだ。アザゼルに敵意を向けられれば、アザゼルと戦うこととなってしまう。ガドルの力は強大な方であるとはいえ、流石に限界はある。彼と戦うと言うのであれば、電撃体の力を持って全力で挑まなければならないだろう。
しかし、彼は今倒すべき敵ではない。コカビエル戦の後の研究で分かったことだが、電撃体にはある弱点がある。時間制限だ。電撃体は一日一回の変身で、その時間は決まっている。彼を鎮めるためだけに上限のある力を使うのは上策とはいえない。
では、通常体で相手をしてはどうか。電撃体にさえならなければ、その力を温存することはできるだろう。しかし、それではアザゼルを抑えることが難しくなる。下手にアザゼルを相手してしまえば、よくてその場で敗北。最悪の場合、その場の全員を相手することになる可能性もある。それもそれで良い作戦とは思えない。
(…クソッ! どうすればいい!? このままだとギャスパーが…!!)
自身に降りかかるリスクを考慮してこのまま身を隠し続けるか、自身を危険に晒してギャスパーを助けに行くか。一瞬の葛藤が彼に襲いかかる…。
しかし、そんな葛藤に襲われていた彼の目に、校庭へと飛び出して行く二人の人物が映った。グレモリー眷属の騎士、木場とゼノヴィアだ。
二人は校庭に陣取る敵の魔術師たちを次々と斬り捨てていく。接近戦に対する心得はないのか、テロリストの魔術師たちは一方的に倒されていくだけだった。
(ユウトと、ゼノヴィア? じゃあ、部長とイッセーは…)
二人と同じく、時間停止能力の影響を受けていないリアスと兵藤の姿を探す。ところが校庭中のどこを探しても、二人の姿は見受けられなかった。
とすれば、木場とゼノヴィアとはまた違う行動に出ているのだろう。最も考えられることとしては、今彼が行おうとしていたギャスパーの救出行動だ。
考えてみれば、ある意味当然のことと言えるだろう。何より仲間想いなリアスと兵藤が、捕らえられたギャスパーを助けに向かわないはずがない。校舎全体が結界と敵の魔術師たちに囲まれてはいるが、中には各勢力のトップ陣営が出揃っている。リアスだって立派な悪魔の次期当主なのだ。ひとつくらい対抗策があってもおなしくない。
(…そっか。皆が、いるんだよな)
数日前に、リアスから悟られたことを思い出す。少しは皆を信じ、頼って欲しい…。それが、彼女の願いでもある。
今回の件は、すでに部員たちがそれぞれで動き始めている。相手するのは一人一人がズのグロンギ以下の実力しかない魔術師だ。おそらくこのまま部員たちに任せても、相手を鎮圧することは十分可能だろう。
大きく息を吸い、そして吐く。今までは早いとこギャスパーを助けにいきたいとしか考えていなかったために考え付かなかったのだが、今ここで自分が動けば、思わぬ敵が現れたと校舎内にいる仲間たちに余計な動揺を誘いかねない。そしてそのせいで変な影響でも起きようものなら、目も当てられないことになる。
(…ここは皆に任せよう。オレは万が一の事態にあわせて、いつでも戦場に行けるようにだけしておいたほうがいい)
このまま自分が出て行くことなく、他の面々に任せていてもこの騒動はいずれ収まる。ならば余計な動きはしないで、確実な手段を取ったほうが良い。そう考えたガドルは校舎裏のより奥の方に身を移し、影に身を潜めた。
いずれ起こる、より強大な敵との戦いに備えて…。
ーーーーーーーーーー
「お待たせにゃん♪ 美猴」
「ん? おう! 随分と久しぶりだぜぃ、黒歌」
「それなりに上手くいってるみたいね」
「おう。今のところは、だけどねぃ。あいつも上手く紛れ込んでるみたいだぜぃ」
「ふーん。まぁ、私にはどうでもいいんだけどね。あの子も元気そうで、よかったにゃん♪」
「…それで、いいのかい?」
「…何が?」
「例のやつに、礼でも言っとかなくてよ」
「……いいのよ。暫くの間、夢を見ていただけなんだから」
ーーーーーーーーーー
『……匂う』
『うまそうな匂いが……集まっている』
『覚えのある……血の、匂いも…』
雑談ショー withアーシア (ガドルver.)
ガ「さて、いよいよ決戦だな」
ア「うぅ…イッセーさんも木場さんもゼノヴィアさんも部長さんも、大丈夫でしょうか…」
ガ「なに、心配することはない。今の彼らなら大丈夫だろう」
ア「私たちも動かなくなってしまうなんて…早く皆さんを応援したいです」
ガ「焦ることもないさ。兵藤 一誠が吸血鬼の少年を救うまでの辛抱さ」
ア「そ、そうですね…! イッセーさんたちを信じて待ちます!」
ガ「うむ、私も彼らを信じ、その時が来るのを待つとしよう」
ア「ところで、その…カブト虫さんはなにをなさっているのですか?」
ガ「分からぬか? 木になりきっているのだ」
ア「ああ! 体が茶色いからですね!」
ガ「そういうことだ。木になりきればなんとやら、という話を聞いたことがある」
ア「凄いです! これならきっと見つかりにくいですよ!」
ガ「そうだろうそうだろう? ハーハッハッハッハ!!」