遊戯王 ARC-Vs 儀式次元追加版   作:崖っぷち

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そのままはダメかと。週間連載化


幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ

「それじゃあ、行くわよ」

 

デュエルディスクを構え、デュエルリングの上に立つ。

 

「はい」

 

お互いに用意はできた。後は、開始の合図を待つだけだ。

 

「柚子ーー、準備できたぞ!」

 

スピーカーから、塾長の声が聞こえる。そして、次の瞬間にフィールドが姿を変える。何もなかった空間には、自然が溢れだした。鬱蒼とした森が広がり、私の後ろには巨大な中華様式な城が現れた。

 

 

 

《アクションフィールドセット、『密林と城下』》

 

 

舞台は整った、シェレンは先程覚えたセリフを頭に思い浮かべる。そして、覚悟をきめた。

 

『 戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが』

『モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る』

『見よ、これぞデュエルの最強進化形、アクショォォーーン』

 

 

『『デュエル』』

 

 

シェレンvs柚子

LP4000/LP4000

 

火花はきって落とされた。

 

シェレンは、開始と同時に走り出す。まずは地形を把握するために、そしてアクションカードを手に入れるために。先行は彼女からだ。

 

「先行よ、私は手札から『呉国の騎馬兵』を特殊召喚。さらに、呉国の従者を通常召喚。」

 

呉国の騎馬兵

 

レベル5

 

このカードは自分フィールド上にモンスターカードが一枚も存在しないときに、手札からリリースなしで特殊召喚できる。このカードは相手フィールド上にモンスターカードが一枚も存在しない場合、攻撃できない。

AT2200/DF1600

 

強靭な身体を持った馬に跨がる兵士が出現した。そして、シェレンはその兵士の後ろの席に跨がる。二人もの人間を背負いながらも、馬のスピードは変わることなくフィールド内を勇壮と走った。

 

「これよ、私は、こんなデュエルがしたかったのよっ!カードを一枚伏せて、ターンエンド……のついでにカードを拾うわ」

 

木に引っかかったカードをすかさず拾う。彼女自身は体を動かすことも大好きだ。なので、フィールドを走るというデュエルスタイルはシェレンにとても合っていたのかもしれない。

 

柚子もまた、負けていられないと自分の足で走り出した。

 

「次は私よ、ドロー。私は、手札から『幻奏の音姫カノン』を召喚!」

 

青い髪を持つ、音符の精霊は軽やかに彼女のフィールドに出現した。

 

「さらに、幻奏の音姫カノンの効果発動。一ターンに一度、このモンスターの表示形式を変更できる」

 

精霊はその身を護るように、守りを固めらる。

 

「私は、手札のカードを一枚セットしてターンエンド」

 

走りながら、少女もまた地面に落ちたカードを一枚拾った。

 

《何か、狙いがありそうね》

 

シェレンは、柚子のモンスターカードを見てそう思った。しかし、そのために攻撃を躊躇することは有り得ない。

 

「柚子、私は逃げないわよ。ドロー、私は手札より『呉国の遠弓兵』を攻撃表示」

 

呉国の遠弓兵

 

レベル4

 

この効果は自分フィールド上に『呉』となのつくモンスターが存在する場合に発動できる。このカードの攻撃力を半分にして、相手に直接攻撃できる。このカードは一ターンに一度、自分フィールド上のモンスター一体を手札に戻してもう一度攻撃できる。

AT1800/DF1000

 

騎馬兵の後続に続く形で、弓兵もまた馬に乗りながらシェレン達を追いかける。

 

「モンスターが三体も」

「さあ、覚悟しなさい。私は、呉国の騎馬兵で幻奏の音姫カノンを攻撃」

 

鋭い槍を持ち、馬を操りながらシェレンのモンスターの攻撃がせまる。この攻撃が通れば形成は、一気に傾く。

 

 

 

しかし……通ればだが。

 

「私は、手札からアクションマジック。『同化』を発動」

 

同化

 

フィールド上のモンスター一体を選択する。選択されたモンスター一体の守備力は400ポイントアップする。選択されたモンスターは、一ターンに一度戦闘では破壊されない。

 

柚子が発動したカードの効果で、モンスターは一時的に木と同色に変化した。

 

「あらら、これじゃ破壊するのはムリね」

 

辺りを見境いなく攻撃を繰り返した騎馬兵の槍がほんの少し、カノンにヒットした。しかし、その程度ではモンスターは倒れない。寧ろ、手痛い反撃を食らった。

 

シェレン

LP3800

 

「なら、覚悟しなさい。 アクションマジック発動『強化』!私は呉国の遠弓兵でダイレクトアタック」

 

強化

 

フィールド上のモンスター一体を選択して、発動できる。選択したモンスターの攻撃力を500ポイントアップ。

 

弓をキリリとしならせ、矢の一撃が柚子に直撃する。

 

「アクションカードは……きゃああァァ」

 

カードを使った直撃のためか、彼女はそれをモロにくらう。

 

柚子

LP2850

 

「まだまた、私はフィールド上の呉国の騎馬兵を手札に戻すわ。これで、もう一回攻撃しなさい」

 

