上条当麻には兄がいる   作:暁 煌

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これが当麻の日常なのか……

 

 

 

そろそろ昼だな。

今日は何を食べようか―――

 

<prr……prr……>

 

―――と、誰だ?

番号は表示されてるけど名前じゃないってことは、登録してないヤツからだよな。

うーむ、まあ出てみるか。

 

「はい、もしもし?」

『うひゃっ!?つ、つながった?これ、つながったんだよね?』

 

かけてきておいて何を言ってんだか。

というか―――

 

「―――その声、インデックスか?」

『うん!私!インデックスなんだよ静馬!!

 私1人でケータイを使ったんだよ。偉い?偉い!?』

 

インデックスよ……嬉しそうにはしゃいでいるが、今時小学生でも携帯は使えるぞ。

いや、魔術漬けだったインデックスなら結構な進歩なのか?

……とりあえず褒めとくか。

 

「おー、随分科学サイドのことも分かってきたみたいだな。偉いぞー(棒」

『えへへへ、そうでしょ!当麻も静馬みたいにもっと私を褒めるべきなんだよ!

 だいたいこの前だって―――』

「待て待て。その話はまた聞いてやるから、何の用か先に教えてくれ。」

 

このまま続けさせたら1時間以上喋り続けかねないからな。

しかも不満や愚痴を言っているようで、実のところ惚気みたいなもんだし。

寂しい独り身としては勘弁願いたい。

 

『あ、そうだよ!未曾有の大ピンチなの!』

「―――当麻に何かあったのか?」

 

まさか、またトラブルに巻き込まれてるのか?

原作内のトラブルなら大丈夫だろうけど、もしイレギュラーなら助けに行かないと。

 

『そうなの!当麻が学校に行っちゃったの!!』

 

……んん?

大変なことってそれぇ?

 

「―――平日だし、普通のことなんじゃ?」

『ちーがーうーの!私のお昼ごはんを用意せずに行っちゃったの!!』

 

飯のことかよ!お前の昼飯が未曽有の大ピンチかよ!

はっきり言ってどうでもいいよ!!

……けど正直に言うと余計面倒くさいことになるのは目に見えてるし。

 

「…………そうか、大変だな。」

 

俺に言えることはこれで精一杯だよ……。

 

『そうなんだよ!大変なんだよ!メーデーなんだよ、静馬!!』

「いやメーデーは違うだろ。……あ~、そうだな迎えに行くからちょっと待っててくれるか?」

『静馬がお昼ごはん食べさせてくれるの?』

「違う違う。一緒に当麻のところへ食べに行こうってことだ。」

『そうなの?分かった!待ってるから早く来てね!』

「りょーかい。また後でな。」

 

もう面倒だし当 麻(飼い主)に押し付けよう。

 

 

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

とゆー訳で、当麻の学校に到ちゃーく。

丁度飯時に着いたが、生徒が校舎からぞろぞろ出てきてるな?

鞄も持ってるし、今日の授業は昼までだったのか。

それならこのまま待ってれば当麻もすぐ出てくるだろ。

 

校門前の木の下で待つことしばし。

インデックスの「お腹空いた」コールも、「当麻はね」コールも適当に聞き流していると、

やっと玄関からツンツン頭が出てきた。

 

「おーい、当麻ー!」

「……兄ちゃん?インデックスまで。学校まで来てどうしたんだ?」

 

呼びかけに気付いた当麻がこちらへ駆け寄ってきて、不思議そうな顔で聞いてくる。

いや何、大した用事はないんだよ?

ただお宅の欠食児童がね―――

 

「どうしたもこうしたもないんだよ!当麻!私のお昼ごはんはどうなっているの!?」

 

―――と仰せなのでね。

ガルル、と今にも噛みつきそうなインデックスに、当麻は鞄を盾に言い訳を始めた。

 

「いや、今日は学校昼までだし帰ってから一緒に食いに行こうと……。」

 

じりじりと距離を取ろうとしている当麻をこのまま見てれば面白いことになりそうではある。

なりそうではあるのだが……先に問題を片付けるとしよう。

目の前のコレも問題ではあるが、もっと優先度の高い問題だ。

それは―――

 

「―――当麻、そっちの女の子は?」

 

そう!女の子だ!!

