ジョジョの奇妙な冒険 第 部 〜受け継がれる魂〜 LASTOFUS編 作:冴え渡る
車で進んでいく途中、前方に人影が見えた。
「おい……!人がいるぞ!」
「何をするつもりだ、無視しろ!」
「子供もいるぞ!」
「こっちもだ!」
「ジョエルさん!町までだ……乗せてってあげよう」
「駄目だ!もしあいつらが病気だったらどうする!」
「……でも乗れるよ」
『おい!助けてくれ!』
「トミー、走るんだ!」
『止まってぇ!』
ジョエルに言われるままトミーは車の速度を上げてその場を離れる。
「お前は知らないんだ……助けは来るさ」
「乗せられたのに……」
暫くすると前方からかなり危ない走り方をする救急車が向かってくる。
ウーウーウー、プルルルルルル!
救急車はそのまま抱こうしながら通り過ぎていった。
きっと中に病気の奴が居るか、運転手が病気にかかったのだろう。
その向こうは大渋滞で見渡す限り車ばかりだった。
「あぁ……最悪だ、みんな同じ事を考えてやがる!」
「あぁ」
「少し待ってからーーーー」
『おいなんだお前!行けよ!』
『いやぁー!』
『アァァ!アァァァァァッガ!』
『ウォォォォォ!』
一つ前の車に乗っている男に突然走ってきた男が襲い掛かっていた。
「やばいぜ!あいつら人を襲ってやがる!助けねぇと!」
「だめだ!おいトミー!トミー!」
「は、え。あ、あぁクソッ!」
車の向きを変え、元来た方向に戻る。
『ドゴン!』
その最中に襲い掛かってた男とは別の男が車の窓にぶつかり、窓には血がベットリと付いていた。
「何なんだあれは!」
「トミー曲がれ!曲がるんだ!」
「あぁ!」
曲がり角を曲がり進もうとすると、巨大なトラックが横転していて進む事ができなかった。
「くそっ!どけよ!」
「トミー早く行くんだ!」
「ここは抜けられない!」
「ならバックしろ!」
「兄貴も見ただろ!後ろには奴らがいるんだぞ⁉︎」
よく見ると端の方に車が抜けられそうな隙間がある。
「トミーさん!そこの隙間なら行けるぜ!」
「!本当だ……トミー!」
「分かった!」
隙間を抜けて進もうとすると、サラが叫んだ!
「危ない!」
見ると車がこちらに向かって走ってきている。
「サラッ!」
とっさの事で、ジョセフはサラを抱きしめて守る事しかできなかった。
『ウガァッ!』『アアアオ!』『ウガァグゥ!』
どれくらい経ったのだろう。
目を覚まして気づくと辺りはかなり騒がしく、目の前の車の中では病気であるのだろう男が他の人間を襲っていた。
ふと横を見るとサラがジョエルさんを起こしていた。
「ぐっ……!大丈夫か……サラ!」
「ジョセフ!パパが!」
「……!ジョエルさん!起きてください!」
「……はっ!サラ、ジョセフ……隠れろ!」
「俺も手伝います!」
ジョエル達は窓を蹴破ろうとする。
だがなかなか破れない。何度かタイミングを合わせて蹴った後、ようやく蹴破る事ができた。が
「ジョエルさん!危ない!」
車を出たばかりのジョエルさんに男が襲い掛かる。
「ぐっ、うぉぉぉぉ!」
「こいつなんて力だ……!ビクともしねぇ!」
全力でジョエルさんから男を引き剥がそうとするが人間とはいえ思えないぐらい力が強く、180cmあるジョセフでもなかなか離せない。
「うぉぉぉぉお!」
ゴンッ!と鈍い音がした。
見ると後ろから男をトミーさんがレンガで殴ったようだ。
先ほどの音はその音だったのだろう。
「ここだよサラ!さぁ、手を出して!」
「まずいぜ!ジョエルさん!奴らが来る!」
「あっ、……脚が、痛い……」
「怪我したのか!」
「サラ、歩けるかい?」
「うん……でも走るのは無理そう……」
「ジョエルさん!俺が抱き抱えてく!ジョエルさん達は奴らを近づかせないようにしてくれ!」
「分かった!お前の銃を借りるぞ!」
「尻ポケットに入れてあります!」
「これか?なんだこりゃ……お前……DEなんて物騒なものを……!」
「兄貴のですよ!さあ、早く!」
「トミー!俺の銃は持ってるよな⁉︎行くぞ!」
「ああ!逃げないとヤバイ……!」
辺りは混乱の渦だった。
周りの人間は奴らに襲われているか、それともジョセフ達と同じで逃げ惑っているかのどちらかで、みんな必死な表情だった。
ジョセフはサラを助ける為に必死で抱きしめて全力で奴らから逃げた。
隣を走っていた人間は捕まって噛み付かれていた。
前の人間は転んで脚を掴まれていた。
後ろからは悲鳴と叫び声が鳴り響いていた。
ジョセフは無駄な事を考えるのをやめサラを助ける事だけを第一にし、全力で一瞬も休まずに走り続けた。
ジョエルやトミーが銃で奴らを足止めしてくれるが、それでも奴らは減らない。
きっと奴らに噛まれた人間も病気にかかってしまうのだろう。
前方にあるガソリンスタンドが爆発した。
「人が……燃えてる……」
「サラ!見るな!大丈夫だ!俺たちが必ず安全な所までお前を連れてく!」
「兄貴!ジョセフ!こっちだ!」
警察署を目指して走っていたが、近づくといきなり爆発して奴らがそこから出てきた!
