上条当麻には兄がいる   作:暁 煌

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どうしてこうなった?

 

 

 

 

「あァ? 誰だテメェ?」

「……通りすがりの観光客、かな?」

 

昨日は久々の家族団欒でほっこりしたってのに、今日はいきなりヘビーだぜ……。

最先端科学の街をちょっと見て回ろうと思っただけなのに、

何の変哲もない路地裏でいきなりバイオレンスにエンカウンッ!

 

ひょろっとした体に、白髪頭、赤い目、間違いなく第一位ですね。分かります。

となると、結構重症なゴーグル娘はシスターズだよなぁ。

 

え?何?君らこんな時期から実験始めてたの?

……確か原作じゃ1万くらいまで進んでたんだったか。

それなら始まっててもおかしくないのかな。

1日に2~3回、いや5回実験したとしても、2000日もかかるんだし。

いったいいつからやってるんだか。

 

「チッ! フザケた野郎だな。

 おい、この場合実験はどうすンだ?」

「―――目撃対象は排除する決まりです、と御坂は答えます。」

 

やっぱりそうなるよねぇ!

だがしかぁし!!

黙って排除されるつもりなんぞ無い!

 

『聖人』パワーにモノを言わせてダッシュ!

静止状態からの高速移動で2人には俺の姿を消えたように見えるはず。

 

そしたら一方通行(アクセラレータ)の後ろに回り込んで、左手でタッチ。

当然、反射されないように『幻想転換(リインカーネーション)』は発動済みだ。

反射しようとするベクトルを吸収し、集中力を上げて不意打ちに気を付けつつ、

できるだけゆっくりとした声で話しかける。

 

「まあ、そう急ぐなよ。」

「ッ!!?」

 

突然背後から余裕の声をかけられたことで、一方通行(アクセラレータ)はうかつに動けなくなったはずだ。

少なくとも“反射を無効化して触れる”という俺の能力について警戒するだろう。

 

で、一方通行(アクセラレータ)からぱっと離れる。

目的はこっちに銃を向けようとしてるシスターズ。

何号かは知らんが物騒な子だ。

 

そのままひょいひょいと武器の類を取り上げて、無防備になったところで“左手”で抱え上げる。

荷物みたいな扱いだが、しばらく辛抱してもらおう。

 

バチリとスタンガンのような電気が弾けるが、まるっと腕力へ転換。

攻撃は無効化され、腕力に転換されたことで俺の負担は減った。

 

さて、どこで手当てしようかね?

 

「オイ、どこへ行こうってんだァ?

 まさかこのまますんなり通してもらえるナンて思ってねぇだろうな?」

 

一方通行(アクセラレータ)の鋭い視線に足を止める。

できればこのままトンズラしたかったんだが、そんなに都合よくはいかないか。

なら、ここはハッタリと疑惑でうやむやにしてしまおう。

 

幸い今のところ、一方通行(アクセラレータ)にとって俺は、正体不明、所属不明、能力不明の強者に見えているはず。

怪しい情報を手に入れれば、研究者連中に確認のためにも見逃してもらえるだろう。

 

「なあ、第一位。おかしいと思わないのか?」

「あァ?」

「本当に格下を殺しまくっただけで絶対能力(レベル6)になれるとでも?」

 

ニヤリと不敵に笑って見せれば、一方通行(アクセラレータ)も考えるように眉をひそめた。

 

「……実験のことを知ってるてことは、テメェも関係者か?

 だったら分かってンだろうが。

 樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の予測に間違いはねぇハズだ。」

「俺は部外者さ。

 それに予測が正しいのは『正しいデータ』が入力された時だけだぜ。」

「ナニ?」

 

かかった!

ここでたたみ掛けるぜぇ!

 

樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)は計算を間違えない。

 だが、データを入力するのは研究者(にんげん)だ。

 そいつらは『こんな状況』を想定したと思うか?

 

 実験に乱入してきたやつが、一方通行(アクセラレータ)の反射を無効化する。

 あのレベル5の超能力を、だ。

 

 仮に想定したとして、それはどんな能力で無効化したとの想定だ?

 本当にその想定で合っているのか?」

「…………。」

 

考えてる考えてる。

それじゃダメ押しして逃げるとするか。

 

「例えここで俺を始末しても、もうこの状況は変わらない。

 このまま実験を進めても、もしかしたら無駄骨かもしれないぞ。」

「……チッ。面倒だが確認が必要か。」

 

舌打ちした一方通行(アクセラレータ)がポケットに手を突っ込んだのを見て、

シスターズを抱えたままその場を後にする。

 

ふぅ、何とかバトル展開は回避できたな。

後はこの子をどこで手当てするかだけど―――訳アリの怪我だし、あそこへ連れていくか。

 

 

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

「やれやれ、うちは駆け込み寺じゃないんだけどねぇ?」

 

手術室から出てきたカエル先生に叱られ中なう。

 

「固いこと言わないでくださいよ先生。

 この学園都市じゃ、先生しか信用できる医者が居ないんです。」

 

そう言ってカエル先生に手を合わせて拝み倒す。

この先生なら、明らかに厄介ごとに関わってる怪我人でも治療してくれる。

 

そう思ってシスターズを連れてきた。

原作でも御坂妹ちゃんを診てくれたみたいだし、何より当麻の手当てをしてくれた人だ。

信用できる数少ない人だ。

 

俺の気持ちが通じたのか、やがてカエル先生は頬をかいてため息をついた。

 

「褒めたってこれ以上できることなんてないんだがねぇ?」

「怪我人を治療してくるだけで十分です。

 命を救ってくれるだけで十分です。

 『貴方は、とても尊い仕事をしていますよ。』」

「―――君は……おかしな子(神父みたい)だねぇ?」

「よく言われます。」

 

何か副音声でおかしなこと言われた気がするが、気にしない。

実際おかしな奴ってのはよく言われるしw

 

だから俺は笑って返したのだが、カエル先生は余計に複雑な顔になった。

解せぬ。

 

 

 

 

 





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