Dance Macabre   作:ネオバレットファイア

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「ただいま」

 

「遅かったな」

 

家に帰ると姉が帰ってきていた。

 

「あぁ、ねぇさんか。ちょっと話があるんだがいいか?」

 

姉は冷蔵庫を開け片手にビールを持っていた。

 

「あぁ、なんだ?」

 

ビールのカシュッという小気味いい開封音。姉はそのまま一口目を一気に煽る

 

「卒業後束さんについて行こうと思うんだ。」

 

ブッフォっという吹き出し音から俺の顔に何かかかる。何か、いやビールだった。姉が盛大に吹き出したビールだった。

 

「きったない。」

 

「ゴホゴホ、お前は何を言っているんだ?」

 

「記憶の手がかりを探すのをてつだって貰う。その代わり束さんの実験に付き合ったりする。あぁ、給料は出るらしいから心配しないでって」

 

記憶の話を持ち出すと姉は黙ってしまった。そして

 

「お前に気を使わせてしまってるならすまないと思っている。それでも、あいつについて行くのはやめておけ」

 

そう一言つぶやいた。

 

「気を使ってるわけじゃない。俺自身が自分の記憶を取り戻したいって考えてるんだ。」

 

そう言うと姉はしばらく黙って真剣な眼差しでこちらを見てくる。

 

「はぁ、わかった。お前がそこまで言うなら好きにしろ。ただし、束には合わせろ。」

 

「わかったよ」

 

そう言った直後ガチャっというドアの開く音がする。

 

「なぁ、秋人どういうことだよ。」

 

ドアの方を見るとそこには今までの話を聞いていたであろう一夏がいた。

 

「どういうことって、そういうことだ。俺は卒業したらこの家を出て行く戻ってくるさ」

 

「ふざけるな!」

 

「は?」

 

「死んだかと思ってた所にようやく帰ってきたと思ったらまたどっか行っちまうのかよ!」

 

ヒートアップしたのか胸倉を掴み上げられていた。

 

「おいおい、落ち着けって今生の別れってわけじゃないんだからよ」

 

確かに一夏の言っている事もわからないわけじゃない。

ケジメをつけなければならない事なんだ。たとえ家族から逃げる事になったとしてもな。

 

「いや、やっぱりそれでいい。ぬるま湯に浸かってるようなやつじゃあそれがお似合いだよ。

 

「なんだと!」

 

「わからないのか?煽ってるんだよ。もう、1年前の事も忘れてのうのうと中学生生活を送って、楽しそうだな?え?お前は記憶があるから今のぬるい環境が居心地がいいんだろうさ。だがな、俺はお前と違うんだよ!お前と違って記憶がないんだよ!必死なんだよ!だけどもう遅い。悪いが俺はこの家を出ていく」

 

そう、言い切ると一夏はそのまま自分の部屋へ向かっていった。

 

「ふっ、お前も相当不器用らしいな」

 

「なんの事だかさっぱりだな。」

 

 

 

 

 

 

 

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あの日から時間は過ぎ、卒業式の日。その教室では…弾が号泣していた。

 

「ゔぁぁぁぁああぁ、ごれでぇ別れるのがよ”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”」

 

「うるさいぞ弾。しかも藤原竜也みたいになってるし」

 

「だってよおお」

 

一夏は別のグループと話している。あの日から一言も言葉を交わしていない。

当然の結果だ、俺はそれを望み、あいつはそれを受け取った。ただ、それだけ

そう思いつつ、ふと窓の外を見てみると校庭の木にメカうさ耳をつけたスーツ姿の女性…束さんがそこにいた。普通に待ってればいいのに

 

 

 

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無事、式も終わり家族で集まる。家族の空気はギシギシしてるけどな。

 

「やっほー、ちーちゃん!あーくんを迎えに来たよ!」

 

「束…お前どういうことだ?」

 

「どういうことってー?」

 

「お前は昔秋人がいない所で散々秋人の事を悪く言ってただろうに。それが今になって必要になるとはどういう気の代わりだと聞いているんだ」

 

姉は束さんに向けて異様な殺気を向けている。

 

「あれ?ちーちゃん知らないの?あの「束さん、いいでしょう?もう、行きましょう」あ、そうだったね。」

 

「ねぇさん約束は守りました。俺はこれで。」

 

俺は姉と一夏をおいてその場から去る。暫く歩いた所で束さんは急にメガネをかけ始めた。

 

「目、悪かったでしたっけ?」

 

「んーん、ステルス化してる乗り物がここら辺に…あった!」

 

側からその様子をみると見事なパントマイムに見える事だろう。だが、俺は見たのだ。束さんのレンズ越しにオレンジ色のでかい何かがあるのを。

 

「これで、どーだ!」

 

そういうと、そこには巨大なニンジンがあった。

もう一度言おう。そこには巨大なニンジンがあった。

 

「いや、これって」

 

「ニンジン型のロケットだよ。ほら、乗った乗った!」

 

ロケットに無理やり押し込まれる。そのまま束さんが乗り込み発射される。

発射されたのにGは無いと言ってもいいぐらい負担はなかった。

 

「で、あーくん。報酬って本当にあれでいいの?」

 

ロケット内で電子新聞を読んでると声をかけられる。

 

「ええ、構いませんよ。」

 

「会社一つでいいなんてね。しかも潰れかけの。なんて、名前だっけ?」

 

「デュノア社ですよ。第二世代型IS『ラファールリバイヴ』はデュノア社が開発しシェア数としては世界最高クラスなんです。」

 

「へー、ま、ぶっちゃけどうでもいいんだけどね。」

 

「恩返しですよ。俺を助けてくれた女の子へのね。」

 

そう言って手元の電子新聞に載ってる【デュノア社!社長交代?!】という記事に載ってる写真の隅にいる女の子を確認する。

間違いない。これはあの時の少女だ。

これからの事で楽しめそうではある。

 

 






やっとシャルだせる。長かったかも。
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