一方「おい、本当にこの魔術ベクトルでお前に勝てるようになンだろうな?」
静馬「は?そんな訳ないじゃん。」
一方「ッンだと、テメェ!?」
静馬「魔術ベクトルが操作できるようになっても、魔術そのものは能力者には使えないし。
たとえ魔術が使えても音速戦闘できなきゃ意味ないぞー。」
一方「だったらソッチを教えやがれッ!!」
静馬「……分かんないのか?」
一方「アァ!?」
静馬「シナプスの伝達と神経伝達を加速させれば出来るんじゃないのか?
まあ、肉体が耐えられないだろうけど。」
一方「無意味じゃねェか!?」
静馬「だから普通のベクトルじゃできない肉体強化を、魔術ベクトルで何とかするんだよ。」
一方「……どォやってだ?」
静馬「そこは自分で考えだしてくれ。」
一方「ンだそりゃアアアァァァ!!」
どうする?
どうすれば姫神を助けられる!?
姫神は自分で錬金術師の元に居るって言ってた。
でも、このままじゃ姫神は願いを叶えられない。
一般人を巻き込むような錬金術師の方法じゃ、ハッピーエンドは迎えられない!
そしたらきっと姫神も……兄ちゃんみたいに
あの、見てる方が心を引き裂かれるような、悲しい
―――そんな
だけど、どうすればいい?
俺もステイルも記憶を消され、あっさり放り出されちまった。
言葉1つで何でも思い通りにできるなんて反則だろ!?
あんな奴と、どう戦えばいいんだ!?
魔術サイドのことだからインデックスに聞くか?
―――ダメだ。
ずっと魔術師に追われてたアイツを、また怖がらせちまうかもしれない。
それにインデックスだって、猫を拾って可愛がるような普通の女の子なんだ。
危険に巻き込む訳にはいかない。
だったら兄ちゃんに聞くか?
―――ダメだ。
兄ちゃんのことだから、話せば助けてくれるのは間違いない。
だけど、それじゃあ昔と何も変わらない。
兄ちゃんの役に立つどころか、俺が足手まといになっちまってる。
“それ”じゃダメなんだ!
俺が誰かを助けられるんだって、兄ちゃんの隣に立てるってことを見せないと。
何か方法はないのか!?
「おい、能力者。あの人はまだこの街に居るんだろ?
手を借りられないのか?」
「ダメだ!!
……それはできないって最初から言ってるだろ。
俺たちだけで何とか―――!?」
何だあの光!?
三沢塾が崩れる!?
「―――あれは『
塾で生徒たちに無理やり使わせてたヤツか!?
でもあれじゃ姫神まで―――
「……ビルが、元に戻っていく?」
「これも『
「そんなことまでできんのかよ……。」
ますますどうすればいいのか分かんなくなってくるぞ!?
「―――……にゃー。」
……スフィンクス?
どうしてここに?
それに被ってるのは……インデックスの―――
「まさかインデックスがあそこに!?」
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
「―――行かねェのか?」
「お呼びじゃないさ。
当麻ならあの位、簡単に片づけられる。」
「そォかよ。」
三沢塾の隣に立つビルの屋上に、2つの人影があった。
学園都市第一位『
2人とも先ほどまでは
謎の発光現象を目撃したため様子を見に来たのだ。
……御坂妹は既に寝ていたためお留守番だ。
現場で2人が見つけたのは、当麻とステイルの急増コンビだった。
そして三沢塾に張られている魔術結界に気付いた静馬が、
隣のビルからの観戦を提案したのがさきほどのことである。
幸い、敵と思しき男は、高層階の全面窓張りの部屋に居る。
ここからでも十分のぞき見できるだろう。
未だ謎の多い魔術(今回は使われているのは錬金術だが)について知る絶好の機会だ。
観察に徹するのは悪い手ではない。
ほどなくして
何事か話していたようだが、すぐに戦闘が始まった。
突然、床に倒れたり、苦しそうに喉を押さえたり、電撃を消し飛ばしたりと、
目まぐるしく状況は移り変わる。
少しでも情報を得ようと見つめる
いつものお節介好きの静馬なら、現場へと飛び込んでいてもおかしくない。
しかし実際には、ただ自分とともに観戦しているだけだ。
―――“自分の弟が戦っている”というのに、だ。
「……(何を考えてやがる?―――それとも何か“知って”やがるのか?)。」
チラリと視線を送った先では、静馬は大人しく観戦しているように見える。
そしてその目は、勝敗の分かった試合を見るように、興奮も動揺も見られなかった。
いいや、もっと穿った見方をすれば、
それは“何度も見た録画映像を見ている”ような空虚な目に見えないこともない。
また1つ謎が増えやがった、と
隣の静馬から声が上がった。
「―――おぉ?」
つられるように視線を戻せば、右腕を斬り飛ばされた当麻が哄笑を上げていた。
狂ったか、と
そして当麻の右肩から現れたドラゴンに頭を喰われた。
「……ンだそりゃア?」
何がどうなったらそうなるのか、原理も理屈もさっぱり分からない。
思わず
それだけの怪現象が目の前で起こったのだ。
だというのに―――
「よし!じゃあ帰るか!」
と静馬は言い切った。
その言葉にも
つい
「―――は?」
その声に、静馬は不思議そうに問い返した。
「ん?何だ、れーた?どっか寄っていくか?」
「誰がれーただッ!!つかそォじゃねェだろうが!?
だいたいテメェの弟はイイのかよ!!?」
「―――ああ、心配してくれたんだ?
でも大丈夫だよ。カエル先生なら綺麗に治してくれるさ。
あ、でも明日はお見舞いに行かないとな。」
「誰も心配なンざしてねェよ!
~~~クソがッ、もォどうにでもなりやがれ!!」
言い捨てるなり屋上から飛び降りる
「あ、待てよ。置いて行くな!」
追い縋るように飛び降りる静馬。
当然2人とも命綱などつけていないし、飛行できる道具を持っている訳でもない。
しかし、彼らの心配などする必要はまるでない。
何故なら彼らは、片や学園都市の
静馬「おーい、当麻。お見舞いにきてやったぞー。」
当麻「えっ!?兄ちゃん!!?どうして怪我したの知ってるんだ!?」
静馬「入院したら家族に連絡いくのは当然だろ?」
当麻「あ、そっか……。」
静馬「それにしても随分賑やかだなw」
当麻「これはインデックスのやつが―――」
姫神「……こんにちわ。」
静馬「こんにちわー。……両手に花か。やるな当麻www」
当麻「ち、ちがっ!?」
静馬「それにしてもシスターに巫女さんかぁ。
兄ちゃんはどっちかていうとナースさんが好きだけどなw」
当麻「っ!?(ここにもナース属性が!?)」