「兄ちゃん……っ!!」
バッと掛け布団を払いのけて飛び起きる。
しかし目に入るのは白い壁、白いベッド、白いカーテン。
そして椅子に座って眠り込んでいる白いシスターだけだった。
右手に巻かれた包帯を見るに、ここは病院で間違いないだろう。
傍に居てくれたらしいインデックスに怪我が無いのを見て、ほっと息を吐く。
どうやら今度も助けることができたらしい。
彼女と、彼女の友達の魔術師2人の涙も、止めることができたのではないだろうか。
そうであれば良かったと思う。
かつての兄のように、誰かを助けることができたということだから。
誰かの涙を見て、兄を失ったという『傷』を抉られずに済むから。
「あれは、夢……だったのか?」
降り注ぐ破壊の羽から護ってくれた兄の姿。
以前と変わらず優しい
以前と変わらず差し伸べられた救いの手だった。
あれは夢だったのか……?
「んぅ……とうま?」
「インデックス。」
「起きた!当麻が起きたんだよ!!」
名前を呼べば、くわっと目を見開き飛びついてくるインデックス。
その頭が怪我をした胸へとそれなりのダメージを与えてくる中、
心配を掛けてしまったかとの思いが湧き、そっと頭を撫でてやる。
「ごめんなインデックス。心配掛けちまって。」
「ホントだよ!いっぱいいっぱい心配したんだから!!」
ぐりぐりと頭を押し付けてくるインデックスはまるで猫みたいに可愛かったが、
今はどうしても聞きたいことがある。
いいや聞かなければならないことがある。
「その、さ……インデックス。
兄ちゃん―――俺を助けてくれた人だけど、どこに居るか分かるか?」
「静馬のこと?静馬なら帰っちゃったんだよ?
あ、それより当麻!静馬と兄弟だったんなら、最初に教えて欲しかったんだよ!
そうすれば『歩く教会』を壊される前に当麻の力のこと信じたのに!」
……………………は?
この食いしん坊、まるで兄ちゃんのこと知り合いみたいに言ってね?
いやいやいやいや、はははまさかそんな訳ないよね~。
5年間探し続けてまったく手掛かりも無かったのに、こんな近くに知り合いが居たなんてそんなバカなことないない。
あっはっはっはっは……。
――ごくり。
いや、けど、万が一ということもあるし?
ちょっと確認……そう確認だけ!
「あの~、インデックスさん?
もしかして、もしかするとなんですが、ウチの兄をご存知なんでせうか?」
「? そんなの当たり前じゃない。
静馬は凄い有名人だよ?」
「な、何ぃいいいぃぃぃ!!?」
ゆ、有名人……?兄ちゃんが有名人!?
そんなバカな!?いったい全体どういうことだ??
いや、待て上条当麻。落ち着くんだ。
俺が今まで探してもまったく見つけられなくて、でもインデックスにとっては知ってて当たり前。
それはつまり―――
「兄ちゃんは魔術師……ってことなのか?」
「んーん、違うよ?静馬は『聖人』なの。それもただの『聖人』じゃないよ!
現在世界にたった一人の『神の子』なんだよ!!」
「せ、せいじん?かみのこ???」
「そうなんだよ!
静馬は皆にこう謂われてるの―――
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
彼は『神の子』。
『聖人』の中の『聖人』。
如何なる制約もなくその御業を振るう。
人を助け、心を救う、神の如き人。
数多の信徒による崇拝の対象。
幾許かの使徒は、まるで先達に教えを請うように彼に接した。
一握りの教祖は、まるで神託を告げる者と話すように彼に接した。
しかし、より深く彼と接した者たちは、また違う反応を示した。
彼を只人として接した。
彼ら彼女らは彼に『たくさんの愛』を抱いた。
ほとんどの者は友愛を。親愛を抱いた。
女たちの中には『たった一つの愛』を抱いた者も居た。
しかし、そんな彼らに『彼』は『哀』を抱いた。
そして次の言葉を残して彼らの下を去ったという。
「君たちの気持ちは尊いものだ。
人の持つ最も素晴らしい面の一つだ。
しかし、それは俺に向けられたものではない。
『神の子』という偶像にに向けられたものだ。
だから俺は君たちと共に在ることはできない。」
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
―――だからね当麻。
静馬に助けられた人たちはみんな、静馬を探してるんだよ。
この気持ちは助けてくれた感謝だけじゃない。
聖なる力に対する崇拝でもない。
静馬のことを本当に『愛してる』って伝えるためにね。」
「そうか―――兄ちゃんは、何処に行っても兄ちゃんなんだな。」
「ふふ、そうだね。
静馬は何処に行っても、誰に対しても変わらないね。」
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
「ん~~~っ!」
手を挙げて思いっきり伸びをする。
コキコキと意外といい音が鳴った。
適当に歩きながら、ふと思い出す。
神様のようなナニかに転生させられて早15年。
アレはいったい何だったのか。
15年前、気が付けば俺は赤ん坊で。
でも神様のようなナニかにあったという認識だけはあって。
隣には将来の主人公が寝ていた。
ははっ、マジ意味不明(泣
前世では普通に寝てた筈だ。
でも起きたら赤ん坊だった。
そのくせナニかに魂の底まで覗き込まれ、力を突っ込まれて放り出されたという認識はある。
死んでしまった訳でも、間違いで殺された訳でもない。
どうしたいと希望を言った訳でも、どうしろと命令された訳でもない。
ただただ俺はされるがままに流された。
というか、アレは自然災害みたいなものだ。
人間にはどーしよーもない。
気にするだけ無駄無駄。
それに美人の母親と可愛い弟ができたんだ。
ラッキーだと思っておこう。
……親父?
知らない人ですね。
しっかし、今回はギリセーフってとこだったな。
原作開始が高一の夏休みってことは覚えてたけど、日付までは忘れちゃってたからなぁ。
学園都市に着いた日の夜に、いきなりレーザービーム(笑)がぶっ放されてて驚いたわw
久しぶりに会ったけど、当麻も大きくなってたなぁ。
子供の頃は、可愛い当麻がちゃんと上条サンになれるのか心配したが、
立派になってて兄ちゃん嬉しいよ。
それに当麻の記憶喪失も防げたし、ハッピーエンドに出来ただろ。
後はどんなイベントがあったっけなぁ?
何か他にもあったような気がするが……。
お?
ちょうどいいとこに公園発見!
ジュースでも飲んで一休み―――あれは?
肩まで届くくらいの茶色の髪。
常盤台中学の制服。
そして!自動販売機前での準備運動のジャンプ!!
……どーでもいいことはしっかり覚えてんなぁ。
ズガンッ!
と結構いい音がした。
あー、やっぱり『みこっちゃん』かぁ。
さて、どーするか?
→A,声を掛ける
B,ビリビリは回避でしょ
選択肢はAが選ばれましたw