玄関から当麻が出てきた時、一緒に女の子がついてきたのだ!

それも黒髪ロング!メガネ!!きょぬーさんだ!!!

これは是非ともお友だちになるしかあるまい!

 

「え?ぁ、あの私は、その、風斬氷華っていいます。」

「風斬は2学期になって転校してきたんだ。

 で、まだこの辺りのことが分からないから案内するって約束を―――。」

 

あ、このバカ。

 

「とーうーまー!!!私を放っておいて他の女の子とデート!?デートなの!!?」

「バ、バカ!違う!ただの街の案内だって!?

 だからその歯をしまえ!しまってください!?お願いしますインデックスさん!

 聞いてる!?ちょ、マジ駄目だって―――アァーーーー!!?」

 

ガブガブー、てか。

迂闊なところも原作通りの上条さんだねぇ。

 

さて、俺はオロオロしてるお嬢さんのお相手をしよう。

当麻なら大丈夫だろ。どうせいつものことだし。

 

「どうも初めまして。当麻の兄で上条静馬といいます。よろしく。」

「ぇ、えと、よろしくお願いします。」

 

うむうむ、かわぇえのーww

照れた顔も、頭を下げた時に揺れるサイドの髪も100点です!

腕に挟まれた乳も最高ですwww

 

しかし、どっかで見たことがあるような?

かざきり、風斬……―――風斬氷華ぁ!!?

AIM拡散力場がどうとかっていう、あの風斬氷華!!?

 

「……えっと、氷華ちゃんはどこから来たの?」

「か、霧ケ丘女学院から、です。」

「そっかー、俺は外の人間だからどこか分かんないだけどねー。」

「ぇえ!?な、何で聞いたんですか?」

 

どこかは分かんないけど確認のためにねー。

確かそんな名前の学校だったなぁ。

当麻もかかわってるし、こりゃあ間違いないでしょ。

 

「それじゃ一緒に街に行こうか!」

「ぇ、お兄さんが案内してくれるんですか?ありがとうございます!」

「……って言っても、俺もまだこの街のことはよく分かんないけどねー。」

「ぇえ!?何で誘ったんですかぁ!?」

 

わははは、なかなか良いノリだ!

楽しくなりそうだ!

 

「行こうか、天使ちゃん。」

「て、天使ちゃん?/// それって私のことですか!?な、何で天使なんですか?

 ぁ、ま、待ってください!せめて上条さんを引きずるのは止めてあげてください!?」

 

 

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

「おぉー!これが噂の地下世界なんだね!!」

「地下街な、地下街。」

 

多くの店を見て、目をキラキラと輝かせるインデックス。

そんなインデックスにおざなりに訂正を入れる当麻。

2人を暖かく眺めている氷華。

そんな氷華を見てニヨニヨしてる(静馬)

 

傍から見ると何の集まりに見えるんだろうな?

シスターに学生(男)、制服違いの学生(女)に私服男。

つながりがパッと思いつかないだろうなぁ。

ま、友だちなんてそんなものか。

 

「インデックス、何か食いたい物とかあるか?高いとこと行列ができるとこは禁止な。」

「安くて美味しくて量が多くて、あまり人に知られてないお店がいい!」

 

当麻の問いかけに両手を挙げてぴょんぴょんはしゃぐインデックス。

何とも参考にならないご意見ですこと。

ってことで、具体的な意見を聞いてみますか。

 

「はいはい、インデックスはちょっと落ち着こうな。それで、天使ちゃんは何が食べたい?」

「(ぅう、また天使って///) あ、私は別に何でも……。」

 

ありゃ、こちらも意見なしか。

 

「それじゃあ適当なファミレスでも行くか、当麻?」

「ああ、それならアッチの方―――。」

 