瞬間、モンスターの消えたシェレンは宙に投げ出されるが背中を丸めて身軽に着地する。

 

「またー!」

 

柚子

LP1700

 

「『もう一回!』……って、言いたいけどムリねん。一ターンに一度だから。これで、ターンエンドよ」

 

今度は弓兵の馬にまたがり、意気揚々と走り去った。

 

「うう、本当にアクションデュエルが初めてなのかしら」

 

ノリノリでデュエルする彼女に、柚子はシェレンのアクションデュエルへの将来性を垣間見た気がした。

 

「でも、私だって優勝塾の生徒一号よ。敗けるわけにはいかないんだから!私のターン、ドロー」

「来なさい。もっと盛り上げるわよ」

 

柚子はシェレンの言葉に、少し前からとある少年に習っている召喚法のことを思い出した。

 

 

《これは、いい機会よね》

 

 

「ええ、やってやるわ。私は手札から『幻奏の音姫ソナタ』を特殊召喚!さらに、フィールド上の私のモンスターをリリースしてアドバンス召喚よ。出でよ『幻奏の音姫 プロディジー・モーツァルト』!」

 

二体の歌姫達の歌声が、独特ハーモニーを生み出した。華やかな風にのり、奏者はフィールドという舞台に舞い降りた。

 

「攻撃力2600!それだけじゃないわね」

「当然よ。私はプロディジー・モーツァルトの効果発動。手札から、『幻奏の歌姫ソプラノ』を特殊召喚!」

 

盲目の歌姫が、フィールドにまた一人舞い降りる。

 

「バトルよ!プロディジー・モーツァルトで呉国の遠弓兵を攻撃」

「やっば」

 

モンスターは主を庇うように、慌てて馬の上から突き飛ばす。音の精霊の指揮者から、放たれた粒子がシェレンのモンスターを破壊した。

 

シェレン

LP3200

 

「さらに、私はソプラノで呉国の従者を攻撃!」

「えっ、攻撃力はこっちが上よ?」

 

すると、柚子は背中に隠していたカードを取り出す。

 

「ふふーん、これは何かしら」

「アクションカード!?しまった。」

「アクションカード発動。『敗兵の剣』!」

 

敗兵の剣

 

自分フィールド上のモンスター一体の攻撃力を500ポイントアップする。

 

ソプラノの歌声が、呉国の従者の意識を甘く包み眠りに落とした。そして、歌姫の一撃でモンスターは破壊された。

 

シェレン

LP2800

 

「私はデッキから、『恋姫-呉王・孫策』を手札に加える」

 

アクションデュエルの実力は、シェレンよりも柚子のほうが一日の長がありそうだ。

 

「ヤバ、何かまだありそうな気がするのよね~」

「ええ、盛り上げるわよ!」 

 

そう言って、柚子は自分のフィールドを見る。

 

《大丈夫よ、私!練習では上手くいってた。今なら、行けそうな気がするもん》

 

「私はフィールド上の 『幻奏の歌姫ソプラノ』と 『幻奏の音姫 プロディジー・モーツァルト』をソプラノの効果で融合召喚!」

「融合召喚!?」

 

先日の記憶が頭のなかでリフレインされる。あの召喚法の恐ろしさは、この身を持って知った。しかし、それでもここで震えて逃げる手はない!

 

『 天使の呟きよ!最良の天才よ!指揮者の導きにより合唱を奏でよ』

 

 

『融合召喚』

 

 

「 今こそ舞台に、勝利のメロディーを! 『幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ』」

 

至高の歌声を持つ精霊が、フィールドに舞い降りる。

 

「やった!初の実践召喚成功よ!」

 

柚子は自身の手で融合召喚を成功させたことに、大喜びだ。 浮かれながらも柚子はふと、木の影にあるカードに気がついた。

 

「さらに、私はアクションマジック『敗者の剣』を発動!」

 

「 これで、攻撃力は1500!私は幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァでダイレクトアタック!」

「キャアァァァッ」

 

シェレン

LP1300

 

「まだよ、私は手札から速攻魔法『ノーアドリブの合唱』を発動!」

 

ノーアドリブの合唱

 

速攻魔法

 

自身フィールド上の『幻奏』と名のつくモンスターカードが一体の時に発動できる。フィールドの『幻奏』と名のつくモンスターカードを一枚を選択し、選択したカードはこのターン一度のバトルフェイズ中に二回攻撃できる。

 

「ブルーム・ディーヴァでダイレクトアタック!!」

「いやいや、流石に通さないわよ」

 

シェレンは慌てて、伏せていたカードを発動する。

 

「私は伏せていた罠カード、呉の増員要請を発動」

 

 

 

「それは、どうかしら」

「え」

「 私も伏せていた罠カード『幻奏のイリュージョン』を発動!このカードの効果であなたのカードの効果は無効よ。」

 

呉の増員要請のカードが、石化するように色を変え砕け散る。

 

「これで、私の攻撃が通る!」

 

シェレンは慌てて、後ろをむいて逃げるが歌姫の音はその走りを上回る速さで彼女に向かう。そして、精霊の息吹が直撃した。

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