「…まあいいですわ、ワタクシのターン、ドゥロー!」
不動の構えをしつつ、ノウンはカードを見る。
「来ました!ワタクシは『インフェルニティ・デーモン』を引いたことにより、このカードをフィールド上に特殊召喚。さらに、その効果でデッキから手札に加え『インフェルニティ・デーモン』を特殊召喚します。さらにさらに、効果で『インフェルニティ・ネクロマンサー』を手札に加えて召喚しますわ。インフェルニティ・ネクロマンサーの効果でこのモンスターは守備表示になります」
あっという間に、ノウンのフィールドはモンスターで一杯になった。
「行きますわよ、フィールド上のレベル4『インフェルニティデーモン』二体に、『チューナーモンスター』のレベル2『インフェルニティリベンジャー』を『チューニング』します」
「チューナーモンスターですって!?まさか、それって!!」
『神秘の森のそのまた奥より、眠れる聖獣は目を覚ました』
『シンクロ召喚』
「出現せよ、私の勇敢なる僕。『神樹の守護獣ー牙王』」
その身体は草木で出来ながらも、その力は森に仇なす敵を払い除ける。力強き咆哮を上げ、モンスターは出現した。
「すごい、これがシンクロ召喚なのね!」
シェレンは、初めて体験した未知の召喚法に感動でうち震えた。レベルの合計での召喚など、前の世界では見たこともないのだ。
「まだまだ行きますわよ。フィールド上のインフェルニティ・ネクロマンサーの効果で、墓地のインフェルニティ・デーモンを復活させますわ。そして、インフェルニティ・デーモンの効果で、デッキからインフェルニティデーモンを手札に加え特殊召喚します。そしてそして、インフェルニティ・デーモンの効果でデッキからインフェルニティ・ネクロマンサーを手札に加えます。そして、インフェルニティガンの効果で墓地に送ります」
「回すわね……」
驚異的な展開力に、シェレンは呆然としている。
「ワタクシはフィールド上のレベル4『インフェルニティ・デーモン』とレベル3『インフェルニティ・ネクロマンサー』を…レベル2『インフェルニティ・ビートル』に『チューニング』します」
『…破壊神より放…れし聖なる槍よ、今こ……そ魔の都を貫きなさいっ』
『シンクロ召喚』
「出でよ、高貴なる僕。『氷結界の龍 トリシューラ』」
氷を纏いし、禁断の龍が主人の手によりフィールドに解き放たれた。
「トリシェーラの効果発動!…あなたのフィールド、手札からカードを一枚ずつゲームから除外しまぁす。ワタクシは……、手札のカードと伏せカードを一枚除外ィ!」
「伏せカードは『呉の警備要請』ね。……発動出来ないわ」
呉の警備要請
カウンター罠
このカードは、相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。このターン、自分フィールド上の『呉』と名のつくモンスターカードは守備力を1500ポイントアップする。
私の手札とフィールドのカードが、一枚ずつ、使えなくなった。
「まだ終わりじゃなくってよ、伏せカード『インフェルニティ・ブレイク』をは……発動し、墓地のインフェルニティデーモンを除外してあなたのフィールド上の伏せカード……を破壊します」
「今度選んだのは、呉の増員要請よ。このカードを発動し、デッキから、呉国の従者を守備表示で特殊召喚するわ」
目まぐるしい展開に必死に食らいつつ、シェレンは冷静に判断を下す。
《てか、長い》
「もう一枚、インフェルニティ・ブレイクを発動します…。このカードの効果で墓地のインフェルニティ・ブレイクを除外して、あなたの伏せカードを破壊しますわ…はあはあ」
「最後の一枚は、『呉の暗躍戦術』よ」
呉の暗躍戦術
カウンター罠
相手フィールド上のモンスターの攻撃宣言時に、発動できる。相手フィールド上の最も守備力の低いモンスター一体を破壊できる。
彼女のカードが、何も出来ぬまま破壊された。