当麻がレストラン区画を指差そうとした瞬間、ビクリと身をすくめる氷華。

 

「……俺が何かしましたか?」

「ぁ、いえ、怖いとかじゃ、ないんですが……。」

 

インデックスの後ろに隠れながら答える氷華に、当麻の腕が力なく垂れる。

確かにこれじゃあ怖がられてるように見えるしな。

いや、怖いのは本当か。

誰だって“消される”のは怖いだろうし。

 

とは言え、このままじゃ固い雰囲気になっちゃうだろうし、お兄さんが一肌脱ぎましょうか。

 

「はいはい。2人は一緒に飯でも食って、もう少し仲良くなろうな。」

 

ぽんぽんと2人の肩を叩きファミレスへと進ませる。

インデックスも「早く早く!」と氷華の背中を押し始める。

その様子を見て当麻も少し気を持ち直したように笑った。

 

「―――ありがと、兄ちゃん。」

「いいってことよ。」

 

 

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

「は~、美味しかったぁ。お腹ぽんぽんぽんのぽーん。」

 

まったくインデックスは……。

けどこれだけ満足そうに笑ってくれりゃ奢り甲斐もあるってもんか。

 

ぞろぞろとファミレスから出てきた俺たちは、そのまま道なりに歩き始める。

後ろでは風斬と兄ちゃんが仲良く笑っている、

 

うーむ……こうして見てると、風斬は男嫌いって訳でもないのか。

飯食ってる時は俺とも普通に喋ってくれたしな。

となると、たまに俺に対してビクついてるのはどうしてなんだ?

 

「ん?何々?なんかテレビがいっぱい置いてあるー。」

 

あん?テレビ?―――て何だゲーセンかよ。

 

「お!おぉ~!!こんなテレビ初めてー!」

「ぁ、いや、これはテレビじゃなくて……。」

 

はは、こういうとこホントにインデックスは世間知らずだよなぁ。

 

<prr……prr……>

 

「ん?何だ、電話?みんな先に入っといてくれ。」

「うん!行こ行こ氷華!静馬!」

 

氷華と兄ちゃんを連れて嬉しそうに中に入っていくインデックスを見送り、かかってきた電話に出る。

 

『……姫が……風……気を……<ブツッ>

「何だぁ?―――ま、地下だしな。」

 

切れちまったんなら仕方ない。

重要な要件ならまたかけてくるだろ。

それよりみんなを追いかけないとな。

 

「おーい、インデックス。どこだ~?」

「―――当麻、こっちこっち。」

「兄ちゃん?」

 

振り向いて確認するとプリクラコーナー前に居る兄ちゃんを見つけた。

ゲームの間を通り抜けて近づくが、インデックスと風斬の姿がない。

 

「兄ちゃんだけ?あの2人は?」

「後ろの更衣室で着替え中。」

 

そう言って兄ちゃんは自分の後ろを指差す。

ああ、コスプレして撮るのか。

……インデックスは普段からコスプレしてるようなもんなんじゃ?

 

「と、当麻!?来ちゃダメだよ!絶対に来ちゃダメなんだからね!!」

「ぇ、あの、今来られると困ります!?」

 

えぇー……2人とも俺のこと何だと思ってんの?

 

「分かってるよ。この上条さんがそんな迂闊なマネを―――。」

「あ、フラグ。」

 

え?兄ちゃん、何言ってるの?

 

「早く着替えちゃうんだよ氷華!」

「わ!?お、押さないで!?」

 

<ビリビリビリッ!>

<ドサッ>

 

スカートを履きかけのインデックス。

兄ちゃんの背中に顔から突っ込んで、抱き着くようになってる風斬。

 

兄ちゃんは―――2人に背中を向けたまま微動だにしていない、だと!?

 

「とーうーまー?」

「え?これは俺は悪くなくね?」

「問答無用なんだよー!!」<ガブガブッ>

「不幸だぁーーー!!?」

 

 

 

 

 

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