「ヤバイ!こっちだ!路地裏を通ろう!」
すぐ近くの路地裏を通り、奴らから逃げ続ける。
「走れ!」
「サラを頼む!ジョセフ!」
「急ぐぜ!」
速度を上げて路地裏を駆け抜ける。
がその途中で屍体だと思っていた人間が途端に襲い掛かってくる。
「ウガァァァァァア!」
「くっ!」
「ジョセフ!」
「ぬおおおおおおお!」
なんとかサラには触れさせないが、男はどんどん首元に噛みつこうとしてくる。
「クソッ!」
ダァンッ!
トミーが銃で男を撃ってくれたおかげでなんとか事なきを得る。
「助かったぜ!トミーさん!」
「いいから走れ!」
少し走ると横から金網を破り奴らがこちらに来ようとしている。
「止まるな!」
「早く行け!」
「チッ……クソがぁ!」
なんとか近くのドアに入り奴らから逃げおおせるが、トミーとジョエルが抑えてる扉は今にも破られそうだった。
「ジョエルさん!ここは先に行ってくれ!」
「何を言ってるんだ⁉︎お前が行くんだ!」
「俺には”こいつ”がある!このままじゃ奴らが入ってくる!」
そう言うとジョセフは自分の腰に装備してある『黒い鞘の日本刀』を握りしめる。
「でもジョセフ!兄貴も俺も銃を持ってる!」
「トミーさんの銃はもう弾がないはずだ!」
「……!本当だ……数えていたのか!」
「銃は無限に使えるわけじゃない!トミーさん!その銃の弾は俺が予備を持ってきている!一緒に扉の向こうの奴らを!」
「……わかった!」
「おい!正気かトミー⁉︎」
「兄貴がサラを連れてくんだ!俺たちが食い止める!」
「嫌だよ!トミーおじさんもジョセフも一緒に行こうよ!」
「サラ!後で向かう!先に行って待っててくれ!さぁ!ジョエルさん、早く!」
「……後で迎えに来るからな!」
「えぇ⁉︎やだよ!一緒に行こうよ
⁉︎ジョセフ!離してパパッ!パパァ!」
暴れるサラを抱き抱え、ジョエルは走って部屋を出ていった。
「……で?弾はあるのか?」
「6発分……」
「それだけあれば十分だ。……かっこつけやがって!」
扉は二人で抑えているが、今にも破られそうなぐらい音を出して軋んでいる。
「こごで死ぬわけにはいかない!兄貴達も安全じゃないんだ!」
「もちろん!見せてやるよ!俺の剣を!」
ジョセフは10歳を迎えてから、兄から剣道を習っていた。
兄の職場が軍という事もあってか、兄の体は科学者とは思えないぐらいには鍛えられており、剣道の腕もかなりのものだった。
ジョセフの刀は従来の刀とは違い、その特徴は異様なまでの頑丈さだった。
日本刀の切れ味は世界に誇れるが、その刀身は脆く、すぐに刃こぼれしたり折れたりしてしまう。
この刀は切れ味と共に刀身自体もかなり硬い。なんでも日本自衛隊と米軍が協力して編んだ作り方じゃないとできないんだとか。
元がただの日本刀とは思えないぐらいの業物だった。
本来は重大な軍事違反なのだが、ジョセフは兄からこの刀の精製方法を教わっており、材料と設備さえあればいくらでも作れるのだった。
その上ジョセフの太刀筋は剣道のものとは違う。
喉や頭背骨などの硬い部分を容易くきる事ができるいわゆる『殺し』の剣だった。
何が言いたいかというとだ。
ジョセフはチート並に強いのだ。
設定は気にしないで。こんな刀ある訳ないから。