「……フィールド上のインフェルニティガンを墓地に送り、効果発動っ。墓地のインフェルニティ・ネクロマンサーとインフェルニティ・デーモンをふふっかつします!インフェルニティ・デーモンの効果でワタクシはデッキから、インフェルニティブレイクを手札に加えセットしまぁすわ。……それで、インフェルニティ・ネクロマンサーの効果で墓地のインフェルニティ・リベンジャーを復活ぅ…はぁーはぁー…」
「…フィールド上のレベル4『インフェルニティ・デーモン』とぉレベル3『インフェルニティ・ネクロマンサー』をレベル1『インフェルニティ・リベンジャー』に『チューニング』しますわ……」
『死と生ェッ、虚無にて交わりし時、無限の戒めえからっ、邪眼は開かれるゥゥ』
『シンクロ召喚』
「具現せよ、えーと究極の僕。『インフェルニティ・デス・ドラゴン』」
漆黒の身体を持つ無限の竜は、時を越えてフィールドという戦場に降り立つ。
これにより、四体のモンスターがフィールドに出揃った。
「どっどうかしら、…ゲホッ、私のモンスター達によるかっかれーなるシンクロ召喚はッ!…………ゼェーゼェー」
「凄かったけど。………貴女疲れてないかしら?」
目の前で荒々しく息切れをする女性に呆れるような視線を送る。もはや、ライフが0になる前に呼吸困難で倒れそうだ。
“デモデモネクロデモデモチュリベガオウデモデモ……………………ブツブツ”
《何かの呪文かしら》
シェレンは不思議に思ったが、あえて、考えを無視した。なぜだか、その先は知ってはいけない気がしたのだ。
「ふ、ふん問題ないですわ!……わっわゃくしはインフェルニティ・デス・ドラゴンの効果発動し……ますわっ。呉国のじゅっしゃを破壊して、その攻撃力の半分のダメージをあなたに与えますわ……ふぅーふぅー」
「あーはいはい、わかったわよ」
シェレン
LP3250
「呉国の従者の効果でデッキから、 『呉国の追撃兵』を手札に加えるわ」
「そしてェ、バトルですわよ。私はトリシェーラで呉国の兵士をこうげきぃ」
白銀のブレスが、シェレンのモンスターを凍てつかせ破壊する。モンスターは死に気づかぬままに砕け散った。
「牙王でダイレクトアタックゥ」
「いたぁーーい!」
シェレン
LP150
神秘の獅子が放つ、牙による一撃がシェレンを襲った。さすがに、これ以上の攻撃は致命傷になりかねない。
「そして、ワタクシはインフェルニティ・デーモンでダイレクトアタックッ!倒れなさい!!」
しかし、無情にも虚無の魔道を操る悪魔の術者は迫り来る。ノウンは自身の勝利を核心した。
「でも、通さないけどねん」
「馬鹿なっっ!」
ノウンは、完全に相手の動きを封じるために戦術により、場をからにしたのだ。もはや、他の手段が入る余地などない。
「あなたの場にはもうカードはないのよ!?」
「カードなら拾ったわ」
私はそう言ってカードを見せる。この時のために、温存したカードを。
「アクションマジック『目眩ましの影』発動!」
目眩ましの影
このターン、相手フィールド上のモンスター一体は守備表示になる。
魔道士の攻撃を透かし、シェレンは悠々とフィールドに立っていた。
シェレン
LP150
「はあーーーっ!?あり得ない!なら、なんで、あなたはさっきそのカードを発動しなかったのよ!!」
「ちょーーーと、手札が事故っちゃてて。墓地のカードを増やす必要があったのよ」
「くっ、ワタクシは利用されたということですわね。いいですわ、ターンエンドですぅっ」
ふて腐れたように、ノウンが石の丘の上であぐらをかいて座った。その姿にもはや、優雅さは感じられない。
《彼女、最初に自分で言ったこと覚えてるのかしら》
シェレンはその子供じみた姿にますます頭が痛くなった。これでは、彼女が嫌いな『レイハ』そのものではないか。もうやだ。
混沌と化していくデュエルの様相の行方は、お互いのカードのみが知っていた。
GO再開までの時間が有りすぎて、ストック増えたわ