当麻「ちくしょう!本当だったら兄ちゃんと買い物に行くはずだったのに補修なんてッ!!」
小萌「上条ちゃーん。余計なことを考えてると何時までたっても終わりませんよー?」
当麻「不幸だーーー!!!」
「……逃げてください、と御坂は深刻な表情で伝えます。」
変わらず無表情のまま、しかし真剣な声で御坂9982号は静馬に告げる。
そして素手のまま果敢にも
「実験なら予定通り御坂がお相手します、と御坂は宣言します。」
「はァ? 聞いてなかったのかテメェ。
お前ら人形は、もう用済みなんだよ。見逃してやるからさっさと失せろ。」
しかし
まるで犬でも追い払うかのように手を振るだけだ。
それも当然だろう。
今まで9981人のシスターズが為す術もなく殺されてきたのだ。
9982号も、昨日静馬が来なければ殺されていただろう。
それでも。そう、それでも、だ。
彼女はそのために造られたのだから。
彼女はそのために今までの短い日々を生きてきたのだから。
(―――彼には死んで欲しくない。
昨日、会ったばかりだけど。
今日、1日一緒に遊んだだけの人だけど。
彼は優しい人だったから。
できることなら、他の姉妹たちにもその優しさに触れて欲しいから。)
ぐっと拳を握り、オリジナルに遠く及ばない電撃を纏う。
(勝てないのは分かっている。
だからせめて彼が逃げられる時間を稼ぐ。)
しかし、そんな決意は大きな背中に覆われた。
今日、何度も見た背中。
理由もなく、頼りたくなる背中。
「おいおい、何を悲壮感漂わせてるんだ?
お前は無表情キャラだったろうが。」
「……今はそんなことを言っている場合では―――」
「いいや。そんな場合さ。これはその程度の状況だ。
……だから、お前は逃げろ。」
力強い言葉だった。
自信のある表情だった。
しかし、最後の台詞に不安を覚えてしまう。
確かに彼は昨日、
だが逆に言えば、“退かせるしかなかった”のではないだろうか。
(それなら彼を助けるには―――。)
ぐっと奥歯を噛み締め、9982号はその場から駆け出す。
完治していない傷は痛み、体は思うように動かない。
このまま無茶を続ければ傷口は開いてしまうだろう。
けれど彼女は止まらない。
止まる訳にはいかなかった。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
「クセェ三文芝居は終わったか?」
「ああ、待っててくれてアリガトウ。」
ウンザリしたような
何だかんだ言って、こういうところ
捨て切れない優しさって奴かね?
けどまあ、この後もその優しさに期待するのは止めた方が賢明だろう。
昨日と同じ戦法はもう通じないだろうし、どうやって無力化するかな。
「自信ありマスってぇツラだなァ。
だが、テメェの能力のネタはもう割れてンだ。
他人の能力を吸収して身体能力アップだろ?
だったら直接使わず、純粋な
ダンッ!と
なるほど。確かにこれなら石礫は間接的に飛ばされただけだから、左手で勢いを吸収できないな。
まあ、そんな必要もないんだけど。
両手でパパッと石礫を砕く。
これくらい聖人パワーがあれば余裕だ。
むしろもっとでかい岩でも砕ける。
「チッ!
だったらコイツでどうだァア!!」
叫びながらビルの壁を殴りつける
ゴバァッと突き出してくる鉄骨。
え?ちょっと訳が分からないんですが……。
何で殴っただけで鉄骨?
どんな風にベクトル操作したらそうなるの???
ていうか何本出てくるんですかねぇ?
そんなことしたらビル倒れちゃうんじゃ……。
―――あ、そうですか。ビル丸ごと瓦礫に変えますか。
マジか!!?
「イクぜぇええええ!!!」
「う、うぉおおおお!!?」
は、速い!?
鉄骨も瓦礫もスゲェ速度で飛んでくるんですけど!?
街中でやっていいレベルの攻撃じゃねぇだろ!!?
くっそ!
鉄骨を
そんでもって避ける!
避けた先の残りの瓦礫はぶっ壊す!!
「ハッハァ!顔色が変わったな!!
自分から瓦礫に突っ込んで行くのはドンな気分だ?」
「―――自分から?」
「そぉさ。さっきのは重力や空気抵抗なんかを操作して、地球の自転に干渉されないようにしてやった。
結果はご覧の通り。時速1670㎞を超える砲弾に早変わりだ。」
「時速1670㎞!?音速を超えてるじゃねーか!!?」
「ヨクできましたってかァ。
超重量、超音速の砲弾の雨だ。
何とかできるモンならヤって見せやがれ!!」
再び襲い掛かる瓦礫の山。
が、実は対処できなくはない。
何故なら聖人同士の戦闘では、音速での近接戦とか割とあったりするから。
けどまさか街中でやる羽目になるとは思わなかった。
飛んでくる(いや、止まったのか?)瓦礫に対し、走り、跳び、殴る。
ただし、超音速で。
それだけで辺りはゴーストタウンに早変わりだ。
避けた鉄骨や瓦礫がビルや道路を薙ぎ払い、俺の通った場所もアスファルトが捲り上がったり砕けたりしている。
あーあ、折角さっきは全部被害なしにしたのに。
こうなるのは分かり切っていた。
まあアッチが始めたんだ。
俺がやっても構わないだろう。
街の様子から視線を
瓦礫の山の上に立つ俺を苦々しい表情で睨みつけていた。
「チッ、バケモンかよテメェ……。」
あ、それも割とよく言われるw
長くなりそうなので一回きります。
後、物理とか知りません。